圃場・集落

土壌診断カルテの無料テンプレート(Excel・PDF)|基準値との比べ方と書き方つき

更新日 2026年9月26日|登録不要・無料

土壌分析の結果を、県・JAの基準値(改良目標)と並べて判定し、施肥や土づくりの対策を書き込む土壌診断カルテのテンプレートです。国の地力増進基本指針の改善目標と、塩基飽和度・塩基バランスの目安を記入例に入れ、年ごとの推移表も付けました。Excel と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

土壌診断カルテの記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

このカルテでわかること

土壌分析の結果を1圃場1枚にまとめ、基準値と比べて「足りない・多すぎる」を判定し、次の施肥や土づくりに何を反映したかを残すカルテです。

  • 分析結果票を受け取ったあと、何をどれだけ変えるかを整理したいとき
  • 前回の診断と比べて、土が良くなっているかを確かめたいとき
  • リン酸や加里が十分にある圃場で、肥料を減らせるか判断したいとき

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
分析項目・単位 分析結果票にある項目と単位(手書き用には主な項目を印字済み) 可給態リン酸・mg/100g
改良目標(基準値) 分析結果票や県・JAの土壌診断基準にある目標の範囲 10〜75
今回・前回 今回と前回の分析値 85・80
判定 基準値と比べて低・適・高 高
対策・施肥への反映 石灰資材・堆肥・肥料をどう変えるか リン酸の少ない肥料を選ぶ

基準値は、作物・土壌の種類・水田か畑かで変わります。分析を頼んだ JA や分析機関の結果票に基準値が載っていれば、それを写すのがいちばん確実です。

国の改善目標(普通畑の例)

国の「地力増進基本指針」は、水田・普通畑・樹園地ごとに土壌の基本的な改善目標を示しています。普通畑で、褐色森林土・灰色低地土などの区分の主な値は次のとおりです。

項目 改善目標
pH 6.0以上6.5以下(石灰質土壌では6.0以上8.0以下)
陽イオン交換容量(CEC) 乾土100gあたり12meq以上(中粗粒質の土壌では8meq以上)
塩基飽和度 石灰・苦土・加里が CEC の70〜90%
塩基組成 石灰:苦土:加里の当量比が(65〜75):(20〜25):(2〜10)
有効態りん酸 乾土100gあたり P2O5 として10mg以上75mg以下
可給態窒素 乾土100gあたり5mg以上
土壌有機物 乾土100gあたり3g以上
電気伝導度(EC) 0.3mS以下

黒ボク土・砂質の土壌などでは値が違います。また、指針自身も、pH と有効態りん酸は作物・品種で好適な範囲が違うので土壌診断で適正な範囲にするよう求めています。

出典: 農林水産省「地力増進基本指針」

塩基飽和度と塩基バランスの出し方

分析結果票に塩基飽和度が載っていないときは、次の手順で出せます(JA全農「土壌診断なるほどガイド」の計算方法)。

  1. mg/100g を meq/100g に直す: 石灰(CaO)は28、苦土(MgO)は20、加里(K2O)は47で割る
  2. それぞれを CEC で割って100を掛け、足し合わせたものが塩基飽和度

記入例(CEC 15、CaO 180、MgO 30、K2O 45)では、6.43+1.50+0.96=8.89meq で、塩基飽和度は約59%です。同じガイドは、石灰/苦土比を5〜8、苦土/加里比を2〜6にするのが望ましいとしています。記入例の石灰/苦土比は4.3、苦土/加里比は1.6なので、石灰と苦土を補い、加里は控える判断になります。

出典: JA全農「土壌診断なるほどガイド」

土の採り方

土の採り方で分析値は大きく変わります。原則として作物の収穫後、次の耕起・施肥の前に採ります。圃場の対角線上の5地点ほどから、目的の深さ(作土)まで V 字に掘って一定の厚さで採り、よく混ぜて1つの試料にします。うねがある圃場は、うね間から隣のうね間までの土を採ります。

出典: 農林水産省ウェブサイト掲載の都道府県施肥基準資料「土壌診断の方法と活用」

毎年同じ時期・同じ深さで採ると、前回との比較がしやすくなります。採土日と深さはカルテの上の欄に書いておきます。

法令・制度上の位置づけ

土壌診断やカルテの作成は法令の義務ではありません。地力増進法にもとづく地力増進基本指針は、国が示す土づくりの目安です。施肥の量は、県の施肥基準や JA・普及センターの指導に従ってください。

診断に合わせて変えた施肥を記録する

ミノリス日誌では、作付けごとに肥料の名前・投入量・施用方法を記録できます。土壌診断で減らすと決めた肥料を実際にどれだけ使ったか、あとから栽培履歴として CSV で取り出して確かめられます。無料で使えます。

よくある間違い

  • 単位を取り違える: 同じ「リン酸」でも mg/100g と mg/kg では10倍違います。分析結果票の単位をそのまま写します。
  • 測定方法の違いを見落とす: 可給態リン酸はトルオーグ法が一般的ですが、地域や作物によってはブレイ第2法で測ることもあります。基準値は同じ方法のものと比べます。
  • pH だけ見て石灰を入れすぎる: pH が低くても、塩基のバランスや EC によって原因が違うことがあります。石灰資材の量は処方に従います。

よくある質問

どのくらいの間隔で診断すればよいですか?

法令で決まった間隔はありません。作付けや土づくりを大きく変えたとき、生育に問題が出たときのほか、数年に1回など決めておくと推移を追いやすくなります。

水田でも使えますか?

使えます。水田では有効態けい酸なども大事な項目です。地力増進基本指針の水田の改善目標は普通畑と違うので、改良目標の欄は水田の基準値を写してください。

分析はどこに頼めばよいですか?

JA や県の普及センター、民間の分析機関などが受け付けています。依頼先によって項目・料金・結果票の形式が違うので、事前に確かめてください。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。