労務

出来高賃金の計算表テンプレート(農業)無料|最低賃金チェックつき Excel・PDF

更新日 2026年9月26日|登録不要・無料

収穫量などの出来高に単価をかけて賃金を計算する、農業向けの出来高賃金の計算表です。厚生労働省が示す方法で、賃金計算期間ごとに最低賃金を下回っていないか、保障給に足りているかを確かめるシートを付けました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

出来高賃金の計算表(農業)の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この計算表でわかること

収穫したコンテナ数や重さなどの「出来高」に単価をかけて賃金を決めている場合に、1日ごとの出来高賃金を記録し、賃金計算期間(締切期間)ごとに次の2つを確かめる表です。

  • 出来高賃金が、地域別最低賃金を下回っていないか
  • 雇用契約などで決めた保障給(労働時間に応じて保障する額)に足りているか

果樹や野菜の収穫で、とった量に応じて賃金を払っている農家・農業法人で使えます。記入用シートに加えて、1人ずつ判定する「最低賃金・保障給のチェック」シートが付いています。

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
賃金計算期間(表の上) 賃金の締切期間 11/1〜11/15
地域別最低賃金(表の上) 働く場所の都道府県の最低賃金(時間額) 1,050円(仮の額)
保障給(表の上) 契約で決めた、1時間あたりの保障額 1,050円
作業・品目 出来高で払う作業 みかん収穫
出来高(数量)・単位 とった量と数え方 42・コンテナ
単価 1単位あたりの賃金 200円
出来高賃金 数量 × 単価 8,400円
出来高で働いた時間 その作業に実際に従事した時間 7:30
1時間あたり(参考) 出来高賃金 ÷ 時間 1,120円
深夜の時間 22時〜5時に働いた時間(深夜割増の計算用) −

時間給で払う作業(選果など)をした日は、出来高の欄に混ぜずに備考に書くか、別に記録してください。最低賃金との比べ方が違うためです。

「1時間あたり(参考)」が最低賃金を下回る日があっても、それだけで違反になるわけではありません。判定は賃金計算期間の合計で行います(次の節)。ただし、天候などで出来高が極端に少ない日が続くと、期間の合計でも下回ることがあります。

法令・制度上の位置づけ

出来高払の最低賃金は「総額 ÷ 総労働時間」で確かめる

出来高払制でも最低賃金法は適用されます。出来高払制その他の請負制で決めた賃金は、賃金算定期間(締切期間)に出来高払で計算した賃金の総額を、その期間に出来高払で働いた総労働時間数で割って時間額に直し、地域別最低賃金(時間額)と比べます(最低賃金法施行規則2条1項5号)。

固定給(日給・月給など)と出来高給を併せて払う場合は、固定給は所定労働時間で、出来高給は総労働時間数で、それぞれ時間額に直して合計し、最低賃金と比べます。

比べるときは、臨時に支払われる賃金、賞与など1か月を超える期間ごとの賃金、時間外・休日の割増賃金、深夜割増のうち割増分、精皆勤手当・通勤手当・家族手当を除きます。

出典: e-Gov法令検索「最低賃金法」第4条 / e-Gov法令検索「最低賃金法施行規則」第1条・第2条 / 厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」 / 厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」

最低賃金額は毎年改定されます。働く場所の都道府県の額を、厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」で確かめてください。

出来高払制の保障給(労働基準法27条)

出来高払制その他の請負制で使用する労働者について、使用者は、労働時間に応じた一定額の賃金を保障しなければなりません(労働基準法27条)。出来高が少なかった日にも、働いた時間に応じて一定の収入が得られるようにするためのものです。

保障給の額は法令に決まりがありません。通達では「通常の実収賃金とあまりへだたらない程度の収入が保障されるように」定めること、少なくとも平均賃金の6割程度を保障するのが妥当とされています(昭22.9.13基発17号、昭63.3.14基発150号)。また、賃金総額のうち固定給がおおむね6割程度以上を占める場合は、この規定の対象外とされています。

保障給は、最低賃金とは別の決まりです。保障給の額を決めても、期間の合計で最低賃金を下回ってはいけません。記入例では、わかりやすさのため保障給を最低賃金と同じ額にしています。

出典: e-Gov法令検索「労働基準法」第27条 / 厚生労働省「スタートアップ労働条件」歩合給制とはどのような制度ですか?

農業でも必要なこと

農業に従事する人は、労働基準法41条により労働時間・休憩・休日の規定が適用されませんが、最低賃金と深夜(22時〜5時)の割増賃金は適用されます。出来高払の賃金の計算方法と保障給は、雇用契約書(労働条件通知書)の「賃金」の欄に書いておきます。

このテンプレートは一般的な計算の例です。自分の賃金制度に当てはめるときは、社会保険労務士や労働基準監督署に確かめてください。

出来高で働いた時間を人ごとに集計する

ミノリスタイマーなら、作業の開始・終了をスマホや共用タブレットで打刻でき、作業時間を人ごと・作業の種類ごとに日単位・月単位で集計できます。収穫(出来高)と選果(時間給)のように作業の種類を分けておけば、最低賃金のチェックに使う「出来高で働いた総労働時間」を確かめやすくなります(賃金を計算する機能はありません)。無料で使えます。

よくある間違い

  • 1日ごとに最低賃金と比べて安心・心配する: 出来高払の最低賃金の判定は、賃金計算期間の「総額 ÷ 総労働時間」で行います。逆に、よい日があるから大丈夫と思い込まず、期間の合計で確かめます。
  • 働いた時間を記録していない: 出来高払でも、出来高で働いた時間がわからなければ最低賃金も保障給も確かめられません。出勤簿などで時間を残します。
  • 時間給の作業を出来高の時間に混ぜる: 選果などを時間給で払った時間を出来高の総労働時間に入れると、時間額が低く計算されます。作業ごとに分けて記録します。
  • 保障給を決めていない: 出来高払で人を使うなら、労働時間に応じた保障給を決めておく必要があります。

よくある質問

収穫の単価はどう決めればよいですか?

法令で決まった単価はありません。ふつうに働いた人が、所定の時間で最低賃金を十分に上回る出来高になるように決めておくと、期間の合計で下回るおそれが小さくなります。園地の傾斜や実のなり方で作業のしやすさが違う場合は、記入例のように園地ごとに単価を変える方法もあります。参考として、全国農業会議所の調査(令和6年)では、農業臨時雇の「果樹収穫」の1日あたり支払総額の全国平均は、男性7,925円・女性7,671円でした(農作業料金・農業労賃に関する調査結果(概要))。

出来高払でも賃金台帳は必要ですか?

はい。人を雇えば、出来高払でも賃金台帳に賃金計算の基礎となる事項と賃金の額を記入します。この計算表で出した金額は、賃金台帳に写してください。

最低賃金を下回っていたらどうすればよいですか?

最低賃金額に達しない賃金を定める部分は無効になり、最低賃金と同じ定めをしたものとみなされます(最低賃金法4条2項)。期間の合計で下回っていた場合は、差額を支払う必要があります。単価の見直しも含めて、労働基準監督署や社会保険労務士に相談してください。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。