果実・収量特性

長ナスのナス品種一覧 全90種類

長ナス 長ナスとは 長ナスとは、果実の長さが25〜35cm程度になる細長い果形のナス品種群の総称です。ナス(Solanum melongena L.)はナス科ナス属に属する熱帯原産の野菜で、日本には奈良時代以前に渡来したとされています。長ナ

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長ナスについて

長ナス

長ナスとは

長ナスとは、果実の長さが25〜35cm程度になる細長い果形のナス品種群の総称です。ナス(Solanum melongena L.)はナス科ナス属に属する熱帯原産の野菜で、日本には奈良時代以前に渡来したとされています。長ナスは特に九州から関西にかけての地域で古くから作られてきた系統であり、現在も西日本を中心に広く栽培されています。

一般的な中長ナス(15〜20cm)よりも明らかに果実が長く、品種によっては40cm近くに達するものもあります。皮は深い紫黒色で光沢があり、果肉は柔らかくアクが少ない傾向があります。この柔らかな果肉と大きな果実サイズが、長ナスならではの調理特性を生み出しています。

長ナスの魅力

長ナスの最大の魅力は、果肉の柔らかさと大きさにあります。加熱するととろりとした食感になりやすく、炒め物・煮物・揚げびたし・焼きナスなど、さまざまな料理に対応できます。皮が薄く、アクが少ない品種が多いため、下処理の手間が少ないのも生産者・消費者の両方にとってメリットです。

生産者の視点では、長ナスは一果の重量が大きく、収量(重量ベース)を確保しやすい品種群です。果実が長いため1本当たりの単価が出やすく、業務用(飲食店・加工業者)への出荷に適しています。また、九州・関西産地での作型が確立されており、安定した栽培技術が蓄積されている点も強みです。

消費者にとっては、1本の長ナスでまとまった量を使えることが利便性につながります。大家族向けの調理や業務用途での「1本単位」での使い勝手の良さが評価されています。

消費者・市場ニーズ

長ナスの市場需要は、量販店・業務用・加工用にわたって幅広く形成されています。九州産の長ナスは夏の露地作型で大量に出荷され、量販店の青果売り場では中長ナスと並んで主要な品目として扱われています。

業務用では、飲食店での煮浸し・炒め物・揚げナスの食材として需要が高く、一定サイズで揃った品質が求められます。特に中華料理・韓国料理でのナスの炒め物需要や、居酒屋・定食屋での揚げびたし需要は根強く、長ナスは加熱後のとろみのある食感がこれらの用途に適しています。

加工用途では、ナス漬け・ぬか漬けなど漬け物加工向けの需要があります。産地によっては地場の漬け物加工業者との契約栽培で安定取引が成立しているケースもあります。また、カット野菜・冷凍野菜用途での需要も一定規模で存在しており、業務用食品加工向けに規格外品も含めた活用が進んでいる産地もあります。

栽培のポイント

長ナスはナス全般の栽培原則に加え、果実が長いゆえの管理ポイントを押さえる必要があります。

作型は露地栽培では5月定植・7月〜10月収穫が標準的な夏秋作型です。九州・関西では半促成・トンネル栽培での早出し作型も普及しています。ハウス施設を利用した促成栽培では、12月〜1月定植・3月〜7月出荷という作型も可能です。

整枝・誘引については、長ナスは果実が重くなるため、誘引紐や支柱を使ったしっかりとした管理が必要です。3〜4本仕立てを基本に、側枝を2〜3節で切り戻して着果部位を管理します。果実が垂れ下がる前に個別の誘引紐で支えると、曲がり果の発生を防ぎ、出荷規格の安定につながります。

灌水は長ナスの品質を左右する最重要管理の一つです。意外と知られていないのですが、長ナスは果実が大きい分、水分不足のストレスが果実品質(光沢・柔らかさ)に現れやすい特性があります。マルチ被覆と灌水チューブを組み合わせ、土壌水分を均一に保つことが光沢のある商品性の高い果実を作る基本です。

