病害耐性

べと病耐性のブロッコリー品種一覧 全13種類

べと病耐性ブロッコリー べと病とは べと病は、卵菌類(Hyaloperonospora 属菌)によって引き起こされるアブラナ科野菜の重要病害です。かつては H. parasitica という学名が広く使われてきましたが、現在は作物ごとに別種

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べと病耐性について

べと病耐性ブロッコリー

べと病とは

べと病は、卵菌類(Hyaloperonospora 属菌)によって引き起こされるアブラナ科野菜の重要病害です。かつては H. parasitica という学名が広く使われてきましたが、現在は作物ごとに別種として細分化が進んでいます。卵菌類は一般的な糸状菌(カビ)とは分類上異なるグループですが、防除の考え方はカビ病に準じます。ブロッコリーのほか、ハクサイ、キャベツ、ダイコン、カブなど、アブラナ科野菜全般に発生する病害であり、作物を問わず産地で問題になりやすい病害の一つです。

主な症状としては、葉の表面に淡黄色〜黄褐色の不整形の病斑が現れ、葉の裏面に白色〜灰白色のカビ状の胞子層(分生子柄)が密生します。この裏面のカビ状の外観がべとべとした印象を与えることが、病名の由来とされています。感染が進むと外葉から順に黄変・枯死し、光合成能力が低下します。

ブロッコリーへの被害は、外葉の症状だけでなく、苗の段階での感染が株全体の生育に影響するケースも少なくありません。育苗期にべと病が発生すると、定植後の初期生育が遅れ、花蕾の充実不足や収穫遅延につながることがあります。また、花蕾形成期以降に感染が広がると、花蕾表面に病斑が及ぶことがあり、外観品質の低下から出荷規格外になるリスクがあります。

べと病は冷涼・多湿な条件で発生しやすく、秋〜冬のブロッコリー栽培シーズンに重なる時期に被害が拡大しやすい傾向があります。降雨が続く時期や、朝晩の気温差が大きく結露が多い時期に特に注意が必要です。

べと病耐性の区分

ブロッコリーにおけるべと病耐性は、品種カタログ上で「べと病に強い」「べと病耐病性」などの表記で示されます。国際基準のHR(高度耐病性)・IR(中程度耐病性)表記が使われているケースもありますが、メーカーや品種系統によって表記の詳細が異なるため、購入前にカタログの注意書きを確認することが重要です。

品種選びで見落としがちなのが、べと病菌にはレース(生理的系統)が存在するという点です。アブラナ科作物のべと病菌については複数のレースの存在が知られており、特定のレースに耐性を持つ品種であっても、別のレースが優勢な圃場では十分な効果が得られないことがあります。産地によって優勢なレースが異なる場合があるため、地域の農業試験場や種苗メーカーの情報を参考に、導入品種のレース対応を確認しておくことが望まれます。

耐性の仕組みとしては、品種が持つ抵抗性遺伝子によって植物体の細胞レベルでの防御反応(過敏感反応など)が誘導されると考えられています。耐病性品種では、菌の侵入を受けた細胞が速やかに壊死することで、菌の増殖を局所的に抑制する機構が働いていると理解されています。

歴史と豆知識

アブラナ科野菜のべと病は、世界各地で古くから記録されている病害です。日本においても、ブロッコリー・ハクサイ・キャベツの産地で繰り返し発生が報告されており、特に秋冬野菜の栽培盛期に産地を悩ませてきた病害の一つです。

ブロッコリーの品種改良においてべと病耐性が独立した育種目標として重視されるようになったのは比較的近年のことです。従来は花蕾の品質・形状・熟期・耐寒性などが主要な育種目標でしたが、栽培面積の拡大や産地での連作化が進むにつれ、べと病耐性の需要が高まりました。

