経営・会計
農業の棚卸表の無料テンプレート(Excel・PDF)|記入例と評価方法の早見表つき
更新日 2026年9月26日|登録不要・無料
農家が年末(12月31日)に作る棚卸表のテンプレートです。農産物・未収穫農産物・肥料や農薬などの資材を区分ごとに書き、国税庁の手引きにそった評価方法と、棚卸しを省略できる場合の早見表を付けました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。
この棚卸表でわかること
年末の時点で手元に残っている農産物や資材を数え、金額に直して記録する表です。
- 年内に収穫して、まだ売っていない米・麦・大豆などがどれだけあるか
- 年末に畑にある作物(未収穫農産物)にどれだけ費用をかけたか
- 使い切らずに翌年へ持ち越す肥料・農薬・資材がどれだけあるか
棚卸しの金額は、収支内訳書の「農産物の棚卸高」「農産物以外の棚卸高」の期首・期末の欄に使います。今年の期末の金額が、来年の期首の金額になります。
各欄の書き方
| 欄 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 区分 | 農産物/未収穫農産物/販売用の動物/肥料・農薬など | 農産物 |
| 品名・品種・規格 | 何がどんな荷姿で残っているか | 米 コシヒカリ 玄米 30kg袋 |
| 保管場所・圃場 | 数えた場所。未収穫農産物は圃場と面積 | 自宅倉庫 |
| 数量・単位 | 実際に数えた数量 | 40 袋 |
| 評価単価 | 区分ごとの評価方法で決めた単価 | 12,000 |
| 棚卸金額 | 数量×評価単価 | 480,000 |
| 評価の方法・根拠 | どの価格を使ったか、いつ買った分の単価か | 最終仕入原価(11/20購入分の単価) |
| 確認者 | 数えた人 | 佐藤 |
未収穫農産物は、「未収穫農産物」シートで作物ごとに種苗費・肥料費・農薬費などを集計し、その合計を棚卸表に写します。
評価の方法(国税庁の手引きより)
国税庁の「白色申告者の決算の手引き(農業所得用)」では、年末(12月31日)現在で実地に棚卸しをして棚卸表を作るとされ、区分ごとの評価方法が次のように示されています。
| 区分 | 評価の方法 | 棚卸しを省略できる場合 |
|---|---|---|
| 農産物 | 収穫した時の生産者販売価格(庭先裸価格) | 家事用の作物、野菜類やぶどう・桃・梨など収穫から販売までの期間が短いもの、数量がわずかな芋類・果実 |
| 未収穫農産物 | 栽培に使った種苗費・諸材料費・労務費などの合計(種苗費・肥料費・農薬費に限ってもよい) | 毎年同じくらいの規模で作付けするもの |
| 販売用の動物 | 購入費・種付料に年末までの育成費用を加えた額 | − |
| 肥料・飼料・農薬・種苗・諸材料 | 年末に最も近い日に買ったものの単価(最終仕入原価法)。ほかの評価方法を使うには税務署への届出が必要 | 毎年同じくらいの数量を翌年へ繰り越すもの |
出典: 国税庁「令和7年分 白色申告者の決算の手引き(農業所得用)」(PDF) / 国税庁「決算のしかた(農業所得編)」(PDF) / 国税庁「令和7年分 収支内訳書(農業所得用)の書き方」(PDF)
保存期間
棚卸表は決算に関して作る書類です。白色申告では5年、青色申告では7年保存します。
出典: 国税庁「帳簿の記帳のしかた(農業所得者用)」(PDF)
省略できるかどうかや評価額に迷うときは、税務署や税理士に確かめてください。
1年分の収穫量と資材の使用量を確かめる
ミノリス日誌なら、収穫した数量を単位(kg・箱・袋など)つきで記録し、作付けごとに単位別の合計を確認できます。肥料・農薬の使用記録も作付けごとに残ります。在庫を数える機能はありませんが、棚卸しの前に1年分の収穫と使用の記録を見直すのに使えます。無料で使えます。
よくある間違い
- 農産物を「今売れる値段」で評価する: 農産物は収穫した時の生産者販売価格で評価します。年末の相場や小売価格ではありません。
- 資材を平均の単価で評価する: 届出をしていなければ、年末に最も近い日に買った単価(最終仕入原価)を使います。
- 去年の期末と今年の期首が合わない: 前年の棚卸表の期末の金額が、今年の期首の金額です。棚卸表は翌年も使うので、必ず保存しておきます。
- 省略した年としなかった年が混ざる: 省略できるのは「毎年同じくらいの量・規模」の場合です。規模を大きく変えた年は棚卸しをしておくと、所得が正しく計算されます。
よくある質問
12月31日に数えられないときは?
原則は12月31日現在の数量です。前後の日に数えた場合は、その日から12月31日までの出し入れを足し引きして年末の数量に直し、そのことを「評価の方法・根拠」欄にメモしておくと、あとで説明しやすくなります。
野菜農家も棚卸しが必要ですか?
野菜類のように収穫から販売までの期間が短い農産物は、棚卸しを省略しても差し支えないとされています。ただし、肥料・農薬・資材を年によって大きく多く持ち越した場合や、未収穫の作物の規模を変えた場合は、その分の棚卸しを検討します。
収支内訳書のどこに書きますか?
収穫した農産物(米・麦など)は「農産物の棚卸高」の期首・期末に、未収穫農産物・販売用の動物・肥料や農薬などの資材は「農産物以外の棚卸高」の期首・期末に書きます。書き方は収支内訳書(農業所得用)の下書きで説明しています。
あわせて使うテンプレート
このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。