計画

経営ビジョンシート・経営発展プランの書き方と下書きテンプレート(Excel・PDF)|強み・弱みとクロスSWOTの記入例つき

更新日 2026年9月27日|登録不要・無料

日本政策金融公庫の事業性評価融資で提出する「経営ビジョンシート」と、その後にまとめる「経営発展プラン」の下書きテンプレートです。生産・仕入・加工・販売・財務などの項目ごとに強みと弱みを整理するシートに記入例をつけ、経営理念・将来ビジョン・今回の事業、経営戦略、事業の資金、クロスSWOT、アクションプランのシートを用意しました。Excel とPDFを登録不要で配布しています。

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Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

経営ビジョンシート・経営発展プランの下書きの記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この下書きでわかること

日本政策金融公庫(農林水産事業)の「事業性評価融資」では、借入の相談のときに「経営ビジョンシート」を出します。経営理念、経営の強み・弱み、めざす経営の姿(将来ビジョン)、経営戦略、今回の事業の概要を書くシートです。公庫が行った事業性の評価をもとに、その後、経営戦略と課題、具体的な行動計画を「経営発展プラン」にまとめます。

公庫の手引きでは、シートを作る目的を「まず自分の経営を知り、強みと弱みをふまえてビジョンを決め、それを実現する戦略・計画を作ること」と説明しています。このテンプレートは、その順番で考えを整理するための下書きです。様式そのものではありません。

シート 内容 対応する様式の欄
記入用(強み・弱み) 生産(規模・立地・単収・品質)、仕入、加工、販売、組織体制、財務、設備、人材労務ごとの強みと弱み ビジョンシート「経営の強み・弱み」
理念・ビジョン・今回の事業 経営理念、将来ビジョン1・2と目標、事業の内容・動機・効果・体制・時期・課題 ビジョンシート「経営理念」「将来ビジョン」「今回の事業概要」
経営戦略 ビジョンごとの取組事項、担当者、開始と達成の年月 ビジョンシート「経営戦略」
今回の事業の資金 公庫資金・その他の借入・補助金・自己資金を設備資金と運転資金に分けて(合計は計算式) ビジョンシート「今回の事業概要」
クロスSWOT 機会・脅威・強み・弱みと、4つの組み合わせの戦略 経営発展プラン「今後の経営戦略・戦略実施の課題」
アクションプラン 戦略ごとの行動計画と進捗の報告 経営発展プラン「アクションプラン」

記入例は、施設ミニトマトを家族と常時雇用で営む架空の経営です。

強み・弱みの書き方

項目 考えること 記入例
生産(規模・立地・単収・品質) 規模・立地・単収・品質で、他とどう違うか 強み: 糖度の選果基準を設け、品質の苦情は年2件以下/弱み: 単収 8t/10a で地域の上位より低い
仕入・加工 資材の調達、規格外品の活用など 弱み: 規格外品(出荷量の約1割)を活かせていない
販売 顧客に選ばれている理由、販路 強み: 量販店2社と契約取引。売上の4割は単価が決まっている
組織体制・人材労務 役割分担、人の定着、人手の確保 強み: 常時雇用の2人が5年以上続けて働いている
財務・設備 借入・自己資本、機械・建物の状態 弱み: ハウス3棟が築20年で環境制御ができない

公庫の手引きでは、強みは「自分の生産した農産物や加工品が顧客になぜ選ばれているのか」、他とどう違うか、自分の経営にしかできないことは何かという観点で掘り下げること、弱みは抜き出すだけでなく、克服できる課題か困難な課題かを確かめることが勧められています。記入用シートの右端の欄は、そのための欄です。

将来ビジョンと経営戦略の書き方

  • 経営理念: 農業経営で何を達成したいか、経営で大切にしている考え方。文章にしていなければ、創業の経緯や屋号の由来から考える方法もあります
  • 将来ビジョン: 経営規模・売上・利益・取組(販売・輸出・加工など)について、めざす姿を書きます。公庫の記入例では「目標年に売上高〇億円」のように、数値と目標年が入っています
  • 経営戦略: ビジョンを達成するための取組事項を並べ、実施開始の時期、達成の目標時期、担当者(責任者)を書きます

