果実・収量特性

甘長のトウガラシ品種一覧 全18種類

甘長トウガラシ 甘長トウガラシとは 甘長トウガラシとは、トウガラシ(Capsicum annuum)の品種群の中で、細長い果実形状を持ちカプサイシンをほぼ含まない(辛みがない)品種の総称です。果長は品種によって異なりますが、一般的に15〜2

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甘長について

甘長トウガラシ

甘長トウガラシとは

甘長トウガラシとは、トウガラシ(Capsicum annuum)の品種群の中で、細長い果実形状を持ちカプサイシンをほぼ含まない(辛みがない)品種の総称です。果長は品種によって異なりますが、一般的に15〜25cm程度の長形で、青果として出荷されます。

辛みの有無はカプサイシン合成酵素をコードする遺伝子の変異によって決まります。甘長系品種はこの遺伝子が不活性化した変異型を持ち、果実中のカプサイシン含量は検出限界以下〜ごくわずかです。このため、小さなお子さんから辛いものが苦手な方まで広く食べられる野菜として位置づけられています。

京都では万願寺とうがらし・伏見とうがらしなどの伝統的な甘長品種が地域ブランドとして定着しており、これらは「京の伝統野菜」として全国的な知名度を持ちます。伏見とうがらしは江戸時代には既に栽培されていたとされ、日本における甘長系品種の歴史は古くから続いています。現在はこれらの伝統品種を基に、収量性・耐病性・栽培適性を改良した F1品種が各種苗メーカーから展開されています。

甘長トウガラシの食味と魅力

甘長トウガラシの食味の特徴は、ほのかな甘みと青い清涼感のある風味です。辛みがないため素材そのものの味わいが楽しめ、炒め物・天ぷら・焼き野菜・味噌炒めなど幅広い調理法に対応します。

果肉が薄く火が通りやすいため、調理時間が短くて済む点も実用的なメリットです。ピーマン・パプリカと比較して種・ワタの量が少なく、下ごしらえの手間が軽減されます。

消費者にとっての訴求ポイントは、「ピーマンより食べやすい」という点にあります。ピーマン特有の青臭さ・苦みが少ない品種が多く、野菜が苦手な子どもでも食べやすいという評価が直売所・産直通販での購買動機になっています。

生産者にとっては、長形果という特徴が視覚的な差別化になります。売り場での存在感がありパプリカやピーマンと並べても目立つため、直売所でのバリエーション展示に向いています。

代表品種と産地

甘長トウガラシの代表的な品種として、以下が実在確認されています。株式会社トーホクの甘長とうがらし 柳美(りゅうび)、渡辺農事株式会社の甘長娘(あまながむすめ)、トキタ種苗株式会社の役満甘長、タキイ種苗株式会社の伏見甘長(長形種)・甘とう美人があります。またナント種苗株式会社のサラダ甘長、山陽種苗株式会社の大甘長万里とうがらし、丸種株式会社のサクっとあまなが・伏見甘長とうがらし、株式会社タカヤマシードの万願寺とうがらし・伏見とうがらし、株式会社むさしのタネのうま甘長など、多様な品種が展開されています。

主産地は京都府(伏見・宇治田原など伝統品種の産地)が全国的に知名度が高いですが、産地ブランドとしての「万願寺甘とう」は農林水産省のGI(地理的表示・第37号)に登録されており、京都府舞鶴市・綾部市・福知山市周辺が生産地域です。その他、群馬・埼玉・長野などでも栽培されており、全国各地の産地でそれぞれの地域事情に合った品種選びが行われています。

栽培のポイント

甘長トウガラシの基本的な栽培管理はピーマンに近く、施設栽培・露地栽培の両方で可能です。

播種は通常2〜3月で、育苗後4〜5月に定植します(施設栽培の場合はやや早め)。発芽適温は25〜30℃で、育苗中の低温には注意が必要です。

定植後の管理では、整枝が重要なポイントです。一般的に2〜3本仕立てで管理し、着果位置より下の側枝は摘除します。草勢が強くなりすぎると過繁茂による着果不良・品質低下が起きやすいため、整枝・摘葉によって光と風の通りを確保します。

灌水管理は着果後の肥大期に特に重要です。土壌水分の急激な変動は果実の変形・落果につながります。点滴灌水(ドリップ灌水)を導入することで安定した灌水管理が実現しやすくなります。

収穫は果実が十分に肥大し果皮の光沢が出てきた段階で行います。収穫が遅れると果実が赤く色づいてきますが、青果出荷を前提とする場合は色変わり前に収穫することが品質基準になります。収穫が遅くなるほど着果中の養分消耗が増えるため、適期収穫が次の着果量にも影響します。

