果実・収量特性

寒玉系のキャベツ品種一覧 全107種類

寒玉系キャベツ 寒玉系とは 寒玉系キャベツは、球の形が扁球形(平たい楕円形)で、外葉・内葉ともに肉厚で硬く、緻密に巻き込まれた球を形成するキャベツの系統です。一般的なスーパーで年中見かける濃い緑色のキャベツの多くは、この寒玉系に分類されます

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寒玉系について

寒玉系キャベツ

寒玉系とは

寒玉系キャベツは、球の形が扁球形(平たい楕円形)で、外葉・内葉ともに肉厚で硬く、緻密に巻き込まれた球を形成するキャベツの系統です。一般的なスーパーで年中見かける濃い緑色のキャベツの多くは、この寒玉系に分類されます。

寒玉系の主な特徴を整理すると、以下のようになります。

  • 球の形状: 扁球〜腰高扁球(横径が縦径より大きい、もしくはほぼ同等)
  • 球の重さ: 一般的に1.5〜3kg以上になることも多い
  • 葉の質感: 硬く、巻きが緻密。繊維質が比較的豊富
  • 色: 濃い緑色〜青緑色が多い(品種によって異なる)
  • 貯蔵性: 葉が硬く水分の蒸発が抑制されるため、収穫後の日持ちが良い
  • 食感: 歯ごたえがあり、加熱調理で甘みが引き出される

春系(後述)との最大の違いは葉の硬さと貯蔵性です。寒玉系は硬くて丈夫な球を形成するため、輸送・保管中の品質低下が起きにくく、産地から消費地への長距離輸送に適しています。春系が「やわらかさ・甘み」を訴求するのに対し、寒玉系は「しっかりとした食感・貯蔵性・汎用性」が強みです。

名前に「寒玉」とあるように、もともと秋まき越冬〜冬どりの作型で栽培されることが多かった系統ですが、現在は作型改良によって年間を通じた作付けに対応した品種も多く存在します。

寒玉系の魅力

寒玉系キャベツの最大の魅力は、その汎用性の高さです。加熱調理(炒め物・煮物・ロールキャベツ・お好み焼き・焼きそばの具など)から漬物・発酵(ザワークラウト)まで、さまざまな料理に対応できます。葉が硬いため炒め物でも歯ごたえが残りやすく、食感を生かした調理に適しています。

生産者にとっては、貯蔵性の高さが経営上の強みになります。市場での価格が低い時期に収穫を控え、価格が上昇したタイミングで出荷するという価格調整戦略を取りやすい品種タイプです。輸送距離が長い産地(北海道・群馬など)では、長距離輸送に耐えられる耐久性が寒玉系を選ぶ理由の一つになっています。

加工・業務用途でも寒玉系の需要は安定しています。カット野菜・漬物・惣菜工場では、加工ロスが少なく硬さのある寒玉系が製造適性の面で高く評価されています。炒め調理では食感が残り、煮込み調理でも形崩れが少ない点が業務用市場での評価につながっています。

消費者・市場ニーズ

日本のキャベツ市場において、寒玉系は量的に最も大きなシェアを占める品種タイプです。農林水産省の作物統計では、キャベツ全体の作付面積・生産量の多くが冬〜春の出荷に集中していますが、この時期の主力品種の多くは寒玉系・中間系の品種です。

量販店では、寒玉系の硬い球は輸送中の傷みが少なく、店頭での品質維持がしやすいというメリットがあります。青果担当からすると「扱いやすいキャベツ」として認識されています。一玉売りでも半割り・四つ割りのカット販売でも、寒玉系の硬い葉は加工しやすく、外観品質が保持されやすいです。

業務用・外食産業では、寒玉系は定番素材として年間を通じた安定調達が求められます。お好み焼きチェーン・ラーメン店・定食店など、キャベツを大量に消費する業態では、品質・価格・調達量の安定性が最重要であり、寒玉系の安定した流通量がこの需要を支えています。

ザワークラウト(乳酸発酵キャベツ)など発酵食品の分野でも、寒玉系の葉の硬さ・繊維質の多さが加工適性として評価されています。健康食・発酵食品への関心が高まる中、寒玉系の発酵加工用途も注目されています。

栽培のポイント

寒玉系キャベツの栽培は、品種の作型適性を正確に把握することが出発点です。寒玉系の中でも、秋まき冬どり専用の品種から、春まき夏どりに対応した品種まで幅があります。カタログの作型表を参考に、農場の播種・定植・収穫のスケジュールと照合します。