意外と知られていないのですが、べと病菌は種子伝染の可能性が指摘されています。汚染された種子から菌が持ち込まれるリスクがあるため、健全な種子の使用は基本的な予防策の一つです。また、圃場周辺のアブラナ科雑草がべと病菌の伝染源になることがあり、雑草管理が圃場衛生の観点から重要です。

べと病菌の卵胞子は罹病した植物体の組織や土壌中で長期間生存できるとされており、残渣の適切な処理(すき込みや圃場外への搬出)が菌密度の低減に有効です。

べと病耐性の限界と注意点

べと病耐性品種を導入することで発病リスクを低減できますが、耐性品種であれば完全に発病を防げるわけではありません。以下の点に注意が必要です。

レースの変異による耐性崩壊のリスクがあります。べと病菌は遺伝的多様性を持ち、耐性を打破するレースが出現する可能性があります。現時点で有効な耐性品種であっても、菌の進化によって将来的に効果が低下することは否定できません。

環境条件による発病リスクの変動も重要です。秋雨が長引く年や、冷涼・高湿度が続く条件では、耐病性品種であっても発病することがあります。施設栽培では、ハウス内の換気を適切に行い、過湿状態を避けることが予防に有効です。

苗段階での感染リスクにも注意が必要です。定植前の育苗期間中にべと病菌にさらされると、定植後の生育に影響が出ることがあります。育苗施設の衛生管理と、苗の健全性の確認が栽培全体の品質を左右します。

品種の耐病性だけに頼るのではなく、輪作・排水管理・換気・適期防除を組み合わせた総合的な防除体系(IPM)を構築することが重要です。

防除のポイント

べと病の防除は、耐病性品種の利用を軸に、耕種的防除と化学的防除を組み合わせて行います。

耕種的防除として最も基本的なのは輪作です。アブラナ科以外の作物(イネ科、マメ科など)と2〜3年のローテーションを組むことで、土壌中・残渣中のべと病菌密度を低下させることが期待できます。収穫後の残渣は速やかにすき込むか圃場外へ搬出し、菌の増殖源を減らすことが重要です。

排水管理の改善も発病リスクの低減に有効です。べと病菌は多湿条件で胞子の飛散・感染が活発になるため、圃場の排水性向上(高畝栽培、暗渠排水など)が有効な対策です。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。栽植密度の適正化と通風確保が、べと病対策で意外と見落とされがちなポイントです。株間が狭すぎると株周りの湿度が上がり、べと病菌の感染に好適な環境が形成されます。品種特性に合った適正な栽植密度の維持と、畝間の通風確保が感染リスクの低減に直結します。

施設栽培では、ハウス内の換気を適切に行い、夜間の過湿状態を避けることが重要です。日中の換気によって葉面を乾かす習慣が、べと病だけでなく他の病害の予防にもつながります。

化学的防除については、ブロッコリーに登録のある殺菌剤を発生初期に予防的に散布することが有効です。発病後の治療効果は限定的であるため、気象条件(低温・多雨)から発生リスクが高いと判断される時期には、症状が出る前の予防散布を計画することが基本です。薬剤耐性菌の出現を防ぐため、系統の異なる薬剤のローテーション使用も検討してください。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

ブロッコリー産地では、秋冬作でのべと病対策に関してさまざまな実践知が蓄積されています。

秋季の降雨が多い年には、べと病耐性品種であっても外葉への発病が見られることがあります。一方で、耐病性品種を導入してから花蕾への被害が顕著に減少したという声も産地から聞かれます。べと病耐性品種の効果は、外葉への感染を完全に防ぐのではなく、花蕾への進展を遅らせる点にあると考えると、実際の圃場での効果を正しく評価しやすくなります。

連作圃場でべと病が慢性的に発生していたケースでは、輪作の導入と排水改善を組み合わせたことで、べと病の発病率が顕著に低下した事例も報告されています。「耐病性品種を入れてから、ほかの管理に目が向くようになった」という声もあり、耐病性品種の導入が総合防除の第一歩になっているケースは多いようです。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、育苗施設での管理状況が定植後の発病リスクに大きく影響するという指摘もあります。育苗段階でのべと病発生を防ぐための換気管理や育苗培土の衛生管理が、産地全体の品質安定につながる取り組みとして注目されています。

