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住化農業資材株式会社
耐暑性に優れ、締まりの良い早生品種! 第75回全日本野菜審査会(長野)1等特別賞受賞品 黒すす病やその他細菌性病害に強い早生タイプのブロッコリーです。 ■品種特性 ・播種後90-95日前後で収穫可能な早生品種 ・細菌性病害・黒すす病に比較的強い ・花蕾色よく、肥大性に優れる高品質な花蕾が収穫可能 ・茎空洞症も出にくい
黒腐れ病(学名:Xanthomonas campestris pv. campestris)は、アブラナ科野菜全般に発生する重要な細菌病です。ブロッコリーのほか、キャベツ・カリフラワー・ハクサイ・コマツナなど多くのアブラナ科作物が感受性を持ちます。
病原細菌は葉の周縁にある水孔(葉の縁にある細かい開口部)から侵入するのが特徴的な経路です。雨水や灌水時の水しぶきが葉面に付着することで広がります。また、種子の表面に菌が付着した「種子伝染」が、遠距離への伝搬経路として重要です。汚染された種子から発芽した苗は、育苗段階から発病リスクを抱えています。
感染すると、葉縁から内側に向かってV字型(くさび型)の黄色〜褐色の病斑が広がります。この「V字病斑」は黒腐れ病の最も特徴的な症状であり、葉脈が黒変することから「黒腐れ病」の名が付いています。症状が進行すると病斑が葉全体に広がり、葉が枯死します。感染が株全体に及ぶと、花蕾の形成が阻害されたり、花蕾への直接感染で出荷不能になったりします。
発生しやすい条件は高温多湿です。梅雨時期や台風後の蒸し暑い環境では急速に蔓延します。関東以西の平坦産地では夏〜秋どりの作型で特に注意が必要であり、暖地・暖温帯での栽培リスクが高い病害です。
ブロッコリーの黒腐れ病耐性は、種苗カタログでは「黒腐れ病に強い」「黒腐れ病耐病性あり」などの形で表記されることが多いです。トマトのTYLCV耐病性のようにHR(高度耐病性)・IR(中程度耐病性)の国際規格による区分が徹底されているわけではなく、品種によって耐性の程度・評価方法が異なります。
品種選びで見落としがちなのが、「耐性あり」の表記の意味の幅広さです。圃場試験での罹病率がゼロに近い品種から、感受性品種よりは発病が抑えられるが完全ではない品種まで、同じ「耐病性あり」という表記の中に幅があります。カタログの説明文を詳しく読み込み、試作で実際の発病状況を確認することが重要です。
また、黒腐れ病菌には菌株によって一定の病原性の差があることが知られています。地域によって優勢な菌株が異なる可能性があり、ある産地で優れた耐性を示した品種が、別の産地では同等の効果を発揮しないケースもあります。産地の発病実績を参考に、地域での品種適性を確認することが賢明です。
黒腐れ病は19世紀後半から世界各地で記録されている歴史の長い病害であり、アブラナ科野菜の主要病害の一つとして長年研究されてきました。日本でも戦前から発生が確認されており、産地では古くから「葉の縁が黄変して枯れる病気」として知られていました。
意外と知られていないのですが、種子伝染が黒腐れ病の遠距離伝播の主要な経路であるため、種子消毒は防除の出発点として非常に重要です。農林水産省の指導では、種子伝染の防止として種子消毒(温湯種子消毒や薬剤消毒)が推奨されています。温湯浸漬法では50〜60℃で10〜30分程度の処理が行われますが、処理温度や時間の設定によっては発芽障害が生じるリスクもあるため、品種の特性や温度管理条件を確認したうえで実施することが推奨されています。
育種面では、黒腐れ病耐性のブロッコリー品種の開発は1990年代以降に本格化しました。病害抵抗性と収量性・品質特性を両立させた品種育成は継続的な課題であり、現在も各種苗メーカーで品種改良が進められています。
黒腐れ病耐性品種を導入しても、それだけで発病を完全に防ぐことはできません。以下の点に注意が必要です。
高温多湿条件が長期間続く場合は、耐病性品種であっても発病リスクが高まります。特に台風や梅雨の長引く年は、圃場の排水性や通気性の確保が耐病性品種の効果を最大化するための前提条件になります。
種子伝染に対しては、耐病性品種であっても防ぎにくい側面があります。認定種子・健全種子の使用が前提であり、種子消毒の徹底が感染の入り口を閉ざす基本です。
