果実・収量特性

多収のスイカ品種一覧 全14種類

多収性スイカ 多収性とは 多収性とは、単位面積あたりの収穫重量(または果実数)が、標準的な品種より多い特性のことです。スイカにおける多収性は、1株あたりの着果数・果実の肥大能力・商品化率(秀品率)の3つの要素が組み合わさって決まります。 ス

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多収について

多収性スイカ

多収性とは

多収性とは、単位面積あたりの収穫重量(または果実数)が、標準的な品種より多い特性のことです。スイカにおける多収性は、1株あたりの着果数・果実の肥大能力・商品化率(秀品率)の3つの要素が組み合わさって決まります。

スイカの1株あたりの基本的な着果数は、大玉品種で1〜2果、小玉品種で2〜4果程度が標準的な管理目安です。多収性品種はこの範囲で安定した着果を実現しながら、1果の充実(適切な重量と品質)を維持できる能力が高い傾向があります。

「多収性」の評価は、収穫果実の総重量(トン/10a)で示されることが多いですが、スイカの場合は果実数でカウントする場面もあります。大玉品種と小玉品種では多収性の意味が異なります。大玉品種の多収は「1果を適切に大きく育てる能力」と「株数あたりの着果安定性」の組み合わせで達成されます。小玉品種の多収は「1株あたりの着果数を増やす」アプローチも有効です。

スイカ(Citrullus lanatus)はウリ科スイカ属に属し、つる性の一年草です。1株が占める面積が広く(大玉品種で3〜4m2程度)、果実の肥大にも多くの光合成産物が必要なため、単純に着果数を増やすだけでは個々の果実が小玉化・品質低下につながります。多収性品種は、草勢の強さと着果保持力のバランスが品種としての特性として整理されています。

多収性が重要な場面

多収性の重要性は、生産者の経営スタイルや販売チャネルによって異なります。

大規模産地・業務用出荷では、10aあたりの収穫重量が収益に直結するため、多収性は重要な品種評価指標です。同じ面積でより多く収穫できる品種は、固定費(農地・機械・施設)の回収効率を高めます。産地での大量出荷を前提とした品種選定では、多収性と品質(糖度・外観)のバランスが評価の軸になります。

直売所・産直販売では、果実数を確保できることで、販売機会の損失を減らせます。直売所での販売は、需要があっても在庫が切れれば機会損失になります。着果安定性が高く、一定数の果実を確保できる品種は、販売計画の安定につながります。

小玉品種での多収性は、大玉品種とは異なるロジックがあります。小玉スイカは果実が軽い(2〜3kg)ため、1株あたりの着果数を大玉品種より多く設定することで10aあたりの収穫重量を積み上げるアプローチが可能です。同時に、小玉スイカの着果安定性は品種間で差があるため、多収を実現する品種の選定が経営面で重要になります。

多収性に関わる品種特性

多収性の高い品種には、いくつかの共通した特性があります。

着果安定性の高さが多収の基盤です。低温・高温・日照不足などの環境ストレス下でも着果が安定する品種は、天候に左右されない収量確保ができます。人工交配が難しい気象条件が続く時期でも着果してくれる品種は、産地での実績として評価されます。

草勢の安定性も重要です。草勢が強すぎる品種は着果しにくい傾向があり、弱すぎると果実の充実が不十分になります。多収性品種は草勢が適度に安定していて、着果後の果実への養分供給が効率的に行われる特性を持っています。

果実の充実力(肥大能力)は多収と品質の両立に関わります。着果数を確保しながら1果を適切なサイズに充実させる能力は、品種としての重要な特性です。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。多収性品種を選んでも、適切な整枝・着果管理を行わなければ、着果数が増えた分だけ個々の果実が小玉化・品質低下する場合があります。品種の着果能力を活かすためには、1株あたりの適正着果数の管理が前提条件です。

多収を実現するための栽培管理

多収性品種の特性を活かした収量最大化には、栽培管理の工夫が欠かせません。

整枝と着果管理の精度が多収の鍵です。大玉品種では1株1〜2果を基本とし、品種特性に合わせた適正着果数を守ることが品質との両立に必要です。小玉品種では1株2〜4果の範囲で、樹勢と果実の充実のバランスを取りながら着果数を設定します。

受粉管理の安定化は着果数確保の前提です。スイカは人工交配または訪花昆虫による受粉が必要で、受粉が不完全だと着果率が下がります。ミツバチ等の訪花昆虫の導入や、人工交配の精度向上が着果率の安定に寄与します。

元肥・追肥の設計は草勢の安定に直結します。肥大期に向けた適切な施肥計画が、草勢の過旺勢・過弱勢を防ぎ、安定した多収を支えます。窒素肥料の過多は着果不良の原因になるため、草勢を観察しながら追肥のタイミングと量を調整します。

