計画

総合化事業計画(6次産業化)の書き方と下書きテンプレート(Excel・PDF)|売上高・所得の目標の記入例つき

更新日 2026年9月27日|登録不要・無料

六次産業化・地産地消法の総合化事業計画(6次産業化の認定)を書く前に使う下書きテンプレートです。新商品と販売方式ごとの売上高、所得の現状と目標、増加率を計算式つきで整理でき、経営の現状・取組の内容(いつ・どこで・誰が・誰に・何を・どのように)・実施体制・資金の調達方法のシートがあります。Excel とPDFを登録不要で配布しています。

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Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

総合化事業計画の下書き(6次産業化)の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この下書きでわかること

総合化事業計画は、農林漁業者が自分で生産した農林水産物を使って、加工品の開発や販売方法の見直しに取り組むときに作る計画です。六次産業化・地産地消法にもとづいて農林水産大臣の認定を受けます。いわゆる「6次産業化の認定」です。

計画の中でいちばん時間がかかるのは、売上高と所得の目標の数字と、それを裏づける取組の中身をそろえることです。このテンプレートは、申請書に書き写す前にそれを整理するための下書きです。

  • 記入用(売上高と所得の目標): 新商品・販売方式ごとの販売数量×単価、売上高の合計(ア・イ)、所得(ウ〜ク)、増加率。Excel には計算式が入っています
  • 経営の現状: 品目ごとの生産規模・生産量・体制・販売先・課題
  • 取組の内容: 新商品、新たな販売の方式、生産の方式の改善を「いつまでに・どこで・誰が・誰に対して・何を・どのように」で書く表
  • 実施体制: 部門ごとの担当者と協力・連携する事業者
  • 資金の額と調達方法: 5年分の設備投資額・運転資金額と、自己資金・借入金・補助金等の内訳

記入例は、いちごと水稲を作る架空の個人経営です。規格外のいちごでジャムを作り、自社サイトで通信販売を始める計画にしています。

計画に書くこと

法律では、総合化事業計画に次の事項を書くことになっています。

  1. 農林漁業経営の現状
  2. 総合化事業の目標
  3. 総合化事業の内容と実施期間
  4. 総合化事業の実施体制
  5. 総合化事業を実施するために必要な資金の額と調達方法

農林水産省のガイドラインでは、①経営の現状と課題を把握する → ②目標(めざす姿)を決める → ③目標を達成するための取組を考える → ④目標を数字で具体化する、の順に作る流れが示されています。

各欄の書き方(売上高と所得の目標)

欄 書くこと 記入例
現状・目標の決算期 現状は直近の決算期、目標は実施期間の終わりの決算期 2025年12月期 → 2030年12月期
区分「現状」「目標」の行 総合化事業に使う農林水産物等と新商品を、販売方式ごとに1行ずつ いちご/JA〇〇へ出荷
販売数量・単位・単価 平均的な単価で。売上高は数量×単価 8,000 kg × 1,000円
新商品の原材料の使用量 新商品に使う原材料の量と、そのうち自分で生産した分 いちご 800kg(うち自社生産分 800kg)
ア・イ 現状と目標の売上高の合計 9,500,000円 → 13,200,000円
売上高の増加率 イ÷ア×100。小数第2位を四捨五入 138.9%
ウ〜ク 農林漁業と関連事業の全体の売上高・経営費・所得 所得 3,000,000円 → 3,800,000円

ア・イとウ〜クでは、対象の範囲が違います。ア・イは総合化事業に使う農林水産物等と新商品の売上高だけです。すでに商品になっているものや、総合化事業に使わない品目は入れません。ウ〜クは、総合化事業に使わない品目も含めた、農林漁業と関連事業(加工・販売)の全体の数字です。記入例では、いちごだけがア・イに入り、水稲はウ〜クにだけ入っています。建設業や運送業など、農林漁業と関係のない事業の数字は入れません。