収穫は果実が品種の標準的な長さ・重さに達した時点が適期です。過熟になると皮が硬くなり、種が目立ってきます。収穫間隔は気温が高い時期は2〜3日おきを目安に、こまめに収穫することで株の疲弊を防ぎます。

病害管理では、半身萎凋病・青枯病などの土壌病害が長ナス産地での主要な課題です。これらの土壌病害に対しては接ぎ木苗の利用が有効で、現在の産地では接ぎ木栽培が標準的になっています。

品種選びのコツ

長ナスの品種を選ぶ際には、以下のポイントを確認することが重要です。

  • 果実の長さと重量: 出荷規格に合った果実サイズを確認する。「長ナス」でも品種によって標準果長が大きく異なる
  • 果皮の色と光沢: 深い紫黒色の光沢が市場評価を左右する。光沢の出やすい品種かどうかを確認する
  • 耐病性: 接ぎ木台木との相性を含め、青枯病・半身萎凋病・モザイク病への対応を確認する
  • 草勢の安定性: 作型・地域に合った草勢を持つ品種を選ぶ。草勢が強すぎると着果が不安定になることがある
  • 適応地域・作型: メーカーのカタログで推奨地域・作型を確認し、自地域・自作型に合っているか確かめる

実在が確認されている長ナス品種の例として、筑陽・PC筑陽(タキイ種苗株式会社)、清黒中長ナス 紫輝(しき)・南竜本長ナス(株式会社トーホク)、黒滝(くろたき)(丸種株式会社)、黒紫大長茄子・新長崎長茄子(中原採種場株式会社)、真仙中長(株式会社渡辺採種場)、黒寿中長(株式会社大和農園)などがあります。各品種の推奨作型・産地適性は種苗メーカーのカタログで確認することが基本です。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。九州産地では筑陽系の品種が長年にわたる実績を持ちますが、新品種への切り替え時は1年目の試作で着果安定性・果形の揃い・出荷開始時期を必ず確認してください。気候変動の影響で高温障害のリスクが高まっている産地では、耐暑性のある品種特性も選定基準の一つになっています。

市場動向とこれから

長ナスは九州・関西を中心とした産地から全国に出荷されており、夏秋期の主要品目として安定した市場地位を持っています。一方で、消費者の調理頻度の変化(ナス自体の購入頻度は安定しているが、使いきれないというニーズ)もあり、果実サイズの多様化や包装の工夫(ハーフカットや小袋包装)が産地・流通に求められる場面も出てきています。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、業務用・加工用への出荷比率が高い産地では、規格の安定性と価格の安定性がより重要視される傾向があります。量販店向けと業務用で品種や栽培管理を使い分ける産地も増えています。

輸送技術の向上により、九州産の長ナスが関東・東北の市場にも安定的に届くようになっており、長ナスの産地外消費が広がっています。今後は栽培技術の継承と規格安定化が、産地の持続的発展の鍵となりそうです。

まとめ

長ナスは、25〜35cm程度の細長い果形と柔らかな果肉を特徴とするナスの品種群で、九州・関西地域を中心とした産地で長く栽培されてきた作物です。加熱してとろりとした食感になりやすく、炒め物・煮物・揚げびたしなど幅広い料理に対応する特性は、量販店・業務用・加工用すべての市場で評価されています。

品種選びでは、果実の長さ・光沢・耐病性・草勢・適応地域を総合的に確認し、接ぎ木台木との組み合わせも含めて試作で検証することが安定生産の基本です。地域の気候条件と出荷先の需要を起点に、最適な品種を選定することが収益安定への近道です。

