衛生・安全

従業員の健康チェック表の無料テンプレート(Excel・PDF)|農業の収穫・調製作業向け記入例つき

更新日 2026年9月26日|登録不要・無料

収穫や調製で野菜に触れる人の体調を、作業前に確かめる健康チェック表のテンプレートです。農林水産省の野菜の衛生管理指針と厚生労働省の衛生管理の資料を参考に、症状ごとの確認欄と「作業変更・休み」の判断欄を設けました。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。

無料でダウンロード

Excel には「記入用」と「記入例」のシートが入っています。

従業員の健康チェック表の記入例
記入例(サンプルです。実在の商品名・人名ではありません)

このチェック表でわかること

収穫・調製・袋詰めなど、野菜に直接触れる作業をする人の体調を、毎日、作業を始める前に確かめて残す表です。

食中毒を起こすノロウイルスや腸管出血性大腸菌などは、体調をくずした人の手を通じて野菜に付くことがあります。生で食べられる野菜は、洗っても微生物を完全には除けません。そこで、症状のある人を野菜に直接触れる作業から外すことが大切です。

  • 誰が、いつ、どんな症状で作業を変えたり休んだりしたかがわかる
  • 取引先や GAP の審査で、作業者の健康管理の記録を求められたときに見せられる
  • 2枚目の「作業の判断の目安」に、症状があるときの農場のルールを書いて、作業者に伝えられる

各欄の書き方

欄 書くこと 記入例
日付・氏名 作業する日と、作業する人 6/10・鈴木
発熱 熱があるか なし
下痢・腹痛 下痢やおなかの痛みがあるか なし
おう吐・吐き気 吐いた・吐き気があるか なし
黄疸・その他の不調 皮膚や白目が黄色い、そのほか体調が悪いか なし
手指の傷・化膿 手や指に傷があるか、傷がうんでいないか あり
同居家族の下痢・おう吐 一緒に暮らす家族に下痢やおう吐の症状があるか なし
服装・爪・装飾品 清潔な作業着か、爪は短いか、指輪などを外しているか ○
判断 通常どおり・作業変更・休み のどれにしたか 作業変更
対応メモ 何をしたか。作業を変えたなら何の作業にしたか 絆創膏と手袋を着け、農産物に直接触れない箱の組み立てを担当
確認者 確認した責任者 山田

症状の欄は「なし」「あり」で書きます。本人が申告するだけでなく、責任者が顔を見て確かめると見落としが減ります。

確認する症状の根拠

農林水産省「栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針」

指針では、ほ場や施設の管理者が、作業前に下痢、おう吐、発熱、黄疸などの作業者の健康状態を点検し、これらの症状があって感染症が疑われる場合は、野菜に直接触れる作業をさせないこととしています。あわせて、作業前・トイレの後などの手洗い、爪を短く清潔にすること、手指の傷に絆創膏を貼り必要に応じて手袋をつけること、清潔な作業着を着ることが挙げられています。

出典: 農林水産省「野菜の衛生管理に関する情報」(指針本文: 生鮮野菜を衛生的に保つために(第2版)PDF)

国際水準GAPガイドライン

国際水準GAPガイドラインの指導マニュアル(取組事項25)では、作業者・入場者の健康状態(発熱、下痢などの感染症の症状の有無。必要があれば同居の家族を含む)を、自己申告だけでなく必要に応じて責任者が確認する仕組みをつくり、健康状態に応じて立ち入りを禁止したり作業内容を変えたりすることが解説されています。この表の「同居家族」の欄はこれにもとづいています。

出典: 農林水産省「国際水準GAPガイドライン」

厚生労働省の食品事業者向けの資料

厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」には、調理する人の点検項目として下痢・おう吐・発熱、手指や顔の化膿創、服装・帽子・爪・指輪などが並んでいます。厚生労働省が公表している農産物直売所向けの HACCP の手引書でも、「発熱・咳、のどの痛み」「腹痛・下痢の症状」「手指のケガ」の有無を毎日確認して記録し、症状のある人は取り扱いを制限するよう書かれています。この表は、これらを農家の収穫・調製作業向けに絞ったものです。

出典: 厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」改正通知(平成29年)PDF、厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」(農産物直売所向けを含む手引書の一覧)

法令上の位置づけ

農業での食品の採取は食品衛生法の「営業」に含まれないため(食品衛生法第4条第7項ただし書)、野菜を育てて出荷するだけなら、この記録は法令の義務ではなく、指針・GAP・取引先の求めに応えるための任意の記録です。加工や販売など営業にあたる事業をする場合の衛生管理は、管轄の保健所に確認してください。

なお、暑い場所で続けて行う作業など熱中症のおそれがある作業では、人を雇っている事業者に、熱中症の症状を報告させる体制と、悪化を防ぐ手順を決めて周知することが求められています(労働安全衛生規則第612条の2)。2枚目の目安表に、暑さで体調をくずしたときの対応も入れています。

誰がいつ作業したかは打刻で残す

ミノリスタイマーでは、作業の開始・終了を人ごとに打刻でき、共用のタブレットを公開タイムカードとして使うこともできます。どの日に誰が何の作業をしたかがわかるので、健康チェック表と見比べるときに役立ちます。体調や健康状態を記録する機能はありません。無料で使えます。

よくある間違い

  • 本人の自己申告だけで済ませる: 忙しい時期ほど、体調が悪くても言い出しにくいものです。責任者が顔色を見て声をかけ、「休んでも責めない」ことを伝えておきます。
  • 症状がおさまった日にすぐ元の作業に戻す: 下痢などの症状がおさまったあとも、しばらくは手洗いを徹底し、必要に応じて野菜に直接触れない作業にします。どのくらいの期間にするかは、農場のルールとして決めておきます。
  • 病名や受診の結果まで書く: 病歴や健康診断・検査の結果は、個人情報保護法で特に配慮が必要な「要配慮個人情報」にあたります。この表には症状の有無と作業の判断だけを書き、保管場所と見られる人を限ります。

よくある質問

パートさんや家族にも必要ですか?

指針では「野菜を取り扱う作業者」が対象で、雇っている人か家族かは区別していません。収穫・調製で野菜に触れる人は、家族も含めて同じように確かめると、記録の抜けがなくなります。

見学者や手伝いの人はどうしますか?

指針では、訪問者にも手洗いなどの衛生のルールを守ってもらうこととしています。見学者が野菜に触れる場合は、同じ項目を口頭で確かめ、この表に書いておくとよいでしょう。

どのくらい保存すればよいですか?

法令で決まった保存期間はありません。取引先や GAP の認証で期間が決まっていればそれに従います。決まっていなければ、出荷した野菜が消費されるまでの期間を目安に、農場で期間を決めておきます。

あわせて使うテンプレート

このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。