果実・収量特性

小ナスのナス品種一覧 全17種類

小ナス 小ナスとは 小ナスとは、果実が小型で、長さ5〜10cm程度・重量30g以下のナス品種の総称です。中長ナス(15〜20cm)や長ナス(30cm前後)と比較して着果数が多く、1株から多くの果実が収穫できる多収性が特徴です。果実が小さいた

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小ナスについて

小ナス

小ナスとは

小ナスとは、果実が小型で、長さ5〜10cm程度・重量30g以下のナス品種の総称です。中長ナス(15〜20cm)や長ナス(30cm前後)と比較して着果数が多く、1株から多くの果実が収穫できる多収性が特徴です。果実が小さいため、収穫・出荷の際の単個操作が多くなりますが、漬物原料としての商品価値の高さが生産者にとっての魅力です。

ナス(Solanum melongena L.)の中でも、小ナスは伝統的な産地が多い品種群です。収穫適期が早く果皮が柔らかい段階で収穫するため、漬物用として浸透性・塩馴染みの良い食感が生まれます。丸ナスや長ナスとは異なる品種系統から育成されており、果形は卵型・球型・短楕円型などバリエーションがあります。

なお「小ナス」という呼称は産地によって使われ方が異なり、地域の伝統品種の名称として使われるケースや、市場での規格区分として使われるケースもあります。本タグでは、品種としての小型ナスを対象としています。

小ナスの魅力

小ナスの最大の用途は漬物用途です。糠漬け・辛子漬け・からし漬け・浅漬け・醤油漬けなど、多様な漬物に利用されており、産地加工品・土産品・惣菜向けなど幅広い商流で取引されます。果実が小さく均一なサイズで揃いやすいため、漬物製造の工程で扱いやすい特性があります。

着果数の多さも生産者にとって重要な魅力です。1株に多数着果するため、単収(10a当たりの収穫量)は中長ナスに比べても遜色ない水準に達することがあります。草丈がやや低めで収まる品種が多く、誘引作業の手間が比較的少ない点も省力化につながる要素です。

消費者にとっては、1個のサイズが小さく食べ切りやすい点と、漬物にしたときに丸ごと漬けられるシンプルな調理のしやすさが魅力です。また、小ナスは浅漬けにすると早く漬かりやすく、家庭での手作り漬物との親和性が高い品目です。

産地と伝統

意外と知られていないのですが、小ナスには地域の伝統と深く結びついた産地が多数存在します。東北・信越・北陸地方を中心に、各地の気候・食文化に合わせて育成された在来品種・地方品種が今も栽培されており、それぞれが独自の食感・風味を持っています。

たとえば、山形県の「民田ナス」や、山梨県の「早生大丸」のように、地名や品種名がそのまま地域の食文化と結びついているケースもあります。こうした伝統系統の小ナスは、観光農業・地域ブランド品・道の駅販売など、産地のストーリーを活かした販売チャネルに向いています。

また、新潟県の「十全ナス」は小ナスの代表格として全国的に知られており、塩漬けにしたときの食感と味わいが評価されています。このように、小ナスは品種の個性と地域文化が結びついた品目として付加価値を打ち出せる余地が大きい作物です。

栽培のポイント

小ナスの栽培管理は中長ナスに準じますが、多着果という特性に対応した管理が品質確保のポイントになります。

灌水管理では、果実が小さく薄皮の品種が多いため、土壌水分の変動による果皮の硬化・艶の低下が起きやすい傾向があります。安定した灌水を維持し、土壌水分を均一に保つことが外観品質の維持につながります。

収穫のタイミングは小ナスの品質を大きく左右します。漬物用途では果実が柔らかい若い段階(収穫適期より早め)での収穫が適します。過熟になると果皮が硬化し、種子が目立つようになって漬物用としての品質が低下します。収穫頻度を高めて若い果実を適期に収穫することが、高品質な小ナスを安定生産する基本です。

整枝については、放任すると過密になりやすいため、適切な側枝の管理が光の取り込みと通気性の確保につながります。着果負担が重いと株の消耗が早まるため、定期的な追肥で樹勢の維持を図ることが必要です。

病害虫では、半身萎凋病(Verticillium dahliae)・青枯病(Ralstonia solanacearum)に対する抵抗性を持つ台木を使った接ぎ木栽培が、連作圃場での安定生産に有効です。また、ハダニ・アブラムシの管理も品質維持に欠かせません。

品種選びのコツ

小ナスの品種選びでは、以下の点を確認することが重要です。

  • 用途(漬物用か生食・惣菜用か): 用途によって求められる果形・果皮の柔らかさが異なる
  • 果実サイズの均一性: 漬物加工では均一なサイズの揃いが製品品質につながる
  • 皮の薄さ・柔らかさ: 漬物用途では薄皮で漬け液が浸透しやすい品種が有利
  • 着果数と多収性: 収量確保のために着果性の高い品種を選ぶ
  • 地域在来品種との比較: 産地で伝統的に栽培されてきた在来品種があれば、F1品種との食味比較を試作で確認する
  • 台木適性(接ぎ木栽培を行う場合): 台木との親和性を確認する