まとめ

べと病は、冷涼・多湿条件で発生するアブラナ科野菜の重要病害であり、ブロッコリーでは育苗期から収穫期まで広く被害を及ぼします。耐病性品種の導入は有効な対策の一つですが、耐病性の程度はレースや環境条件によって変動するため、品種の耐病性だけに依存しない総合的な防除体系の構築が重要です。

品種選びにあたっては、べと病耐性表記の確認とともに、地域で優勢なレースの情報も可能な限り把握しておくことがポイントです。輪作、排水管理、適正な栽植密度の確保、換気管理、そして適期の薬剤防除を組み合わせることで、安定したブロッコリー生産につなげることができます。

べと病耐性を持つブロッコリー品種の一覧は、このページのタグが付いた品種ページからご確認いただけます。

13品種 表示中
おはよう®

おはよう®

株式会社サカタのタネ

アントシアンフリーで、低温伸長性に優れる中早生品種 ■特性 ● 播種後95日前後で収穫できる中早生品種。 ● 草姿は立性で草勢はやや強い。花蕾位置はやや低い。 ● 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形。花蕾形状の安定性が高い。 ● 低温時のアントシアンの発生がなく、茎の空洞症が少ない。 ● 栽培適応性が広く、播種期および収穫期幅が広い。 ■適応性 ●平坦地夏まき栽培:一般地では、8月1~20日ごろ、暖地では8月10~30日ごろまで播種でき、11~1月まで収穫可能です。とくに低温期でも花蕾のアントシアンが発生しないので、安心して栽培できます。 ● 平坦地春まき栽培:一般地では、1月25日~2月25日ごろ、暖地では1月15日~2月15日ごろまで播種でき、5月いっぱい収穫できます。また定植後の被覆資材を上手に使えば、1月上旬播種し、4月中旬ごろから濃緑花蕾を収穫できます。ただし、早まき育苗における極端な低温と低日照は、ブラインド(芯止まり)を誘発する恐れがあるので、育苗温度と日照を確保するようにします。 ● 高・冷涼地栽培:標高差などを利用して3月中旬~7月下旬まで播種することができ、6月下旬~11月中旬ごろまで収穫できます。とくに、キャッツアイの発生が多くなる6月中旬〜7月出し、およびアントシアンの発生がきつくなる10月中旬~11月出しで、最大能力を発揮します。なお、暑さが厳しい8月どりでは、高温障害が発生する場合があるので、慎重に播種期と栽培地域(標高など)を選ぶ必要があります。 ■作付計画 適湿・適温条件など栽培条件がよい場合、収穫そろいがよくなるので、計画的な播種(段まき)と植え付けにより、収穫期を分散させます。また秋冬どりの極端な遅まき栽培では、急激な温度低下による収穫期の遅延が見られる場合があるので、それらを考慮して播種計画をします。 ■畑づくりと施肥設計 根張りをよくするため、排水のよい適度に水分のある畑を選び、良質堆肥を施します。排水が悪い圃場では、排水溝の設置や高畝にするなど排水対策をしっかり行います。総施肥量(元肥と追肥)は、10aあたり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。ただし花蕾品質は施肥技術に影響されるので、土質や栽培時期によって施肥設計を変える必要があります。肥料不足は、十分な株ができず小花蕾や花蕾色の淡緑化をまねき、逆に過剰施肥は、病気の誘発やリーフィ、偏平花蕾などの品質低下につながります。 ■播種と育苗 夏まき栽培では、通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20~25℃)を確保します。また極端な低温や低日照によるブラインドを防ぐため、光が確保しやすいハウスなどで育苗し、最低気温5℃以上を確保します。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10aあたり3,500〜4,000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。セル育苗では、根張りをよくするためできるだけ若苗で定植し、定植直後に極端な乾燥が続く場合は灌水します。また、除草効果と排水対策を兼ねて、活着後雑草が芽生え始めたころに中耕します。 ■病害虫防除 黒腐病、黒斑細菌病など、細菌性の病気にはあまり強くないので、予防的防除に努めることが大切です。また栽培期間が長くなる1月どり栽培では、組織内べと病が発生する場合があるので、同じく予防的防除を徹底します。 ■収穫 適温、適湿条件では、収穫期が早まり収穫期がそろう傾向にあるので、定期的な圃場巡回を行い計画的に収穫します。また、1月出しのような厳寒期では、花蕾の白けや病害の発生を抑えるため、できるだけ適期収穫に努めます。

