経営・会計

作物別の収支表の無料テンプレート(Excel・PDF)|共通費の分け方と記入例つき

更新日 2026年9月26日|登録不要・無料

1年の実績から作物ごとの販売金額・経費・所得を出し、1時間あたり・10aあたりの所得で比べる収支表のテンプレートです。機械やハウスなど作物に分けにくい経費を配分する表と、県の経営指標と比べるときの見方を付けました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

作物別の収支表(実績)の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

この収支表でわかること

1年(または1作)が終わったあとに、作物ごとに「いくら売れて、いくらかかって、いくら残ったか」を並べる表です。

  • どの作物がいちばん所得を生んでいるか
  • 同じ所得でも、どの作物が時間あたり・面積あたりで効率がよいか
  • 来年、面積を増やす作物・減らす作物を決める材料

作付け前に見込みを立てる営農計画書の収支試算シートと違い、こちらは実績を振り返るための表です。

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
作物(作型) 作物と作型。作型で経費や時間が大きく違う場合は分ける ミニトマト(雨よけ)
作付面積 a(アール)で 10
収穫量・出荷量 出荷した量(単位つき) 5,500kg
販売金額 その作物の売上の合計(出荷先の精算書や帳簿から) 3,025,000
直接費 その作物に使った種苗・肥料・農薬・資材の費用 620,000
出荷経費 箱・袋代、運賃、市場やJAの手数料 450,000
共通費の配分 「共通費の配分」シートで分けた額 1,200,000
経費計・所得 直接費+出荷経費+共通費、販売金額−経費計 2,270,000・755,000
労働時間 その作物にかかった作業時間の合計 800
1時間あたり所得 所得÷労働時間 944
10aあたり所得 所得÷面積(a)×10 755,000

記入例では、ミニトマトのほうが所得の額は多いものの、1時間あたりの所得はキャベツのほうが高くなっています。人手が足りないときに、どちらの面積を広げるかを考える材料になります(数字は架空)。

共通費の分け方

機械・ハウスの減価償却費、燃料費、地代など、どの作物に使ったか分けにくい経費は「共通費」として、何かの基準で作物に配分します。

  • 作付面積の割合: 地代、土地改良費など、面積に比例する経費
  • 労働時間の割合: 雇人費、作業場の光熱費など、人の作業に比例する経費
  • 機械の使用時間の割合: トラクターの減価償却費・燃料・修繕費など

特定の作物にしか使わない設備(トマト専用のハウスなど)の費用は、共通費にせずその作物の経費にします。配分の基準は毎年同じにすると、年ごとの比較がしやすくなります。家族の労働は経費に入れず、「1時間あたり所得」で家族の労働の見返りを見ます。

公的な経営指標と比べる

県や国が公表している経営指標と比べると、自分の数字の位置がわかります。

  • 県の経営指標: 県や農政局などが、作物・作型ごとに10aあたりの生産量・単価・粗収益・経営費・農業所得・所得率・労働時間を公表しています。たとえば長野県の農業経営指標は、ミニトマト(雨よけ)やキャベツなどについて10aあたりの数字と1時間当たり農業所得を載せています。
  • 国の統計: 農林水産省の農業経営統計調査(営農類型別経営統計)では、農業所得=農業粗収益−農業経営費、農業所得率=農業所得÷農業粗収益×100 とされ、農業経営費は雇人費・種苗費・肥料費・農薬衛生費・諸材料費・動力光熱費・減価償却費・荷造運賃手数料などに分類されています。

指標は「効率的な経営を想定したモデル」や「平均」で、機械・施設をすべて新しく買った前提の県もあります。地域・販売先・機械の状態で大きく変わるので、目安として使います。

出典: 長野県「長野県農業経営指標」 / 農林水産省「営農類型別経営統計 調査の概要(用語の説明)」 / 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(農林水産事業)」経営実績・計画整理表

作物ごとの作業時間と収穫量を集めておく

ミノリス日誌なら、作業を作付けに記録すると、作付けごとの作業の一覧と合計作業時間が表示されます。収穫の数量も作付けごとに単位別の合計が出て、栽培履歴としてCSVで取り出せます。金額や経費を集計する機能はありません。無料で使えます。

よくある間違い

  • 共通費を入れずに比べる: 直接費だけで比べると、機械やハウスをたくさん使う作物ほど実際より儲かって見えます。
  • 販売金額から出荷経費を二重に引く: JAの精算書で手数料を差し引いた手取りを販売金額に書いた場合は、出荷経費に同じ手数料を入れません。
  • 労働時間を記録していない: 1時間あたりの所得は、作業時間の記録がないと出せません。作物ごとに作業時間を残しておきます。
  • 家事消費や棚卸を忘れる: 自家用に回した分や、年末に売れ残って倉庫にある分も、その作物の成果です。必要なら販売金額とは別にメモしておきます。

よくある質問

収支内訳書や青色申告決算書の数字と合わせる必要はありますか?

作物ごとの経費の合計と共通費の合計が、帳簿の経費の合計と大きくずれていないかは確かめておくと安心です。ただ、この表は経営を見直すための自分用の表なので、申告書の欄と完全に一致させる必要はありません。

作物が多くて分けきれません。

売上の大きい作物だけを個別に出し、残りは「その他の作物」としてまとめても構いません。

何年分残せばよいですか?

決まりはありません。同じ形式で3〜5年並べると、天候の良し悪しを除いた傾向が見えてきます。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。