複合感染の問題も見逃せません。黒腐れ病と花蕾腐敗病が同時に発生した場合、症状の識別が難しくなることがあります。原因菌の診断を正確に行い、それぞれの病害に対応した防除策を組み合わせることが重要です。
黒腐れ病の防除は、耐病性品種の利用を基本としながら、耕種的・化学的防除を組み合わせる総合的なアプローチが有効です。
種子消毒: 種子伝染を防ぐため、健全種子の使用と種子消毒(温湯消毒または登録農薬による薬剤消毒)を徹底します。育苗施設での衛生管理も重要です。
輪作の実施: 同一圃場でのアブラナ科作物の連作を避け、イネ科・マメ科などとの輪作を行うことで、土壌中の病原細菌密度を低下させる効果があります。最低でも2〜3年間のアブラナ科不作付け期間を確保することが望ましいです。
排水・通気の改善: 高温多湿条件が発病を促すため、圃場の排水性向上(高畝・暗渠等)と株間の通気確保が基本的な耕種的防除です。過密な栽植は避けることが重要です。
適切な灌水方法: 頭上灌水(スプリンクラーなど)は雨水と同様に葉面の水分を増やし、発病リスクを高めます。点滴灌水(ドリップ灌水)など葉を濡らさない方法への切り替えが、黒腐れ病発生リスクの軽減に有効です。
農薬による防除: アブラナ科野菜の黒腐れ病に登録のある農薬(銅剤など)を発生初期に散布することで発病の拡大を抑えることが期待できます。予防的な散布が基本であり、発病が広がってからの治療効果は限定的です。
※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。
梅雨から秋にかけてブロッコリーを生産する産地では、黒腐れ病は年によって被害の大きさが変動することが多く、多雨年・高温年に被害が集中する傾向があります。
愛知・香川・徳島などのブロッコリー産地では、黒腐れ病耐性品種の採用と排水対策を組み合わせることで、発病が軽減されたという事例が報告されています。耐病性品種への切り替えを「圃場環境改善と同時に行う」ことが、単独の対策より高い防除効果につながるという声があります。
栽培現場では、「雨の後の翌日に葉の縁を確認する」という基本的な観察習慣が早期発見の鍵になっています。黒腐れ病は発病初期のV字病斑を早期に発見して感染株を除去・隔離することが、蔓延防止につながる重要な対応です。
黒腐れ病はアブラナ科野菜に発生する重要な細菌病であり、高温多湿条件下での梅雨・台風後に被害が拡大しやすい病害です。種子伝染・水媒介が主な感染経路であり、V字病斑を特徴とする症状で識別できます。
耐病性品種の採用は有効な防除手段の一つですが、耐性の程度は品種によって異なり、高温多湿条件では発病が起きることがあります。種子消毒・輪作・排水改善・適切な灌水方法・農薬防除を組み合わせた総合防除が、安定したブロッコリー生産を支える基本です。
ブロッコリーの品種一覧ページでは、黒腐れ病耐性を持つ品種を特性別に確認することができます。病害対策を重視した品種選びの参考にしてください。
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耐暑性に優れ、締まりの良い早生品種! 第75回全日本野菜審査会(長野)1等特別賞受賞品 黒すす病やその他細菌性病害に強い早生タイプのブロッコリーです。 ■品種特性 ・播種後90-95日前後で収穫可能な早生品種 ・細菌性病害・黒すす病に比較的強い ・花蕾色よく、肥大性に優れる高品質な花蕾が収穫可能 ・茎空洞症も出にくい
株式会社サカタのタネ
アントシアンフリーで、低温伸長性に優れる中早生品種 ■特性 ● 播種後95日前後で収穫できる中早生品種。 ● 草姿は立性で草勢はやや強い。花蕾位置はやや低い。 ● 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形。花蕾形状の安定性が高い。 ● 低温時のアントシアンの発生がなく、茎の空洞症が少ない。 ● 栽培適応性が広く、播種期および収穫期幅が広い。 ■適応性 ●平坦地夏まき栽培:一般地では、8月1~20日ごろ、暖地では8月10~30日ごろまで播種でき、11~1月まで収穫可能です。とくに低温期でも花蕾のアントシアンが発生しないので、安心して栽培できます。 ● 平坦地春まき栽培:一般地では、1月25日~2月25日ごろ、暖地では1月15日~2月15日ごろまで播種でき、5月いっぱい収穫できます。