接ぎ木栽培の活用は草勢強化と連作障害対策を兼ねます。台木由来の強い根系は養水分の吸収力を高め、草勢の安定と果実の充実に寄与します。つる割病リスクのある圃場では、連作障害対策としても接ぎ木栽培が重要です。

品種選びのコツ

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、多収性の評価は圃場条件・作型・管理水準によって大きく変わります。試験圃場での収量データがそのまま自分の圃場に当てはまるとは限らないため、地域での栽培実績を参考にした品種選定が現実的です。

品種選定時に確認しておきたい項目は以下のとおりです。

  • 着果安定性の評価(低温・高温条件下での着果性)
  • 草勢の特性(強・中・弱の分類)
  • 1株あたりの推奨着果数の目安
  • 1果の重量範囲(多収といっても小玉化するのでは意味がない)
  • 主要病害への耐性(うどんこ病・つる割病)
  • 秀品率(多収でも規格外が多いと実質収量が落ちる)

多収性と品質(糖度・食感・外観)のバランスも重要な視点です。着果数を増やすことで総重量は増えても、1果の糖度や外観品質が低下すると、販売単価が下がって収益向上につながらない場合があります。

市場動向とこれから

スイカ産地では、担い手の減少・農業資材コストの上昇を背景に、単位面積あたりの収益性向上が経営課題として顕在化しています。多収性の高い品種の採用は、収益性改善の手段の一つとして注目されています。

一方で、消費者・市場の品質要求水準も高まっており、多収性と品質の両立が品種改良の重要な課題として位置づけられています。「多く収穫できても品質が伴わなければ売れない」という現実から、収量と品質のバランスを取った品種開発が各社で進んでいます。

小玉スイカの分野では、多収性と食べきりサイズの組み合わせが消費トレンドに合致しており、着果安定性が高く多収を実現できる小玉品種の需要が高まっています。

まとめ

多収性スイカとは、単位面積あたりの収穫重量(果実数)が安定して高い特性を持つ品種群です。着果安定性・草勢の安定・果実の充実力が多収性の核心的な品種特性であり、大玉品種と小玉品種では多収を実現するアプローチが異なります。

多収性品種を選定しても、整枝・着果管理・受粉管理・施肥設計の適正化なしには品種ポテンシャルを引き出せません。品種の多収性ポテンシャルと圃場条件・管理技術を組み合わせた総合的な判断が、安定した多収生産につながります。スイカの品種情報については、スイカの品種一覧もあわせてご確認ください。

14品種 表示中
こがね小玉

こがね小玉

株式会社タカヤマシード

甘くて作り易い黄肉小玉! ■特性 1.草勢は極めて強健で旺盛、耐病性に秀れ、1株より15~20果の収穫ができる豊産種。 2.果の大きさは2kg位で緑地にスマートな縦縞を有する高球形で、果皮は爪で剥げる位薄いが比較的硬く輸送に耐える。 3.果肉は淡黄なクリーム色で涼味を感じ、肉質はやわらかく繊維なく、甘味、舌触りも極めて高尚で独特の風味がある。 4.5~6個入りの箱詰めとして盛籠用、冷蔵庫用を狙う有望種。 ■ポイント 草勢強く繁茂しやすいため普通西瓜に比べ、初期の施肥を3割位減にする。

みかく

みかく

丸種株式会社

連作できる、あまい早生スイカ 1. 果重5~6kg、やや腰高の豊円球で、果皮はつやの ある濃緑色です。 2. 果肉の色は鮮桃紅色で肉質軟らかく多汁、糖度は 12度前後で安定し、食味は最高です。種子は小さ く、果皮は薄いが弾力があり輸送に耐えます。 3. 葉茎はやや太く、草勢は旺盛で早期着果性が強く、 蔓ボケになりにくい品種です。初期の蔓伸びはやや 緩慢ですが、間もなく他種に追いつきその後追い越 します。 4. 変形果は少なく、初期から整一な美果を豊産し、ま た蔓もちがいいので未成の果実まで肥大します。 早生品種ですので、盛夏期なら開花後28日位で完 熟、市場出荷に有利です。 5. 低温伸長もよく、着果しやすく熟期も早いので、普 通栽培の他、ハウス・トンネルの早出し栽培にも適 します。

