日誌・栽培記録

坪刈り(収量調査)の無料テンプレート(Excel・PDF)|10a収量の換算方法と記入例つき

更新日 2026年9月26日|登録不要・無料

水稲の坪刈りで刈り取った稲の玄米重から、10a当たり収量を出すための収量調査表のテンプレートです。刈取り株数と条間・株間から面積を出し、玄米水分をそろえて換算する手順を欄にしました。穂数・籾数・登熟歩合・千粒重を調べる収量構成要素のシートつき。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

坪刈り収量調査表の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この収量調査表でわかること

坪刈りは、圃場の一部(1坪=約3.3㎡など)の稲を刈り取り、その玄米の重さから10a当たりの収量を推定する調査です。この表は、刈り取った量から10a当たり収量を出すまでの計算を、1行ずつ埋めていけるようにしたものです。

  • 品種や施肥を変えた圃場どうしで、収量を比べたいとき
  • 実際にコンバインで収穫した量(実収)と比べて、収穫のロスを知りたいとき
  • 穂数や籾数を調べて、収量が多かった・少なかった理由を考えたいとき

農林水産省の作物統計(作況調査)でも、無作為に選んだ水田で一定面積の稲を刈り取り、脱穀・乾燥・もみすり・選別をして玄米の重さを量る方法で10a当たり収量を出しています。

計算の流れ

  1. 刈取り面積を出す: 刈取り面積(㎡)= 刈取り株数 × 条間(m)× 株間(m)
    例: 条間30cm・株間22cmなら、1株あたり0.066㎡。50株で3.3㎡(1坪)です。
  2. 玄米の重さを量る: 乾燥・もみすりした玄米全体が「粗玄米重」、ふるいにかけて残った玄米が「精玄米重」です。
  3. 水分をそろえる: 水分換算後の重さ = 精玄米重 ×(100 − 測った水分)÷(100 − 基準の水分)
    例: 1,820g・水分16.0%を15%に換算すると、1,820 × 84 ÷ 85 ≒ 1,799g
  4. 10a当たりに直す: 10a当たり収量(kg)= 水分換算後の精玄米重(g)÷ 刈取り面積(㎡)
    例: 1,799g ÷ 3.3㎡ ≒ 545kg/10a

4の式は、g/㎡ の数字がそのまま kg/10a になることを使っています(1㎡あたり1gは、10a=1,000㎡あたり1kg)。

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
調査箇所 刈り取った場所の番号 1
刈取り株数 刈り取った株の数 50
刈取り面積(㎡) 株数 × 条間 × 株間 3.30
粗玄米重(g) もみすり後の玄米全体の重さ 1,950
ふるい目(mm) 選別に使ったふるいの目の幅 1.85
精玄米重(g) ふるいに残った玄米の重さ 1,820
玄米水分(%) 精玄米の水分(数回測って平均) 16.0
水分換算後の精玄米重(g) 基準の水分に直した重さ 1,799
10a当たり精玄米重(kg) 換算後の重さ ÷ 刈取り面積 545
屑米の割合(%) (粗玄米重 − 精玄米重)÷ 粗玄米重 × 100 6.7

ふるい目と基準の水分は「比べる相手」とそろえる

同じ稲でも、ふるい目の幅と、換算に使う基準の水分が違うと、収量の数字は変わります。

  • ふるい目: 作物統計の10a当たり収量は1.70mm以上の玄米を対象にしています(あわせて、道府県ごとに生産者が使うふるい目幅以上の値も出しています)。兵庫県の調査法では、うるち米1.80mm、もち米1.85mmなどとしています。
  • 基準の水分: 兵庫県の調査法では14.5%、広島県の調査法では15%に換算するとしています。

前年の自分の記録や、地域の調査結果と比べるときは、ふるい目と基準の水分をそろえます。表の上の「基準にする水分」欄と「ふるい目」欄に、使った値を必ず書いておきます。

坪刈りのやり方のポイント

  • 生育が中くらいの場所を選び、できれば2か所以上で刈ります(兵庫県の調査法では、1か所、できれば2か所)
  • 刈る前に条間と株間を測っておきます
  • 刈った稲はよく乾かしてから脱穀・もみすりします
  • 同じ圃場で生育調査をしている場合は、その近くで刈ります

収量構成要素のシート

別シートでは、代表的な株を抜き取り、穂数・籾数・登熟歩合・千粒重を調べます。

  • 1穂籾数 = 全籾数 ÷ 穂数
  • 登熟歩合(%)=(全籾数 − 屑米・不稔の数)÷ 全籾数 × 100
  • 収量の目安(g/㎡)= ㎡当たり籾数 × 登熟歩合 × 千粒重 ÷ 1,000

坪刈りの収量と見比べると、「穂数が足りなかった」「登熟が悪かった」など、収量を左右した要素の見当がつきます。代表株は、平均的な穂数の株を根ごと抜き取って調べます。

参考にした資料

このテンプレートは、これらの資料を参考にミノリスが作った独自の様式です。国・県の公式様式ではありません。

実際に収穫した量も、作付けごとに残す

ミノリス日誌なら、実際に収穫した量を単位(kg・袋など)や品質の区分つきで作付けごとに記録でき、収穫の実績として見返せます。坪刈りで出した収量の見込みと、実際の収穫量を並べて比べる材料になります。無料で使えます。

よくある間違い

  • 刈った面積を1坪と決めつける: 株間が違えば、50株刈っても3.3㎡になりません。株数と条間・株間から面積を出します。
  • 水分を換算しない: 乾き具合で重さが変わるため、水分をそろえないと年ごとや圃場ごとに比べられません。
  • 粗玄米重で比べる: 屑米を含んだ重さと、ふるい後の重さを混ぜて比べると、収量を多く見積もってしまいます。
  • 生育のよい場所で刈る: 圃場の平均より多い数字になります。中くらいの場所を選びます。

よくある質問

坪刈りの収量と、実際に収穫した量が合いません。

坪刈りは稲をていねいに刈り取って量るため、コンバインでの収穫ロスや、圃場の端・生育のむらが入りません。そのため、実際の収穫量(実収)より多めに出ることがあります。作物統計でも、刈取り調査の結果にコンバインのロスなどを加味して10a当たり収量を決めています。

1坪は何株ですか?

条間と株間で決まります。1坪(約3.3㎡)÷(条間m × 株間m)で出します。条間30cmなら、株間18.3cmで約60株、株間22cmで50株です。

作況指数と比べられますか?

作況指数などの統計の値は、地域全体を対象にした値です。自分の坪刈りの結果とは、ふるい目・水分・調査の方法も違うので、目安として見るにとどめてください。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。