果実・収量特性

多収のダイコン品種一覧 全15種類

多収性ダイコン 多収性とは 「多収性」とは、単位面積当たりの収量が標準的な品種よりも高い特性を指します。ダイコンの場合、10a当たりの根の収量(重量)が多い品種が多収性品種と呼ばれます。 多収性の実現には主に2つの要素があります。一つは根の

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多収について

多収性ダイコン

多収性とは

「多収性」とは、単位面積当たりの収量が標準的な品種よりも高い特性を指します。ダイコンの場合、10a当たりの根の収量(重量)が多い品種が多収性品種と呼ばれます。

多収性の実現には主に2つの要素があります。一つは根の肥大速度の速さで、生育期間内により大きな根を形成する能力です。もう一つは揃いの良さで、圃場全体で根の太さ・長さが均一に揃い、出荷可能な規格品が多くなることです。揃いが悪いと個々の根は大きくても規格外品が増えてしまい、実質的な出荷収量は低くなります。

品種カタログの「多収」「太り良好」「肥大性に優れる」といった表記は、いずれもこの多収性を示す表現です。ただし、多収性の基準は品種間で相対的に評価されるものであり、具体的な収量数値は栽培地域・作型・管理条件によって大きく変わります。同じ品種でも土壌や気候が異なれば収量は異なるため、カタログ数値は参考値として扱うことが重要です。

多収性の魅力

多収性ダイコンを選ぶ最も直接的なメリットは、同じ面積でより多くの収量を得られることです。種苗費・肥料費・農薬費などの固定的なコストは面積で決まるため、面積あたりの収量が増えるほど1kg当たりの生産コストが下がります。収量増加は経営的な利益に直結する要素です。

揃いの良さは出荷作業の効率化にもつながります。根の大きさが均一に揃う品種は、収穫後の選別・調製作業の時間が短縮され、規格外品のロスが減ります。特に、量販店や市場向けに規格を揃えて出荷する生産者にとっては、揃いの良さは多収性と並ぶ重要な評価軸です。

また、多収性は栽培技術や土壌条件の変動に対してバッファの役割を果たすことがあります。天候不順や病害の影響で個々の根が小さめに仕上がった年でも、多収性品種であれば標準品種よりも影響が緩和されるケースがあります。栽培環境が変動しやすい圃場や地域での品種選定では、多収性は安定生産の観点からも重要です。

消費者・市場ニーズ

ダイコンは日本の青果市場において年間を通じて安定した需要を持つ野菜です。農林水産省の野菜生産出荷統計によると、ダイコンは国内で最も多く生産される野菜の一つであり、消費者の食卓に欠かせない存在です。

量販店や市場での取引は規格(サイズ・重量・形状)に基づいて行われるため、多収性であっても規格外品が多ければ評価につながりません。多収性品種を選ぶ際には、揃いの良さと規格品率の高さを合わせて確認することが前提です。

外食・中食産業における需要も見逃せません。カット野菜・浅漬け・おでん向けなど、加工用途ではダイコンの一定以上のサイズと形状均一性が求められます。多収性品種は肥大性が良いため、加工業者が求める規格(一般にMサイズ以上)を安定的に供給しやすいという点で評価されます。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、多収性品種を積極的に導入している産地では、面積当たりの出荷量の安定を経営基盤の強化につなげているケースが多くみられます。

栽培のポイント

多収性品種の能力を最大限に発揮させるためには、根の肥大を妨げる要因を排除することが基本です。

土壌の物理性が収量に与える影響は非常に大きいです。硬盤や石礫が多い土壌では根が真っすぐに伸びられず、岐根や曲がりが発生します。深耕(40〜50cm以上)と土壌改良を行い、根が自由に伸びられる環境を整えることが多収の前提です。

土壌の pH 管理も重要です。ダイコンの適正 pH は 5.5〜7.0 程度とされており、この範囲を外れると養分吸収が妨げられ、生育に影響が出ます。石灰を施用して pH を調整する際は、播種前に十分な時間をとって土壌と混和させる必要があります。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。播種適期を守ることは多収実現に直結します。播種が早すぎると高温で根の肥大期に温度が高くなりすぎて品質が下がりやすく、遅すぎると寒さで肥大が止まります。品種ごとの適作型と播種適期を確認し、地域の気候条件と照らし合わせることが重要です。

