経営・会計

家事消費(自家消費)の計算表の無料テンプレート(Excel・PDF)|農産物の評価方法と記入例つき

更新日 2026年9月27日|登録不要・無料

農家が自家用に食べたり親せきに贈ったりした農産物(家事消費)と、まかない・翌年の種もみなどに使った農産物(事業消費)を、確定申告の収入金額に入れるための計算表です。国税庁の手引きにそった単価の決め方(出荷した場合の手取り単価・市場の平均単価)の計算シートと、用途ごとの扱いの早見表を付けました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

家事消費・事業消費の計算表の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この計算表でわかること

自分で作った米や野菜を家で食べたり、親せきに贈ったり、手伝いの人のまかないや翌年の種もみに使ったりした分も、農業の収入金額になります。確定申告では、収支内訳書・青色申告決算書の「家事消費・事業消費」の欄に書きます。

  • 「記入用」シート: 農産物ごとの用途・数量・単価と金額(数量×単価の計算式入り)。合計が申告書の「家事消費・事業消費」の金額
  • 「単価の計算」シート: 出荷した農産物の手取り単価(計算式入り)と、出荷していない農産物の単価
  • 「用途ごとの扱い」シート: 家事消費・贈答・まかない・種もみ・餌で、収入・経費・消費税の扱いがどう違うか

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
月日 消費した日。年末にまとめて見積もる場合は「一括」 一括
農産物 品目・品種・荷姿 米(コシヒカリ玄米)
用途 家事消費/贈答/事業消費(まかない・種もみ・餌など) 家事消費(家族の食用)
数量・単位 消費した量。年末一括なら1年分の見積もり 240 kg
単価 「単価の計算」シートで決めた単価 280
金額 数量×単価(Excel は自動計算) 67,200
単価の決め方・同時に書く経費 どの計算で単価を出したか。事業消費なら同額を入れる経費の科目 単価の計算シートの①

記入例の合計は 143,600円 です(数量・単価は架空)。

単価の決め方

家事消費などの金額は、原則として消費した時の価額です。ただし、その年の収穫時の価額の平均や、販売価額(市場などへの出荷価額)の平均で計算しても差し支えありません。国税庁の資料では、次の2つの計算例が示されています。

場合 計算のしかた このテンプレートの例
①出荷している (販売金額−出荷経費)÷出荷数量×家事消費の数量 (1,800,000−120,000)÷6,000kg=280円/kg
②出荷していない 市場の平均価額などを参考にした単価×家事消費の数量 350円/kg×40kg=14,000円

出荷経費は、出荷のための包装費・運賃・市場やJAの手数料などです。①の単価は、収穫した時の生産者販売価額(庭先の手取りの価格)にあたります。

書き方のルール

  • その都度書くか、年末に一括か: 消費するたびに帳簿の収入欄に書くのが原則ですが、年末に種類ごとの合計数量・合計金額を見積もって一括で書くこともできます
  • 生鮮な農産物は合計金額だけでよい: 野菜類・ぶどう・桃・梨などは、数量を書かず合計金額だけでも差し支えありません
  • 事業消費は経費にも入れる: 収穫した農産物を翌年の種もみや家畜の餌にした場合、種苗費・飼料費の自給分として収穫時の価額で経費にも入れます。まかないや現物で渡した分は、雇人費の現物の欄に入ります
  • 売らずに持っている分は棚卸し: 年末に倉庫に残っている米などは家事消費ではなく、棚卸表の農産物に書きます

法令・制度上の位置づけ

所得税法では、棚卸資産を家事のために消費した場合はその時の価額を(39条)、贈与した場合はその時の価額を(40条)、事業所得の総収入金額に入れると定めています。米・麦などの農産物は収穫した時に収穫価額で取得したものとみなされます(41条)。

消費税の課税事業者の場合、個人事業者が棚卸資産を家事のために消費したときは、事業として対価を得て譲渡したものとみなされ(消費税法4条5項)、課税売上げになります。一方、収穫した農産物を種苗用や家畜の餌として事業消費した場合は、課税売上げにも課税仕入れにもなりません。免税事業者は消費税を気にしなくて構いません。

出典: 国税庁「令和7年分 白色申告者の決算の手引き(農業所得用)」(PDF) / 国税庁「決算のしかた(農業所得編)」(PDF) / 国税庁「帳簿の記帳のしかた(農業所得者用)」(PDF) / 所得税法(e-Gov法令検索) / 消費税法(e-Gov法令検索)

贈答やまかないの消費税の扱い、単価の決め方で迷うときは、税務署や税理士に確かめてください。

1年分の収穫量を作付けごとに確かめる

ミノリス日誌なら、収穫した数量を単位(kg・箱・袋など)つきで記録し、作付けごとに単位別の合計を確認できます。家事消費を計算する機能はありませんが、年末に収穫量と出荷量を見比べて、家で使った量を見積もるときの手がかりになります。無料で使えます。

よくある間違い

  • 家事消費を0円にする: 家で食べた米・野菜や、親せきに送った分も収入金額です。少しずつでも1年分だと金額になります。
  • 小売価格(直売所の値段)で計算する: 原則は収穫した時の生産者販売価額です。出荷している作物は、出荷経費を引いた手取りの単価が目安になります。
  • 種もみ用に残した米を収入にだけ入れる: 事業消費は種苗費にも同じ額を入れます。片方だけだと所得が増えすぎます。
  • 年末の在庫を家事消費にする: 年末に残っている米は棚卸しの対象で、翌年に食べた分がその年の家事消費になります。

よくある質問

数量はどうやって見積もればよいですか?

家族の人数と1年の食べる量、贈った先と量などから見積もります。収穫量・出荷量・年末の在庫の記録があれば、「収穫量−出荷量−在庫」で家で使った量の目安が出ます。

収支内訳書のどこに書きますか?

合計額を、収支内訳書(青色申告決算書)の「家事消費・事業消費」の欄に書きます。2ページ目の収入金額の明細(内訳)では、作物ごとに書きます。記入例なら 143,600円 を収支内訳書の下書きや青色申告決算書の下書きの欄2に写します。

家族経営で、家族が食べる分も記録が必要ですか?

必要です。記帳の簡易な方法として、年末に種類ごとの合計を見積もって一括で書くことが認められているので、毎日記録しなくても構いません。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。