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、漬物メーカーや加工業者との取引を前提にする場合は、バイヤーが求める品種・サイズ規格を事前に確認してから品種を選ぶことが、ミスマッチのリスクを減らします。

市場動向とこれから

小ナスの漬物需要は、国内の伝統的な食文化に根ざした安定需要があります。一方で、食の洋風化・惣菜購入の増加に伴い、漬物全体の消費量は長期的に縮小傾向にあるという産地の声もあります。

こうした状況への対応として、小ナスを浅漬けキット素材・惣菜の副材・飲食店での前菜素材として打ち出す取り組みが産地で模索されています。また、伝統品種の希少価値を活かした高付加価値販売(産地ECサイト・道の駅・観光農業)は、量販向けとは異なる市場を開拓する選択肢として注目されています。

品種改良の面では、在来品種の特性を保ちながら栽培しやすさや病害耐性を強化した改良品種の開発が進んでいます。伝統と現代の農業技術を組み合わせることで、産地の持続可能性を高める方向性が見えています。

まとめ

小ナスは果実が小型で着果数が多く、漬物用途を主とした多収性品種群です。収穫のタイミング・灌水の安定・適切な着果管理が品質を左右します。産地の伝統品種と改良F1品種の特性を比較したうえで、用途・販路・栽培条件に合った品種を選ぶことが重要です。

漬物メーカーや直売所など販路の特性に合わせて品種・管理方法を最適化することで、小ナス本来の付加価値を最大限に引き出せます。小ナスが紐づく品種の一覧は、ミノリスの品種ページからご確認いただけます。

17品種 表示中
しずる

しずる

株式会社大和農園

多汁で生食可能 フルーティーな水茄子 ■品種特徴 生育は早く、主枝、側枝ともに初期からの収穫が安定する。 果皮はうすく、果肉は非常にやわらかく、アクは極めて少ない。 食味が良く、生食、漬物に向く。 8~10cm程度が収穫適期となる。 漬物用途としては、5cm程度の小ナスで収穫。 ■栽培方法 <圃場準備> 畝は、通常品種よりも水分要求が高いことを考慮してやや低畝とし、灌水設備を設け、乾燥期に備えることが望ましいです。 元肥は通常品種に準じて施し、過剰な施肥は過繁茂を招いたり根張りを弱めたり石ナスの発生を助長する要因となるので避けて下さい。 <定植> 定植適期は、第1花の開花時期とし、これより若植えは着果遅れや木ボケの原因となるため気をつけて下さい。旺盛な生育特性を持つため密植栽培には適さず、株間はやや広めとし、適度な通風と採光を促します。 <水分管理> 定植後は、株元に十分灌水してスムーズな発根を促します。その後生育初期においては過湿とならないよう通常品種と同等に管理し、収穫期においては順調な肥大を促すため収穫量に応じて灌水量を増加させます。 水分管理は通常品種より1~2割増しが理想であり、特に収穫期においては土壌水分不足に注意して下さい。 <追肥> 収穫始めを目安に第1回目の追肥とし、2回目以降の追肥量については着果状況と草勢をみながらの施肥として草勢の維持に努めましょう。 <整枝> 通常の水ナス栽培と同じ3本もしくは4本整枝とします。3本整枝の場合は主枝と第1花の直下およびその下の側枝をメインとして伸ばします。4本の場合は主枝および第1花の直下の側枝をメインに2本に仕立て、さらに2番花の直下の孫枝も用いて4本とします。 枝数が多くなれば収穫量が多くなりますので、追肥量および灌水量もそれに応じて増やします。また摘葉や整枝を行う場合は草勢の低下を招かないよう、過度な剪定は行わないことが望ましいでしょう。 <ご注意> 上記の数値は弊社圃場内での実例であり、各地域によって最適な条件へ変更していただくようお願いいたします。弊社圃場は奈良県天理市内にあり、温度域としては中間地、土壌は埴壌土での栽培条件となっています。

秋田系梵天丸

秋田系梵天丸

株式会社渡辺採種場

一口サイズ小ナスから中大果ナスまで幅広く使える! ■特性 ・草勢は中位で草姿は開帳型です。葉はやや細い中葉系です。 ・丸ナスとしては着果数も多く、多収性の早生種です。 ・果は丸形で浅漬け用の小ナスどりから煮ナス、焼ナス用の中大果まで収穫が可能な品種です。 ・果皮は色つやが良く、果形の乱れが殆どなく、常に上物が得られます。 ・肉質はち密で歯切れが良いです。 ・ヘタのかぶりはやや深く、ヘタ部のトゲがなく、花落ち部も小さめです。