キャッスル

キャッスル

タキイ種苗株式会社

花蕾にアントシアン着色がなく、肥大がよい12月〜1月どり種! ■特長 ・年内〜年明けどりの作型に適し、花蕾にアントシアンの着色がない。 ・耐寒・低温肥大性にすぐれるため、遅まきが可能。 ・草姿は立性、外葉がコンパクトなため、肥培管理・収穫作業が容易。 ・花蕾は肥大がよく、茎もやや太めでボリューム感があり、形状はセミドームでまとまりにもすぐれる。 ・色は鮮緑色で粒ぞろいがよく、品質良好。 ■栽培の要点 ・中生種であるが、7月まきより8月まきで特性を発揮する。 ・施肥は年内どり栽培に準じて行い、初期生育から旺盛に進める。 ・温暖・多湿条件下では、花蕾にべと病の発生が心配されるので、出蕾前から予防を行う。

こんにちは®

こんにちは®

株式会社サカタのタネ

アントシアンフリーで低温伸長性に優れる中生品種 ■特性 ● 播種後105~110日で収穫できる中生品種。 ● 草姿は立性で、草勢はやや強い。花蕾位置はやや低い。 ● 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形。花蕾形状の安定性が高い。 ● 花蕾にアントシアンが発生しない。 ● 基本的な特性は中早生品種の「おはよう」に似ており、熟期は「おはよう」より10~14日ほど晩生になる。 ■適応性 一般地、暖地の8月上~下旬播種で、11月中旬~1月どりの作型に適する。 ■作付計画 「おはよう」と同時播種した場合、「おはよう」が収穫の終盤に差しかかったころに、「こんにちは」の収穫が開始します。また、遅い作型では「おはよう」と同様に生育が遅延して生育期間が長くなるので、その点を考慮して作付けを計画してください。 ■畑づくりと施肥設計 ブロッコリーは多湿条件を苦手とする作物なので、適度に水もちがよく排水性のよい圃場を選んでください。排水が悪い圃場は、排水溝の設置や高畝栽培など、排水対策を実施してください。総施肥量(元肥と追肥の合計)は、10a当たり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度が標準です。土質によって肥料の効き方と持続力が異なるため、その圃場にあった施肥設計を心がけてください。遅い作型では、生育期が低温で肥料が効きにくいため、元肥の割合を高め早めの追肥を行ってください。肥料不足は、十分な株ができず、花蕾の肥大不足や花蕾色が淡くなる「白け症状」を招き、逆に過剰施肥は、病気の誘発、リーフィーの発生や花蕾の不整形等の品質低下を引き起こします。また、微量要素を含めた肥料全体のバランスが乱れると、ホウ素欠乏による茎の空洞などの生理障害が発生するため、必要な量をバランスよく施用してください。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水して発芽まで乾燥させないように管理します。苗が徒長すると、病虫害にかかりやすく、定植後の活着が悪くなるなど、生育全般に悪影響を与えるため、育苗床の施肥と灌水管理に注意してください。また、定植前に十分に順化しておくと、苗が健強になり定植後の活着がスムーズになります ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約3,500~4,000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。定植後、速やかに活着させ初期生育を促すため、乾燥時には灌水を心がけてください。活着後は除草目的や根張り改善のため、中耕・土寄せを行います。追肥は株の生育具合を確認しながら適宜行ってください。 ■病害虫防除 近年、ブロッコリー栽培において、黒腐病・黒斑細菌病などの細菌病や、黒すす病・組織内べと病などのかびが原因となる病気の発生が問題となっています。「こんにちは」は、「おはよう」と同様にこれらの病気に強い方ではないので、特に病気が発生しやすい圃場では、予防的な防除を徹底するよう心がけてください。 ■収穫 温度が高いと収穫期が早まる傾向があるので、定期的に圃場を巡回し、計画的に収穫します。また、1月収穫のような寒い時期では、花蕾の白け症状や病害の発生を抑えるため、できるだけ適期収穫に努めます。

