圃場・集落
中干しの記録(生産管理記録)の無料テンプレート(Excel・PDF)|J-クレジット・長期中干しの書き方
更新日 2026年9月26日|登録不要・無料
水稲の中干しの開始日・終了日・日数、前2年の平均との差、溝切り、出穂日を圃場ごとに残す記録表のテンプレートです。J-クレジット「水稲栽培における中干し期間の延長」で求められる記録事項と、多面的機能支払の長期中干しの要件を参考にしました。稲わら・堆肥・日減水深の記録シート付き。Excel と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。
この記録でわかること
中干しを「いつ始めて、いつ終えて、何日だったか」を圃場ごとに残す記録です。次のような場面で使えます。
- J-クレジットの「中干し期間の延長」に取り組む前に、基準になる2年分の記録を付けておくとき
- 取り組んだ年に、延長した日数と証跡をまとめて運営・管理者に出すとき
- 多面的機能支払の「長期中干し」(14日以上の中干し)の実績を活動組織に出すとき
各欄の書き方
| 欄 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 圃場番号・地番 | 同じ管理をした水田の地番(まとめて書ける) | 北田1〜3(123・124・125-1) |
| 水稲作付面積(a) | 畦畔を除いた作付面積 | 55.0 |
| 田植え日(播種日) | 田植えの日。直播なら播種日 | 5/10 |
| 中干し開始日 | 取水口を閉め、排水口を開けた日 | 6/18 |
| 中干し終了日 | 取水口を開けた、または排水口を閉めた日 | 7/7 |
| 中干し日数 | 開始日から終了日までの日数 | 19日 |
| 前2年の平均日数 | その水田の直近2年以上の中干し日数の平均 | 11日 |
| 延長した日数 | 今年の日数 − 前2年の平均 | 8日 |
| 溝切り日 | 溝切りをした日 | 6/15 |
| 出穂日 | 圃場の茎の5割ほどが出穂した日 | 8/2頃 |
| 証跡 | 開始日・終了日の写真、水管理システム・水位センサーの記録など | 取水口と排水口の写真 |
| 記録日・記録者 | 記録を書いた日と人 | 7/8 山田 |
「稲わら・堆肥・日減水深」のシートには、前作の稲わらのすき込み・持ち出し量、堆肥の施用量、日減水深の測定結果を書きます。
J-クレジット「中干し期間の延長」で求められる記録
J-クレジット制度の方法論「水稲栽培における中干し期間の延長」(AG-005)は、中干しの期間を、その水田の直近2年以上の実施日数の平均より7日以上延長することを条件にしています。農林水産省の解説資料では、次のように整理されています。
- 取り組む前に、直近2年以上の中干しの実施日数が記録された生産管理記録が必要。記録がなければ、まず2年間は延長せずに記録を取る
- 取り組んだ年は、出穂日・中干しの開始日・終了日・実施日数を生産管理記録に書き、記録が実態と違わないことがわかる証跡(写真など)を残す
- 中干しの開始日は取水口「閉」・排水口「開」にした日、終了日は取水口「開」・排水口「閉」にした日。中干しの途中で差し水をすると、その時点で中干しは終わったとみなす
- 延長は連続7日以上。一時的に取水口を開けたり、7日を何回かに分けたりすることは認められない
- 同じ管理(中干しの日数、出穂日、稲わら・堆肥の状況が同じ)の水田は、記録をまとめて作れる
- 削減量の計算のため、水稲作付面積・所在地域、前作の稲わらの持ち出し量、堆肥の施用量が必要。日減水深の測定は任意(測らない場合は一番少ない削減量で計算)
証跡の写真は、同じ管理の水田ごとに少なくとも1点(開始日と終了日の写真でセット)が必要とされています。
出典: 農林水産省「『水稲栽培における中干し期間の延長』のJ-クレジット制度について」(令和7年5月)分割版1、同 分割版2
写真は撮影日と撮影場所がわかるように撮ります。取組の案内では、開始日に取水口を閉めた状態と排水口を開けた状態、終了日に取水口か排水口の状態を撮るよう説明されています。
J-クレジットは、多くの場合、農協や企業などがまとめるプロジェクトに参加して取り組みます。日数の数え方や提出する様式はプロジェクトの運営・管理者の指示に従ってください。このテンプレートは、指示された様式に転記する前の控えとして使えます。
多面的機能支払の「長期中干し」
多面的機能支払交付金(資源向上支払)の「長期中干し」では、国の参考様式で、中干しを生育中期に14日以上行うこと、溝切りを10aあたり1本以上行うことが示されています。あわせて化学肥料・化学合成農薬の5割低減も求められます。
出典: 農林水産省「多面的機能支払交付金 各種様式」参考様式第1-a号(長期中干し)
活動組織ごとに求められる記録や写真が違うことがあります。活動組織や市町村に確かめてください。
取り組む前の注意
- 農林水産省の資料では、中干しの延長で平均3%程度減収したという試験結果が紹介されています。過度の乾燥に注意します。
- カドミウム濃度の高い地域では、出穂前後の湛水管理が大切なため、中干しの延長は慎重に判断するよう求められています。
- 中干しの時期は、カエルなど水田の生き物への影響もあります。地域の実情に応じて、中干しをしない水田や江(水たまり)の確保が案内されています。
中干しの作業を写真つきで記録する
ミノリス日誌なら、圃場を選んで「中干し開始」「溝切り」などの作業を日付つきで記録し、写真も添えられます。作業の種類は組織に合わせて追加できます。作付けを登録していれば、出穂などの生育の節目も生育イベントとして残せます。無料で使えます。
よくある間違い
- 開始日・終了日の定義があいまい: 田面が乾き始めた日ではなく、取水口・排水口を操作した日を書きます。
- 途中の差し水を記録しない: 差し水をした日で中干しは終わった扱いになります。水を入れた日は必ず書きます。
- 前の年の記録がないまま延長する: 過去2年以上の記録がないと、延長した事実を示せません。まずは延長せずに記録を付けます。
よくある質問
中干しの日数は、開始日と終了日を含めて数えますか?
J-クレジットの資料では「開始日・終了日と実施日数を記録する」とされていますが、数え方の細かい決まりは、参加するプロジェクトの様式や指示に従ってください。記入例は、終了日から開始日を引いた日数で書いています。
出穂日はどう決めますか?
圃場の茎のおおむね5割が出穂した時期を書きます。同じ品種なら、圃場によって出穂日が多少違っても同じ管理として扱ってよいとされています。
記録は何年くらい残せばよいですか?
J-クレジットの実施規程では、認証に使ったデータは認証対象期間(8年間)が終わってから2年経つまで保存することになっていると、農林水産省の資料で説明されています。
あわせて使うテンプレート
このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。