経営・会計

農地使用貸借契約書の無料テンプレート(Word・PDF)|無償で貸し借りする書き方と記入例

更新日 2026年9月28日|登録不要・無料

農地を無償で貸し借り(使用貸借)するときの契約書のテンプレートです。期間・使用の目的・途中で返す場合・借主が亡くなったときなど、民法の使用貸借の規定に沿って決めておきたい欄を入れ、土地の目録と費用の負担、賃貸借との違いを確かめる表を付けました。Word(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

農地使用貸借契約書の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この契約書でわかること

借賃を払わずに農地を借りる(貸す)ときの取り決めを、書面に残すための契約書です。次のような場面で使えます。

  • 親戚や近所の人から「使っていいよ」と言われた畑を借りるとき
  • 家族の農地を、同居していない子や親族が耕作するとき
  • 無償で借りている農地の、返す時期や費用の負担をはっきりさせたいとき

無償の貸し借りは、民法上は使用貸借といい、借賃を払う賃貸借とは扱いが違います。記入用の様式のほか、土地の目録と費用の負担をまとめる表と、賃貸借との違いを確かめる表が入っています。

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
契約の種類 無償であること 使用貸借(無償)
目的物 別表に1筆ずつ所在・地番・地目・面積 字南田230 畑 1,320㎡
使用の目的 何に使うか 野菜の栽培
期間 始期と終期 2026年4月1日〜2031年3月31日
期間満了後の扱い 続けるときの手順 満了の3か月前までに協議し改めて契約
途中で返してもらう場合 申し出の時期と、作物の扱い 3か月前までに申し出、収穫後に返す
転貸 第三者に使わせない旨 甲の承諾なしにしない
費用の負担 固定資産税・水利費・草刈りを誰が負担するか 固定資産税は甲、水利費は乙
返還・原状回復 何日以内に返すか、何を取り除くか 支柱・ハウス資材を取り除く
借主が亡くなったとき 契約が終わること、その後の相談 家族が続けるなら改めて手続き

記入例の人名・地名は架空のものです。

法令・制度上の位置づけ

使用貸借とは

使用貸借は、貸主が物を引き渡し、借主が無償で使用・収益をして、契約が終わったら返す契約です(民法第593条)。民法では次のように定められています。

  • 期間: 期間を決めたときは、満了で終わります。期間を決めず目的を決めたときは、目的に従った使用・収益が終わったときに終わります(第597条第1項・第2項)。期間も目的も決めていないときは、貸主はいつでも解除できます(第598条第2項)
  • 借主の死亡: 使用貸借は借主の死亡で終わります(第597条第3項)
  • 転貸: 貸主の承諾がなければ、第三者に使わせることはできません(第594条第2項)
  • 費用: 借用物の通常の必要費は借主が負担します(第595条第1項)
  • 返すとき: 借主が付けた物は取り除き、借主の責任で生じた損傷は元に戻します(第599条)
  • 書面の効果: 書面による使用貸借は、借主が受け取る前でも貸主が一方的に解除することはできません(第593条の2)

出典: e-Gov法令検索「民法」第593条〜第600条

無償でも農地法第3条の許可が要る

農地に使用貸借による権利を設定する場合も、賃貸借と同じく農業委員会の許可が必要で、許可を受けないでした行為は効力を生じません(農地法第3条第1項・第6項)。農作業に常時従事しない個人や農地所有適格法人以外の法人が借りる場合は、適正に利用していないときに契約を解除する旨の条件を書面の契約に付けることが、許可の要件の一つです(同条第3項)。

一方、法定更新(第17条)、解約・更新しない通知の制限(第18条)、引渡しによる対抗力(第16条)、契約の文書化(第21条)は、いずれも賃貸借についての規定です。使用貸借は、期間が来れば終わり、知事の許可なしに解約できる分、借りる側の立場は弱くなります。期間・返還の時期を契約書で決めておくことが大切です。

出典: e-Gov法令検索「農地法」第3条・第16条〜第18条・第21条

農業委員会によっては、使用貸借の契約書の参考様式を公開し、許可申請の際に契約書の写しの提出を求めています。このテンプレートは、高松市・見附市の参考様式の項目を参考に、民法の使用貸借の規定に沿って作り直した独自の様式です。

出典: 高松市「農地法第21条の規定による契約の文書化」、見附市農業委員会「農地等使用貸借契約書(参考様式)」

相続の手続きや、贈与税・相続税などの税金に関わることがあります。このテンプレートは一般的な記入例です。農業委員会に確かめ、必要に応じて行政書士・税理士などの専門家に相談してください。

借りた圃場を地図に登録しておく

ミノリス日誌では、借りた圃場も名前で登録して地図の上に範囲を描くと、その面積(m²・a)が表示されます。圃場ごとに住所やメモを残せるので、地番や貸主の名前を控えておけます。契約書の作成や許可の申請の機能はありません。無料で使えます。

よくある間違い

  • 無償だから許可は要らないと思う: 使用貸借も農地法第3条の許可の対象です。許可なしの貸し借りは効力を生じません。
  • 期間も目的も書かない: 期間も目的も決めていない使用貸借は、貸主がいつでも解除できます。借りる側は、少なくとも期間か目的を書いておきます。
  • 「更新される」と思い込む: 使用貸借には法定更新がありません。続けるときは、満了前に話し合って改めて契約します。
  • 借主が亡くなった後もそのまま耕作する: 使用貸借は借主の死亡で終わります。家族が続けたいときは、貸主と話し合い、農業委員会に手続きを確かめます。

よくある質問

賃貸借との違いを一言でいうと?

借賃を払うかどうかです。借賃を払えば賃貸借になり、法定更新・解約の制限・引渡しによる対抗力など、借りる側を守る農地法の規定が働きます。有償で借りる場合は農地賃貸借契約書を使ってください。

固定資産税を借主が払うと、賃貸借になりますか?

民法では、通常の必要費は借主の負担とされています(第595条)。どこまでが使用貸借として扱われるかは個別の事情によるので、固定資産税や謝礼の扱いを決める前に、農業委員会や専門家に確かめてください。

借りている圃場を一覧にしておくには?

地番・面積・所有者・借入の終期を1筆ずつ書く圃場台帳が使えます。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。