栽培環境・条件

耐寒性のキャベツ品種一覧 全141種類

耐寒性キャベツ 耐寒性とは 耐寒性キャベツとは、低温・霜・積雪などの厳しい冬の環境条件下でも安定して結球・生育できる特性を持つ品種群の総称です。一般的なキャベツが0℃以下の凍結温度が続くと品質が低下するのに対し、耐寒性品種は低温への生理的な

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耐寒性について

耐寒性キャベツ

耐寒性とは

耐寒性キャベツとは、低温・霜・積雪などの厳しい冬の環境条件下でも安定して結球・生育できる特性を持つ品種群の総称です。一般的なキャベツが0℃以下の凍結温度が続くと品質が低下するのに対し、耐寒性品種は低温への生理的な耐性が高く、細胞が凍結しにくい性質を持ちます。

耐寒性の基準は一概に数値で示すことが難しいですが、種苗カタログでは「越冬栽培向け」「厳寒期対応」「霜に強い」「耐凍性」などの表現で示されます。一般的な目安として、-5℃前後の低温でも球が障害を受けにくい品種が耐寒性品種として分類されることが多いです。

キャベツは冷涼な気候を好む野菜で、もともと低温への適応性が高い作物です。しかし、産地・作型によっては想定外の寒波や長期間の凍結が起き、通常品種では球の凍害・腐敗・品質低下が生じます。耐寒性品種はこのリスクを軽減し、冬どり・春取りの安定出荷を支える基盤となっています。

日本での主な需要は、太平洋側の平地産地での秋まき冬どり作型、および日本海側や東北・北海道での越冬作型です。また、雪国での雪下キャベツという独特の生産形態でも耐寒性は重要な品種特性になります。

耐寒性品種のメリット

耐寒性品種を選ぶ最大のメリットは、冬どり作型での安定生産です。厳冬期でも球の品質を維持できるため、収穫期間の延長や急激な寒波による廃棄ロスの低減が期待できます。

冬の青果市場では、葉物野菜の流通量が限られる時期があり、キャベツの安定供給は小売・外食の需要に応える上で重要です。耐寒性品種を活用して冬どりを安定化させることは、産地としての信頼性を高めることにつながります。

品質面でも耐寒性品種には特徴的なメリットがあります。低温にさらされたキャベツは糖分が蓄積して甘みが増す傾向があります(いわゆる「寒締め」効果)。耐寒性品種を低温期に栽培することで、自然な甘みが増した高品質なキャベツを出荷できます。この甘さは消費者への付加価値として訴求しやすいポイントです。

農場経営の視点では、春どり・夏どりに集中しがちなキャベツの作業体系に冬どりを組み込むことで、通年的な農場稼働と収益の安定化が図れます。雇用型農業においては周年雇用の実現にも役立ちます。

適した作型と地域

耐寒性品種が特に力を発揮するのは、以下の作型と地域です。

秋まき冬どり作型(11〜3月収穫)は、耐寒性品種の主戦場です。愛知県の渥美半島や千葉県の内房地域など、比較的温暖な太平洋側の産地では、露地での越冬キャベツ栽培が行われており、耐寒性品種が中心的な役割を担っています。

積雪地域での越冬作型では、雪の重みへの耐性も求められます。積雪によって球が押しつぶされたり変形したりしないよう、球の硬さと耐寒性を兼ね備えた品種が求められます。

ハウス栽培での冬どりでは、加温コストを最小化するために耐寒性の高い品種を使い、できるだけ低い設定温度での管理が可能になります。耐寒性品種は省エネ型の施設栽培にも貢献します。

逆に、耐寒性品種が不向きな場面もあります。高温期の夏どり作型では、耐寒性を重視した品種は高温への適応が劣る場合があります。作型と品種のマッチングが基本です。

栽培のポイント

耐寒性品種を最大限に活かすためには、冬どり作型に適した栽培管理が不可欠です。

播種・育苗の時期が安定生産の基盤です。秋まき冬どりでは、育苗期の気温が高すぎると苗の徒長が起きやすく、低温順化が不十分なまま定植することになります。播種適期を守り、健全な苗を育てることが定植後の耐寒性発揮の前提です。

