計画

農業の事業承継・経営継承の引き継ぎ表テンプレート(Excel・PDF)|親元就農の記入例つき

更新日 2026年9月26日|登録不要・無料

親から子へ、または第三者へ農業経営を引き継ぐときに、農地・機械・借入金・技術・取引先などを「何を・どう・いつ」引き継ぐか一覧にする表です。親元就農の記入例と、技術の引き継ぎシート、必要な書類の確認表つき。Excel とPDFを登録不要でダウンロードできます。

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Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

経営継承(事業承継)の引き継ぎ表の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この表でわかること

農業の経営継承(事業承継)は、農地や機械などの目に見える資産だけでなく、技術・ノウハウ・人脈などの目に見えない資産も次の世代に引き継ぐことです。経営者と後継者の話し合いを何度も重ねる必要があり、時間がかかるため、計画的に進めることが大切だとされています。

この表は、引き継ぐものを1行ずつ書き出し、今の状態(名義・担当)、引き継ぎ方、相談先、予定時期を並べて、抜けや遅れがないかを確かめるためのものです。

  • 親元就農した後継者に、数年かけて経営を移すとき
  • 従業員や第三者に経営を引き継ぐとき
  • 経営継承の計画を立てる前に、引き継ぐものを洗い出すとき

引き継ぐものの区分

農林水産省の手引きは、引き継ぐものを「人(経営権)」「資産(モノ+カネ)」「知的資産(無形資産)」に分けています。JA全農の事業承継ブックは、家族経営の承継を「人・モノ・お金・情報・顧客」の5項目で整理しています。この表では、両方を参考に次の区分を例にしています。

区分 主なもの
経営権 経営主の立場(個人は開業・廃業、法人は代表者・株式)
モノ 農地、建物・ハウス、機械、果樹(樹体)、家畜
お金 預金、借入金、保証、共済・保険、補助事業の扱い
技術・情報 栽培の段取りと判断のコツ、経営理念、記録
顧客 出荷先・販売先、直売所の登録、顧客名簿、ブランド
人 従業員、地域・集落の役、水利、資材の取引先

出典: 農林水産省「経営継承」(「農業の経営継承に関する手引き」と様式例) / JA全農「今すぐ始めよう!事業承継ブック」

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
引き継ぐもの 具体的な資産・仕事・関係 農地(所有4ha・借入3ha)
今の状態 名義・担当者・保管場所 所有地は父名義
引き継ぎ方 名義変更・贈与・貸借・同行・記録など 使用貸借で長男へ
相談・手続き先 税務署・農業委員会・金融機関など 農業委員会
予定時期/完了日 いつまでにするか、終わった日 5年後8月

「技術の引き継ぎ」シートには、作業ごとのやり方・判断の目安・コツと、後継者の習得の段階(見た・一緒にした・任せた)を書きます。「書類・情報の確認」シートでは、決算書・農地の貸し借り・借入金・補助事業で導入した機械など、引き継ぎに必要な書類がそろっているかを確かめます。

進め方と注意点

  • まず経営の全体像をつかむ: 決算書や申告書、農業経営改善計画、農地の権利関係がわかる書類などから、経営の規模・売上・資産を整理します。経営に必要な資産と、個人の資産を分けて考えます。
  • 技術の引き継ぎは時間がかかる: 生産や機械の操作は比較的スムーズに引き継がれる一方、経理・労務管理・経営理念は後回しになりがちだとされています。早いうちから担当を任せます。
  • 資産の移し方で税金が変わる: 親族内の継承では、農地は使用貸借(無償で貸す)が一般的とされています。一方、機械など不動産以外の資産は、親族間で貸し借りしようとしても原則として贈与として扱われるため、贈与か売買で移す必要があるとされています。方法を決める前に税理士に相談してください。
  • 補助事業で導入した資産に注意: 補助事業の対象の機械・施設を譲渡・貸付けする場合は、事前に補助事業の窓口に財産処分の承認を申請する必要があり、要件に当たらないと補助金の返還を求められます。
  • 保証債務を確かめる: 現経営者が個人で保証している借入れがないかを確かめ、金融機関と扱いを相談します。

出典: 農林水産省「農業の経営継承に関する手引き」

経営継承の相談は、都道府県の農業経営・就農支援センター(相談窓口)、市町村・農業委員会、JA、税理士などが受け付けています。家族で役割や継承の時期を取り決めておくには、家族経営協定書も使えます。

栽培の段取りを、日々の記録で残していく

ミノリス日誌では、作業・農薬・肥料・収穫を作付けごとに記録でき、作業者と作業時間も残せます。記録は作付けごとのタイムラインで見返せるので、「いつ・何を・どれだけ」したかを後継者と共有できます。無料で使えます。

よくある間違い

  • 農地と機械だけを引き継ぎ表に書く: 取引先の名義、直売所の登録、共済の契約者、集落の役など、名義や人間関係の引き継ぎも漏れやすい項目です。
  • 口で教えるだけで記録を残さない: 栽培の判断は、その場では覚えたつもりでも翌年には忘れがちです。作業ごとに「なぜそうするか」を書き残します。
  • 手続きの順番を確かめずに名義を変える: 補助事業の財産処分や贈与税など、先に確かめないと負担が生じるものがあります。

よくある質問

国が出している様式との違いは何ですか?

農林水産省は、経営継承計画書や後継者の選定・育成シート、必要書類チェックリストなどの様式例を公開しています。この表は、それらの計画を実行するときに、引き継ぐものを1行ずつ管理するための独自の表です。計画書そのものは農林水産省の様式例を使ってください。

いつから始めればよいですか?

技術や人脈の引き継ぎには長い期間がかかるため、早めに始めるほど余裕が生まれます。現経営者が引退の時期を決め、そこから逆算して予定を立てる方法が手引きで紹介されています。

第三者に引き継ぐ場合も使えますか?

使えます。ただし第三者への継承では、資産の評価や譲渡の契約など、親族内とは違う手続きが必要です。農林水産省の「第三者継承ガイドライン」などを参考に、支援機関に相談してください。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。