長ナスタグが付いた品種の一覧はこちらからご確認いただけます。

90品種 表示中
PC筑陽

PC筑陽

タキイ種苗株式会社

単為結果性で着果促進処理が不要! 「筑陽」タイプのトゲなし長ナス! ■特長 ・高い単為結果性を示し、ホルモン処理や虫媒による受粉がなくても、安定的に着果肥大する。 ・果実のヘタや茎葉などにトゲがほとんどなく作業性が向上し、果皮に傷を付けにくい。輸送時の荷傷みも軽減。 ・果形は「筑陽」と同等の長ナスタイプで、果ぞろいがよく、促成・半促成栽培を中心に幅広い作型に適する。 ・果色は濃黒紫色でつやがよく、秀品率が高い。 ・果皮はやわらかくて品質がよい。 ・節間はやや長めで、草勢は「筑陽」よりも若干おとなしい。 ■栽培の要点 ・定植は1番花の蕾が膨らんできたころ、「筑陽」よりも5〜7日程度早い若苗での定植が適当。 ・土壌病害回避と収量アップのため、接ぎ木栽培を原則とする。 ・1番果収穫直前から追肥を行い、以後は草勢を見ながら施用する。「筑陽」などの従来品種よりも着果性がよいため、早めの追肥などで樹作りを優先する。

あのみのり2号ナス

あのみのり2号ナス

株式会社日本農林社

側枝がよく出る多収型の単為結果性ナス ■特性 **************** 農研機構 野菜茶業研究所育成 海外持出禁止(公示(農水省HP)参照) **************** 【画像提供:農研機構】 ・授粉作業、ホルモン処理をしなくても実が太る性質(単為結果性)をもったナス。 ・果実は長卵形で、果皮の光沢に優れ、外観は良好です。 ・関東以北の半促成栽培、露地栽培地域で好結果が得られており、 暖地の促成栽培でも利用可能です。 ・果肉は緻密で、加熱調理するとなめらかな舌触りで美味しい。 ・「あのみのり」に比べ、側枝がよくでるので、多収になり、営利栽培により適する。 ■単為結果について ・単為結果性とは、授粉・受精しなくても結実・肥大する性質です。 果実が肥大するためには果実内で植物ホルモン(オーキシン等)を生産することが必要であり、 単為結果性には内生のオーキシンが関与していると考えられています。 着果促進処理は、外部からオーキシンを与えることによって強制的に果実を肥大させる技術です。 なお、キュウリの実用品種はすべて単為結果性です。 ・通常のナス品種は着果に授粉作業が必要であり、 特に花粉が出にくい低温期のナス栽培では、 植物ホルモンによる着果促進処理が行われています。 この作業には多大な労力がかかり、 総労働時間の約3割にも及んでいます。 また、訪花昆虫を利用する場合は、 正常花粉形成に必要な夜温を確保するための暖房経費が必要であるとともに、 広く使われるセイヨウオオマルハナバチは外来生物法による規制対象であるため、 防虫ネット展張等さらなるコストが必要です。 このため、高齢化や市場価格低迷により脆弱化が進んでいる生産現場からは、 省力・低コスト技術の開発が強く求められています。

くろべえ

くろべえ

株式会社渡辺採種場

光沢、果形の優れる多収品種! ■特性 ・煮ナスから焼ナス用の大果でも果形が乱れない中長品種です。 ・草勢が強く、草姿は立性、着果数が多く、早期及び長期にわたり多収です。 ・果の光沢が優れ秀品率高く、日持ちも良い為市場性に大変優れる品種です。

とげなし千両二号

とげなし千両二号

タキイ種苗株式会社

農林水産省登録品種(品種名:とげなし湖南1号) トゲなしで秀品率がアップ! 夏秋用千両ナス! ■特長 ・果実のヘタや茎葉などにトゲがないので作業性の向上が見込め、果皮に傷を付けにくい。 ・果形は「千両二号」と同等の長卵形で、果ぞろいがよく、夏秋栽培を中心に幅広い作型に適する。 ・果色は濃黒紫色でつやがよく、秀品率が高い。 ・果皮はやわらかくて品質がよく、調理の幅が広い。 ・節間はやや長めで、草勢は「千両二号」よりも若干おとなしめ。 ■栽培の要点 ・定植は1番花開花直前の苗が適期。 ・土壌病害回避と収量アップのため、接ぎ木栽培を原則とする。 ・1番果収穫のころから追肥を行い、以後は草勢を見ながら施用する。