定植後のトンネル・マルチ管理も重要な選択肢です。寒冷紗や不織布などの被覆資材を組み合わせることで、霜による直接的な被害を防ぎながら生育を促進できます。特に定植直後の活着期は低温ストレスを受けやすいため、被覆管理が有効です。

灌水の頻度と量は冬どりでは大幅に減ります。蒸発散量が少ない低温期は過湿になりやすく、根腐れや菌核病の発生リスクが高まります。土壌水分の状態をこまめに確認し、過灌水を避けることが求められます。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。耐寒性品種でも、急激な温度変化(温暖日→急寒波)には対応しにくい場合があります。寒波の予報が出た際に不織布で被覆するなど、気象情報と連動した圃場管理が品質維持の鍵です。

病害管理では、菌核病と灰色かび病に注意が必要です。低温・多湿条件はこれらの病害が発生しやすい環境で、冬どり栽培特有のリスクです。密植を避け、良好な通気を確保することが基本的な対策になります。

品種選びのコツ

耐寒性キャベツの品種を選ぶ際には、以下のポイントを確認することが重要です。産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、越冬栽培では品種の耐寒性の数値より、地域の気象データと組み合わせた実証試験の結果を重視することが実践的です。カタログの「-5℃対応」という表記が、実際の圃場条件で同じように機能するかは、地形・霜の降り方・風の状況によって変わります。

  • 越冬能力の強さ: 「耐寒性」の表記があっても、その程度は品種によって異なります。-5℃程度の軽い霜に対応するレベルと、積雪・長期低温に対応するレベルでは大きな差があります
  • 寒玉系か春系か: 耐寒性品種の多くは寒玉系(平球・葉が硬い)に属しますが、春系品種でも耐寒性を持つものがあります。出荷先の求める形状・食感に合わせた選択が必要です
  • 萎黄病(YR)との複合耐性: 冬どり作型でも萎黄病のリスクはゼロではありません。YR耐性との複合品種を選ぶことがリスク軽減になります
  • 収穫期幅: 冬どりは収穫タイミングが寒波や降雪で制約されることがあります。収穫期幅が広い品種は、作業の柔軟性を高める上で有利です
  • 地域の適性: 品種の耐寒性は試験データに基づくものですが、地域の気候条件によって結果が変わることがあります。地元の農業試験場や普及センターの推奨品種情報を参照することが実践的です

代表的な耐寒性品種として、冬の舞(渡辺農事株式会社)、YR冬どり錦秋・YR冬太郎・YR冬親方・冬系531・YR銀次郎(株式会社増田採種場)、冬きらり(株式会社野崎採種場)、YR雪舟・冬どり甘藍・耐寒春エース(小林種苗株式会社)、冬美(ヴィルモランみかど株式会社)などが産地で利用されています。

市場動向とこれから

冬キャベツの市場は、関東近郊農業や太平洋側の産地が中心となって需要を支えています。業務用・加工用では周年安定供給が求められており、冬どり作型での安定出荷体制を整えることは産地の競争力に直結します。

近年は温暖化の影響で、冬どりキャベツの適作期が変化しつつあるとの指摘があります。従来の播種・定植の時期が温暖化によって後ろ倒しになるなど、栽培暦の見直しが必要になるケースが出てきています。耐寒性品種の選定においても、変化する気候条件への適応が今後のポイントになります。

雪下野菜・寒締め野菜として耐寒性キャベツを付加価値商品として訴求する産地も増えています。低温にさらされることで増す甘みを前面に出したブランド品としての展開は、差別化販売の一つの方向性として注目されています。

まとめ

耐寒性キャベツは、低温・霜・積雪などの冬の厳しい環境でも安定した結球と品質を保てる品種群です。冬どり作型での安定生産、収穫期間の延長、低温による甘みの向上など、農場経営と品質の両面でメリットをもたらします。