また定植後の被覆資材を上手に使えば、1月上旬播種し、4月中旬ごろから濃緑花蕾を収穫できます。ただし、早まき育苗における極端な低温と低日照は、ブラインド(芯止まり)を誘発する恐れがあるので、育苗温度と日照を確保するようにします。 ● 高・冷涼地栽培:標高差などを利用して3月中旬~7月下旬まで播種することができ、6月下旬~11月中旬ごろまで収穫できます。とくに、キャッツアイの発生が多くなる6月中旬〜7月出し、およびアントシアンの発生がきつくなる10月中旬~11月出しで、最大能力を発揮します。なお、暑さが厳しい8月どりでは、高温障害が発生する場合があるので、慎重に播種期と栽培地域(標高など)を選ぶ必要があります。 ■作付計画 適湿・適温条件など栽培条件がよい場合、収穫そろいがよくなるので、計画的な播種(段まき)と植え付けにより、収穫期を分散させます。また秋冬どりの極端な遅まき栽培では、急激な温度低下による収穫期の遅延が見られる場合があるので、それらを考慮して播種計画をします。 ■畑づくりと施肥設計 根張りをよくするため、排水のよい適度に水分のある畑を選び、良質堆肥を施します。排水が悪い圃場では、排水溝の設置や高畝にするなど排水対策をしっかり行います。総施肥量(元肥と追肥)は、10aあたり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。ただし花蕾品質は施肥技術に影響されるので、土質や栽培時期によって施肥設計を変える必要があります。肥料不足は、十分な株ができず小花蕾や花蕾色の淡緑化をまねき、逆に過剰施肥は、病気の誘発やリーフィ、偏平花蕾などの品質低下につながります。 ■播種と育苗 夏まき栽培では、通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20~25℃)を確保します。また極端な低温や低日照によるブラインドを防ぐため、光が確保しやすいハウスなどで育苗し、最低気温5℃以上を確保します。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10aあたり3,500〜4,000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。セル育苗では、根張りをよくするためできるだけ若苗で定植し、定植直後に極端な乾燥が続く場合は灌水します。また、除草効果と排水対策を兼ねて、活着後雑草が芽生え始めたころに中耕します。 ■病害虫防除 黒腐病、黒斑細菌病など、細菌性の病気にはあまり強くないので、予防的防除に努めることが大切です。また栽培期間が長くなる1月どり栽培では、組織内べと病が発生する場合があるので、同じく予防的防除を徹底します。 ■収穫 適温、適湿条件では、収穫期が早まり収穫期がそろう傾向にあるので、定期的な圃場巡回を行い計画的に収穫します。また、1月出しのような厳寒期では、花蕾の白けや病害の発生を抑えるため、できるだけ適期収穫に努めます。
株式会社サカタのタネ
アントシアンフリーで低温伸長性に優れる中生品種 ■特性 ● 播種後105~110日で収穫できる中生品種。 ● 草姿は立性で、草勢はやや強い。花蕾位置はやや低い。 ● 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形。花蕾形状の安定性が高い。 ● 花蕾にアントシアンが発生しない。 ● 基本的な特性は中早生品種の「おはよう」に似ており、熟期は「おはよう」より10~14日ほど晩生になる。 ■適応性 一般地、暖地の8月上~下旬播種で、11月中旬~1月どりの作型に適する。 ■作付計画 「おはよう」と同時播種した場合、「おはよう」が収穫の終盤に差しかかったころに、「こんにちは」の収穫が開始します。また、遅い作型では「おはよう」と同様に生育が遅延して生育期間が長くなるので、その点を考慮して作付けを計画してください。 ■畑づくりと施肥設計 ブロッコリーは多湿条件を苦手とする作物なので、適度に水もちがよく排水性のよい圃場を選んでください。排水が悪い圃場は、排水溝の設置や高畝栽培など、排水対策を実施してください。総施肥量(元肥と追肥の合計)は、10a当たり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度が標準です。