果実・収量特性

甘トウガラシのトウガラシ品種一覧 全21種類

甘トウガラシとは 甘トウガラシは、トウガラシの仲間でありながら辛味をほとんど持たない品種群の総称です。ピーマンやシシトウも広義には甘トウガラシに含まれますが、一般的に「甘トウガラシ」と呼ばれるのは、それらとは異なる独自の形状や食味を持つ品種

甘トウガラシについて

甘トウガラシは、トウガラシの仲間でありながら辛味をほとんど持たない品種群の総称です。ピーマンやシシトウも広義には甘トウガラシに含まれますが、一般的に「甘トウガラシ」と呼ばれるのは、それらとは異なる独自の形状や食味を持つ品種のことを指します。細長いものや肉厚なもの、色のカラフルなものまで、品種によって見た目はさまざまです。

果実の大きさは品種によって幅がありますが、シシトウより一回り大きく、ピーマンより小ぶりなものが多いイメージです。肉質は薄めのものから肉厚なものまで揃っており、加熱すると甘味が増す品種が多いのが特徴のひとつ。辛味がないので子どもから年配の方まで幅広く食べられる野菜です。

近年は「カラーピーマン」や「パプリカ」への関心が高まる中で、甘トウガラシ全体への注目も増しています。直売所やファーマーズマーケットでは個性的な形や色が消費者の目を引きやすく、差別化しやすい品目として栽培者からの関心が高まっています。


甘トウガラシの魅力

  • 辛味がなく幅広い層に受け入れられる
    辛いものが苦手な方でも安心して食べられるのが最大の強みです。子ども向け、高齢者向け、飲食店の幅広いメニューに対応できます。

  • 加熱すると甘味が際立つ
    炒めたり焼いたりすることで、素材本来の甘味がぐっと引き出されます。シンプルな調理でおいしくなるため、家庭でも飲食店でも重宝されます。

  • 見た目の個性で差別化できる
    赤・黄・オレンジ・茶色など、カラフルな品種が多く揃っています。形も細長いものや短いもの、捻れたものなど多彩で、並べるだけで目を引きます。

  • 栄養価が高い
    ビタミンCやビタミンEを豊富に含み、健康野菜としての訴求もしやすいです。カラー系の品種はカロテンも多く含みます。

  • 収穫期間が長い
    定植後は長期にわたって次々と着果するため、安定した出荷が続けられます。施設栽培では特に収穫期間を長く取れます。


主な用途

甘トウガラシは調理の幅が広く、さまざまなシーンで活躍します。

炒め物・焼き物が最もよく使われる調理法です。ごま油や醤油との相性が良く、シンプルな炒め物でも素材の甘味が際立ちます。網焼きにして丸ごと食べるスタイルも人気です。

天ぷらにすると衣との相性が抜群で、甘味と風味が引き立ちます。定食屋や日本料理店では定番の一品になっています。

生食・サラダにも使えます。肉厚で甘味の強い品種はスティック野菜として生でも食べられ、ディップと合わせると見栄えのいい一品になります。

業務用・加工用では、カラフルな色味を活かして惣菜や冷凍食品の具材として使われることも増えています。外食産業での需要も安定しており、大量出荷できる農家には魅力的な販路です。


栽培のポイント

甘トウガラシの栽培はピーマンやシシトウと基本的に同様ですが、品種によって特性が異なるため、品種ごとの特徴を把握した管理が大切です。

定植は地温が安定してからが基本です。低温に弱いため、霜のリスクがなくなってから定植します。施設栽培では早期からスタートでき、収穫期間を長く確保できます。

整枝・仕立て方は品種の草姿に合わせて行います。放任すると着果数が落ちたり、果実の肥大が不均一になったりします。2〜3本仕立てが一般的ですが、品種に合った方法を確認しておきましょう。

水分・養分管理は収量と品質を左右します。着果が続く中で肥料切れが起きると草勢が落ちて収量が激減します。追肥のタイミングを逃さず、草勢を維持することが長期収穫のカギです。