品種選定では、耐寒性の程度・球の形状・複合耐病性・収穫期幅を確認し、圃場の立地条件と出荷先の要求に合わせた品種を選ぶことが重要です。播種の適期管理、被覆資材の活用、過灌水の回避と合わせて取り組むことで、耐寒性品種の特性を最大限に発揮させることができます。

ミノリスのキャベツ品種一覧では、冬どり・耐寒性に対応した品種の詳細情報を掲載しています。

141品種 表示中
春キャベツ 春よ恋

春キャベツ 春よ恋

株式会社トーホク

秋にタネをまいて春に新キャベツを楽しみます。寒さに強いので作りやすく、みずみずしくやわらかい葉質で、シャキシャキとした歯ごたえと十分な甘みのキャベツが収穫できます。

シャルルグリーン

シャルルグリーン

株式会社野崎採種場

シャルルグリーンの特徴 ●苦味やえぐみが少ない食べやすくて美味しいケール。 ●サラダはもちろんスムージーにもおすすめ。 ●8月まきで11月〜3月に収穫できます。 ●低温伸長性に優れ、冬期でも連続して摘み取りできる。

YR冬しずく甘藍

YR冬しずく甘藍

株式会社カイヤ採種場

寒さに強く、極濃緑の2~3月どり扁平種 全日本野菜品種審査会3等受賞! ■特性 ・結球充実型に近く裂球の遅い中晩性種です。 ・低温期においても収穫期間を通して安定して扁平球を維持するので、箱詰め作業が容易です。 ・玉色は濃緑で適期を過ぎても退色少なく、また玉べとなどの球面における斑点類の発生が少ないので圃場で高品質を保てます。 ・外葉は開性ですが、比較的コンパクトなので玉の勝ち負けが少なく、玉揃いが大変良いです。

芽キャベツ

芽キャベツ

株式会社アサヒ農園

味よく、珠揃いも抜群 寒さに強く作りやすい 商品特性 ■特性 草勢旺盛、寒さに強く作りやすい早生タイプ。球はピンポン玉位の大きさで美しい緑色、球揃いも良く1株で100珠位が収穫できます。食味も最高、家庭菜園に最適で大好評です。 直売所にもオススメの野菜(品種)です。 ■利用法 一口サイズで食べやすく可愛い形はサラダなど生食として多く利用されますが煮食としても美味です。 育て方 ■土づくり 種まき前に石灰を散布してよく耕し土を中和させておきます。肥料は元肥として堆肥や油かす等を施します。 ■たねまき 苗床にスジまきするか、ポットに5~6粒点まきします。タネがかくれる程度、土をかけ発芽まで土が乾燥しないように水を与えます。 ■栽培のポイント 発芽後2~3回にわたり葉が重ならないよう間引きします。 本葉7~8枚の頃60cm位の間隔に定植し肥切れさせないように。

賀茂みどり

賀茂みどり

株式会社タカヤマシード

冬でもハツラツ春色キャベツ! 寒さに強く、アントシアンの発生がない! ■特性 1.イオウ病に抵抗性を示し、黒腐れ病にも強く、栽培し易い冬穫り品種である 2.草姿は半開性、外葉の大きさは中程度。密植栽培が可能である。 3.外葉は濃緑色であるが、球の表面は鮮緑色で、球内部まで黄色味が強い扁円形の球である。また寒さに当たってもアントシアンの発生がなく、寒さや雪にも耐えうる。 4.温度が低くなれば球のしまる速度はゆるやかになる。そのため裂球始まりは他の品種より遅く、収穫の巾が広い。 ■ポイント 1.冬どり種なので、極端な早まき栽培は避ける。 2.育ちの遅い、弱い苗は定植しない様にする。

