果実・収量特性

アールスのメロン品種一覧 全61種類

アールスメロン アールスメロンとは アールスメロンは、マスクメロン(Cucumis melo L. var. reticulatus)の一系統で、日本における温室栽培高級メロンの代名詞的な存在です。果皮にネット(網目模様)が発達し、果肉は淡

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アールスについて

アールスメロン

アールスメロンとは

アールスメロンは、マスクメロン(Cucumis melo L. var. reticulatus)の一系統で、日本における温室栽培高級メロンの代名詞的な存在です。果皮にネット(網目模様)が発達し、果肉は淡黄緑色で上品な甘みと香りが特徴とされています。

名称の由来は、19世紀末のイギリスで栽培されていた「Earl’s Favourite(アールズ・フェイバリット)」という品種に遡ります。明治から大正にかけてこの品種が日本に導入され、静岡・千葉・茨城などの産地で温室栽培が発達しました。その後、「アールスフェボリット」の品種改良が重ねられ、日本独自の栽培技術と組み合わさる形で「アールス系」と総称される温室メロンが確立されました。

品種登録上は「アールス〇〇」の名称を持つ品種が多く、ナント種苗株式会社の「アールス・ムーラン」シリーズ、八江農芸株式会社の「アールスセイヌ」「ベネチア」「ミラノ」「ポルト」、株式会社萩原農場の「アールスヴェルダ」「アールスヴェロッサ」「アールスアリーナ」「アールスモニカ」「アールスヴィーナス」、株式会社神田育種農場の「アールスロイヤル夏系」、株式会社埼玉原種育成会の「アールス栄華」なども知られています。横浜植木株式会社の「ソナタ春秋系(UA-313)」「ソナタ夏系2号(UA-208)」もアールスメロンタグに分類される品種です。

アールスメロンの歴史と特徴

アールスメロンが日本で普及した背景には、明治時代の西洋野菜導入の流れがあります。当初は外国人居留地での栽培が中心でしたが、大正〜昭和初期に技術が国内の農家に伝播し、静岡県の温室栽培産地が形成されました。1株1果の「孫づる摘み」「人工交配」「温室管理」という集約的な栽培技術は、贈答品としての付加価値を高める手法として確立されてきました。

現在のアールス系品種は、作型に対応した複数の系統に分かれています。春作(春Ⅰ・春Ⅱ)・夏作(夏Ⅰ・夏Ⅱ)・秋作など、出荷時期に合わせた系統が各種苗メーカーから展開されています。品種名に「春」「夏」「秋」が含まれていることが多く、栽培時期の特性が品種名に反映されています。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。アールス系品種は、同じ「アールス」の名を持っていても作型適性が大きく異なります。春作系統を夏作型に使うとネット発生が不安定になったり、着果性が悪化したりするため、作型と品種の組み合わせは非常に重要です。

栽培のポイント

アールスメロンの栽培は、温室(ガラスハウスまたはビニールハウス)内での立体栽培が基本です。以下の管理が品質と収量に直結します。

草勢の管理が最も重要な要素の一つです。定植後の蔓の伸張性が良い品種が多く、活着後は徒長しないよう管理します。蔓立ち上げ頃より徐々に樹を作り、節間のつまったがっちりとした草姿を維持することが求められます。徒長すると果梗が伸び、子房が小さくなりやすい傾向があります。

着果節位と結果枝の管理も品質を左右します。多くの品種では着果節位は14〜15節前後が推奨されており、結果枝から上12枚程度の葉を残す整葉が基本です。

ネット発生の管理は品質の均一化に関わります。品種によってビリネット(最初のネット)が交配後10〜14日頃に発生し始めるものが多く、ネット発生初期の温度・湿度管理が後期のネット安定性に影響します。

