衛生・安全

衛生管理計画と実施記録の無料テンプレート(Excel・PDF)|漬物・農産加工のHACCP様式と書き方

更新日 2026年9月27日|登録不要・無料

漬物やジャムなどの農産加工品を作る施設で使う、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画と実施記録のテンプレートです。全日本漬物協同組合連合会の小規模事業者向け手引書を参考に、毎日の一般衛生管理の記録、衛生管理計画、加熱殺菌・洗浄殺菌の記録、定期点検の4シートを用意しました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

衛生管理計画と一般衛生管理の実施記録(農産加工)の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

このテンプレートでわかること

漬物・ジャム・干し野菜などを自分の加工場で作り、直売所などで売る農家向けの衛生管理の様式です。食品衛生法では、加工品を作って売る営業者は「衛生管理計画」を作り、その実施状況を記録することになっています。この Excel には4つのシートがあります。

  • 一般衛生管理の実施記録(記入用シート): 毎日の点検。従事者の体調・服装・手洗い、作業場・器具・トイレの清掃、ねずみ・虫、冷蔵庫の温度
  • 衛生管理計画: 作る製品、工程、重要な管理のポイントと基準、外れたときの対応、記録と振り返りを1枚にまとめる
  • 重要な管理の記録: 包装後の加熱殺菌の温度・時間、浅漬けの原料の洗浄・殺菌の濃度・時間など
  • 定期点検: 健康診断・検便、天井・壁・照明、防虫設備、井戸水の水質検査、温度計の確認

収穫した野菜を選別・袋詰めするだけの作業場なら、調製施設(選果場・作業場)の衛生点検表のほうが合っています(次の「法令上の位置づけ」を参照)。

各欄の書き方(実施記録)

欄 書くこと 記入例
日付 作業をした日 4/3
従事者の体調 下痢・発熱・嘔吐などの人がいないか 良
服装・帽子・手指の傷 清潔な作業着・帽子か。手指に傷がある人は手袋をしているか 良
手洗い 作業前・トイレの後に手を洗ったか 良
作業場の整理・清掃 床・作業台・排水口が片付いて汚れていないか 良
器具・機械の洗浄・破損 包丁・まな板・漬け込み容器を洗ったか。刃こぼれや割れがないか 否
トイレの清掃 汚れていないか、清掃したか 良
ねずみ・虫の痕跡 ふん・かじった跡・虫がいないか 否
冷蔵庫の温度 温度計の表示を数字で 5℃
「否」の内容と対応 何があり、何をしたか 原料置き場にねずみのふん。清掃・消毒し、壁のすき間を金網でふさいだ
記録者・確認者 点検した人と、記録を見た責任者 佐藤・山田

問題がなければ「良」、あれば「否」と書き、「否」のときは必ず対応を書きます。点検項目は例です。「衛生管理計画」シートで決めた項目に合わせて入れ替えてください。

衛生管理計画の立て方

全日本漬物協同組合連合会の手引書では、衛生管理計画を「一般衛生管理」と「重要な管理のポイント」の2本立てで作ります。漬物では、包装したあとに加熱殺菌するかどうかで、重要な管理のポイントが変わるとされています。

  • 包装後に加熱殺菌しない漬物(浅漬け・キムチなど): 原料野菜の「洗浄・殺菌」。手引書では、次亜塩素酸ナトリウム溶液 100mg/L で10分、または 200mg/L で5分の浸漬が推奨として紹介されています
  • 包装後に加熱殺菌する漬物(調味漬・たくあん漬など): 「加熱殺菌」。中心温度75℃で1分間の加熱、またはこれと同等以上の方法が例に挙がっています
  • 梅干し・奈良漬など: 塩分や酸、アルコールで食中毒菌が増えにくいため、重要な管理のポイントは設けていない例が示されています

どの製品も、異物(刃こぼれ・ねじ・割れたガラスなど)が入らないよう、作業中に器具を確かめることが求められています。重要な管理のポイントでは「基準」と「外れたときの対応」を先に決め、毎回の結果を「重要な管理の記録」シートに残します。

ジャムや干し野菜など漬物以外の製品は、厚生労働省の「業種別手引書」の一覧から近い業種の手引書を探し、それに沿って計画を立ててください。

法令上の位置づけ

  • 衛生管理計画と記録(義務): 食品衛生法第51条と施行規則第66条の2により、営業者は一般衛生管理とHACCPに沿った衛生管理の基準にしたがって、衛生管理計画を作り、従事者に周知し、実施状況を記録・保存し、効果を振り返って見直すことになっています。小規模な営業者などは、業界団体が作った手引書を参考にした「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」でよいとされています。記録の保存期間は、製品が食べられるまでの期間を踏まえて合理的に決めることとされています
  • 農業での採取は対象外: 厚生労働省は、農業・水産業での食品の採取業はHACCPに沿った衛生管理の制度の対象外としています。野菜を収穫して出荷するだけなら、この計画は必要ありません。加工品を作って売る場合が対象です
  • 営業許可: 食品衛生法施行令では、漬物製造業が都道府県知事の許可が必要な営業に挙がっています。ジャムなどほかの加工品は、製品や容器・保存方法によって許可か届出かが変わります。施設の基準も含めて、始める前に管轄の保健所に相談してください

出典:

原料の栽培記録と気づいたことを残す

ミノリス日誌では、原料にする野菜の農薬・肥料・収穫の記録をスマホで残せます。圃場を選んでメモ単独の記録を付け、写真を最大10枚添えることもできます。記録はカレンダーとタイムラインで日付順に見返せます。衛生管理計画を作ったり、加工場の点検記録を管理したりする機能はありません。無料で使えます。

よくある間違い

  • 計画を作っただけで記録をつけない: 施行規則では、計画の作成に加えて、実施状況の記録と保存、振り返りまでが求められています。問題がなかった日も「良」と残します。
  • 体調の悪い人がそのまま作業する: 下痢・発熱・嘔吐などがある人は、原料や製品に触れる作業から外します。手指に傷がある人は手袋をつけます。
  • 加熱殺菌の温度を「いつもどおり」で済ませる: 重要な管理のポイントは、毎回測って数字で残します。温度計がずれていると意味がないので、ときどき氷水(0℃)や沸騰したお湯(100℃)で確かめます。
  • 浅漬けを常温で置く: 加熱殺菌しない漬物は、洗浄・殺菌と低温での管理が大事だとされています。冷蔵庫の温度を毎日確かめます。

よくある質問

どの手引書を見ればよいですか?

厚生労働省の「食品等事業者団体が作成した業種別手引書」に、漬物のほか、菓子、惣菜、煮豆、こんにゃく、干しいも、味噌、野菜乾燥粉末などの手引書がまとまっています。自分の製品にいちばん近いものを選んでください。見つからない場合は、管轄の保健所に相談してください。

保健所や手引書の様式を使わないといけませんか?

手引書の様式は例として示されているもので、同じ様式にそろえる必要はないとされています。このテンプレートは、手引書の項目を参考にしたミノリス独自の様式です。保健所から指定の様式や指導がある場合は、そちらに従ってください。

直売所に出すときも、この記録は必要ですか?

直売所に加工品を出す場合、作る側(あなた)の施設での衛生管理が必要です。直売所の運営者も独自の衛生管理計画を持ち、出荷者に衛生管理や表示の確認を求めることがあります。加工品のラベルの書き方は加工食品の表示ラベルを見てください。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。