こんばんは®

こんばんは®

株式会社サカタのタネ

アントシアンフリーで低温伸長性に優れる晩生品種 ■特性 ● 播種後150日前後で収穫できる晩生品種。 ● 草姿は立性で、草勢はやや強い。 ● 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形。 ● 花蕾にアントシアンが発生しない。 ● 低温伸長性があり、一般地、暖地の1-2月どりに適する。 ■適応性 一般地では8月中旬ごろ、暖地では8月中~下旬ごろの播種で、1~2月どりの作型に適する。 ■作付計画 低温伸長性があり、花蕾の耐寒性に優れるため、厳寒期の1~2月どりが可能です。早まき栽培では、初期生育が早まることで早生化し、リーフィーや粒ムラ、花蕾の不整形などを引き起こします。また、遅まき栽培では、株が十分にできず、小玉での花蕾の緩みや偏平になるなど花蕾の品質に問題が発生します。適作型での栽培をお願いします。 ■畑づくりと施肥設計 ブロッコリーは多湿条件を苦手とする作物なので、適度に水もちがよく排水性のよい圃場を選んでください。排水が悪い圃場は、排水溝の設置や高畝栽培など、排水対策を実施してください。総施肥量(元肥と追肥の合計)は、10a当たり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度が標準です。土質によって肥料の効き方と持続力が異なるため、圃場にあった施肥設計を心がけてください。栽培期間が長く厳寒期の収穫となるので、生育後半に肥効を切らさないようにすることが重要です。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水して発芽まで乾燥させないように管理します。苗が徒長すると病虫害にかかりやすく、定植後の活着が悪くなるなど、生育全般に悪影響を与えるため、育苗床の施肥と灌水管理に注意してください。また、定植前に十分に順化しておくと、苗が健強になり、定植後の活着がスムーズになります。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約4,000~4,500本を標準とします。早まきは株ができるのでやや疎植に、遅まきは株がコンパクトになるのでやや密植栽培することが可能です。定植後は速やかに活着させ、初期生育を促すため乾燥時には灌水を心がけてください。活着後は除草目的や根張り改善のため、中耕・土寄せを行います。追肥は株の生育具合を確認しながら適宜行ってください。厳寒期の乾燥条件は、花蕾の肥大を遅延させ、花蕾色が淡くなる白け症状の原因となるので、乾燥時には灌水してください。 ■病害虫防除 冬どり栽培では、年によって組織内べと病の発生が大きな問題になります。「こんばんは」は組織内べと病には強い方ではないので、湿気の溜まりやすい圃場での栽培を避け、通風性を確保し、予防的な防除を徹底するよう心がけてください。 ■収穫 温度が高いと収穫期が早まる傾向があるので、定期的に圃場を巡回し、計画的に収穫します。また、低温期では花蕾の白け症状や病害の発生を抑えるため、できるだけ適期収穫に努めます。