袋かけは交配後30日前後から行い、果実の汚れ防止と温度管理を兼ねます。収穫は成熟日数の目安に加え、離層(果梗のコルク化)や果実の着色・香りを確認して行います。

品種選びのコツ

アールスメロンの品種を選ぶ際に確認したいポイントを整理します。

  • 作型適性: 春作・夏作・秋作など、自分の栽培時期に対応した系統であるかを確認する。品種カタログの「適用作型」は必ず確認する
  • えそ斑点病(MNSV)への対応: 近年、えそ斑点病(メロンネクロティックスポットウイルス)への抵抗性を持つ品種が増えており、施設栽培での導入が進んでいる。ソナタ系各品種(横浜植木)はえそ斑点病抵抗性を特徴とする
  • つる割病耐性(Fom): アールス系でもつる割病耐性を持つ品種がある。連作圃場や土壌感染リスクが高い環境では耐性の有無を確認する
  • ネット安定性: ネットが安定して均一に発生するかどうかは秀品率に直結する。品種によってネットの盛り上がり・密度・安定性が異なる
  • 果形の好み: 球形・やや腰高・扁平球など品種ごとの傾向を確認し、市場や販売先の規格に合わせる

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、アールス系品種は温室栽培前提の繊細な管理が求められる品目です。栽培経験の積み上げと、種苗メーカーの技術担当者や地域の先輩生産者からのアドバイスを活かすことが重要です。

消費者・市場ニーズ

アールスメロンは、日本の贈答文化と深く結びついたメロンです。中元・歳暮シーズンの高級フルーツとして、箱詰め2玉・木箱入りなどの形で百貨店や高級青果店に並ぶ光景は、長年にわたって定着しています。

消費者がアールス系メロンに期待するのは、独特の香り・ジューシーな果汁・上品な甘み・均一なネットの美観です。糖度だけでなく香り成分(メロン特有のエステル類)も品質評価の要素となっており、贈答用途では「見た目の完成度」が特に重視されます。

価格帯は他のメロンと比べて高く設定される傾向があり、産地ブランド(静岡クラウンメロン等)と組み合わさることで高い付加価値を生み出しています。一方、温室設備・人件費など生産コストも高いため、単収あたりの収益性を安定させるには技術の習熟と出荷先の確保が前提となります。

市場動向とこれから

アールスメロンの主産地は静岡・愛知・茨城・千葉などの施設産地ですが、高齢化と後継者不足により産地規模の縮小が一部で見られます。一方、品質の高さと希少性から、単価水準は一定の水準を保っています。

近年は、SNSや贈答ECサービスの広がりにより、産地直送の高級メロンへの需要が高まっています。また、アールス系品種の病害耐性(えそ斑点病・つる割病)の向上が育種上の課題として取り組まれており、生産コストの削減と品質安定性の両立が各種苗メーカーで進んでいます。

まとめ

アールスメロンは、明治〜大正期に英国から導入された品種を起源とする日本の温室高級メロンの代名詞で、緻密な栽培管理を必要とする品目です。作型適性・病害耐性・ネット安定性などを踏まえた品種選びが、安定した品質と収益につながります。

複数の種苗メーカーが作型別の系統品種を展開しており、栽培する時期と目的に合わせた選択肢が広がっています。ミノリスではアールスメロンタグが付いた品種一覧から、各品種の詳細情報を確認できます。

61品種 表示中
NM-119

NM-119

ナント種苗株式会社

春秋タイプの緑肉アールス CCYVに強度の耐病性で糖度乗りの良い早生 ■病害耐病/抵抗性 ・ウリ類退緑黄化病耐病性(CCYV) ・うどんこ病抵抗性 ・つる割病レース0,1,2抵抗性 ■基本特性 ・春秋系の緑肉アールスメロン。 ・葉はやや大きく、やや開帳性。 ・アールス系としては早生で糖度乗り早い。 ・ネットの密度は中密、高さはやや低い。 ・果形は球形から腰高。果肉は黄緑色。 ・糖度は16~17度と安定して高い。

