労務
雇用契約書・労働条件通知書テンプレート(農業)無料|記入例つき Word・PDF
更新日 2026年9月28日|登録不要・無料
農家がパートや季節雇用の人を雇うときの、労働条件通知書と雇用契約書を兼ねたテンプレートです。2024年4月に加わった「変更の範囲」などの明示事項と、農業の労働時間の扱いを記入例に入れました。Word(入力用)と PDF を登録不要でダウンロードできます。
この書面でわかること
人を雇うときに、賃金・働く時間・休日などの労働条件を書面で伝えるためのものです。1人でも人を雇えば、農業でも労働条件の明示が必要です。
- 収穫期にパートやアルバイトを雇うとき
- 季節雇用(期間を決めた雇用)で毎年同じ人に来てもらうとき
- 口約束で雇っていた人の条件を、書面にして確かめ直すとき
事業主と労働者がそれぞれ署名すれば「雇用契約書」、事業主から渡すだけなら「労働条件通知書」として使えます。
各欄の書き方
| 欄 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 契約期間 | 期間の定めの有無と期間 | 2026年4月1日〜11月30日 |
| 契約の更新 | 更新の有無・判断の基準・更新の上限 | 通算2回まで |
| 就業の場所 | 雇入れ直後の場所と、変更の範囲 | 本圃場・育苗ハウス/当農園の圃場・作業場 |
| 従事する業務 | 雇入れ直後の業務と、変更の範囲 | 収穫・調製/栽培・出荷作業全般 |
| 始業・終業、休憩 | 時刻と休憩時間 | 7時〜16時、休憩60分 |
| 所定時間外の労働 | 有無 | 有(繁忙期) |
| 休日・休暇 | 休日と年次有給休暇 | 毎週日曜日、年休は6か月後に10日 |
| 賃金 | 金額と計算方法 | 時給1,100円 |
| 割増賃金 | 深夜など割増の率 | 深夜25%以上 |
| 締切日・支払日・支払方法 | いつ締めていつ払うか | 月末締め翌月15日、口座振込 |
| 退職に関する事項 | 退職の手続きと解雇の事由 | 就業規則第〇条による |
記入例は架空の農園・条件です。項目名を入れた記入用の様式を、Word(入力用)と PDF(手書き用)で配布しています。
法令・制度上の位置づけ
明示しなければならない事項
労働基準法15条により、使用者は労働契約を結ぶときに、賃金・労働時間などの労働条件を明示しなければなりません。明示する事項は労働基準法施行規則5条で決まっていて、次の事項は書面で交付します(労働者が希望した場合はFAX・電子メール等でも可)。
- 労働契約の期間
- 期間の定めのある契約を更新する場合の基準(更新の上限がある場合はその上限を含む)
- 就業の場所・従事する業務(変更の範囲を含む)
- 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇など
- 賃金の決定・計算・支払の方法、締切り・支払の時期(昇給は書面でなくてもよい)
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
2024年4月から、就業場所・業務の「変更の範囲」、更新上限の有無と内容、無期転換申込みの機会と転換後の労働条件が明示事項に加わりました。
出典: e-Gov法令検索「労働基準法」第15条 / e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」第5条 / 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
農業の労働時間・休日の扱い
労働基準法41条1号により、別表第一第6号(林業を除く)・第7号の事業、つまり農業(土地の耕作・植物の栽培など)と畜産・養蚕・水産の事業に従事する人には、労働時間・休憩・休日に関する規定が適用されません。一方で、次の点は農業でも適用されます。
- 深夜(午後10時〜午前5時)に働かせた場合の25%以上の割増賃金
- 年次有給休暇(6か月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合)と、年5日の時季指定
また、農産物の販売・加工などを主な業務としている事業場は商業・製造業に当たるため、この適用除外になりません。外国人技能実習生は、農業であっても労働基準法の基準(労働時間・休憩・休日)に準拠することとされています。
適用除外であっても、始業・終業の時刻や休日は労働条件として明示が必要です。
出典: e-Gov法令検索「労働基準法」第37条・第39条・第41条・別表第一 / 厚生労働省「農業者・農業法人 労務管理のポイント」(農林水産省サイト掲載)
このテンプレートは一般的な記入例です。自分の雇用に当てはめるときは、社会保険労務士や労働基準監督署に確かめてください。
雇った人の作業時間をスマホで記録する
ミノリスタイマーなら、作業の開始・終了をタイマーで打刻でき、休憩も記録できます。共用のタブレットをタイムカードとして使うこともでき、作業時間は人ごとに集計できます。無料で使えます。
よくある間違い
- 「変更の範囲」を書いていない: 2024年4月からは、雇入れ直後の場所・業務に加えて、将来変わりうる範囲も書く必要があります。変更の予定がない場合も、その旨がわかるように書きます。
- 農業だから休日や時刻を書かなくてよいと思う: 労働時間・休日の規定が適用除外でも、何時から何時まで働くか、休日はいつかは労働条件として明示します。
- 深夜割増や有給休暇はないと思い込む: 深夜割増と年次有給休暇は農業でも適用されます。
よくある質問
口約束で雇っているパートにも書面が要りますか?
パートやアルバイトでも、労働契約を結ぶときには労働条件の明示が必要で、主な事項は書面(労働者が希望すればFAX・電子メール等)で伝えます。短時間・有期雇用の人には、これに加えて昇給・退職手当・賞与の有無と相談窓口も文書などで明示します(パートタイム・有期雇用労働法6条、同法施行規則2条)。2026年10月1日からは、通常の労働者(正社員など)との待遇の違いの内容・理由などについて説明を求めることができる旨も、この明示事項に加わります(厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法施行規則/雇用管理指針の主な改正事項」)。テンプレートの記入用シートにも欄を入れています。
厚生労働省やJAの様式を使ってもよいですか?
はい。厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーにモデル労働条件通知書があります。JA や農業委員会・雇用支援の窓口に指定の様式がある場合は、そちらを使ってください。
技能実習生や特定技能の外国人を雇う場合も、これでよいですか?
外国人技能実習生は労働時間などの扱いが異なるほか、制度ごとに求められる書類があります。このテンプレートではなく、監理団体・登録支援機関や関係機関の案内に従ってください。
あわせて使うテンプレート
このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。