品種選びのコツ

甘長トウガラシの品種選びで確認しておきたいポイントを以下に示します。

果長・果形は品種間で差があります。伏見系は細くて比較的短め(12〜18cm程度)、万願寺系は太くて長め(15〜20cm以上)の傾向がありますが、品種によって幅があります。販売先のニーズ(出荷規格・袋詰めサイズ)に合った果実サイズの品種を選択します。

辛み混入リスクの確認も重要です。甘長品種は辛み品種と交叉すると一部に辛みが混入することがあります。圃場での辛み品種との距離や、前作でのトウガラシ栽培履歴も確認してください。

耐病性については、トウガラシに一般的に問題になる疫病・炭疽病・CMV(キュウリモザイクウイルス)への対応が品種によって異なります。施設栽培では青枯病・半枯病のリスクも考慮します。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、施設向け品種と露地向け品種では草勢・節間長・着果位置の高さなどが異なるため、栽培形態に合った品種選びが必要です。

まとめ

甘長トウガラシは、細長い果実と辛みのない甘い食味が特徴の品種群です。京都の伝統野菜(伏見とうがらし・万願寺とうがらし)に代表される豊かな文化的背景を持ち、現代では多様なF1品種が全国各地で栽培されています。

直売所では見た目の存在感・辛くない安心感・調理の手軽さが消費者への訴求ポイントです。品種選びでは果長・果形・耐病性・作型(施設か露地か)を確認し、栽培規模と販売チャネルに合った選択を行うことが重要です。

ミノリスの甘長トウガラシタグには、代表品種の一覧が掲載されています。品種ごとの特性を比較しながら、栽培計画にお役立てください。

18品種 表示中
うま甘長

うま甘長

株式会社むさしのタネ

辛味が少なくおいしい! たくさん獲れる甘長トウガラシ ■特性 果長が15cm程度の長形で、揃いが良く、曲がりが少ない品種。辛味が少なく、素焼き、天ぷら、煮浸し等によく合う。 草勢は旺盛で、露地でも作りやすく、着果数は大変多い。 ■栽培のポイント 草勢の低下は奇形果や辛味果の原因となるため、収穫開始から10~15日間隔を目安に追肥を施し、草勢維持に努めると良い。接木の場合はベルボトムを使用。 ※PMMoV抵抗性なし。

サラダ甘長

サラダ甘長

ナント種苗株式会社

なんと生食!サクサク新食感! マヨネーズをつけてサクッ! 【特 徴】 ● 草姿は立性、葉は濃緑で中葉。節間短く、分枝が多い。 ● 果実は濃緑の長円錐形。収穫サイズは果長10cm、果径2cm、果重15g位。 ● 肉厚で食感よく甘味がある。用途は広く生食・炒め物・焼き物などに適し、ししとうには無いボリューム を生かせる。株間は60cm以上広くとり、畝幅150~180cm。一条植えとし主枝4本仕立てで誘引。混んできたら枝を間引いて果実が見えるように。 【栽培のポイント】 ● 追肥が遅れないよう、乾燥させないように努める。 ● 収穫遅れ(果長15cm~)は辛味の発生があるので、果長10cmを目処に次々収穫するのが良い。

トンガレア

トンガレア

株式会社ナコス

収量性の高い甘長とうがらしTongarea! 大きい実は辛くなるので早どりがおススメ! ■品種の特徴 食味と収量重視の早生とうがらし。 ハウス栽培に向いています。 実が大きくなると皮が固く、実も辛くなることがあるので、10cm未満での収穫がおススメ。 脇芽をとらなくても収量に影響がありませんが繁茂するので作業性は低下します。"

伏見とうがらし

伏見とうがらし

株式会社タカヤマシード

京都山城地区由来の辛味の全くない、細長い果形をした早生トウガラシである。草勢は旺盛でウィルス病にも強く、作りやすい豊産種。草姿は半立性、葉は中程度でピーマンより小さい。果長は、10~15cmの長形で果色は濃緑で照りがあり、曲がりが少なく揃いもよい。油炒め、焼きトウガラシ、天ぷら、煮物に適する。葉は、ビタミン類、鉄分、カルシウムを多く含むので葉も利用する。 ■ポイント 1.本葉8~9枚目に、第1花を着けるのでその上下に発生する側枝を2本伸ばし、3本仕立てとする。 2.夏季乾燥するときは敷わらを十分にし、適宜潅水する。