アールスアリーナ

アールスアリーナ

株式会社萩原農場

栽培性に優れたアールス系メロン ・不良環境下においても栽培が安定しているアールス系メロンです。 ・特に、高温期の夏系2号・厳寒期の秋冬系2号の栽培性は抜群です! ■特性 ・草姿は小葉、節間は短くコンパクトである。 ・草勢はやや強く、高温下でも根張りが良い。 ・雌花の着生は高温下でも安定している。 ・つる割病(レース0,2)に抵抗性で、うどんこ病にも強い。 ・高温下でもネット発現が安定し、均一に盛り上がる。 ・果皮は灰白色で、黄化しにくい。 ・果形は正球系で、高温下でも過剰肥大しない。 ・果肉は黄緑色で厚く、メルティング質で食味が優れる。 ・糖度は15~16度と高く安定し、日持ち性が優れる。 ・高温下でも肉崩れが少なく可食期間も長い。 ・成熟日数は諸条件(天候・気温・草勢)により変動するが、48~50日程度である。

アールスダーリン

アールスダーリン

株式会社大和農園

王者の風格、外観と肉質が絶品 ■基本情報 品目 メロン タイプ ネット・緑肉 糖度 15〜16度 果重 1.5〜1.7kg 登熟目安 55〜60日 ■品種特徴 ○アールス系緑肉ネットメロン。 ○つる割病(レース0,2)に抵抗性があり、うどんこ病に強い。 ○外観は正球型で、ネットは安定して発現する。 ○肉質はメルティング質で糖度は15度以上で安定する。 ○登熟日数は55〜60日を目安とする。 ○ハウス加温・無加温栽培を基本とする。

アールスベレーザ春秋系

アールスベレーザ春秋系

トヨタネ株式会社

ネット盛に優れ、肥大力抜群! 品種特性 ■特長 ・肥大性に優れるため早い作型に適し、7月中旬ごろまで栽培可能。<br> ・エソ斑点病抵抗性、うどんこ病耐病性を持つ。<br> ・果形は球形寄りの腰高。 ・果肉色は白黄緑色でさっぱりとした食味で食べやすい。<br> ■栽培のポイント ・樹が強いため、交配前後の水管理に気を付け、ヒルネットに注意する。<br> ・じっくりと糖度が乗るため、収穫日数は57~58日。

アールスモニカ

アールスモニカ

株式会社萩原農場

食味に優れたアールス系メロン ・糖度が高く、食味の優れたアールス系メロンです。 ・白肌でネット発現が極めて安定してます。 ■特性 ・草姿は小葉、節間は短くコンパクトである。 ・草勢はやや強く、高温下でも根張りが良い。 ・雌花の着生は高温下でも安定している。 ・つる割病(レース0,2)に抵抗性。 ・高温下でも、ネット発現が安定し、均一に強く盛り上がる。 ・果皮は灰白緑色で、黄化しにくい。 ・果形は正球形で、高温下でも過剰肥大しない。 ・果肉は黄緑色で厚く、メルティング質で食味が優れる。 ・糖度は15~16度と高く安定し、日持ち性が優れる。 ・肉崩れが少なく可食期間も長い。 ・成熟日数は諸条件(天候・気温・草勢)により変動するが、52日程度である。

アールスヴェロッサ

アールスヴェロッサ

株式会社萩原農場

複合耐病性をもつ高品質アールス系赤肉メロン ・えそ斑点病、うどんこ病・つる割病に複合病害抵抗性をもっています。 ・白肌の果皮でネットの発現も安定しているため、美しい外観です。 ・食味に優れ、糖度も高く日持ち性に優れています。果肉は橙色で厚く、可食部が多い品種です。 ■特性 ・えそ斑点病・つる割病(レース0,2)に抵抗性をもち、うどんこ病に強い耐病性をもつ。 ・草姿は中葉、節間はやや短い。 ・草勢はやや強く、高温下でも根張りが良い。 ・雌花の着生は高温下でも安定している。 ・ネット発現は安定し、均一に盛り上がる。 ・果皮は灰白緑色で、黄化しにくい。 ・果形は正球形で、乱れが少ない。 ・果肉は橙色で厚く、食味が優れる。 ・糖度は15~16度と高く安定し、日持ち性が優れる。 ・肉崩れが少なく可食期間も長い。

