経営・会計
資金繰り表(農業用)の無料テンプレート(Excel・PDF)|月別の記入例と書き方つき
更新日 2026年9月26日|登録不要・無料
農家向けの月別の資金繰り表のテンプレートです。JAや市場からの入金月、資材の支払月、生活費、借入と返済を月ごとに並べ、手元のお金が足りなくなる月を前もって見つけられます。ハウスを借入金で建てた野菜農家の1年分の記入例と、取引先ごとの入金日のメモ表付き。Excel(入力用)と手書き用PDFを登録不要でダウンロードできます。
この資金繰り表でわかること
1年を月ごとに区切り、「月初めにいくらあって、いくら入って、いくら出て、月末にいくら残るか」を並べる表です。
農業は、資材や燃料の支払いが作付け前の冬から春に集まり、売上の入金は収穫が始まってから、しかも出荷の翌月以降になるのが普通です。帳簿の上では1年で黒字でも、春から初夏に手元のお金が足りなくなることがあります。資金繰り表は、その「足りなくなる月」と「足りない額」を前もって見つけるために作ります。
記入例は、3月にハウスを借入金で建て、収穫が6月から始まる架空の野菜農家です。4月には手元の現金が 425千円 まで減り、5月に短期の運転資金を 500千円 借りて乗り切り、10月に返す計画になっています。
各欄の書き方
| 行 | 書くこと | 記入例(5月) |
|---|---|---|
| 前月からの繰越(A) | 前の月の「翌月へ繰越」。1月は年初の預金・現金の残高 | 425 |
| 販売代金の入金 | JA・市場・直売所・取引先から入金される月の額 | 100 |
| 交付金・共済金など | 交付金・共済金・補助金などの入金予定 | − |
| 収入計(B) | 入金の合計 | 100 |
| 種苗・肥料・農薬・資材 〜 税金・保険・共済掛金 | 支払う月の額。口座引落しの月に注意 | 150 など |
| 生活費(家計へ) | 家計に回すお金。個人の農家は忘れずに入れる | 200 |
| 支出計(C)・差引(D) | 支出の合計と、B−C | 445・△345 |
| 借入金の入金(E) | 借りたお金が入る月の額 | 500 |
| 借入金の返済(F) | 元金と利息の合計。返済計画表から写す | − |
| 機械・施設の購入(G) | 機械・施設の代金を払う月の額 | − |
| 翌月へ繰越 | A+D+E−F−G | 580 |
「入金・支払の予定」シートに、取引先ごとの締め日と入金日・支払日を先にまとめておくと、どの月に書けばよいか迷いません。借入金の返済額は借入金の返済計画表から写します。
制度・資料上の位置づけ
資金繰り表は法律で作成が義務づけられた書類ではありません。ただし、融資を申し込むときには、経営の状況を確かめる資料として求められることがあります。
- 日本政策金融公庫は、前月繰越・売上の回収・仕入や経費の支払い・差引過不足・借入と返済・翌月繰越を月ごとに並べる「資金繰り表」の書式と記入例を公開しています。このテンプレートは、その行の考え方を農業向けに置き換えた独自の様式です。
- 農林水産省の農業経営改善関係資金(スーパーL資金など)の案内では、融資審査で「収支実績、財務内容、資金繰りはどうか」「償還見通しはあるか」が見られるとされています。
出典: 日本政策金融公庫「資金繰り表 記入例」(PDF) / 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(農林水産事業)」 / 農林水産省「農業経営改善関係資金のご案内」
短期の運転資金が必要になりそうなときは、早めに取引のある金融機関やJA、日本政策金融公庫に相談してください。
入金の予定と未入金を一覧で確かめる
ミノリス受注なら、出荷した受注を月と請求先ごとに請求書にまとめ、発行日・支払期限・入金日を記録して、未入金の請求書を一覧で確認できます。資金繰り表を作る機能はありませんが、入金の見込みを立てるのに使えます。無料で使えます。
よくある間違い
- 出荷した月に売上を書く: 資金繰り表は、お金が実際に入る月に書きます。出荷先ごとに締め日と入金日(精算の日程)を確かめて、その月に書きます。
- 生活費を入れない: 個人の農家は、農業の口座から家計にお金を回しています。生活費を入れないと、足りなくなる月を見落とします。
- 返済を利息だけで考える: 資金繰りでは、元金の返済も出ていくお金です。経費(利息)とは分けて、元金と利息の合計を書きます。
- 1年の合計だけ見る: 年計が黒字でも、途中の月でマイナスになれば支払いが止まります。月ごとの「翌月へ繰越」を必ず見ます。
よくある質問
単位は円と千円のどちらがよいですか?
先の見通しを立てる表なので、千円単位で十分です。日本政策金融公庫の書式も千円単位です。細かく管理したい場合は円で書いても構いません。
実績と予定はどう書き分けますか?
終わった月は実際の金額(実績)に書き直し、これからの月は予定のままにしておきます。毎月、実績に置き換えながら先の月を見直すと、ずれに早く気づけます。
帳簿や収支の計画とどう違いますか?
帳簿や収支内訳書は、1年の所得を計算するための記録で、代金が未入金でも売った年の売上にします。資金繰り表は、いつお金が入っていつ出るかを見る表なので、入金・支払いの月で書きます。減価償却費のようにお金が出ていかない経費は入れず、借入金の元金の返済や機械の購入代金は入れます。
あわせて使うテンプレート
このテンプレートは自由に使い、書き換えてかまいません。提出先(JA・部会・取引先・認証機関など)に指定の様式がある場合は、そちらを優先してください。 掲載している制度・法令の説明は更新日時点のものです。