病害虫はアブラムシ、ハダニ、タバコガ、疫病などに注意が必要です。ウイルス病はアブラムシが媒介するため、早期防除が重要です。防虫ネットや粘着トラップの活用も効果的です。


品種選びのコツ

甘トウガラシは品種の幅が広く、何を基準に選ぶかによって候補が大きく変わります。

用途と販売先を最初に決めるのが品種選びの第一歩です。直売所向けなら見た目の個性や色、飲食店向けなら使いやすい形と大きさ、業務用なら収量性と揃いが優先順位の上位に来ます。

辛味の有無の確認は必須です。甘トウガラシとされる品種でも、環境条件によってまれに辛味が出ることがあります。辛味のブレが少ないことが明記されている品種を選ぶと、消費者からのクレームリスクを減らせます。

果色と熟期も重要な選択肢です。赤や黄に色づく品種は収穫適期の幅があり、緑果のまま出荷するか、完熟させてカラフルに仕上げるかによって戦略が変わります。

耐病性は栽培の安定性に直結します。ウイルス病や疫病に対する抵抗性を持つ品種は、特に長期栽培を狙う場合に選びたいポイントです。

地域適応性も見ておきましょう。高温多湿の地域では耐暑性の高い品種、寒冷地では低温着果性のある品種が向いています。


市場とこれから

甘トウガラシへの注目は年々高まっています。健康志向や食の多様化を背景に、「辛くないトウガラシ系野菜」への需要は確実に増えており、パプリカやカラーピーマンの延長線上で甘トウガラシも評価されるようになってきました。

直売所やマルシェでは、珍しい形や色の甘トウガラシが高単価で売れるケースが増えています。「地元農家が育てた個性的な野菜」としてブランド化しやすく、SNSでの発信とも相性が良い品目です。

飲食業界では、素材の個性を活かしたメニュー開発への関心が高まっており、甘トウガラシのような特徴ある食材への引き合いは今後も続くと見られます。イタリアンやスペイン料理など、欧米の料理との親和性も高く、外食トレンドの変化とともに需要が広がる可能性があります。

輸出の観点でも、甘トウガラシは東アジアや東南アジア市場での需要が期待されており、高品質な日本産として差別化できれば、新たな市場開拓につながるかもしれません。


まとめ

甘トウガラシは、辛味がなく幅広い層に受け入れられ、見た目の個性と栄養価の高さで差別化しやすい品目です。品種によって形・色・肉質・収量性が大きく異なるため、販売先や栽培スタイルに合わせた品種選びが成否を分けます。

ミノリスの甘トウガラシ品種一覧では、各品種の特性を詳しく比較できます。用途別・色別・耐病性別に絞り込みながら、自分の農場にぴったりの品種をぜひ探してみてください。

21品種 表示中
うま甘長

うま甘長

株式会社むさしのタネ

辛味が少なくおいしい! たくさん獲れる甘長トウガラシ ■特性 果長が15cm程度の長形で、揃いが良く、曲がりが少ない品種。辛味が少なく、素焼き、天ぷら、煮浸し等によく合う。 草勢は旺盛で、露地でも作りやすく、着果数は大変多い。 ■栽培のポイント 草勢の低下は奇形果や辛味果の原因となるため、収穫開始から10~15日間隔を目安に追肥を施し、草勢維持に努めると良い。接木の場合はベルボトムを使用。 ※PMMoV抵抗性なし。