土質によって肥料の効き方と持続力が異なるため、その圃場にあった施肥設計を心がけてください。遅い作型では、生育期が低温で肥料が効きにくいため、元肥の割合を高め早めの追肥を行ってください。肥料不足は、十分な株ができず、花蕾の肥大不足や花蕾色が淡くなる「白け症状」を招き、逆に過剰施肥は、病気の誘発、リーフィーの発生や花蕾の不整形等の品質低下を引き起こします。また、微量要素を含めた肥料全体のバランスが乱れると、ホウ素欠乏による茎の空洞などの生理障害が発生するため、必要な量をバランスよく施用してください。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水して発芽まで乾燥させないように管理します。苗が徒長すると、病虫害にかかりやすく、定植後の活着が悪くなるなど、生育全般に悪影響を与えるため、育苗床の施肥と灌水管理に注意してください。また、定植前に十分に順化しておくと、苗が健強になり定植後の活着がスムーズになります ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約3,500~4,000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。定植後、速やかに活着させ初期生育を促すため、乾燥時には灌水を心がけてください。活着後は除草目的や根張り改善のため、中耕・土寄せを行います。追肥は株の生育具合を確認しながら適宜行ってください。 ■病害虫防除 近年、ブロッコリー栽培において、黒腐病・黒斑細菌病などの細菌病や、黒すす病・組織内べと病などのかびが原因となる病気の発生が問題となっています。「こんにちは」は、「おはよう」と同様にこれらの病気に強い方ではないので、特に病気が発生しやすい圃場では、予防的な防除を徹底するよう心がけてください。 ■収穫 温度が高いと収穫期が早まる傾向があるので、定期的に圃場を巡回し、計画的に収穫します。また、1月収穫のような寒い時期では、花蕾の白け症状や病害の発生を抑えるため、できるだけ適期収穫に努めます。
株式会社サカタのタネ
1-2月に高品質花蕾が収穫できる、べと病に耐病性の晩生品種 ■特性 ● 播種後150日前後で収穫できる晩生品種。 ● 草姿は立性で草勢はやや強い。 ● 花蕾は極小粒で濃緑色、ボリュームのある極ドーム形。 ● 芯葉が花蕾を包み込む性質があり、アントシアンの発生が非常に少ない。 ● 葉のべと病に耐病性があり、組織内べと病の発生も非常に少ない。 ■適応性 一般地では、8月10日~8月20日ごろ、暖地では8月15日~8月30日ごろに播種を行い、1月~2月に収穫が可能です。アントシアンや組織内べと病の発生が少なく、厳寒期に安心して栽培できます。 ※厳寒期の栽培は、年内の気候によって収穫期が左右されやすい作型です。本品種は温度適応性が高いため、暖冬の影響で収穫期が前進した場合にも、秀品を収穫することができます。 ■作付計画 厳寒期の安定収穫のためには、計画的に作付けを行うことが重要です。1~2月収穫の作型は気象の影響を受けやすく、暖冬時には年内から収穫がスタートする場合があり、一方で、極端な乾燥や低温が続くと、生育が鈍る場合があります。このような作型での安定した連続出荷のためには、温度適応性が高い特性を生かし、適切な播種期内で前半と後半の2回に分けて播種を行うことを推奨します。とくに遅まきの作型では、灌水を念頭に置いた圃場での作付けを計画することがポイントです。 ■畑づくりと施肥設計 根張りをよくするため、排水のよい適度に水分のある圃場を選び、良質堆肥を施します。排水が悪い圃場では、排水溝の設置や高畝にするなど排水対策をしっかり行います。総施肥量(元肥と追肥)は、10a当たり成分で窒素20kg、リン酸25 kg、カリ20 kg程度を標準とします。ただし花蕾品質は施肥技術に影響されるので、土質や栽培時期によって施肥設計を変える必要があります。特に、厳寒期の栽培は肥料が効きにくい作型となるので、遅まきの作型ほど早めの追肥の施用を行うことが大切です。栽培期間が長い作型のため、植物の様子を見ながら、必要に応じて施肥を行うと花蕾肥大が促進されます。