しげもり

しげもり

ヴィルモランみかど株式会社

萎黄病、根こぶ病に強く、省力で高秀品率! ■特徴 耐病性 IR : 根こぶ病 特性-1 花蕾の形:ドーム 花粒の大小:中 特性-2 熟期(は種後の日数):100日 草姿:やや立性 おすすめポイント 盛りよく、栽培しやすい中早生品種。 根こぶ病に対してほ場抵抗性を持つ。 ■品種の特性 1. は種後100日前後で収穫できる側花蕾兼用の中生種で秀品率が高い。 2. 草姿はやや立性で密植もでき、葉はやや大きいが花蕾までの高さは低く倒伏しにくい。 3. 花蕾は大型でしまりよいドーム型となり茎は太く空洞がないため重量がある。アントシアンの発生や花蕾の乱れも少なく高品質である。 4. 萎黄病のほか根こぶ病のほ場抵抗性を持ち、耐寒性があって作りやすい。 ■栽培のポイント 遅まきするとアントシアンの発生が懸念されるため播種期を守る。

ウインタードーム

ウインタードーム

株式会社サカタのタネ

1-2月に高品質花蕾が収穫できる、べと病に耐病性の晩生品種 ■特性 ● 播種後150日前後で収穫できる晩生品種。 ● 草姿は立性で草勢はやや強い。 ● 花蕾は極小粒で濃緑色、ボリュームのある極ドーム形。 ● 芯葉が花蕾を包み込む性質があり、アントシアンの発生が非常に少ない。 ● 葉のべと病に耐病性があり、組織内べと病の発生も非常に少ない。 ■適応性 一般地では、8月10日~8月20日ごろ、暖地では8月15日~8月30日ごろに播種を行い、1月~2月に収穫が可能です。アントシアンや組織内べと病の発生が少なく、厳寒期に安心して栽培できます。 ※厳寒期の栽培は、年内の気候によって収穫期が左右されやすい作型です。本品種は温度適応性が高いため、暖冬の影響で収穫期が前進した場合にも、秀品を収穫することができます。 ■作付計画 厳寒期の安定収穫のためには、計画的に作付けを行うことが重要です。1~2月収穫の作型は気象の影響を受けやすく、暖冬時には年内から収穫がスタートする場合があり、一方で、極端な乾燥や低温が続くと、生育が鈍る場合があります。このような作型での安定した連続出荷のためには、温度適応性が高い特性を生かし、適切な播種期内で前半と後半の2回に分けて播種を行うことを推奨します。とくに遅まきの作型では、灌水を念頭に置いた圃場での作付けを計画することがポイントです。 ■畑づくりと施肥設計 根張りをよくするため、排水のよい適度に水分のある圃場を選び、良質堆肥を施します。排水が悪い圃場では、排水溝の設置や高畝にするなど排水対策をしっかり行います。総施肥量(元肥と追肥)は、10a当たり成分で窒素20kg、リン酸25 kg、カリ20 kg程度を標準とします。ただし花蕾品質は施肥技術に影響されるので、土質や栽培時期によって施肥設計を変える必要があります。特に、厳寒期の栽培は肥料が効きにくい作型となるので、遅まきの作型ほど早めの追肥の施用を行うことが大切です。栽培期間が長い作型のため、植物の様子を見ながら、必要に応じて施肥を行うと花蕾肥大が促進されます。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分に灌水して発芽まで乾燥させないように管理します。とくにセル育苗では、徒長を防ぐため夕方には床土の表面が乾く程度に灌水することがポイントです。定植前に十分に馴化しておくと、活着がスムーズになります。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約4000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。厳寒期の秀品収穫のためには、年内のうちに十分な草勢を確保する必要があるので、セル育苗による若苗定植と灌水などによる活着促進を心がけます。また、立性草姿のため風雨による倒伏が懸念されるので、活着後に除草と排水対策を兼ねて中耕・土寄せを行います。収穫期に極端な乾燥状態が続く場合は、生育の遅延が見られることがあるので、灌水や畝間灌水を行って、生育を促進させることが安定収穫のポイントです。 ※十分な草勢を確保するため、9月中の定植を推奨します。万が一、10月以降に定植がずれ込む場合は、早めの追肥や中耕などによって生育を促進します。定植遅れなどによって十分な草勢が確保できない場合、花蕾粒が極端に粗くなるなどの品質低下に繋がりやすいので、注意してください。 ■病害虫防除 本品種の定植期となる9月は台風などの襲来が懸念されるので、黒腐病などの各種細菌病の予防的防除を心がけます。また、葉のべと病に耐病性をもち、組織内べと病の発生も非常に少ない品種ではありますが、黒すす病や菌核病などカビ類による病害も発生しやすい作型なので、適切な薬剤防除による予防をお願いします。 ■収穫 年内の気候が暖かく、適度に降雨がある場合、収穫期が早まることがあるので、定期的に圃場巡回を行います。急激に気温が上昇する2月中下旬以降は、花蕾肥大の速度が極端に早まるので、計画的な収穫に心がけます。