個人の場合、所得は青色申告決算書(農業所得用)や収支内訳書の数字から出します。どの欄を使うかは、ガイドラインに対応表があります。

認定の要件で数字に関わるもの

ガイドラインと、基本方針から抜き出した認定要件では、次のように示されています。

  • 売上高: 総合化事業に使う農林水産物等と新商品の売上高の合計が、計画期間5年なら5%以上、4年なら4%以上、3年なら3%以上増えること
  • 所得: 農林漁業と関連事業の所得が、事業の開始時から終了時までに向上し、終了年度は黒字になること
  • 計画期間: 5年以内(3〜5年が望ましい)。認定より前の時点を始まりにはできません
  • 新商品: これまで自分で作ったことのない商品。商品そのもの・原料・製法のいずれかが新しいものが当たります

ガイドラインは、目標の数字のつじつまを合わせるために根拠のない数値を掲げることは避けるよう求めています。単価は顧客にとっての価値とコストから、販売数量は販路の開拓の見込みから積み上げます。

出典: 農林水産省「六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画等の申請について」(申請書・別紙・別表の様式、ガイドライン(R6.10月版)、認定要件、相談窓口) / 六次産業化・地産地消法(e-Gov法令検索)(第5条 総合化事業計画の認定)

取組の内容の書き方

取組は次の3つに分けて書きます。③は、①か②を行うために必要な取組です。

取組 内容 記入例
①新商品の開発・生産・需要の開拓 自分で生産した農林水産物を欠かせない原材料として使う新商品 規格外のいちごでジャムを作る
②新たな販売の方式の導入・販売の方式の改善 これまで使ったことのない販売方式(店舗・通信販売・卸売など)や、今の方式の改善 自社サイトで通信販売を始める
③①②に必要な生産の方式の改善 加工に向く品種、新しい栽培方法、設備の導入など 加工向けの果実を選別して保管する設備を入れる

ガイドラインでは、それぞれを「いつまでに・どこで・誰が・誰に対して・何を・どのように」で書くことが勧められています。「取組の内容」シートは、この6つを1行に並べる形にしました。原材料の一部をよそから仕入れる場合や、製造を委託する場合は、相手と内容を書き、内諾を得ていればそのことも書きます。

相談と申請の流れ

申請の前に、地方農政局・北海道農政事務所・沖縄総合事務局の相談窓口に相談します。申請書・別紙・別表の様式、ガイドライン、Q&A は農林水産省のページにあります。施設を整備する場合は別表1、農地法などの特例措置を使う場合は別表2、資金の額と調達方法は別表3に書きます。

認定を受けた後は、毎年度、売上高や所得などの実施状況を報告することになっています。このため、実施期間の終わりは決算期に合わせておくのが望ましいとされています。

販売方式ごとの実績を出す材料を残す

ミノリス受注なら、取引先からの注文を登録し、受注一覧を取引先や出荷日の期間で絞り込んでCSVに書き出せます。表計算ソフトで販売先ごとの数量や金額を集計すれば、毎年の実施状況の報告で売上の実績を確かめる材料になります。計画書を作る機能はありません。無料で使えます。

よくある間違い

  • ア・イに全部の品目を入れてしまう: ア・イは総合化事業に使う農林水産物等と新商品だけです。経営全体の数字はウ〜クに書きます。
  • 所得の目標が「売上だけ増えて経費を見ていない」: 加工の委託費、容器・資材、送料、販売手数料が増えるはずです。経費も目標年の見込みで書きます。
  • 新商品の原材料に自分の生産物が入っていない: 新商品は、自分で生産した農林水産物を欠かせない原材料として使う必要があります。使用量のうち自社生産分を書きます。
  • 資金の調達が必要額と合っていない: 「資金の額と調達方法」シートの差が0にならない年は、資金が足りないか、計算がずれています。

よくある質問

どこに申請しますか?

申請者の主たる事務所の所在地を担当する地方農政局長などあてに出します。まずは各地方農政局などの相談窓口に相談してください。農林水産省の県域拠点でも相談を受け付けています。

補助金の事業計画と同じものですか?

違います。総合化事業計画は法律にもとづく認定の計画です。補助事業の申請には、事業ごとに決まった様式があります。共通して書くことの整理には補助金の事業計画の下書きが使えます。

商談の準備には何を使えばよいですか?

ガイドラインでは、新商品の販路を広げるために、FCP(フード・コミュニケーション・プロジェクト)の「展示会・商談会シート」の活用が紹介されています。生鮮の農産物を売り込む場合は、その項目を農産物向けに組み直した商品規格書も使えます。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。