アールス・ムーラン夏Ⅱ

アールス・ムーラン夏Ⅱ

ナント種苗株式会社

「ムーランシリーズ」は白肌が美しく、ヒルネット発生が極めて少ないのが特徴です。 ■特徴 ・果形は球形~腰高形の夏系緑肉アールス。夏系品種としては数少ない「白肌」でネットはやや粗く、高く盛り上がる。ネット発生が遅くヒルネットが発生しにくい。果肉は黄緑色で糖度は16度程度に安定。果肉の緩みは遅く棚持ち良い。追熟してメルティング質になると皮際までとろける食感が楽しめる。アンテナ部の萎れが非常に遅いため、長い期間において商品性が高い。草勢はやや強め。節間長はやや長めで葉は大きい。果梗部の長さは中位。交配からの成熟日数はやや長めの晩生。つる割病レース0,2及び、うどんこ病抵抗性(レースによっては罹病)。 ■栽培のポイント ・盛夏期での栽培はネットが粗くなるため不向き。 ・開花期前後の土壌水分量が多いと果梗長が長くなってしまうので、注意する。

クラリス

クラリス

ナント種苗株式会社

つる割病レース0.1.2&うどんこ病抵抗性。 早生48日タイプで肥大性抜群の肉厚メロン。 やみつきになる濃厚な甘さとメルティング感が収穫直後から長く続いて店持ちも良い。 ■特徴 ・葉の大きさは中位で色濃い。 ・草勢は中位でツル持ちはやや良い。 ・うどんこ病・つる割病レース0,1,2に抵抗性。 ・果形は球形で果重1.5~2.0kg。 ・果肉は黄緑色で肉厚。可食率が高い。 ・糖度は16度内外に安定して高い。 ・肉質食感は収穫直後から硬すぎずメルティング質だが「食べ頃」が長く、店持ちに優れる。 ・成熟日数はハウス・トンネル栽培で48日前後の早生。 ■栽培のポイント ・開花から肥効を高めネット発生までは昼夜とも高めの温度管理を行い初期肥大を促す(交配後1週間は夜温$20^{\circ}\text{C}$を確保)。 ・早生なので収穫遅れに注意。遅れるとうるみや発酵のリスクがある。 ■コメント ・弊社既存品種とは異なりネットは細く密で盛り上がらず、果梗部の周りはネットが極めて少ないので、アールスのような外観を求められる方には不向きです。 ・クラリスの特徴として「食べ頃が長い」が挙げられます。収穫直後の肉質は他品種よりも軟らかく感じられ、食べると既にメルティング感も感じられます。一般にこうした品種は店持ちが悪いのですが、クラリスはこうした状態が長く続き、むしろ店持ちが良いという不思議な特徴があります。 ・近年は熊本などフザリウムレース1が発生する産地が増えておりますが、この品種は抵抗性ですのでそれらが発生している地域でも自根で栽培頂けます。

ナポリ

ナポリ

株式会社大和農園

ネットが美しく、香りも強い 高品質の赤肉ネットメロン ■基本情報 品目 メロン タイプ ネット・赤肉 糖度 16〜17度 果重 1.5〜1.7kg 登熟目安 55〜60日 ■品種特徴 ○ハウス立体・地這栽培兼用のアールスタイプの赤肉メロン。 ○ネットは均一に盛り上がり美しい。 ○果肉は鮮やかなオレンジ色でカロチン臭が少なく食味良好。 ○草勢は旺盛で、雌花の着生に優れ、着果は非常に安定する。 ○登熟日数は55〜60日を目安とする。 ○糖度は16~17度と高く安定。 ■栽培方法 <植え付け> 元肥は全面施肥・1㎡あたり、苦土石灰100g・堆肥2kg・緩効性肥料100gとする。畦幅2.5m、株間60~80㎝でマルチを張り、トンネルを作る。本葉4~5枚の苗を畦端30㎝に定植する。子ヅルは畦に直角に伸ばす。 <整枝・着果> 親ヅルは4~5枚で摘芯する。揃った子ヅルを2本出し、25節位で摘芯する。子ヅルの10~15節位から出る孫ヅルの1節目に着果させる。着果までの側枝は摘除する。地這栽培の場合、メロンマットを敷く。

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