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分に灌水して発芽まで乾燥させないように管理します。とくにセル育苗では、徒長を防ぐため夕方には床土の表面が乾く程度に灌水することがポイントです。定植前に十分に馴化しておくと、活着がスムーズになります。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約4000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。厳寒期の秀品収穫のためには、年内のうちに十分な草勢を確保する必要があるので、セル育苗による若苗定植と灌水などによる活着促進を心がけます。また、立性草姿のため風雨による倒伏が懸念されるので、活着後に除草と排水対策を兼ねて中耕・土寄せを行います。収穫期に極端な乾燥状態が続く場合は、生育の遅延が見られることがあるので、灌水や畝間灌水を行って、生育を促進させることが安定収穫のポイントです。 ※十分な草勢を確保するため、9月中の定植を推奨します。万が一、10月以降に定植がずれ込む場合は、早めの追肥や中耕などによって生育を促進します。定植遅れなどによって十分な草勢が確保できない場合、花蕾粒が極端に粗くなるなどの品質低下に繋がりやすいので、注意してください。 ■病害虫防除 本品種の定植期となる9月は台風などの襲来が懸念されるので、黒腐病などの各種細菌病の予防的防除を心がけます。また、葉のべと病に耐病性をもち、組織内べと病の発生も非常に少ない品種ではありますが、黒すす病や菌核病などカビ類による病害も発生しやすい作型なので、適切な薬剤防除による予防をお願いします。 ■収穫 年内の気候が暖かく、適度に降雨がある場合、収穫期が早まることがあるので、定期的に圃場巡回を行います。急激に気温が上昇する2月中下旬以降は、花蕾肥大の速度が極端に早まるので、計画的な収穫に心がけます。
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花蕾の品質安定性、肥大性が優れる中晩生品種 ■特性 ● 播種後115~120日(定植後約90日)で収穫できる中晩生品種。 ● 草勢は旺盛で、根張りが強く耐湿性がある。側枝は少ない。 ● 花蕾は肥大性に優れるスムーズな豊円形で、締まりがよく小粒で濃緑色。 ● 生育のそろいがよく、秀品率が高い。 ● 夏まき年内どりのほか、低温に鈍感でボトニングになりにくいため、冬春まき栽培にも適する。 ■適応性 一般地7月中旬〜8月上旬まき11〜12月どり、暖地8月上〜下旬まき12〜1月どりが、最適作型です。十分な葉枚数を確保してから花芽が形成されるじっくり型の品種のため、関東近辺や日本海側など秋が短い地域では、肥大期の極端な低温による収穫期の遅延が見られる場合があるので、早まき栽培がおすすめです。 一方初期生育での低温によるボトニングに対しても強いので、一般地1月中旬〜2月上旬まき、初夏どり栽培も可能です。ただし、花芽形成後の高温は、花蕾生育に障害を発生させる場合があるので、極端な遅まき栽培は避け、遅くとも5月下旬ごろまでには収穫を終えるようにします。 なお、高・冷涼地の6月下旬〜7月上旬まき10月中旬〜11月中旬どりにも適しますが、収穫期幅が狭いので注意が必要です。 ■畑づくりと施肥設計 排水のよい適度に水分のある畑を選びます。特に春まき栽培では、生育が低温期に当たるため早めに畑を準備します。施肥量は、全成分量で10a当たり窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。ただし、元来この品種は、草勢強く、吸肥力も強いため、多肥条件下では過繁茂による病気の助長や急激な生育による茎の空洞症が発生する場合があるので、株をコンパクトに作るよう、各圃場の地力に合わせた施肥設計を行うことが大切です。 ■播種と育苗 春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20〜25℃)を確保します。一方夏まき栽培では、通風、日当りのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。特にセル育苗では、徒長を防ぐため、夕方には床土の表面が乾く程度に灌水するのがポイントです。