衛生・安全

クレーム対応記録・異物混入報告書の無料テンプレート(Excel・PDF)|農産物の記入例と書き方つき

更新日 2026年9月26日|登録不要・無料

取引先や消費者からのクレーム(異物混入・腐れ・数量不足など)を、受け付けから再発防止まで1件ずつ記録するテンプレートです。国際水準GAPガイドラインのクレーム対応の手順と、厚生労働省が公表している農産物直売所向けの衛生管理の手引書を参考にしました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

クレーム・異物混入の対応記録の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この記録でわかること

出荷した農産物について、取引先や消費者から申し出があったときに、受け付けから再発防止までを1件1枚で残すための記録です。2つのシートがあります。

  • 対応記録(記入用シート): 受付、対象の商品とロット、申し出の内容、現物の確認、その場の対応、原因の調査、同じロットの確認、回収の要否、再発防止策、効果の確認
  • 一覧: 受け付けたクレームを1行ずつ並べ、対応が終わったかを確かめる表

異物(ビニール片・虫・石など)、腐れ・傷み、数量不足、表示の誤りなど、内容を問わず使えます。

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
受付日時・受付者 申し出を受けた日時と、受けた人 2026年7月3日 10時15分・佐藤
申し出た人・連絡先 取引先の担当者か消費者か。連絡先 〇〇青果 仕入担当 高橋様
対象の商品 品目・規格・数量 ミニトマト 200gパック
出荷日・ロット 出荷日と、収穫日・圃場 7月1日出荷・6月30日収穫・東1号
申し出の内容 何があったか。区分(異物・腐れ・品質・数量不足・表示の誤り・健康被害) 異物:黒いビニール片
健康被害の有無 体調をくずした人がいるか なし
現物の確認 現物や写真を見たか、保管しているか 写真を受け取り、現物は回収
その場の対応 代品・返金・謝罪など 代品を届けた
原因の調査 どこで入った・起きたと考えられるか 調製台の下のマルチの切れ端
同じロットの確認 ほかの出荷先・在庫に同じ問題がないか 同日出荷の3件に連絡、異常なし
回収・出荷停止の要否、関係機関への連絡 回収や出荷停止をするか。保健所などへ連絡したか 不要
再発防止策・効果の確認 何を変えたか。その後、同じことが起きていないか 資材を調製室に持ち込まない
完了日・責任者の確認 対応が終わった日と責任者 7月10日・山田

クレーム対応の手順の根拠

国際水準GAPガイドライン(取組事項14)

国際水準GAPガイドラインでは、「クレーム及び農場のルール違反への対応手順を定め、実施し、記録を作成・保存」することが取組事項になっています。指導マニュアルでは、クレーム対応の手順の参考として次の流れが示されています。この記録の欄の並びは、この流れにそっています。

  1. クレームや商品の異常が起きたときに、誰に連絡するか決めておく
  2. 状況と影響をつかむ(商品回収が必要かの判断を含む)
  3. 応急対応(影響のある出荷先や関係機関への連絡・相談、商品回収など)
  4. 原因を調べる
  5. 再発防止策を考える
  6. 再発防止策の効果を確かめる
  7. 商品回収などのテストをしておく

出典: 農林水産省「国際水準GAPガイドライン」

農産物直売所向けの衛生管理の手引書

厚生労働省が公表している「農産物直売所における HACCP の考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」(店舗運営者向け)には、お客さまから食品衛生に関する苦情があったときの「苦情・事故対応記録」の様式が載っています。受付方法、商品、購入日、内容(腐敗・異物・健康被害)、現物確認、お客さま・出荷者への対応、保健所などへの通報連絡といった欄の考え方を参考にしました(様式は転載していません)。直売所に出荷している場合は、直売所からの連絡にもこの記録を使えます。

出典: 厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」

法令上の位置づけ

クレームの記録そのものは法令の義務ではなく、GAP や取引先の求めに応えるための任意の記録です。

ただし、食品衛生法の「営業者」が、法令に違反するおそれのある食品を自主的に回収するときは、回収に着手したことと回収の状況を都道府県知事(保健所)に届け出なければなりません(食品衛生法第58条)。農業での食品の採取は「営業」に含まれないとされていますが(同法第4条第7項ただし書)、加工品を作っている場合などは営業にあたることがあります。回収を考えるときや健康被害のおそれがあるときは、早めに管轄の保健所に相談してください。

出典: e-Gov法令検索「食品衛生法」

どの畑でいつ収穫したかをたどれるように

ミノリス日誌の収穫記録は、作付け(圃場と作物)ごとに日付・数量・品質の区分を残せます。タイムラインの「収穫」タブで日付順に一覧でき、栽培履歴として CSV で取り出せるので、クレームのあった商品がいつ・どの圃場のものかを調べるときに使えます。クレームを受け付けて管理する機能はありません。無料で使えます。

よくある間違い

  • 謝って代品を送って終わる: その場の対応だけでは、同じことがまた起きます。原因の調査と再発防止策、その効果の確認まで書いて、はじめて1件が終わります。
  • ロットがわからない: 出荷日しかわからないと、同じ収穫物がほかにどこへ出たかを調べられません。出荷の記録に収穫日・圃場を書いておきます(選果基準表・出荷前検査記録の検査記録にも欄があります)。
  • 現物を捨ててしまう: 異物や傷んだ商品の現物・写真は、原因を調べる大事な手がかりです。対応が終わるまで保管します。
  • 責任者がいないと回収を決められない: クレームが来てから手順を考えると間に合いません。責任者が不在のときに誰が判断するかも、前もって決めておきます。

よくある質問

小さなクレームも記録しますか?

数量不足や表示の誤りのような小さな申し出も記録しておくと、同じ内容が続いていないかを一覧で確かめられます。

消費者の名前や住所はどう扱えばよいですか?

対応に必要な範囲で控え、この記録と一緒に、見られる人を限って保管します。対応が終わったあとも保存する場合は、保存期間を決めておきます。

取引先の指定様式があります。

取引先に指定の様式があるときは、そちらで報告してください。この記録は、報告の下書きや農場内の控えとしても使えます。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。