収穫時期の判断も多収のポイントです。収穫が早いと根の充実が不十分で重量が出ず、遅すぎると鬆(す)が入り品質が低下します。品種の特性と作型の積算温度の目安を参考に、最適な収穫タイミングを判断します。また、収穫が遅れると根割れや変形が増えることがあります。

病害では、黒腐病・萎黄病・白さび病などが根の品質に影響します。特に黒腐病は根に傷が入ると外観品質が大きく低下するため、排水性の確保と適切な薬剤防除の組み合わせが重要です。害虫ではアブラムシ類・アオムシ・コナガなどの防除も収量確保に直結します。

品種選びのコツ

多収性ダイコン品種を選ぶ際に確認しておきたいポイントをまとめます。

  • 作型との一致: 多収品種でも適した作型を外れると収量が伸びない。春まき・夏まき・秋まき・冬まきのどの作型に適しているかを確認する
  • 揃いの良さ: 多収性と揃いの良さは必ずしも連動しない。根の太さ・長さの均一性に関する記述も品種カタログで確認する
  • 根の形状(長さ・太さ): 出荷先の求める規格(青首・白首、長さの基準など)に合った根形の品種を選ぶ
  • 耐病性: 根の品質に影響する病害(黒腐病・萎黄病など)への耐性も合わせて確認する。多収でも病害が多発すれば実質収量は下がる
  • 鬆(す)の入りにくさ: 収穫適期が長い品種は、収穫時期のずれによる鬆発生リスクが低くなる。大産地では収穫労力の分散のために重要な特性
  • 食味・用途適性: 多収性品種でも食味や用途適性(生食向き・加熱向き・漬物向きなど)は品種によって異なる。販売先の需要に合った品種かを確認する

試作ではm2当たりの収量と規格品率を記録しておくと、品種比較の客観的な根拠になります。複数の品種を同一条件で比較することで、圃場条件に合った多収品種を見極めることができます。

市場動向とこれから

国内のダイコン作付面積は長期的に見ると縮小傾向にある一方で、10a当たりの収量は品種改良と栽培技術の向上によって向上してきました。効率化が求められる農業経営において、多収性品種への需要は継続的に存在します。

産地の規模拡大・集約化が進む大産地では、多収性と規格均一性を兼ね備えた品種が重宝されています。一方、直売所向けや加工専用の産地では、食味や形状の個性が評価されることもあり、必ずしも多収性が第一優先の選定基準になるわけではありません。

種苗メーカー各社は、多収性に加えて耐病性・貯蔵性・外観品質などを兼ね備えた複合的な特性を持つ品種の育成を継続しています。単純な多収性だけでなく、栽培の安定性と出荷品質を総合的に高める品種開発が進んでいます。

また、カット野菜や加工食品原料としての需要が拡大する中で、加工適性(肉質・歩留まり・変色しにくさ)を備えた多収品種への関心も高まっています。

まとめ

多収性ダイコンは、根の肥大が旺盛で面積当たりの収量に優れる品種群です。収量の増加は生産コストの削減と経営の安定に直結し、揃いの良さは出荷作業の効率化にもつながります。

多収性を最大限に発揮させるためには、品種特性だけでなく、土壌の深耕・播種適期の管理・適切な収穫時期の判断など、栽培管理の精度が重要です。品種選びでは多収性と並んで、作型の一致・揃いの良さ・耐病性・用途適性を総合的に検討することが、安定生産につながります。

15品種 表示中
令白

令白

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

「令白」は、臭いや黄変の原因となる成分グルコラファサチンを含まない白首のF1品種で、フレッシュ感に優れる加工品を製造することが可能です。根は長円筒形で収量性が高く、漬物加工用に最適です。 ■主要特性 「令白」は関東以南の秋まき秋冬どり作型に適した白首品種で、たくあん漬け等の漬物加工に適します。 「令白」の根重は先行品種の「悠白」に比べて重く、収量性に優れます。根長は代表的な漬物用品種の「秋まさり2 号」に比べて短いですが、最大部根径は太く、根形は長円筒形です。また、根重1,500g 以上でもす入りが見られません。 「令白」は、採種方法に細胞質雄性不稔性を利用しているため、自家不和合性によって採種している「悠白」に比べ、根の形の斉一性に優れます。 「令白」の根には、たくあん臭や黄変の原因となるグルコラファサチンが含まれず、臭いの原因にならないグルコエルシンが含まれます。 ぬか漬け後7ヶ月間保存し塩蔵品を製造したところ、「令白」は「悠白」に比べて原料歩留まりに優れ、たくあん臭や黄変化は「悠白」同様に認められませんでした。 ■活用点・留意点 グルコラファサチン欠失性は劣性に遺伝するため、採種時に欠失性でないダイコン花粉が混入すると、グルコラファサチン含有個体が出現してしまうため、花粉の混入には注意する必要があります。