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり3,500本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。株をコンパクトに作る意味では、大苗定植のほうが向いていますが、セル育苗でも特に問題はありません。冬まき・早春定植の場合は、ビニールトンネルやマルチなど被覆資材を使用すると、収穫期が早まり花芽分化後の高温障害を避けるのに効果的です。夏まき・秋どり栽培のような高温期の生育時に乾燥が続く場合は、灌水します。また活着後雑草が芽生え始めたころに中耕すると、除草効果とともに排水をよくし、生育の促進につながります。急激に肥料が効いて生育過多にならないように注意しながら、生育状況に合わせて出蕾前に追肥を2〜3回程度施します。一方花蕾肥大期の完全な肥料切れは、花蕾の小玉化、アントシアンの発生につながるので、最後まで肥料を切らさないように管理することも大切です。 ■病害虫防除 定植圃場に病害虫を持ち込まないよう、育苗時に徹底した病害虫防除を行います。一方、本圃ではべと病、黒腐病、黒斑病などが発生しますが、予防的薬剤散布に努めるとともに、排水性、通風性を良好にし、病害の発生しにくい環境作りが望まれます。また根こぶ病については、良質堆肥の施用、pHの矯正、排水対策や適切な薬剤散布など総合防除に努めることが大切です。害虫は、栽培時期や生育ステージによって発生する種類が異なるので、それぞれに応じた薬剤を用いて、効果的に防除します。 ■収穫 秋冬どりでは、低温によりアントシアンが発生する場合があるので、適期収穫を心がけるようにします。
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根こぶ病耐病性で、花蕾形状に優れる中生品種 ■特性 ● 播種後115日前後で収穫できる中生品種。 ● 草姿は立性で、草勢は中程度。側枝の発生は少ない。 ● 根こぶ病に耐病性がある。 ● 花蕾は小粒で濃緑色、スムーズなドーム形で締まりがよい。 ● 茎はやわらかく、出荷調整がしやすい。 ■適応性 夏まき秋冬どり専用品種です。春まき栽培には適しません。 一般地8月1~15日まき・11~12月どり、暖地8月10~25日まき・12~1月どりに適します。極端な早まき栽培は、花蕾の緩みや死花の発生を誘発し、一方極端な遅まき栽培は、低温による生育の遅延や花蕾のアントシアン発生を助長するので注意が必要です。 ■畑づくりと施肥設計 総施肥量(元肥と追肥)は、10a当たり成分で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。収穫期が厳寒期になる遅まき栽培では、肥効の低下による生育の遅延や花蕾のアントシアン発生を防ぐため、良質堆肥の施用・追肥を適宜施し、肥効を持続させることが大切です。根こぶ病汚染圃場では、石灰質肥料の施用によるpHの調整、排水溝の設置、定植前の薬剤散布など総合的防除を行います。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分に灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。発芽適温は20~25℃なので、遮光などをして極端な高温にならないよう心がけます。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約4,000本を標準とするが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。セル育苗では、活着促進のため老化苗にならないように定植します。特に根こぶ病汚染圃場へ定植する場合、活着不良やその後の初期生育の遅れは根こぶ病の被害を拡大させるので、定植後の灌水、活着後の中耕などを状況に応じて適切に行い、初期生育を促します。また、12~1月収穫の極低温条件下では生育がやや緩慢になる傾向があるので、出蕾前後に追肥を施し肥切れしないようにします。 ■病害虫防除 根こぶ病に対して完全な抵抗性を示すわけではないので、圃場準備および定植時の薬剤散布や、排水対策など総合的防除を行います。その他の病害虫対策についても、通常のブロッコリー栽培に準じます。雨が多い年は、黒腐病や花蕾腐敗病(軟腐病)など細菌病が発生する場合があるので、予防的防除に努めます。 ■収穫 高温下での収穫では死花が発生しやすい場合があるので、適期収穫を心がけるとともに、できるだけ高温条件にならないよう涼しい時間帯で収穫、出荷調整するようにします。