レッドウィナー

レッドウィナー

丸種株式会社

低温結球性に優れた ボールタイプの色鮮やかな紫キャベツ 1. 従来の品種に比べて、外葉・結球葉共にブルームが少なく、ツヤのある鮮紅色を呈します。 2. 低温結球力はもちろんのこと、高温結球力にも優れていますので播種期の幅が非常に広く、作りやすい品種です。 3. 球はボール型で球重は 1.2 ~ 1.5kg 位です。球の肥大力が抜群な上、在圃性が高いので 2kg 以上で収穫することも可 能です。 4. 一般平坦地の 6 月下旬~ 8 月下旬まき・10 月下旬~ 3 月下旬収穫、10 月中下旬まき・6 月上中旬収穫、2 月中旬まき・ 6 月中下旬収穫などに適します。

KV948甘藍

KV948甘藍

株式会社カイヤ採種場

病気に強く多収性、1~2月どりに最適な扁円中生種 ■特性 ・年内~2月どりに最適で、耐寒性がある扁円球の中生品種です。 ・結球の仕方は、内部がゆっくりと締まる結球充実型です。 ・球色は濃緑色で、市場性が大変高く、また肉質は完全な寒玉なので加工契約にも好適です。 ・外葉はやや旺盛ですが、立性に近いので密植も可能です。 ・根が強く耐倒伏性に優れているので、地際からの尻腐れに強く、裂球が遅いので在圃性が非常に高いです。 ・萎黄病に抵抗性で、1~2月に多い玉ベトや年内に発生しやすい黒腐れ病にも強い方です。

TS-C910

TS-C910

トヨタネ株式会社

(冬系) 耐寒性があり、暖冬でも品質が落ちにくい 品種特性 ■特長 ・8月10日~8月20日は種で1月中旬~2月中旬収穫の品種。<br> ・球は甲高扁円球で、よく締まり揃いが良い。<br> ・外葉は濃青緑色で生育旺盛でやや立性。<br> ・耐寒性が強く、在圃性が高い。 ■栽培のポイント ・黒腐病のリスクを避けるため、過度な早播きは避ける。<br> ・スムーズな活着を促し、じっくりと根を張らせる。<br>

YCRきよまさ

YCRきよまさ

株式会社日本農林社

根こぶ病に強く年明け収穫に向く寒玉種 ■特性 ・萎黄病・根こぶ病複合抵抗性をそなえた寒玉系品種。 ・草勢は強く肥大性も優れており、玉色は濃緑、形状は平玉で安定する。 ・「YCRこんごう」「YCRふゆいろ」よりも晩生で耐寒性に優れ、年明け収穫に向く。 ・定植後約100日で収穫になる晩生種。 ■栽培の注意 日本で見つかっている代表的な根こぶ病菌の混合菌を使用し、 幼苗検定を繰返し行い育成した根こぶ病抵抗性品種ですが、 他にも菌の系統があり地域によっては根こぶの着生かあるかもしれませんので、 あらかじめ御了承下さい。 ・黒腐病の耐病性は中程度のため、必ず防除をおこなってください。 ・定植が遅れると玉の締まりが悪くなるので、適期に植え付けてください。

YR やわらぎ

YR やわらぎ

ヴィルモランみかど株式会社

アントシアン少なく、柔らかい萎黄病耐病性品種 ■特徴 タイプ サワー系 耐病性 IR : 萎黄病 ■品種の特性 1. 外葉は濃緑色の中葉で、株張りは中位、草姿は半開帳性。草勢は中程度。 2. 結球は甲高扁円球となり、平箱の8玉中心に揃う。 3. 球色は濃緑色でブルームは少ない。春系特有の葉質でやわらかく多汁で甘みが強い。食味と品質は極良。 4. 内部は鮮やかなクリーム色で、周囲のグリーンに良く映える。芯は細く短めで、玉が良く締まり重量感がある。 5. 耐寒性は春系の中では強く、アントシアンも発生しにくい。低温肥大性がある。 6. 萎黄病耐病性で、黒腐病・軟腐病等の病害にも強い。 ■栽培のポイント 痩せ地での栽培では、小玉傾向となることがあるので外葉を作る栽培を心がける。

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