記入例の経営なら、たとえば次のように書けます(架空の例です)。

欄 例
将来ビジョン1 環境制御ハウスで単収を上げ、5年後に売上高 6,000万円
取組事項 環境制御装置つきハウス20aの建設、温度・CO2の記録と分析、雇用1人の追加
今回の事業 環境制御ハウス20aの建設(設備資金)と、初年度の資材費(運転資金)
課題・懸案事項 増設用地が3km離れるため、2か所の管理の人手と移動の時間

公庫のページには、稲作・肉用牛・野菜の記入例が載っています。どの例も、強み・弱みの欄は当てはまる項目だけを書き、ビジョンには売上高などの数値の目標と目標年を、戦略には実施開始と達成の時期を書いています。ビジョン2を空欄にしている例もあります。

経営発展プラン(クロスSWOT・アクションプラン)

経営発展プランでは、外部環境の「機会」「脅威」と、内部環境の「強み」「弱み」を組み合わせて、4つの戦略を考える形になっています。

組み合わせ 様式での呼び方 考え方
強み×機会 積極的な攻勢 強みを活かして追い風に乗る
強み×脅威 差別化の促進 強みで向かい風をしのぐ
弱み×機会 段階的な着手 追い風を逃さないよう弱みを補う
弱み×脅威 専守防衛 弱みと向かい風が重なる損失を避ける

「考え方」の列は、ミノリスが一般的な整理として加えたものです。戦略ごとに担当者を決め、アクションプランに「年月:何をするか」と、公庫に進捗をいつ何を報告するかを書きます。

手続きの流れ

公庫の手引きでは、次の流れが示されています。

  1. 相談(農業経営改善計画や決算書などの既存資料を持参)
  2. 経営ビジョンシートの作成・提出(提出時に面談)
  3. 公庫による事業性の評価(通常の審査も並行して行う)
  4. 評価結果(事業性評価書)のフィードバック
  5. 公庫と一緒に経営発展プランを作成
  6. 経営発展プランを借入申込書と一緒に提出
  7. 融資の決定・契約

事業性の評価は通常の審査に加えて行うもので、評価の結果だけで融資の可否を決めるものではないとされています。資金ごとに対象者・使いみちなどの要件があるので、最寄りの公庫の支店(農林水産事業)に問い合わせてください。

出典: 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(農林水産事業)」(事業性評価融資について~経営ビジョンシート作成の手引き~、経営ビジョンシート、経営発展プラン、記入例(稲作・肉用牛・野菜))

強み・弱みを作業時間の数字で確かめる

ミノリスタイマーなら、作業の開始・終了をスマホで打刻でき、作業時間を作業の種類ごと・人ごとに日別・月別で集計できます。「収穫と出荷調製に何時間かかっているか」のように、人材労務や生産の強み・弱みを記録の数字で確かめられます。ビジョンシートを作る機能はありません。無料で使えます。

よくある間違い

  • 強みが「おいしい」「安全」だけ: 顧客がなぜ選んでいるのか、他とどう違うのかがわかるように、選果基準・契約の割合・苦情の件数などの根拠を書きます。
  • 弱みを書かない、または並べるだけ: 弱みは克服できるかどうかまで確かめると、戦略の③④につながります。
  • ビジョンに数字と年がない: 「規模を拡大する」だけでなく、売上・面積・頭数などの目標と、いつまでに達成するかを書きます。
  • 今回の事業とビジョンがつながっていない: 今回の投資が、どのビジョンのどの取組にあたるかがわかるように書きます。

よくある質問

借入申込書とは別に作るのですか?

別の書類です。経営ビジョンシートは相談の段階で出し、経営発展プランは借入申込書と一緒に出します。借入申込書の投資計画・資金計画の整理には借入申込・経営改善資金計画の下書きが使えます。

認定農業者の経営改善計画と中身が重なります。

重なって問題ありません。手引きでも、相談のときに農業経営改善計画などの既存資料を持参するよう案内されています。目標や措置の数字はそろえておきます。農業経営改善計画の下書きも参考にしてください。

後継者への引き継ぎを考えている場合は?

人材労務や組織体制の弱みに後継者の育成が挙がるなら、何を・いつ・誰に引き継ぐかを経営継承の引き継ぎ表で整理しておくと、戦略や行動計画に落とし込みやすくなります。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。