衛生・安全

水質検査記録の無料テンプレート(Excel・PDF)|かん水・洗浄用水・井戸水の記入例と書き方つき

更新日 2026年9月26日|登録不要・無料

農業で使う水(かん水・農薬の希釈・野菜の洗浄・手洗い)の水源と水質検査の結果を記録するテンプレートです。農林水産省の野菜の衛生管理指針と国際水準GAPガイドラインの水の取り扱い、水道の水質基準と飲用井戸の検査の考え方を整理して入れました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

かん水・洗浄用水の水質検査記録の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この記録でわかること

農業で使う水が、どこから来て、何に使い、安全を確かめてあるかを残すための記録です。3つのシートがあります。

  • 水質検査の記録(記入用シート): 採水日、水源、使いみち、検査機関、検査項目、結果、判断の目安、判定と対応
  • 水源と使いみちの一覧: 水源ごとに、何に使うか、収穫する部分に水がかかるか、周りに汚れのもとがあるか、どんな管理が必要か
  • 日常の確認: 使う前の濁り・におい、水源・水路・バルブの周りの確認

次のような場面で使えます。

  • 井戸水や水路の水を、野菜の洗浄・手洗い・かん水・農薬の希釈に使っているとき
  • 取引先や GAP の審査で、使っている水の安全性を示すよう求められたとき
  • 大雨や冠水のあとに、水の状態を確かめた記録を残したいとき

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
採水日・採水した場所 検査用の水をとった日と、とった蛇口や取水口 2026/5/12・調製室の蛇口
水源 水道・井戸・河川・ため池・農業用水路など 井戸
使いみち 野菜の洗浄・手洗い・かん水・農薬の希釈など 野菜の洗浄・手洗い
検査機関・検査項目 検査を頼んだところと、調べた項目 〇〇検査センター・大腸菌数
結果 成績書に書かれた数値や「検出せず」 30個/100mL
判断の目安 何と比べて判断したか 100個/100mL以内(収穫前1週間の目安)
判定・対応 目安に合っていたか。合っていなければ何をしたか 超過→井戸水に切り替え、再検査

検査結果の書類(成績書)は、この記録と一緒に保管します。

水の安全性の考え方

使いみちによって必要な安全さが違う

農林水産省の「栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針」と国際水準GAPガイドラインでは、水の扱いを使いみちで分けて考えています。

使いみち 指針・ガイドラインでの考え方
収穫した野菜の洗浄、収穫時の葉水、収穫物に触れる器具・容器の洗浄 水道水などの飲用に適する水、水質検査で安全を確かめた水、消毒した水を使う
生で食べる野菜の収穫部分に、収穫前1週間以内にかかるかん水・農薬の希釈 水質検査で安全を確かめた水、飲用に適する水、消毒した水を使うよう努める。やむを得ず検査・消毒していない水を使うときは、できるだけ収穫まで日を空ける
株元や土へのかん水 使う前に濁り・異臭がないか確かめ、異常があれば使わない。水源・水路・バルブの周りを定期的に点検する

指針では、水質検査で少なくとも大腸菌を調べることとし、生で食べる野菜の収穫部分にかかる水は、EU で使われている「大腸菌 100個/100mL 以内」を目安にするとよいとしています。また、河川やため池の水は深い井戸の水より汚れやすい傾向があるとしています。

出典: 農林水産省「野菜の衛生管理に関する情報」(指針本文: 生鮮野菜を衛生的に保つために(第2版)PDF)、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」(取組事項30)

「飲用に適する水」と水道の水質基準

飲用に適するかどうかは、水道法にもとづく「水質基準に関する省令」の基準が目安になります。基準は全部で52項目あり、例えば一般細菌は1mLで集落数100以下、大腸菌は「検出されないこと」、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素は10mg/L以下とされています。

出典: e-Gov法令検索「水質基準に関する省令」

井戸水の検査項目と頻度

井戸の水質検査については、厚生省(当時)の通知「飲用井戸等衛生対策要領」で、定期の水質検査の項目を一般細菌、大腸菌、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、有機物(TOC)、pH値、味、臭気、色度、濁度などとし、1年以内ごとに1回行うもの(自宅だけで使う井戸などは行うことが望ましい)としています。検査は、地方公共団体の機関か国の登録を受けた検査機関に依頼します。自治体によって検査のメニューや費用が違うので、保健所や検査機関に確かめてください。

出典: 厚生労働省「飲用井戸等衛生対策要領の実施について」PDF

法令上の位置づけ

かん水や洗浄に使う水の検査を、農家に一律に義務づける法令はありません。この記録は、指針・GAP・取引先の求めに応えるための任意の記録です。ただし、井戸水を飲み水として人に使わせる場合や、食品の加工など営業にあたる事業に使う場合は、自治体の要綱や食品衛生の基準がかかることがあります。管轄の保健所に確認してください。

検査結果の書類を写真で残す

ミノリス日誌では、圃場を選んでメモ単独の記録を残し、写真を最大10枚添えられます。水質検査の成績書や、大雨で濁った水路の様子を撮っておけば、カレンダーとタイムラインで日付順に見返せます。水質検査の結果を管理したり判定したりする機能はありません。無料で使えます。

よくある間違い

  • 水道水と同じ感覚で井戸水を使う: 井戸水は、周りの堆肥置き場や畜舎、大雨の影響で水質が変わることがあります。年1回の検査に加え、大雨や冠水のあと、濁りやにおいが変わったときにも検査します。
  • 検査した蛇口と使う蛇口が違う: 採水した場所を書いておき、実際に野菜の洗浄や手洗いに使う蛇口でとるようにします。
  • ためた水で野菜を洗い続ける: ためた水で洗うと、汚れが広がります。かけ流しにするか、定期的に水を全部入れ替えます。
  • 結果の数字だけ書いて判断しない: 何と比べて適・不適にしたかを「判断の目安」の欄に書いておくと、次に見る人にもわかります。

よくある質問

水道水だけを使っていても記録が必要ですか?

水道水は水道事業者が水質を管理しているので、自分で検査する必要は通常ありません。「水源と使いみちの一覧」に水道水を使っていることを書いておけば、GAP の審査などで水源を説明するときに役立ちます。

どこに検査を頼めばよいですか?

保健所や、都道府県・市町村の検査機関、国の登録を受けた水質検査機関に依頼できます。大腸菌数のように、検査項目を選んで頼めるところもあります。

養液栽培の培養液も対象ですか?

養液栽培の培養液の管理は、国際水準GAPガイドラインでは別の取組事項(取組事項31)になっています。この記録の「水源と使いみちの一覧」に、培養液に使う原水として書き加えて使うことはできます。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。