サラダ甘長

サラダ甘長

ナント種苗株式会社

なんと生食!サクサク新食感! マヨネーズをつけてサクッ! 【特 徴】 ● 草姿は立性、葉は濃緑で中葉。節間短く、分枝が多い。 ● 果実は濃緑の長円錐形。収穫サイズは果長10cm、果径2cm、果重15g位。 ● 肉厚で食感よく甘味がある。用途は広く生食・炒め物・焼き物などに適し、ししとうには無いボリューム を生かせる。株間は60cm以上広くとり、畝幅150~180cm。一条植えとし主枝4本仕立てで誘引。混んできたら枝を間引いて果実が見えるように。 【栽培のポイント】 ● 追肥が遅れないよう、乾燥させないように努める。 ● 収穫遅れ(果長15cm~)は辛味の発生があるので、果長10cmを目処に次々収穫するのが良い。

トンガレア

トンガレア

株式会社ナコス

収量性の高い甘長とうがらしTongarea! 大きい実は辛くなるので早どりがおススメ! ■品種の特徴 食味と収量重視の早生とうがらし。 ハウス栽培に向いています。 実が大きくなると皮が固く、実も辛くなることがあるので、10cm未満での収穫がおススメ。 脇芽をとらなくても収量に影響がありませんが繁茂するので作業性は低下します。"

伏見甘長とうがらし

伏見甘長とうがらし

丸種株式会社

作りやすく、おいしいトウガラシ! 1. 長さ10cm、肩幅1.5cm位で熟期は65日位です。 2. 辛味がでにくく焼きトウガラシや天ぷらなど広く利用されています。

福耳®ジロー

福耳®ジロー

株式会社サカタのタネ

サイズも、おいしさもパワーアップ!うま辛ジャンボトウガラシ ■特性 1.果実サイズは果長25cm前後となる大型のトウガラシ。 2.未熟果の果色は「福耳」より濃緑となり、果肉はやや薄めで首部のしわが深く食感が非常によい。 3.やや若どりするか、辛みの強いタネとワタを外せば、ほどよい辛さになる。高温・乾燥条件下で辛みが非常に強くなるため注意が必要。 4.草勢旺盛で着果性がよく、多収。完熟果は鮮やかな赤色になる。 ■適応性 高冷地から一般地・暖地まで、春まき夏秋栽培に適します。また、一般地、暖地における8月上旬まきの加温ハウスでの促成栽培、11月中旬まきの加温育苗・無加温ハウスでの半促成栽培が可能です。圃場は、水はけが悪いと疫病などで枯れることがあるので、水はけのよい場所を選びます。 ■畑づくり(圃場準備) 長期間良品を収穫するには土づくりが重要となります。完熟堆肥の施用や深耕を心がけ、排水性と保水性、通気性や保肥性を兼ね備えた土づくりを目指します。未熟堆肥の施用は作物の生育を阻害するため、「バイオ21®」を利用した優良なボカシ堆肥や、無臭性微生物肥料「バイテクバイオエース®」、「金の有機」などの有機肥料を積極的に利用することをおすすめします。 元肥は10aあたり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kgを目安とします。 水はけの悪い場所では高畝とし、排水対策をしっかりと行うことが秀品率を上げるポイントです。 ■播種と育苗と定植 苗床には無病培養土である「スーパーミックスA」や苗当番シリーズ「タネまき用」などを利用し、播種します。本葉が見えてきたら鉢上げを行います。 定植の1週間前までにはマルチをしておき、地温確保を心がけます。栽植密度は、畝間180 cm、株間50cm程度で、放任栽培の場合は株間80cm程度を基準とします。第一分枝の蕾が膨らんだころに定植して、生育後半まで株がもつように、やや強めの株作りを目指します。 ■定植および定植後の管理 定植後は第一分枝の下を仮支柱で誘引し、倒伏を防ぎます。放任栽培も可能ですが、主枝4本仕立てとし、株内部の採光性と通風性を確保することで秀品率が上がり、病害虫の発生を減らすことができ、さらに収穫や整枝の作業性もよくなります。花数が初期から多く、着果性もよい上、果実がとても大きくなるので、特に乾燥、肥切れには注意しましょう。草勢が衰えると、果実が極端に小さくなり、曲がりも生じやすくなります。このため、良品を収穫し続けるためにはこまめな灌水と追肥が必要です。追肥は収穫開始ごろから2~3週間おきに施し、1回の施肥量は10aあたり窒素成分で2kg程度とします。高温・乾燥条件下で辛みが非常に強くなるため注意が必要です。