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抜群の耐暑性がある中早生品種 ■特性 ● 播種後95~105日前後で収穫できる中早生品種。 ● 草勢が強く、草姿は極立性で、側枝は少ない。 ● 根は強く、比較的湿害に強い。ただし、黒腐病など細菌病には強くないので予防的防除が必要。 ● 濃緑色の花蕾はスムーズな豊円形で締まりがよく、小粒。 ● 耐暑性が優れ、死花(ブラウンビーズ)が少なく、店持ちが非常によい。 ■適応性 耐暑性が優れ、低温よりも高温条件下で能力を発揮するため、収穫期に温度がある程度確保できる作型に適する。 ● 高・冷涼地栽培:4月中旬~6月上旬まき、7月下旬~9月どり栽培に向きます。ただし、7月下旬および9月下旬どりは、雨が多い時期に当たるので花蕾の腐敗などに注意が必要です。また、極端な早まきもしくは遅まき栽培は生育期間中に低温にあたるので、注意する必要があります。 ● 平坦地春まき栽培:一般地、暖地の2月上中旬~3月上旬まき、5月中旬~6月中下旬どり栽培に向きます。極端な早まき栽培は、低温のため初期生育が緩慢で収穫期を早めることができないうえに、低温・低日照条件では、ブラインド(芯止まり)が発生するので、注意が必要です。 ■作付計画 耐暑性が最大の特長なので、生育期間を通して温度が十分あるときに栽培することが大切で、高温条件での栽培となるので病害虫対策の徹底が重要です。また梅雨や秋雨、台風などの雨風の影響が予想される作型となるので、適切な管理ができる範囲での作付けを心がけます。 ■畑づくりと施肥設計 病害対策として、排水のよい、適度に水分のある畑を選び、良質堆肥を施します。排水が悪い圃場では、排水溝の設置や高畝にするなど排水対策をしっかり行います。草勢が非常に強いタイプなので、通常のブロッコリー栽培の2~3割減の元肥施肥を基準とし、生育状況に応じて追肥を施します。なお窒素の過剰吸収は、栄養生長過多を引き起こし、病害虫の発生や空洞症を助長するので、圃場条件によっては毎年施肥設計を見直します。 ■播種と育苗 夏まき栽培では、通風・日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。徒長苗は、定植後の活着不良や本圃での倒伏を引き起こすので、がっちりとした苗を育成します。春まき栽培など低温低日照条件下での育苗では、ブラインドが発生しやすいため、光が確保しやすいハウスなどで育苗し、最低気温10℃以上を確保します。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約3,800本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。特に雨の多い作型など、条件の厳しい作型では、疎植栽培にして通気性をよくします。また、元来生育が旺盛なため、徒長しやすい傾向にあるので、花芽肥大期の強風や強雨は倒伏を引き起こす場合があります。防止策として、適宜土寄せやカルチなどで株元を保護するようにします。また追肥は必要に応じて1~2回適宜施しますが、花芽分化前までに小まめに行うことが基本です。一度に大量に施すことは、栄養生長過多を引き起こし、病害虫の発生や茎の空洞、倒伏などの原因にもなります。 ■病害虫防除 黒腐病・黒斑細菌病など細菌性の病気には強くないので、前述したように排水対策、適切な栽植密度、肥培管理などの耕種的防除も含め、薬剤散布による予防的防除が大切です。また菌のさらなる増殖を抑えるため、被害残渣を圃場外に持ち出すことが大切です。 一方ハイマダラノメイガやヨトウムシなどの鱗翅目害虫やアブラムシなどが発生しやすい高温期の作型での栽培となるので、害虫防除の徹底も必要です。育苗の時点からしっかり予防します。 ■収穫 死花が少なく、店持ち性もよいので、安心して収穫・出荷できますが、劣悪な栽培条件の場合には、収穫後の黄変が発生する場合もあるので、涼しい時間帯での適期収穫を心がけます。