播種から定植・収穫までの生育日数は品種によって異なり、早生から晩生まで幅広いです。産地の出荷カレンダーと合わせた品種選定が重要です。

施肥設計では、寒玉系は充実した球を形成するために十分な養分を必要とします。元肥と追肥のバランスを適切に設計し、特に窒素肥料の過剰投入は外葉の過繁茂・軟腐病リスクの増大につながるため注意が必要です。

収穫適期の判断は慣れが必要です。寒玉系は球が硬いため、手で押したときの硬さと外葉の黄化状態を目安にします。球頂部が硬く締まり、外葉が自然に外れてくるようになった頃が収穫のサインです。ここからが実際の栽培で差がつくところです。寒玉系は収穫適期を過ぎると急速に裂球が進む品種もあるため、手で押したときの硬さと外葉の状態を毎日確認する習慣が品質維持の鍵です。収穫期は圃場の観察を密にし、気象情報と連動した収穫計画を立てることが安定出荷につながります。

品種選びのコツ

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、寒玉系品種を選ぶ際に確認しておきたいポイントは以下の通りです。

  • 作型との適合: 秋まき冬どり・春まき夏どりなど、作型ごとに適した品種タイプが分かれます。カタログの作型表を必ず確認します
  • 萎黄病(YR)との複合耐性: 寒玉系でもYR表記の有無が品種選定の基本条件です。連作圃場では特に重要です
  • 球の形状・重量の規格: 出荷先の求める球の形状(扁球・腰高扁球)と重量規格と照合します
  • 貯蔵性の程度: 出荷から消費まで時間がかかる場合は、特に日持ちの良い品種を選ぶことが品質トラブルの防止につながります
  • 試作・地元の推奨品種: 地域の農業試験場や農業改良普及センターが推奨する品種は、地域の気候・土壌条件での実績があります

代表的な寒玉系品種として、寒玉キャベツ 雪中(株式会社トーホク)、四季穫・浜岬・星岬SP・恋岬SP・輝岬・潮岬(タキイ種苗株式会社)、金瑛・金春・金系201号・来陽・中早生二号・新藍(株式会社サカタのタネ)などが広く栽培されています。

市場動向とこれから

寒玉系キャベツは国内生産量の中心を占めており、今後も主要品種タイプとしての地位は安定しています。一方で、消費者の料理スタイルの変化(サラダ・生食需要の拡大)に伴い、春系・グリーンボール系など食感の柔らかい品種への関心も高まっています。

産地では、寒玉系の安定需要を維持しながら、用途別の品種分化に対応する品種ラインナップの整備が進んでいます。加工・業務用は寒玉系を継続しつつ、生食向けに春系を加えるという二本立ての品種戦略を採る産地も増えています。

種苗メーカー各社は、耐病性の強化・作型の拡大・球質の向上を継続的に進めており、従来の寒玉系品種の特性をベースにしながら現代の生産ニーズに対応した新品種の開発が続いています。

まとめ

寒玉系キャベツは、扁球・硬葉・貯蔵性の高さを特徴とし、加熱調理・漬物・業務用など幅広い用途に対応する汎用性の高い品種タイプです。日本のキャベツ市場で量的に最大のシェアを持ち、産地から消費地への流通を支える基幹品種として位置づけられています。

品種選定では作型適合・萎黄病耐性・球の形状規格を中心に確認し、出荷先の要求と農場の生産体制に合わせた品種を選ぶことが重要です。春系との比較では、「食感の硬さ・貯蔵性・加工適性」を重視する用途には寒玉系が適しており、「やわらかさ・甘み・生食」を重視する用途は春系が適するという使い分けが基本です。

ミノリスのキャベツ品種一覧では、寒玉系・春系それぞれの品種情報を比較しながら確認できます。

107品種 表示中
BCR龍月

BCR龍月

タキイ種苗株式会社

根こぶ病と黒腐病に複合耐病性! 形状が安定する寒玉系中早生種! ■特長 ・根こぶ病と黒腐病に対し、高度な耐病性を示すほか、萎黄病にも耐病性。 ・玉のそろいがよく、スムーズな収穫作業が可能で、扁円に形状が安定するため箱詰め作業が容易。 ・倒伏しにくく、玉尻が地面に接しにくい。 ・中間・暖地の秋どりと春まきの初夏どりの両方で栽培できる。冷涼地では春まきの初夏どりと秋どりが可能。 ■栽培の要点 ・適切な外葉形成のため、保水性がよく、肥沃な圃場への作付けを優先する。 ・極端な密植栽培を避け、適切な外葉発育ができる条間・株間で栽培する。 ・元肥主力で初期生育を促進し、早めの追肥で生育後半まで安定した肥効を保つ。 ・適期収穫に努め、とり遅れに注意する。 ・本種は根こぶ病、黒腐病に対し、完全な抵抗性ではないため、予防的防除の実施が望ましい。 ・短茎のため、土壌からの菌核病、株腐病に対して十分な防除を実施する。

