農薬・防除
防除計画表の無料テンプレート(Excel・PDF)|防除暦の作り方・読み方つき
更新日 2026年9月27日|登録不要・無料
JA や県の防除暦をもとに、自分の圃場の防除計画を立てるためのテンプレートです。時期・対象病害虫・予定薬剤に加えて、系統(FRAC・IRAC コード)と実施日の欄、系統ローテーションの確認表をつけました。Excel では薬剤ごと・系統ごとの予定回数を自動で数えます。Excel と PDF を登録不要でダウンロードできます。
この防除計画表でわかること
防除暦は、JA や県・地域の指導機関が作物ごとに「どの時期に、どの病害虫を、どの薬剤で防ぐか」をまとめた標準の予定表です。この計画表は、防除暦を自分の圃場・作型に当てはめて、実際の予定と実施日を書き込むためのシートです。
- 防除暦の時期を、自分の定植日・作型に合わせてずらしたいとき
- 同じ系統(作用のしかた)の薬剤を続けて使っていないか確かめたいとき
- 使用回数の上限と収穫前日数を、シーズンの前に見通しておきたいとき
防除暦の読み方と、計画表への落とし方
- 自分の作物・作型の防除暦を手に入れる: JA や県・病害虫防除所が作っています。公式の防除暦はそれぞれの発行元から入手してください(このテンプレートには転載していません)。
- 時期を自分の圃場に合わせる: 防除暦の「月・旬」や「生育段階」を見て、自分の定植日や生育に合わせた時期を「時期(月・旬)」「生育段階」に書きます。
- 対象病害虫と予定薬剤を書く: 防除暦に候補が複数あるときは、手元の薬剤や前年の発生状況から選びます。
- 系統コードを書き足す: 予定薬剤の有効成分の系統(殺菌剤は FRAC、殺虫剤は IRAC のコード)を調べて書きます。クロップライフジャパンが、有効成分や商品名から RAC コードを調べられる一覧を公開しています。
- 回数と日数を確かめる: ラベルで使用回数の上限と収穫前日数(使用時期)を確かめ、予定どおり使ったときに上限を超えないかを見ます。
- 実施したら実施日を書く: 天候や発生状況で予定を変えたときは、備考に理由を書きます。実際の散布の記録は防除日誌や農薬使用記録簿に残します。
各欄の書き方
| 欄 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 時期(月・旬) | 予定する時期 | 5月上旬 |
| 生育段階 | そのときの生育の目安 | 定植2週後 |
| 対象病害虫 | 防ぎたい病気・害虫 | 灰色かび病 |
| 予定薬剤 | 使う予定の農薬名 | 〇〇水和剤 |
| 系統コード | FRAC・IRAC のコード | FRAC M5 |
| 希釈倍数・量 | ラベルの範囲で予定する倍率と量 | 2,000倍・150L |
| 使用回数(予定・自動) | この表で同じ薬剤を何回目に使う予定か。Excel では計算式で自動で数える | 1 |
| 上限回数 | ラベルに書かれた使用回数の上限 | 4 |
| 同じ系統の回数(自動) | この表で同じ系統コードを何回目に使う予定か。Excel では計算式で自動で数える | 1 |
| 収穫前日数 | ラベルの使用時期 | 前日まで |
| 実施日 | 実際に散布した日 | 5/8 |
| 備考 | 予定を変えた理由、発生状況 | 雨で2日延期 |
自動で数える回数は、この表に書いた同じ薬剤名・同じ系統コードの行を数えるだけです。名前とコードは毎回同じ書き方にしてください。同じ有効成分を含む別の商品や、育苗期・種子消毒の使用は数えないので、有効成分ごとの総使用回数はラベルで確かめます。
別シートの「系統ローテーション確認表」では、系統コードごとに使った日を並べ、同じ系統が続いていないかを見られます。
系統ローテーションの考え方
同じ系統の薬剤を続けて使うと、その系統が効きにくい病害虫(薬剤抵抗性・耐性)が増えやすくなります。植物防疫法にもとづく国の「総合防除基本指針」でも、化学農薬を使う場合は同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の農薬でローテーション散布を行うこと、地域内で抵抗性・耐性が確認されている薬剤は使わないことが挙げられています。
- 商品名が違っても、系統コードが同じなら同じ系統として数えます。
- 地域で抵抗性が確認されている薬剤は、県や病害虫防除所の情報で確かめます。
出典:
- 植物防疫所「指定有害動植物の総合防除を推進するための基本的な指針」
- クロップライフジャパン「RAC(作用機構分類)」
- 農林水産省「病害虫防除に関する情報」(病害虫発生予察情報・都道府県の病害虫防除所へのリンクがあります)
- 農林水産省「都道府県における総合防除計画の策定」(各都道府県の総合防除計画へのリンクがあります)
- 農林水産省「農薬登録情報提供システム」(作物名・病害虫名から登録のある農薬を調べられます)
計画した防除を、カレンダーで見落とさない
ミノリス日誌なら、防除の予定をカレンダーに登録して作付けごとの記録と一緒に見渡せ、実際に散布したときは登録農薬のデータ(FAMIC)と照らして使用回数の上限・希釈倍率・収穫前日数を自動でチェックします。記録は栽培履歴として CSV で取り出せます。無料で使えます。
よくある間違い
- 防除暦の時期をそのまま使う: 防除暦は標準的な作型が前提です。定植が早い・遅い場合や、施設と露地では時期がずれます。
- 商品名で連用を判断する: 名前が違っても同じ系統のことがあります。系統コードで確かめます。
- 防除暦にある薬剤を登録の確認なしに使う: 登録内容は変わることがあり、作物名の区分(例: トマトとミニトマト)で登録が分かれることもあります。使う前にラベルや農薬登録情報提供システムで確かめてください。
よくある質問
JA や県の防除暦があれば、この計画表は要りませんか?
防除暦の内容に従うのが基本です。この計画表は、防除暦を自分の圃場の日付に落とし、実施日や系統の重なりを確かめるための補助です。JA や部会で提出用の様式が決まっている場合は、そちらを使ってください。
系統コードはどこで調べられますか?
クロップライフジャパンの RAC(作用機構分類)のページで、有効成分名や商品名から調べられます。地域での抵抗性の状況は、県の病害虫防除所などの指導機関に確かめてください。
予定を変えたときはどうすればよいですか?
実施日の欄に実際の日付を書き、備考に理由(天候・発生状況など)を書きます。薬剤を変えた場合は、系統ローテーション確認表も書き直して、同じ系統が続いていないかを見直します。
あわせて使うテンプレート
このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。