耐病宮重

耐病宮重

タキイ種苗株式会社

肌がきれいで美しく、味のよい長太りの青首! ■特長 ・草勢旺盛で栽培容易。 ・根部は尻の肉付きのよい長太り型で、よくそろう。 ・青首の色は鮮明で肌が美しい。肉質は緻密で味がよく、煮食から漬物にまで好適。 ・適期栽培では根長43cm、根径6cm程度になる。 ■栽培の要点 ・極端な早まきは病気や曲がりの原因となるので適期播種に努め、良品の多収をねらう。 ・過度の施肥は禁物。元肥主体の適切な肥培管理が必要。

ハットリくん

ハットリくん

タキイ種苗株式会社

<html>鮮緑色で味がよく、生育の早いF<sub>1</sub>葉ダイコン! ■特長 ・生育旺盛で作りやすく、秋〜春どりに適する。周年栽培も可能。 ・鮮緑色の葉と青軸で草姿良好。株張りよく、結束がしやすい。 ・葉質はやわらかで歯切れがよく、苦みが少ない。 ・浅漬、あえ物、炒め物、煮物、汁物、鍋物、湯通しサラダなど、用途が広い。 ■栽培の要点 ・有機質に富んだ圃場で、適湿を保つことがポイント。 ・条間20cm、株間2〜3cmを標準とする。 ・厳寒期にはハウスやトンネルの被覆材で保温するほか、春〜秋作は雨よけハウス、盛夏期には日よけによって良品・多収をねらう。 ・速効性のある元肥主体の施肥設計とする。 </html>

宮重総太り大根

宮重総太り大根

山陽種苗株式会社

秋播き用青首総太り大根 ■特性 ・早太りで早くから形が整うので若どりも可能。 ・葉は濃緑で、やや大型の立性。 ・抽根部は鮮緑色で、肌は白くツヤがあり、特に尻詰まりが良い。 ・肉質も上々で揃い良く、市場性高い。 ・播種後60日で、根長35cm、根径7cm、根重1kg程度になる。 ■栽培のポイント ・極端な早播きは病気や曲がりの原因となるので適期播種に努め、良品の多収をねらう。 ・やや大型の草姿となるので、株間は、25cm程度とする。

春自慢

春自慢

丸種株式会社

栄養満点、周年穫り葉ダイコン 1. 生育旺盛で作り易く、周年栽培が可能な豊産種です。 2. 夏期15~20日、冬期60~70日で収穫可能です。 3. 葉・茎ともにやわらかく、独特の風味があり、煮物・漬物・和え物から炒め物にしても美味です。

白首長太宮重大根

白首長太宮重大根

株式会社アサヒ農園

形の良い白首の長型!病害に強く、作りやすい! 商品特性 ■特性 長さ40~45cm位の長型で美しい純白色、揃いも良く多収。 歯切れ良く甘味と風味があり、食味最高です。 病害や寒さに強く栽培も容易、家庭菜園でも手軽に作れます。 ■利用法 肉質は緻密、甘味に富み風味豊かで煮食、漬物にして美味。 おろしや薄く切ってサラダにしても、おいしく食べられます。 育て方 ■土づくり 種まき前に石灰類を散布し、深くよく耕して土を中和させておきます。 肥料は堆肥、油かす等を元肥に施しますが、種をまく場所の真下はさけるようにします。 ■たねまき 60cm幅のうねににスジまきするか、株間30cm位で1カ所5~6粒ずつ点まきします。 タネがかくれる程度、土をかけたっぷり水を与えます。 ■栽培のポイント 生育して本葉が2~3枚の頃、間引きをして2~3本立てとし、本葉6~7枚頃に1本立ちとします。 間引きの時に追肥として化成肥料を少し与えておくとよく育ちます。