タヒチ

タヒチ

株式会社サカタのタネ

円形、黒皮の大玉品種、病気に強く、甘みが強い ■特性 ・生育は旺盛、炭そ病に耐病性があり、着果性が優れる栽培容易な多収の中晩生品種。 ・果重は7.0~8.0kgの中大果。球形でそろいがよく、外皮は紫黒色(黒皮品種)。 ・果肉はやや締まるがシャリ気があり、輸送性、日もちが特に優れる。肉色は鮮やかな紅赤色。糖度は11~12度と安定し、食味が優れる。 ・成熟日数は6~7月収穫で開花後45~48日。 ・外観が真っ黒で人目を引くので、直売所の差別化商品としても人気がある。 ■適応性 タヒチは、小型トンネル~露地栽培の作型(7月中旬~8月出荷)に適しています。露地栽培用の品種としては、大玉で草勢が強く、高温乾燥でも着果後つるが弱りにくいです。また、炭そ病などの病害に強く、肉質がしっかりして過熟になりにくく、日もちがよいです。しかし、晩春~初夏出荷では肉質がかたくなる傾向があります。また、やや早生性に欠けますので、5~6月出荷では温度不足で肉質がかたくなり、品質低下をまねきます。早くても7月中旬以降に出荷する栽培にしてください。 土質はとくに選びません。通気性のよい、土壌病害の比較的少ない畑では、自根でも栽培できます。 ■畑の選定 梅雨期を経て、高温・乾燥期の栽培になるので、梅雨期に地下水が高くなると通気性がわるくなり、根張りが浅くなって、その後の乾燥で被害を受けて草勢が急激に衰えやすいため、排水のよい畑を選んで作付けし、根が深く張るように心がけることが大切です。 ■肥培管理 スイカの施肥には、骨粉、米ぬか、菜種油かすなど有機質肥料が用いられますが、これは、3成分の割合がよいこと、肥効がゆるやかなため、草勢のバランスがよく、着果・品質・甘みが増すためで、元肥は有機質を主体にした肥料設計が大切です。

ニューこだま

ニューこだま

タキイ種苗株式会社

鮮緑地に濃緑の細縞! 色の濃い黄肉小玉! ■特長 ・果重1.8〜2kg程度の小玉種。果形は高球でよく整う。外皮は鮮緑地に濃緑の細縞が入る。 ・果肉は濃黄色で黄肉特有の上品な甘さがある。 ・生育旺盛で、低温や暑さにも強い多収種。 ■栽培の要点 ・ハウスやトンネルの早どり栽培に適する。 ・施肥量は大玉スイカの2〜3割減を目安とする。 ・1番果を確実に着果させ、的確な追肥で2番果の増収を図る。 ・着果節位は、強勢なので15節を目安とする。

新三笠

新三笠

ナント種苗株式会社

食味は抜群、豊産多収食味は抜群、豊産多収 ・草勢中位、ツルは細く、開花と低温着果が特によい。 ・果実は球形に近い縞皮の中果で、揃いも良好。

甘喜(かんき)

甘喜(かんき)

丸種株式会社

大玉・秀品の揃う多収スイカ 1. 4本2果や5本3果収穫において果実の大小差が少なく大玉に揃います。 2. 大玉狙いの多肥栽培でも2次肥大に伴う変形・空洞果の発生がごく少ない品種です。また、在圃期間が長いので収穫が安心です。 3. 果実外観も目立ちます。ごく太い鮮明な縞をあらわす濃緑色の整球に揃います。 4. 肉質がよくシマリ、シャリ感に富むおいしいスイカです。糖度は12〜13度に安定します。果肉と果皮の境目が明瞭で、色むらがない鮮紅色な果肉はカット販売時にも鮮明です。

紅こだま

紅こだま

丸種株式会社

多汁な果肉、優しい味の豊産種 1. 朱紅色の柔らかい果肉とスイカらしい香りが特徴です。皮際までおいしく食べられます。 2. 生育は旺盛です。雄花は安定して着生し、着果は良好です。 3. 果肉は1.5~2.5kgのやや腰高球形です。

紅太鼓

紅太鼓

東洋農事株式会社

大玉!美品!多収性! 三拍子揃いの優等生。 大玉で秀品率高く、多収性に優れる品種。 ■特徴 トンネルから露地栽培に向く。 草勢強く、後半までつる持ち良く、品質が良い。 果肉は濃桃紅色、糖度12〜13度と高く、シャリ感が強い、食味は最高。 果形は正円から腰高となり、美しい縞をつける。 変形果、空洞果少なく秀品率が高い。 肉質適度にしまり、皮岸まで色付き良く、カット売りに向く。

あんみつ姫

あんみつ姫

東洋農事株式会社

黒皮の小玉すいか日持ち抜群、小さいけれど食味最高。 ■特徴 果皮の小玉種、日持ち抜群に良し、食味最高。 ハウス後半からトンネル栽培に向く。 後半までつる持ち良く、多収性に優れる。 果皮硬く、割れにくい。 カット売りにも向く。 濃桃紅色の固めの肉質でハギレ良くシャリ感が強い。 糖度高く食味非常に良い。

こだまベビー

こだまベビー

丸種株式会社

なめらかな果肉、作り易い黄小玉スイカ 1. 果肉がクリーム色の小玉スイカです。 2. 肉質は滑らかで、風味佳良、上品な甘さが特長です。 3. 果実は大きさがよく揃い、栽培容易な豊産種です。

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