労務

雇入れ時の安全衛生教育の記録 無料テンプレート(農業)Excel・PDF|8項目チェックと特別教育の記録

更新日 2026年9月27日|登録不要・無料

農業で人を雇ったとき・作業内容を変えたときに行う安全衛生教育の記録テンプレートです。労働安全衛生規則35条の8項目ごとに、教えた内容・実施日・教えた人・理解の確認を書けます。3年間の保存が義務の特別教育の記録シートと、フォークリフトや不整地運搬車など農業で関係しやすい特別教育の業務の一覧も付けました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

雇入れ時等の安全衛生教育・特別教育の記録(農業)の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この記録でわかること

新しく雇った人や作業内容が変わった人に、安全・衛生について何を・いつ・誰が教えたかを残す記録です。

  • パートや季節雇用の人を雇い入れたとき
  • 収穫から機械作業へなど、作業内容を変えたとき
  • フォークリフトや不整地運搬車の運転など、特別教育が必要な業務につかせるとき

似たテンプレートとの違い

テンプレート 役割
この記録 法令(安衛法59条・安衛則35条〜38条)で決められた教育を、1人ずつ行ったかの記録
週間作業計画・作業指示書 日々の作業の指示と、作業ごとの手順書(教えるときの教材になる)
GAP 記録様式セット GAP の取組全体(衛生・農薬・機械など)の教育訓練を、テーマごとにまとめる記録

作業手順書で「3 作業手順」を教え、その実施をこの記録に書く、という使い分けができます。

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
受講者氏名・雇入れ/作業内容変更の別と日付 誰の、どの時点の教育か(表の上に書く) 佐藤 花子・雇入れ 2026/4/1
従事する業務 教育の対象になる業務 野菜の収穫・調製・運搬
教育の項目 安衛則35条1項の1〜8(記入用シートに印字済み) 4 作業開始時の点検
この業務で教えた内容 その人の業務に合わせて具体的に 運搬車のブレーキ・燃料漏れ・タイヤの点検
教え方・使った資料 実演・手順書・リーフレットなど 点検表で実演
実施日・教えた人 いつ、誰が教えたか 2026/4/2・鈴木
理解の確認 実際にやってもらう、質問するなど 点検をしてもらった
省略した場合の理由 十分な知識・技能があって省略した項目の理由 (経験者で前職で同じ機械を使用、など)

「特別教育の記録」シートには、実施日・業務の種類(安衛則36条の号)・受講者・実施した人や機関・科目と時間・省略した科目・修了証の保管場所を書きます。記入例の人名・機関名は架空です。

法令・制度上の位置づけ

雇入れ時・作業内容変更時の教育(義務)

労働安全衛生法59条により、事業者は、労働者を雇い入れたとき、作業内容を変えたときに、その業務に関する安全・衛生の教育を行わなければなりません。教える項目は労働安全衛生規則35条1項で、次の8つです。このうち、その人の業務の安全・衛生に必要な項目を、遅れずに教えます。

  1. 機械等・原材料等の危険性・有害性と取扱い方法
  2. 安全装置・有害物抑制装置・保護具の性能と取扱い方法
  3. 作業手順
  4. 作業開始時の点検
  5. その業務で発生するおそれのある疾病の原因と予防
  6. 整理・整頓・清潔の保持
  7. 事故時などの応急措置と退避
  8. その他、その業務の安全・衛生に必要な事項

十分な知識・技能があると認められる人については、その項目の教育を省略できます(35条2項)。農林水産省の事業者向けテキストによると、2024年3月末までは農業では1〜4を省略できましたが、農業を含む全業種でこの省略の規定が廃止されました。

出典: e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第59条 / e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第35条 / 農林水産省「労働安全衛生に関する教育を実施しましょう!」(事業者向けテキスト・多言語の労働者向けリーフレット)

特別教育と、その記録の保存(義務)

危険・有害な業務として安衛則36条に挙げられた業務に労働者をつかせるときは、特別の教育(特別教育)を行わなければなりません(安衛法59条3項)。農業で関係しやすいのは、最大荷重1トン未満のフォークリフト、最大積載量1トン未満の不整地運搬車、機体重量3トン未満の小型のバックホウなどの運転や、チェーンソーでの伐木などです。「特別教育が必要な業務(農業)」シートに抜き出しました。

特別教育を行ったときは、受講者・科目などの記録を作り、3年間保存します(安衛則38条)。科目の全部または一部について十分な知識・技能がある人は、その科目を省略できます(37条)。科目と時間は業務ごとに厚生労働大臣の告示で決められています(39条)。

これより大きな機械(例:最大荷重1トン以上のフォークリフト)は、特別教育ではなく技能講習の修了などが必要です。刈払機の取扱いは法令の特別教育ではありませんが、通達で特別教育に準じた教育が求められています(農林水産省の事業者向けテキスト)。

出典: e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第36条〜第39条 / e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」別表第7

農業の作業安全の規範

農林水産省の「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:農業)」は、事業者が取り組むこととして、作業安全に関する研修・教育や、安全な作業手順・作業動作・使用方法を明文化・可視化して全員が見られるようにすることを挙げています。労働者にフォークリフトの運転業務をさせるときは、技能講習の修了者とするか特別教育を行うことが、法令による義務の例として示されています。

出典: 農林水産省「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:農業)」

新しく入った人を名前で登録して作業を記録する

ミノリスタイマーの作業者の設定では、メールアドレスの無い人も名前だけで作業者に登録でき、打刻や作業記録で「誰がやったか」に選べます。どの人がいつ何の作業をしたかが残るので、作業内容が変わった人を確かめるときに使えます(教育の記録を管理する機能はありません)。無料で使えます。

よくある間違い

  • ベテランのパートだから教育しなくてよいと思っている: 省略できるのは、その項目について十分な知識・技能があると認められる場合です。省略したときは理由を残しておきます。
  • 作業内容を変えたときに教育していない: 収穫の担当から運搬車の運転に変えたときなども、教育が必要です。
  • 特別教育の記録を捨てている: 特別教育の記録は3年間保存します。外部の機関で受けた場合も、修了証の写しと合わせて残します。
  • 外国人の作業者に日本語だけで説明する: 農林水産省は英語・中国語(簡体字)・ベトナム語・インドネシア語の労働者向けリーフレットを公開しています。理解できる言葉で教え、理解したかを確かめます。

よくある質問

雇入れ時の教育の記録は、残さないといけませんか?

安衛則35条の雇入れ時等の教育には、記録の保存を定めた条文はありません(記録と保存の義務は、38条の特別教育のものです)。ただ、誰に何を教えたかを後から確かめられるよう、このような記録を残しておくことをおすすめします。

家族だけで農業をしている場合も必要ですか?

労働安全衛生法の教育は、事業者が雇っている労働者に対するものです。家族だけで働いている場合も、作業安全のために同じ項目で話し合っておくと役立ちます。家族を雇っている扱いになるかどうか迷う場合は、労働基準監督署に確かめてください。

特別教育は自分の農場で行ってもよいですか?

特別教育は事業者が行う教育で、科目と時間は告示で決められています。農林水産省のテキストでは、教習科目について十分な知識・経験を有する者が講師となって行う必要があるとされています。自分で行うのが難しい場合は、外部の機関の講習を利用できます。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。