ふんわりトロトロやわらかナス

ふんわりトロトロやわらかナス

サントリーフラワーズ株式会社

とろ~りふわふわの新食感! ■特長 ・とろ~りふわふわの新食感! ・焼きナス、蒸しナス、炒めもの、何でも美味しい! ・輪切りにしても太さが均一、火の通りも一緒なので調理がしやすい。 ・栽培適性:プランター向け、畑向け ・果形:長ナス ・収穫適期果長:30~40cm ■栽培の要点 長く生り続けますので、水切れ・肥料切れしないようご注意ください。

やわらか焼きナス

やわらか焼きナス

サントリーフラワーズ株式会社

豊富な肉汁 ■特長 ・緻密で よく締まった 肉質の長ナス。 ・早生で高温時でも 生り休みが少なく、 収量が多い。 ・柔らか果肉に 豊富な肉汁、風味 豊かな焼きナスに。 ・栽培適性:プランター向け、畑向け ・果形:長ナス ・収穫適期果長:20~25cm ・収穫目安:25~35個程度 ■栽培の要点 長く生り続けますので、水切れ・肥料切れしないようご注意ください。

サラダ茄子

サラダ茄子

丸種株式会社

肉質が緻密でやわらかく サラダに最適! 1. 果皮は軟らかく果肉はきめ細かく甘みがあり、 サラダに最適の F1水ナスです。 2. 果実はやや尻張りの良い長形の丸ナスで、果 重は約 150g位となります。果皮はテリのあ る美しい黒紫色となり、色ボケ果の発生も少 ない品種です。 3. 草姿は半開張性で、草勢及び節間長は中位 です。側枝の発生が強く2~3葉ごとに着果 する豊産種です。

伝統野菜 愛知本長茄子

伝統野菜 愛知本長茄子

株式会社アサヒ農園

あいちの伝統野菜シリーズ 商品特性 ■来歴 伝統野菜とは… 各地域で古くから愛され、栽培されてきた野菜のことを伝統野菜と呼んでいます。 愛知本長茄子[あいちほんながなす]は、愛知県の伝統野菜です。 昭和10年頃より尾張地方北部で夏から秋に収穫する抑制栽培が始まり、その栽培品種の1つとして作られるようになりました。 ■特性 暑さに強く、栽培容易です。果実は、長さ約25cmとなる長茄子で、皮は濃い黒紫色です。 ■利用法 うま煮、焼きなす、汁物等に利用できます。カレーの具にもおすすめです。

千両

千両

タキイ種苗株式会社

ハウス栽培に向く長卵形の千両ナス! ■特長 ・短節間でハウス栽培に向く長卵形千両ナス。 ・果色は濃黒紫色でつやがあり、果皮はやわらかくて品質良好。 ・極早生で初期収量が多い。 ・石ナスと色ボケ果の発生が特に少ない。 ・草姿は中開性。草勢旺盛で分枝数が多く、成り休みが少ない多収種。 ■栽培の要点 ・定植は1番花開花直前の苗が適期。 ・土壌病害回避と収量アップのため、接ぎ木栽培を原則とする。 ・1番果収穫のころから追肥を行い、以後は草勢を見ながら施用する。

千両二号

千両二号

タキイ種苗株式会社

夏秋用ナスの代表品種! 品質のよい長卵形ナス! ■特長 ・トンネル、夏秋どり用を中心に、広範囲な作型で品質と栽培性に定評のある長卵形品種。 ・果色は濃黒紫色でつやがよく、果ぞろいがよい。 ・果皮はやわらかくて品質がよく、調理の幅が広い。 ・節間はやや長い。草勢旺盛でスタミナがあり、果実の肥大が早く、長期栽培でも生産が安定して多収。 ■栽培の要点 ・定植は1番花開花直前の苗が適期。 ・土壌病害回避と収量アップのため、接ぎ木栽培を原則とする。 ・1番果収穫のころから追肥を行い、以後は草勢を見ながら施用する。

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