若水2号大根

若水2号大根

小林種苗株式会社

栽培容易で食味の良い青首総太り大根! ・生育旺盛な早太り、美肌の青首総太り形大根になります。栽培容易な一代交配種です。 ・根長は姉妹品「若水大根」よりやや長く約35cmになります。在圃期間が長ければ約40cm、根長1.5kgにも達します。揃い、尻の肉付きともに良好です。 ・首の青味が強く良質で、生食、煮食、漬物などに好評です。一般平坦地の9月上旬蒔き、11月中旬どりで根長1kgに生育します。ス入りが極めて遅いので収穫期幅が広いので、販売面でも有利です。 栽培のポイント ・早蒔きほど病害が多くなり、品質を落とすことになるので、適期蒔きにより、上物多収が期待できます。 ・順調な生育のために、密植を避け、栽培本数は10アール当たり5,500本~6,000本を基準にしてください。目安としては、一般暖地での播種は9月上旬です。 ・長く圃場に置いても、ス入りの心配はほとんどありません。ただし、太り過ぎなどによる品質低下には注意してください。9月上旬蒔きでは播種後80日以内、9月中旬蒔きで90日以内に収穫を終えてください。

葉太郎

葉太郎

タキイ種苗株式会社

暑さ寒さに強く株張りのよい葉ダイコン! ■特長 ・生育旺盛で作りやすく、秋〜春どりを中心に周年栽培にも適する。 ・葉はやや濃いめの緑色で数が多く、毛茸は少ない。青軸で株張りよく結束しやすい。 ・葉質はやわらかく、歯切れ・風味ともにすぐれ食味上々。浅漬、あえ物、煮物などにおすすめ。 ■栽培の要点 ・有機質に富んだ圃場で、適湿を保つことがポイント。 ・条間20cm、株間2〜3cmを標準とする。 ・厳寒期にはハウスやトンネルの被覆材で保温するほか、春〜秋作は雨よけハウス、盛夏期には日よけによって良品・多収をねらう。 ・速効性のある元肥主体の施肥設計とする。

超雲大根

超雲大根

小林種苗株式会社

・葉はやや小さめの濃緑色で、葉の欠刻が浅い大根です。 ・萎黄病には圃場抵抗性があり、ウィルス病にもかなりの抵抗性を持っています。 ・耐暑性にも優れており、平坦暖地での8月中旬蒔きも可能です。 ・平坦地の8月下旬蒔きでは、播種後60日で根長40cm、根重1~1.2kgに生育します。 ・曲がりが少なく、揃いや尻部肉付きの良い総太り型の好評種です。 ・生理障害の横筋、空洞症の発生が極めて少ない大根です。やや薄い青首で、根部はきめの細かい白肌の美肌です。 ・肉質も緻密でス入りが非常に遅いので、通常栽培での心配はいりません。 「栽培のポイント」 1. 10月下旬ごろまでに収穫を終える場合は問題がありませんが、晩秋から冬にかけてベト病が発生することがあるので、発生前から定期的に薬剤散布を行い、防除を心がけてください。 2. 10月どりで速やかに肥大させ多収を図るときは、密植を避け根部の肥大を助けてください。 3. 極端な早蒔きは病害も多く、品質を落とすことがありますので避けてください。

関白SP

関白SP

タキイ種苗株式会社

栽培容易で良食味な早太りの淡緑首ダイコン! ■特長 ・肥大性にすぐれる淡緑首品種。 ・草勢旺盛で吸肥力が強く、萎黄病の耐病性にもすぐれ作りやすい。 ・耐暑・耐寒性にすぐれ、播種期の幅が広い。 ・おでんなど煮食用として特にすぐれた肉質。 ・低温時期に問題となる緑肉になりにくく、加工・業務に向く。 ・特に漬物用途の加工に適する。 ■栽培の要点 ・本種の早太り性を生かして適期播種・適期収穫を心掛け、良品多収を狙う。 ・収穫が遅れると適正サイズでの出荷が困難になる。 ・高温期の栽培では元肥を抑え、低温期の栽培では肥料切れにならないよう最終間引き後に追肥を行う。 ・根の伸長時期にあたる生育初期は、品質と収量に大きく影響するため、間引きと同時に中耕管理を行う。

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