大甘長万里とうがらし

大甘長万里とうがらし

山陽種苗株式会社

作りやすく、甘味の強いジャンボとうがらし ■特性 ・肥大すると果長が20cm位になる中早生タイプのとうがらし。 ・果色濃く、肉厚でやわらかく、甘味に富む。 ・生育は旺盛で、着果性が極めて良く多収型である。 ■栽培のポイント ・作りやすい品種であるが開花時期前後の乾燥に注意し、果実肥大に努める。 ・栽培期間中は肥料切れの心配があるので適時追肥を行う。

役満甘長

役満甘長

トキタ種苗株式会社

※販売終了となりました。 「ししとう」位の大きさからペットボトルサイズの大型果まで収穫できる、辛みの無い甘唐辛子がすずなり ■特性 ●最大果長18〜22cm、果径4〜6cm、果重100g程度にもなる大型の甘長トウガラシ●普通のシシトウくらいの大きさから収穫できる●タネがヘタの周辺に集中し調理が容易●辛味果は、ほぼ発生しない ■栽培上の注意 梅雨明け以降は、乾燥抑制のため敷き藁など ■土壌条件 畑の準備:保水性、排水の良好な土壌に定植の1ヵ月以上前には完熟堆肥を施し、深耕しておく。 ■肥料 元肥は、定植の1週間前までには施し、1平方メートルあたりの成分量で苦土石灰80〜100g、窒素20g、リン酸30g、カリ20gを基準として前作や土質によって調整する。うね幅150〜180cmの高うねにマルチがおすすめ。定植前にマルチ張り地温をあげておくと活着が良くなる。

甘ししとう

甘ししとう

サントリーフラワーズ株式会社

フレッシュな香り、強いうまみ ■特長 ・風味豊かな青香。苦味なく、甘くてうまい柔らかな果肉。 ・ししとうの柔らかさと甘長トウガラシのコクを併せ持つ高食味品種。 ・初期から終盤まで衰えない着果、生り疲れせず非常に作りやすい。 ・販売時期:3月中旬~6月下旬 ・栽培適性:プランター向け、畑向け ・果形:くさび形 ・収穫数目安:100~130本程度 ・収穫適期果重:12~20g ■栽培の要点 ・整枝もほぼ不要、非常に作りやすい。収穫期間が長いので肥料切れには注意。 ・プランター栽培でも作りやすい品種ですが、やや高性のため、支柱をしっかり立ててください。赤くなる前のフレッシュな若穫りをお楽しみ下さい。 ・収穫適期サイズより肥大した場合や、過乾燥、極端な肥料切れをした場合には辛くなる可能性があります。特に秋の収穫時は大きくすると辛くなりやすくなります。

ひもとうがらし

ひもとうがらし

株式会社大和農園

収量多く、栽培しやすい甘長とうがらし ■品種特徴 ○奈良県伝統野菜のとうがらし。 ○長さ10cm前後、鉛筆より細く、太さは5~6mm。 ○果皮柔らかく、油炒め、煮物、天ぷらなどに適する。辛味なく美味。 ○露地栽培に向いており多収。 ■栽培方法 <畑の準備> 畑は保水力があって排水の良い所を選ぶ。定植の2週間前に1㎡当り苦土石灰100gを施し、1週間前に堆肥2~3㎏、化成肥料150g程度を施しておく。 <育苗> 発芽温度20~30℃、生育温度は25℃前後なので育苗期間中は保温に努める。日中は温度が上がりすぎないように換気する。 <定植> 本葉10~12枚のがっちりした苗を株間60cm程度で定植する。定植を同時に支柱を立て、茎を結ぶ。

万願寺とうがらし

万願寺とうがらし

株式会社タカヤマシード

■特性 京都府舞鶴地方を起源とした長系大型種。本種は中晩生種であり、草姿は半立性、葉は色濃く、伏見とうがらしより大きい。本種は中晩生種であり、草姿は半立性、葉は色濃く、伏見とうがらしより大きい。果実は独特の風味があり、煮食、焼きとうがらし共に美味である。 ■ポイント 1.夏季の高温乾燥防止のため、敷わらや敷草を十分し、ときどき潅水する。 2.梅雨時期には排水に努める。

伏見甘長とうがらし

伏見甘長とうがらし

丸種株式会社

作りやすく、おいしいトウガラシ! 1. 長さ10cm、肩幅1.5cm位で熟期は65日位です。 2. 辛味がでにくく焼きトウガラシや天ぷらなど広く利用されています。

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