日誌・栽培記録
堆肥の製造記録の無料テンプレート(Excel・PDF)|温度・切り返しの記録と記入例つき
更新日 2026年9月26日|登録不要・無料
自分で堆肥をつくるときの、堆積中の温度・切り返し・水分・においを記録する製造記録のテンプレートです。原材料と入手先、できた堆肥の腐熟の判定と使った圃場、畜産農家向けの家畜排せつ物の年間記録のシートも付けました。有機JASで自家製堆肥の根拠を残したいときにも使えます。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。
この製造記録でわかること
堆肥は、微生物が有機物を分解するときの熱(発酵熱)で温度が上がり、切り返しで空気を入れると再び温度が上がる、ということを繰り返して熟していきます。温度と切り返しを記録しておくと、発酵がうまく進んでいるか、いつ完成と見てよいかを判断しやすくなります。
- 発酵の温度が十分に上がったかを確かめたいとき
- 切り返しのタイミングと回数を、次の仕込みの参考にしたいとき
- 有機JASの圃場で使う自家製堆肥の、原材料と製造の記録を残したいとき
- 畜産農家として、家畜排せつ物の年間の発生量と処理方法を記録したいとき
シートの構成
| シート | 使う場面 |
|---|---|
| 記入用(温度・切り返し) | 堆積中の温度、切り返し、水分、においを日ごとに記録 |
| 原材料の記録 | 仕込みごとの原材料・入手先・量・添加物の有無と、確認した書類 |
| できた堆肥と使った先 | 腐熟の判定(形・におい・最高温度・切り返し回数)と、使った日・圃場・量 |
| 家畜排せつ物の年間記録 | 畜種ごとの年間の発生量、処理の方法、処理の方法別の数量(畜産農家向け) |
各欄の書き方(温度・切り返し)
| 欄 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 日付・仕込み後の日数 | 測った日と、仕込みから何日目か | 2026/3/6・4日 |
| 堆肥の温度(℃) | 温度計を差し込んで測った温度 | 68 |
| 測った場所・深さ | 毎回同じ場所・深さで | 中心・深さ50cm |
| 外気温(℃) | その日の気温 | 12 |
| 切り返し(回数) | 切り返した日に、何回目か | 1回目 |
| 水分(握った感じ) | 強く握ったときの手ざわり | 手のひらにかなりつく |
| 加水・通気 | 水を足した、通気したなど | 少し加水 |
| におい・見た目 | ふん尿臭、湯気、色など | においが弱くなってきた |
温度と切り返しの目安
愛媛県の土づくりの資料(家畜ふん堆肥)では、次のように説明されています。
- 適切な前処理(水分の調整)をすると、仕込み後数日で温度が急に上がり、60〜70℃以上の高温が続きます
- 温度が下がってきても、分解できる有機物が残っていれば、切り返しや水分の調整で再び高温になります
- 病原菌や寄生虫、雑草の種子は、60℃以上の高温が数日続くと死滅するため、60℃以上を数日間保つことが望ましいとされています
- 切り返しても温度が上がらなくなったら、分解しやすい有機物が分解しつくされ、完熟に近づいたサインです
- 水分は、多すぎると空気が通らず、40%以下になると微生物の働きが落ちます
同じ資料には、形・におい・水分・堆積中の最高温度・切り返しの回数・強制通気の有無を点数にして、未熟・中熟・完熟を判定する例も載っています。別シート「できた堆肥と使った先」は、この考え方を参考に、判定に使う項目を記録できるようにしています。
法令・制度上の位置づけ
- 家畜排せつ物法(畜産農家): 牛・馬10頭以上、豚100頭以上、鶏2,000羽以上を飼う畜産業者は、管理基準により、家畜排せつ物の年間の発生量、処理の方法、処理の方法別の数量を記録することが義務になっています(管理施設の構造や野積みの禁止なども定められています)。県によっては記録の様式例を公開しています。
- 有機JAS(有機農産物): 有機JASの圃場で使う肥料・土壌改良資材は、規格に適合している必要があります。農林水産省の「有機農産物のJAS 資材評価手順書」では、自家製堆肥を使う場合も、資材の適合性を登録認証機関に示せるよう、原材料・製造工程がわかる根拠書類が必要とされています。家畜排せつ物由来の堆肥では、敷料の由来や、化学的に合成された物質の添加がないかの確認が求められます。
- 堆肥を他の人に渡す場合: 肥料の品質の確保等に関する法律では、堆肥は「特殊肥料」にあたります。自分でつくった堆肥を他の人に渡す場合は、有償・無償を問わず、事業を始める1週間前までに生産業者としての都道府県知事への届出が必要で、有償で渡す場合は販売業者としての届出も必要です(第22条・第23条)。手続きは都道府県の肥料担当の窓口に確認してください。
- 自分の圃場だけで使う場合: 自家用の堆肥の製造記録を法律で義務づける規定は、確認できた範囲ではありません。品質を安定させ、使った先をたどれるようにするための任意の記録です。
出典:
- 農林水産省「家畜排せつ物法管理基準と施行状況」
- 埼玉県「家畜排せつ物の記録について」(畜種別の記録様式例)
- 農林水産省「有機農産物のJAS 資材評価手順書」
- 農林水産省「堆肥を他者に渡す場合は、有償・無償を問わず、届出が必要です!」
- 愛媛県「土づくり関係 家畜ふん堆肥」
このテンプレートは、これらの資料を参考にミノリスが作った独自の様式です。国・県の公式様式ではありません。
つくった堆肥を、どの作付けに入れたか残す
ミノリス日誌なら、自家製の堆肥を「自作肥料」として資材の台帳に登録でき、作付けごとに投入量と施用方法(元肥など)を記録できます。記録は栽培履歴の「元肥(土づくり)」に集計され、CSV で取り出せます。無料で使えます。
よくある間違い
- 表面の温度を測る: 表面は外気で冷えるため、発酵の様子がわかりません。中心部など、決めた深さで測ります。
- 温度が下がったのを完成と思い込む: 空気や水分が足りなくて温度が下がっていることもあります。切り返しても温度が上がらないことを確かめます。
- 原材料の記録を残さない: 有機JASの確認や、においなどのトラブルのときに、何を入れたかがわからなくなります。仕込みごとに原材料と入手先を書いておきます。
よくある質問
温度計は何を使えばよいですか?
堆肥の中心部まで届く、長い棒状の温度計が使いやすいです。測る深さを決めて、毎回同じ場所で測ります。
有機JASの認証を受けています。この記録だけで足りますか?
必要な記録や書類は、登録認証機関の求めによって違います。自家製堆肥の原材料や製造工程について、どの書類が必要かを認証機関に確認してください。
家畜排せつ物の発生量はどう計算しますか?
埼玉県の記録の案内では、1頭(羽)あたりの標準的な年間の発生量に飼養頭羽数をかけて出す方法が示されています。計算に使う値や記録の様式は、都道府県の畜産担当の窓口に確認してください。
あわせて使うテンプレート
このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。