ひもとうがらし

ひもとうがらし

株式会社大和農園

収量多く、栽培しやすい甘長とうがらし ■品種特徴 ○奈良県伝統野菜のとうがらし。 ○長さ10cm前後、鉛筆より細く、太さは5~6mm。 ○果皮柔らかく、油炒め、煮物、天ぷらなどに適する。辛味なく美味。 ○露地栽培に向いており多収。 ■栽培方法 <畑の準備> 畑は保水力があって排水の良い所を選ぶ。定植の2週間前に1㎡当り苦土石灰100gを施し、1週間前に堆肥2~3㎏、化成肥料150g程度を施しておく。 <育苗> 発芽温度20~30℃、生育温度は25℃前後なので育苗期間中は保温に努める。日中は温度が上がりすぎないように換気する。 <定植> 本葉10~12枚のがっちりした苗を株間60cm程度で定植する。定植を同時に支柱を立て、茎を結ぶ。

万願寺とうがらし

万願寺とうがらし

株式会社タカヤマシード

■特性 京都府舞鶴地方を起源とした長系大型種。本種は中晩生種であり、草姿は半立性、葉は色濃く、伏見とうがらしより大きい。本種は中晩生種であり、草姿は半立性、葉は色濃く、伏見とうがらしより大きい。果実は独特の風味があり、煮食、焼きとうがらし共に美味である。 ■ポイント 1.夏季の高温乾燥防止のため、敷わらや敷草を十分し、ときどき潅水する。 2.梅雨時期には排水に努める。

伏見とうがらし

伏見とうがらし

株式会社タカヤマシード

京都山城地区由来の辛味の全くない、細長い果形をした早生トウガラシである。草勢は旺盛でウィルス病にも強く、作りやすい豊産種。草姿は半立性、葉は中程度でピーマンより小さい。果長は、10~15cmの長形で果色は濃緑で照りがあり、曲がりが少なく揃いもよい。油炒め、焼きトウガラシ、天ぷら、煮物に適する。葉は、ビタミン類、鉄分、カルシウムを多く含むので葉も利用する。 ■ポイント 1.本葉8~9枚目に、第1花を着けるのでその上下に発生する側枝を2本伸ばし、3本仕立てとする。 2.夏季乾燥するときは敷わらを十分にし、適宜潅水する。

伏見甘長(長形種)

伏見甘長(長形種)

タキイ種苗株式会社

辛みが少なく良食味! 分枝性にすぐれる多収の青トウ! ■特長 ・果長は10〜12cm程度の長形で、早生の多収種。 ・果実にテリがあり、曲がりが少なく、そろいがよい。 ・草勢旺盛で作りやすい。 ・小葉で草姿は中開性となり、着果数が非常に多い。 ・辛みが少なく、油炒め、焼きトウガラシ、天ぷら、煮食などに適する。 ■栽培の要点 ・定植は1番花開花直前の苗を基本とする。 ・追肥は収穫始めより10〜15日間隔に施すことを目安とし、草勢に応じて間隔を調整する。 ・草勢の低下は奇形果や辛味果の発生を促すため、こまめな肥培管理で草勢維持に努める。

大甘長万里とうがらし

大甘長万里とうがらし

山陽種苗株式会社

作りやすく、甘味の強いジャンボとうがらし ■特性 ・肥大すると果長が20cm位になる中早生タイプのとうがらし。 ・果色濃く、肉厚でやわらかく、甘味に富む。 ・生育は旺盛で、着果性が極めて良く多収型である。 ■栽培のポイント ・作りやすい品種であるが開花時期前後の乾燥に注意し、果実肥大に努める。 ・栽培期間中は肥料切れの心配があるので適時追肥を行う。

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