KV948甘藍

KV948甘藍

株式会社カイヤ採種場

病気に強く多収性、1~2月どりに最適な扁円中生種 ■特性 ・年内~2月どりに最適で、耐寒性がある扁円球の中生品種です。 ・結球の仕方は、内部がゆっくりと締まる結球充実型です。 ・球色は濃緑色で、市場性が大変高く、また肉質は完全な寒玉なので加工契約にも好適です。 ・外葉はやや旺盛ですが、立性に近いので密植も可能です。 ・根が強く耐倒伏性に優れているので、地際からの尻腐れに強く、裂球が遅いので在圃性が非常に高いです。 ・萎黄病に抵抗性で、1~2月に多い玉ベトや年内に発生しやすい黒腐れ病にも強い方です。

NC-76

NC-76

株式会社日本農林社

低温伸張性に優れる冬どりの寒玉種 ■特性 ≪平坦地・暖地の冬期出荷に向く、寒玉タイプの品種です≫ ・萎黄病抵抗性をそなえた晩生寒玉品種。 ・草勢は強く肥大に優れており、加工に向く。 ・球色は濃緑で形状はやや厚みがあり、ボリュームのある玉に仕上がる。 ・低温伸張性が抜群で、1~3月収穫に向く。 ■栽培の注意 ・黒腐病に耐性がないため、定期的な防除をおこなってください。

YCRきよまさ

YCRきよまさ

株式会社日本農林社

根こぶ病に強く年明け収穫に向く寒玉種 ■特性 ・萎黄病・根こぶ病複合抵抗性をそなえた寒玉系品種。 ・草勢は強く肥大性も優れており、玉色は濃緑、形状は平玉で安定する。 ・「YCRこんごう」「YCRふゆいろ」よりも晩生で耐寒性に優れ、年明け収穫に向く。 ・定植後約100日で収穫になる晩生種。 ■栽培の注意 日本で見つかっている代表的な根こぶ病菌の混合菌を使用し、 幼苗検定を繰返し行い育成した根こぶ病抵抗性品種ですが、 他にも菌の系統があり地域によっては根こぶの着生かあるかもしれませんので、 あらかじめ御了承下さい。 ・黒腐病の耐病性は中程度のため、必ず防除をおこなってください。 ・定植が遅れると玉の締まりが悪くなるので、適期に植え付けてください。

YCRふゆいろ

YCRふゆいろ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

「YCRふゆいろ」は最高レベルの根こぶ病抵抗性を有するキャベツF1品種です。球の肥大性は良好で、球形は平玉となり、家庭消費用、加工・業務用ともに利用できます。 ■主要特性 ・「YCRふゆいろ」は、3座の根こぶ病抵抗性QTLsのうち最も寄与率の高い1座をホモに有する細胞質雄性不稔系統と、DNAマーカー選抜により3座を集積した花粉親系統を両親としたF1品種です。 ・「YCRふゆいろ」は市販の根こぶ病抵抗性品種の中で最も強い抵抗性を示す「YCR理念」に比べ同程度~やや強い抵抗性を、「YCRこんごう」や「YCRげっこう」に比べ強い抵抗性を示します。 ・「YCRふゆいろ」の草丈および株の幅は「YCR理念」よりも大きく、「松波」よりコンパクトです。球の肥大性および収量性は「松波」や「YCR理念」よりも優れます。球形は寒玉キャベツらしい平玉となり、「松波」よりも扁平です。球表面のアントシアニン着色は少なく、球内部のチップバーン等の生理障害の発生はほとんど見られません。 ■活用点・留意点 ・「YCRふゆいろ」は、夏まき冬どり作型に適し、家庭消費用、加工・業務用ともに利用できます。 ・「YCRふゆいろ」は、最高レベルの根こぶ病抵抗性を有していますが、多様な根こぶ病菌の中には本品種を加害する菌株が存在する可能性もあることから、耕種的防除を含む総合防除が推奨されます。 ・「YCRふゆいろ」は、萎黄病に抵抗性を有します。 ・収穫期はやや晩生で、「松波」と同程度です。結球期が低温の場合には、より結球の早い品種に比べ収量性が劣る場合があります。