エンデバーSP

エンデバーSP

タキイ種苗株式会社

アントシアン着色が少ない、作りやすい1〜3月どり晩生種! ■特長 ・草姿は立性でそろいがよく、耐寒・低温肥大性にすぐれる厳寒期どり用の晩生種。 ・花蕾は鮮緑色のドーム形。肉厚で粒ぞろいやしまりがよく、アントシアンの着色が少ない。 ・低温下の生育が順調で、良形の大玉が収穫できる。 ・根張りがよく耐倒伏性にすぐれ、花蕾茎は比較的高い位置にあり、収穫作業が容易。 ・大型の側枝が基部から発生し、頂花蕾専用・頂側兼用どりのいずれにも適する多収種。 ■栽培の要点 ・晩生種は十分な低温が必要なので、早まき栽培は避ける。 ・施肥は追肥主体で行う。元肥半量で、残りは状態を見ながら適宜分施する。 ・大玉花蕾の収穫をねらう場合は、株間を広めにとる。

グランドーム

グランドーム

株式会社サカタのタネ

花蕾の品質安定性、肥大性が優れる中晩生品種 ■特性 ● 播種後115~120日(定植後約90日)で収穫できる中晩生品種。 ● 草勢は旺盛で、根張りが強く耐湿性がある。側枝は少ない。 ● 花蕾は肥大性に優れるスムーズな豊円形で、締まりがよく小粒で濃緑色。 ● 生育のそろいがよく、秀品率が高い。 ● 夏まき年内どりのほか、低温に鈍感でボトニングになりにくいため、冬春まき栽培にも適する。 ■適応性 一般地7月中旬〜8月上旬まき11〜12月どり、暖地8月上〜下旬まき12〜1月どりが、最適作型です。十分な葉枚数を確保してから花芽が形成されるじっくり型の品種のため、関東近辺や日本海側など秋が短い地域では、肥大期の極端な低温による収穫期の遅延が見られる場合があるので、早まき栽培がおすすめです。 一方初期生育での低温によるボトニングに対しても強いので、一般地1月中旬〜2月上旬まき、初夏どり栽培も可能です。ただし、花芽形成後の高温は、花蕾生育に障害を発生させる場合があるので、極端な遅まき栽培は避け、遅くとも5月下旬ごろまでには収穫を終えるようにします。 なお、高・冷涼地の6月下旬〜7月上旬まき10月中旬〜11月中旬どりにも適しますが、収穫期幅が狭いので注意が必要です。 ■畑づくりと施肥設計 排水のよい適度に水分のある畑を選びます。特に春まき栽培では、生育が低温期に当たるため早めに畑を準備します。施肥量は、全成分量で10a当たり窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。ただし、元来この品種は、草勢強く、吸肥力も強いため、多肥条件下では過繁茂による病気の助長や急激な生育による茎の空洞症が発生する場合があるので、株をコンパクトに作るよう、各圃場の地力に合わせた施肥設計を行うことが大切です。 ■播種と育苗 春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20〜25℃)を確保します。一方夏まき栽培では、通風、日当りのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。特にセル育苗では、徒長を防ぐため、夕方には床土の表面が乾く程度に灌水するのがポイントです。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり3,500本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。