組織・運営

農事組合法人の定款の作り方|必要記載事項チェック表の無料テンプレート(Excel・PDF)と1号・2号の違い

更新日 2026年9月27日|登録不要・無料

集落営農の法人化などで農事組合法人を設立するときに、定款に必ず書く事項が漏れていないかを確かめるチェック表です。農業協同組合法72条の16で決められた必要記載事項を、農林水産省の定款例の条と対応させて並べ、決めた内容を書き込めるようにしました。定款の章立ての例と、1号法人・2号法人の違いの表も付いています。定款の全文ではありません。Excel と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

農事組合法人の定款 必要記載事項チェック表の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

このチェック表でわかること

農事組合法人は、組合員の農業生産の協業を図り、共同の利益を増進することを目的とする法人です(農業協同組合法72条の4)。3人以上の農民が発起人となり、共同して定款を作ります(72条の32)。このテンプレートは定款の全文ではなく、次のことを確かめるためのものです。

  • 法律で定款に必ず書く事項が、漏れなく書いてあるか
  • それぞれの事項を、定款例の何条で書けばよいか
  • 自分たちの法人では何を決めたか(出資の金額・役員の数・配当の方法など)

条文そのものは、農林水産省の定款例と各条の備考を見ながら作ってください。記入例は、1号と2号の事業を行う出資制の架空の法人です。

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
区分 必要(必ず書く)・定めたとき・任意(確認) 必要
記載事項 法律で決まった事項 出資1口の金額と払込みの方法
根拠(農協法) その事項を定めた条 72条の16(28条1項6号)
定款の条 自分の定款で書いた条の番号 17・18条
決めた内容 法人として決めたこと 1口1万円、全額一時払込み
確認 書いてあることを確かめたら印 ✓

「定款の構成」シートは定款例の章立てをもとに、章ごとに決めることを書き出した表です。「1号と2号の違い」シートで、行う事業による違いを確かめられます。

定款に必ず書く事項(農業協同組合法72条の16)

農事組合法人の定款には、次の事項を必ず書きます。

  1. 事業
  2. 名称
  3. 地区
  4. 事務所の所在地
  5. 組合員たる資格と、組合員の加入・脱退に関する規定
  6. 出資1口の金額とその払込みの方法、1組合員が持てる出資口数の最高限度
  7. 剰余金の処分と損失の処理に関する規定
  8. 利益準備金の額とその積立ての方法
  9. 事業年度
  10. 公告の方法
  11. 役員の定数、職務の分担と任免に関する規定

出資させない法人(非出資農事組合法人)は、6〜8を書かなくてもかまいません。存立時期を定めたときはその時期を、現物出資をする者を定めたときはその者の氏名・出資の目的である財産・価額・与える出資口数も書きます。

出典: 農業協同組合法(e-Gov法令検索)(72条の16、28条)

1号法人と2号法人

農事組合法人が行える事業は、次の3つです(72条の10)。

  • 1号: 農業に係る共同利用施設の設置(施設を使った組合員の生産物の運搬・加工・貯蔵を含む)、または農作業の共同化に関する事業
  • 2号: 農業の経営(関連する農畜産物の加工などや、農業と併せて行う林業の経営を含む)
  • 1号・2号に附帯する事業

出資させない法人は2号の事業を行えません。2号の事業を行う法人(農業経営農事組合法人)は、組合員に農民以外の者も一定の範囲で加えられる一方、事業に常時従事する人のうち組合員と同じ世帯の人以外の人が3分の2を超えてはいけない、といった決まりがあります(72条の12・72条の13)。農地を所有するには、農地法の「農地所有適格法人」の要件も満たす必要があります。

出典: 農業協同組合法(e-Gov法令検索) / 農地法(e-Gov法令検索)(2条3項)

定款例と設立の流れ

農林水産省は、農事組合法人の定款例(出資制の場合、令和5年3月29日改正)を公開しています。冒頭に必要記載事項と定款例の条の対応が示され、各条に、行わない事業の削り方や監事を置く場合の書き方などの備考が付いています。定款例と違う内容でも、法令で定める必要事項や適切な内容が書かれていればよく、設立に先立って所管の行政庁(1つの都道府県の区域の中を地区とする場合は都道府県)に相談することが望ましいとしています。

設立は、発起人が定款を作って役員を選び、出資の払込み(出資制の場合)を経て、主たる事務所の所在地で設立の登記をすると成立します。成立の日から2週間以内に、登記事項証明書と定款を添えて行政庁に届け出ます(72条の32)。定款を変えたときも、変更の日から2週間以内に行政庁に届け出ます(72条の29)。

ほかに、次の点も法律で決まっています。

  • 役員として理事を置き、監事は定款で定めれば置ける。理事は農民である組合員でなければならない(72条の17)
  • 役員の任期は3年以内で定款で定める(31条1項を73条2項で準用)
  • 組合員は1人1個の議決権をもち、総会に出ない組合員は書面か代理人で議決権を行える(72条の14)
  • 剰余金の配当は、事業の利用分量・事業に従事した程度に応じて、または払込済みの出資の額に応じて(年8分以内で政令で定める割合まで)行う(72条の31)

出典: 農林水産省「農事組合法人とは(設立方法も含む)」(定款例・農事組合法人設立までの流れ) / 島根県「集落営農法人設立の手引き[設立編]」

設立の手続や登記は、都道府県の担当課・司法書士に、税務(従事分量配当の扱いなど)は税理士や税務署に確かめてください。

組合員が事業に従事した時間を記録する

ミノリスでは、ログインしない人も名前だけで作業者に登録でき、作業記録に作業者ごとの作業時間を残せます。ミノリスタイマーのレポートでは、作業時間を作業者別・月別に集計し、CSV で取り出せます(管理者・オーナーのみ)。配当や給与を計算する機能はありません。無料で使えます。

よくある間違い

  • 行わない事業を定款例のまま残している: 1号だけの法人なのに2号の事業が書いてあると、組合員の資格などの書き方と合わなくなります。定款例の備考に従って削ります。
  • 理事に農民でない人を選ぼうとしている: 理事は農民である組合員でなければなりません。監事は組合員でなくてもかまいません。
  • 非出資で設立して農業の経営をしようとしている: 2号の事業(農業の経営)は出資制でなければ行えません。
  • 定款を変えたのに届け出ていない: 定款の変更は、変更の日から2週間以内に行政庁への届出が必要です。

よくある質問

定款に公証人の認証は必要ですか?

株式会社と違い、農業協同組合法には農事組合法人の定款を公証人が認証する規定はありません。設立の登記と行政庁への届出の手続は、都道府県の担当課や法務局に確かめてください。

従事分量配当をするには、何を記録しておけばよいですか?

農林水産省の定款例では、従事分量配当は組合員がその事業年度に事業に従事した日数と、労務の内容・責任の程度などに応じて行うとしています。誰が何日・何時間どの作業に従事したかを記録しておくと、配当の計算の根拠になります。税務の扱いは税理士に確かめてください。

総会の議事録や委任状の様式はありますか?

総会議事録と、総会の委任状・書面議決書・出欠票があります。定款で決めた定足数や代理人の決まりに合わせて使ってください。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。