衛生・安全
選果基準表・出荷前検査記録の無料テンプレート(Excel・PDF)|等級・階級の決め方と記入例つき
更新日 2026年9月26日|登録不要・無料
自分の農場の選果基準(等級・階級)を1枚にまとめる基準表と、出荷前に箱を抜き取って確かめる検査記録のテンプレートです。都道府県の出荷規格や農林水産省の資料で使われている、品位・大小・荷姿で規格を分ける考え方にそって作りました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。
この表でわかること
選果・箱詰めをするときの「どれを A にして、どれを L にするか」を、農場の中でそろえるための表です。2つのシートがあります。
- 選果基準表(記入用シート): 等級(品質)と階級(大きさ)ごとの条件、荷姿・入数・量目
- 出荷前検査記録: 出荷する箱を抜き取り、重さ・等級や階級の混ざり・傷や異物・表示を確かめた記録
次のような場面で使えます。
- パートさんや家族など、選果する人によって判断がばらつくとき
- 直売・契約取引など、JA や部会の規格を使わずに自分で規格を決めて出荷するとき
- クレームがあったときに、どの基準で選び、出荷前に何を確かめたかを示したいとき
各欄の書き方
選果基準表
| 欄 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 等級 | 品質の区分の名前 | A・B・規格外 |
| 品質の条件 | 形・色・傷・熟度など、その等級に入れる条件と入れない条件 | 形・色がよく、傷・割れがないもの |
| 階級 | 大きさの区分の名前 | 2L・L・M・S |
| 大きさの基準 | 重さ・長さ・太さ・1箱の個数など、測り方がわかる数字 | 1個 200〜250g |
| 荷姿・入数・量目 | 箱や袋の種類、入れる数、1箱の重さ | 4kg箱・18個前後 |
| 見本写真・備考 | 境目の見本写真の番号など | 見本写真 No.1 |
出荷前検査記録
| 欄 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 出荷日・品目・等級・階級・出荷先 | 検査した出荷の内容 | 6/12・トマト A・L・〇〇青果 |
| 収穫日・圃場(ロット) | その箱の中身をいつ・どこで収穫したか | 6/11・東1号 |
| 箱数・抜き取り箱数 | 出荷する箱の数と、確かめた箱の数 | 40・2 |
| 重さ(量目) | 抜き取った箱の重さと、決めた量目を満たしているか | 4.1kg・OK |
| 等級・階級の混ざり、傷・腐れ・異物、表示 | 違う階級が入っていないか、傷や異物がないか、箱の表示が正しいか | S混入1個 |
| 判定と対応 | 合格か、詰め直しなどをしたか | Sを抜いて詰め直し→合格 |
等級・階級の決め方
出荷規格は産地・出荷先が決めるもの
かつては国が主な野菜の標準出荷規格を定めていましたが、平成14年に廃止され、現在の出荷規格は、実需者や消費者のニーズをふまえて各産地が主体的に定めています。都道府県や JA・部会が品目ごとの規格を出している場合は、出荷先の規格に合わせてください。この表は、その規格を自分の選果場向けに書き写して掲示したり、自分で規格を決めたりするときに使います。
出典: 農林水産省「青果物の出荷規格を見直してみませんか?」
品位・大小・荷姿の3つで考える
都道府県の出荷規格では、多くの場合、次の3つで規格を整理しています。例えば福島県の青果物標準出荷規格は、品位(品質区分)・大小(形量区分)・包装の三つを要件とし、品質区分の呼び方を野菜は A・B、果実は秀・優などとしています。
- 品位(等級): 形・色・傷・病害虫の跡・熟度などの品質で分ける
- 大小(階級): 重さ・長さ・1箱の個数などで分ける
- 荷姿: 箱や袋の種類、量目、詰め方
出典: 福島県「令和6年度 福島県青果物標準出荷規格」PDF
規格は細かすぎないように
農林水産省は、規格が細かく分かれすぎると、選別だけでなく収穫・調製・出荷管理まで手間が増え、労働力不足の一因になっていると指摘しています。いちごの規格を時期によって6段階から3段階にまとめた例などが紹介されています。自分で規格を決めるときは、出荷先と相談し、本当に必要な区分だけにすることをおすすめします。
はかりについて
取引や証明のために重さを量るはかりには、計量法で検定に合格したものを使うこと(計量法第16条)や、定期検査(同第19条)の決まりがあります。自分の出荷がこれにあたるか、どのはかりが対象になるかは、都道府県の計量検定所に確認してください。国際水準GAPガイドラインでも、計量機器の点検・校正が取組事項になっています(取組事項37)。
出典: e-Gov法令検索「計量法」
収穫をA品・B品に分けて記録する
ミノリス日誌の収穫記録では、数量と単位に加えて、あらかじめ登録した品質の区分(A品・B品など)を選んで記録できます。品質の違うものは行を分けて記録でき、作付けごとの収穫はタイムラインと栽培履歴で確かめられます。選果基準や出荷前検査を管理する機能はありません。無料で使えます。
よくある間違い
- 言葉だけで基準を書く: 「形のよいもの」だけでは人によって判断が変わります。境目になるものの写真を撮って番号を付け、選果場に掲示します。
- 量目ぎりぎりで詰める: 輸送や保管で水分が抜けて軽くなります。出荷先に届いた時点で量目を満たすよう、少し余裕をみて詰めます。
- 規格外の行き先を決めていない: 規格外品を加工用・直売用・廃棄のどれにするかを決め、ほかの出荷品と混ざらないようにします。どれだけ出たかを記録しておくと、栽培の見直しにも使えます。
よくある質問
JA や部会の規格表をそのまま載せてもよいですか?
選果場に掲示するなど、自分の作業のために使う分には、出荷先から配られた規格表をそのまま使ってください。このテンプレートの記入例の数値は架空のもので、どの県・JA の規格でもありません。
出荷前検査は毎回必要ですか?
法令で決まったものではありません。取引先との約束や GAP で決めたルールがあればそれに従います。決まりがなくても、出荷のたびに数箱を抜き取って確かめると、量目不足や階級の混ざりによるクレームを減らせます。
クレームがあったときはどうしますか?
出荷前検査記録の「収穫日・圃場(ロット)」から、どの収穫物だったかをたどれます。受け付けから再発防止までの記録はクレーム・異物混入の対応記録を使ってください。
あわせて使うテンプレート
このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。