株をコンパクトに作る意味では、大苗定植のほうが向いていますが、セル育苗でも特に問題はありません。冬まき・早春定植の場合は、ビニールトンネルやマルチなど被覆資材を使用すると、収穫期が早まり花芽分化後の高温障害を避けるのに効果的です。夏まき・秋どり栽培のような高温期の生育時に乾燥が続く場合は、灌水します。また活着後雑草が芽生え始めたころに中耕すると、除草効果とともに排水をよくし、生育の促進につながります。急激に肥料が効いて生育過多にならないように注意しながら、生育状況に合わせて出蕾前に追肥を2〜3回程度施します。一方花蕾肥大期の完全な肥料切れは、花蕾の小玉化、アントシアンの発生につながるので、最後まで肥料を切らさないように管理することも大切です。 ■病害虫防除 定植圃場に病害虫を持ち込まないよう、育苗時に徹底した病害虫防除を行います。一方、本圃ではべと病、黒腐病、黒斑病などが発生しますが、予防的薬剤散布に努めるとともに、排水性、通風性を良好にし、病害の発生しにくい環境作りが望まれます。また根こぶ病については、良質堆肥の施用、pHの矯正、排水対策や適切な薬剤散布など総合防除に努めることが大切です。害虫は、栽培時期や生育ステージによって発生する種類が異なるので、それぞれに応じた薬剤を用いて、効果的に防除します。 ■収穫 秋冬どりでは、低温によりアントシアンが発生する場合があるので、適期収穫を心がけるようにします。

ブルガ

ブルガ

トヨタネ株式会社

盛りの良いドーム型で品質が良い1月~2月収穫の晩生種 品種特性 ■特長 ・播種後150日程度で収穫ができる晩生品種。 ・花蕾はスムーズなドーム型で見栄えが良い。 ・花蕾粒は小粒で揃いが良く、花蕾のしまりが良い。 ・芯葉が花蕾を包むので耐寒性があり、冬どりに適する。 ・草姿は極立性で密植適正がある。 ・側枝の発生は少ない。 ・べと病に耐病性を持つ。 ■栽培のポイント ・栽培期間が長く厳寒期の収穫となるので、なるべく良い圃場を選ぶ。 ・2月収穫では年内に出来るだけ株を作るように心掛ける。 ・3月収穫は花蕾粒が大きくなる傾向があるので避ける。

ベルスター

ベルスター

渡辺農事株式会社

耐寒性強く、低温肥大性に優れる中生種 ■特性 ・播種後110〜115日前後で収穫できる頂花蕾どり専用の中生種。 ・草姿は立性で、側枝の発生少なく、風による倒伏に強い。 ・耐寒性と肥大性に優れ、花蕾が濃緑で盛り上がりよく、花茎太く、ボリューム感がある。 ・アントシアンの発生が少ない。 ■栽培のポイント ・早蒔き、遅まき栽培では、花蕾粒のばらつきや形状の乱れが発生する恐れがあるため、適期播種を厳守する。 ・本種は中生種であるため、生育期間が長く、肥効の現れにくい低温期での栽培となるため、生育状況を見ながら追肥を施し、肥効の持続を図る。 ・極端に乾燥すると肥効が途切れることもあるため、保水力のある圃場を選定し、適湿を保つように努める。 ・病害虫は早期発見、初期防除を心がける。花蕾形成の始まる時期および花蕾径2〜3cmになった時期に殺菌剤を散布し、花蕾組織内ベト病の予防を行なう。

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