YCR多恵

YCR多恵

株式会社日本農林社

ノウリン根こぶ病抵抗性キャベツの元祖の中生寒玉系 ■特性 ・イオウ病、ネコブ病複合抵抗性品種の為、 従来の品種より薬剤の投与を抑え、激発区の栽培が可能となっている。 ・定植後70~75日で収穫期に達する中生種。 玉揃いが良いので圃場管理、収穫作業がし易い市場出荷、産直で好評。 ・外葉は濃緑色の丸葉系でやや大きめである。 結球肥大型に属し、球型はやや腰高の扁円球。 球は緑濃く球尻までよく着色する中玉種で、1球1.3~1.5kgに良く揃う。 ■栽培の注意 ・日本で見つかっている代表的なネコブ病菌の混合菌を使用し、幼苗検定を繰返し行い育成したネコブ病抵抗性品種ですが、他にも菌の系統があり地域によってはネコブの着生かあるかもしれませんので、あらかじめ御了承下さい。

YR若空

YR若空

タキイ種苗株式会社

5月出荷が可能な秋まきの寒玉系中早生種! ■特長 ・秋まきの年内定植で寒玉が品薄となる5月どりが可能。裂球が遅く、計画出荷に適する。 ・草姿は中開性でよくそろう。草勢も比較的強く、玉太りにすぐれ多収。 ・形状が扁円に安定するため箱詰めが容易。秋まき栽培で問題となるわき芽や石灰欠乏症が少ない。 ・萎黄病耐病性で黒腐病にも圃場耐病性を示す。 ■栽培の要点 ・特に春まき栽培では、生育初期に外葉を作りすぎると、玉じまりが劣り熟期が遅れる。元肥を従来品種の2割程度少なくし、追肥で玉の充実を促す。 ・春の温床育苗では徒長させないよう換気を十分行う。トレイ育苗では順化期間をやや長めにして、茎が太くよくしまった苗に仕上げる。 ・育苗時と収穫期中〜後半にべと病の発生が懸念されるため、適切な予防を行う。

YR藍宝

YR藍宝

株式会社日本農林社

高い耐病性と産地適応性でロングセラーの中早生寒玉系 ■特性 外葉は青緑色の丸葉で密植可能である。 熟期は定植後65日内外で収穫出来る中早生種で、結球は結球肥大型に属し、玉は濃緑で1.3~1.5kg内外の中玉種である。 球型はやや腰高の扁円球で、輸送性に富み、耐暑、耐寒性があり黒腐病及び軟腐病に強く特に萎黄病に対しては絶対に強いAタイプである。 ■適作型 いずれの時期の播種でも玉揃いが安定している。 平坦地2~3月蒔-6~7月収穫。 7月上旬~8月上旬蒔-10月中旬~年内収穫。 10月上旬蒔-6月収穫。 ■栽培の注意 春蒔き夏穫キャベツは元肥重点主義とするが多肥にならないように注意する。 夏蒔の苗床は寒冷紗等で遮光して高温、乾燥を防ぎ、又、害虫の飛来を防ぐ。 30日位の若苗で定植するとよい。

【新】ロイド

【新】ロイド

株式会社日本農林社

極濃緑色で黒腐病にも強い!中生寒玉系 ■特性 ・定植後75日で収穫できる萎黄病抵抗性の寒玉品種。 ・黒腐病に強い。 ・草勢はややおとなしく、形状は平玉で安定する。 ・玉色は極濃緑色で、尻部の着色も良い。 ■栽培の注意 ・平坦地・暖地の夏まき早植え(8月上旬定植)は、小玉になるため、不向きです。 ・定植が遅れると結球が不十分になるので、適期に定植してください。

いろだま

いろだま

有限会社フジミ・オフィス

鮮やかな濃緑色の美玉 特性 1)耐寒性、低温結球性に優れた寒玉種 2)耐病性、特に黒腐病、芯腐病、菌核病に強く、裂球殆どなく在圃性良く、土壌適応性が広い 3)甲高扁円で1.5kg位で良く揃い、鮮やかな光沢のある濃緑色で艶があり尻部まで緑色を呈する 4)低温期でもアントシアンの発生なく、市場性も抜群で、食味も良い 栽培の要点 ●育苗に注意し健全な揃った苗を定植する ●日本海側、中間地における栽培では8月10日頃までに播種し12月中旬~1月に結球させ2月~3月出荷を目標にする ●耐寒性、低温期の肥大性に優れているので暖地の4月穫りも可能である ●結球前に追肥を施し在圃性を強める

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