PCお竜

PCお竜

タキイ種苗株式会社

単為結果性で着果促進処理が不要! 低温期でも着果のよい超極早生種! ■特長 ・高い単為結果性を示し、ホルモン処理や虫媒による受粉がなくても、安定的に着果肥大する。 ・果形は首太で短めの長卵形。果色は濃黒紫色でつやがあり、果ぞろいもよく、秀品率が高い。 ・幼果の形や色がよく小ナスどりにも好適。 ・果皮はやわらかくて品質がよい。 ・初期収量は極めて多く、高温期の色ボケ果の発生も少ない。 ・草姿は短節間の開張性で、葉は小さく草丈が低い。側枝の発生は生育初期から旺盛。 ・促成・半促成栽培を中心に幅広い作型に適する。ハウス内を蒸し込んでも枝が伸びすぎず、作りやすい。 ■栽培の要点 ・定植は1番花のつぼみがふくらんできた状態で、やや若苗が望ましい。 ・土壌病害回避と草勢維持のため、接ぎ木栽培が原則。 ・過度の着果負担回避のため、収穫はこまめに行う。 ・最初の収穫果実が肥大したころから追肥を開始し、以後は定期的に追肥を行い、草勢を保つ。

ちび丸

ちび丸

株式会社渡辺採種場

浅漬け用一口サイズの小ナス ■特性 ・果皮色が良くやわらかい一口用小ナスです。 ・浅漬け用としても好評です。

小茄子

小茄子

株式会社アサヒ農園

歯切れ良く風味満点 漬物用として大人気 商品特性 ■特性 草勢旺盛で病害に強く栽培容易な多収穫品種です。 果は美しい黒紫色を呈し、6~7cm程度の小型で形はよく揃います。 品質が良く、営利栽培はもちろん、家庭菜園としても人気です。 ■利用法 歯切れ良く、風味豊かで漬物用として最適です。 他にも炒め物や煮物など様々な料理に利用することができます。

山形系梵天丸

山形系梵天丸

株式会社渡辺採種場

うす皮で歯切れのよい一口サイズの小ナス ■特性 ・果は丸形のうす皮系の歯切れの良い一口用小ナスです。 ・草勢が強く、草姿は開帳性で、葉が比較的小葉です。 ・熟期は「秋田系」より若干早い早生種です。 ・果形は「秋田系」よりも丸目で浅漬けに好適です。

真仙中長

真仙中長

株式会社渡辺採種場

一度食べたらやめられない!皮がやわらかく漬けナスに最適! ■特性 ・果のやわらかさとおいしさに優れ、小ナスの漬け物用として最適です。 ・栽培全期間を通して着果が良く、多収です。 ・果皮は鮮紫黒色で高品質なので加工用・青果出荷用に、絶大な好評を得ています。

竜馬

竜馬

タキイ種苗株式会社

低温期でも着果のよい超極早生種! 小ナス用にも適する! ■特長 ・短節間で超極早生。果形は首太で短めの長卵形。 ・越冬長期栽培の不良環境下でも果形が安定し、秀品率が高い。 ・初期収量は極めて多く、高温期の色ボケ果の発生も少ない。 ・草姿は開張性。葉は小さく草丈が低い。側枝の発生は生育初期から旺盛。 ・ハウス栽培で室内を蒸し込んでも枝が伸びすぎず、作りやすい。 ・幼果の形、色、ヘタかむりが理想的で、小ナスどりにも好適。 ■栽培の要点 ・定植は1番花開花前のやや若苗が望ましい。 ・土壌病害回避と収量アップのため、接ぎ木栽培を原則とする。 ・1番果収穫のころから追肥を行い、以後は草勢を見ながら施用する。

紫紺仙台長

紫紺仙台長

株式会社渡辺採種場

仙台名産「長茄子漬け」の原料品種 ■特性 ・「仙台長」の改良種で、果長10㎝程度の小ナスでの漬け物は絶品です。 ・仙台長茄子漬けの原料品種で、長期間の漬け物から浅漬けに利用されています。 ・草姿立性、小葉で、枝の発生も良く、多くの果数が収穫可能です。

美男

美男

株式会社渡辺採種場

生でもおいしい!水も滴る美男ナス! ■特性 ・みず茄子特有のみずみずしさとやわらかさを持ち、浅漬け、生食に向く中長系品種です。 ・果は中長系で、目的によって小ナス~中ナスまで収穫できます。 ・草勢は旺盛で、着果数も多く、露地長期栽培に好適です。 ■栽培ポイント・注意点 ・みず茄子品種の為、一般品種よりも多めの灌水を心がけて下さい。 ・果皮がとてもやわらかい為、果実が傷まない様に風対策を講じて下さい。

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