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茎がとてもおいしい茎ブロッコリー ■特性 ● 播種後90日前後で花茎の長い頂花蕾が収穫できる。 ● 頂花蕾収穫後、細く長い小型側花蕾が合計15本程度収穫できる。 ● 頂花蕾、側花蕾は共に食味がよく、特に茎はやわらかく甘みがあり、ブロッコリーとは異なる風味をもつ。 ● 草姿立性で耐暑性が優れる。 ■適応性 一般地では、2月中旬から3月中旬、7月上旬から8月中旬、高冷地・冷涼地では、4月上旬から7月下旬まで播種可能で、初夏から晩秋まで収穫できます。しかし、収穫期が7月~9月となる作型では、病害虫の発生しやすくなる時期なので、徹底した防除が必要です。遅まき栽培では、株張りが弱く、特性が発揮できません。 各種土壌に適応しますが、有機質の多いやや粘土質土壌で良質な側枝花蕾が収穫できます。 多湿地では、生育が悪くなり品質および減収の原因につながるので、高畝にするなど排水対策を行います。 ■畑づくりと施肥設計 肥料は10a当たり、堆肥3,000㎏、石灰80~100kgのほかに、成分量で窒素30~40kg、リン酸20~30㎏、カリ30~40㎏を標準とします。収穫期間が長いので緩効性肥料を多めに施用するとよいです。 初夏どりでは元肥中心の、秋どりでは元肥・追肥半々の肥料設計を行うよう心がけます。 本種は、多肥で十分株ができたときに茎の長い良質の花雷が多収できるので、生育を順調に進めることが大切です。 ■播種と育苗 夏まき栽培では、通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20~25℃)を確保します。また、極端な低温や低日照によるブラインドを防ぐため、光が確保しやすいハウスなどで育苗し、最低気温10℃以上を確保します。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、畝間65cm、株間50cm程度とし、10a当たり3,000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。営利栽培では、側枝の出荷が主体となるので、そろいをよくするため、頂花蕾が500円玉程度になったら、ピンチします。 ■病害虫防除 セル育苗ににおいてはトレーに菌が付着している場合があるので、消毒をしてから使用します。 定植後の病気としては、雨の多い年や排水の悪い圃場では、根こぶ病、黒腐れ病や黒斑細菌病、頂花蕾のピンチ後の傷口から軟腐病などが発生する場合があります。株間を広げて風通しをよくしたり、排水対策をするなど耕種的防除のほか、予防を中心とした早め早めの薬剤散布が効果的です。 害虫としては、シンクイムシ、ハスモンヨトウ、コナガ(リンシ目害虫)、アブラムシなどがあります。害虫によって発生する時期はほぼ決まっているので、その害虫に合わせた農薬を選択します。アブラムシなど多くの害虫は、葉の裏側や芯の奥深いところにいるので、適切な時期に丁寧に確実にかかるよう散布します。 ■収穫 側枝が伸びてきたら、蕾に締まりがあるうちに収穫を行い、長さをそろえて出荷します。1株当たり15本程度順次収穫できます。とり遅れると、蕾が緩んだり、開花して出荷ができなくなる場合があるので注意します。気温の低い早朝に収穫して、鮮度保持フィルムや氷などを使用して、品質保持に努めます。
カネコ種苗株式会社
耐暑性、早生性に優れ作りやすい! 特性 ●播種後85日で収穫となる極早生品種です。 ●花蕾は厚みのある滑らかなドーム形で、良くしまります。草勢がややおとなしく、茎は太く空洞が少ないです。 ●耐暑性が優れ、高温期の栽培でも花蕾形状が安定し、リーフィーの発生が少ないです。 ●黒腐病、黒斑細菌病に耐病性があります。 ●頂花蕾収穫後も引き続き側枝から収穫が可能です。 栽培要点 ●定植後の初期生育をスムーズに進めることが、良品生産、増収に繋がります。 ●花蕾の生育が揃い、肥大も優れるため、適期収穫をお願いします。
渡辺農事株式会社
店持ちに優れる、春・秋まき兼用中早生種 ■特性 ・播種後105日程度で収穫できる中早生種。春まきでも、秋まきでも適応する。 ・草姿は立性、葉は濃緑色の細葉、草勢は中位で倒伏に強い。 ・花蕾は締りの良い深緑色のドーム型。花茎が太く、ボリューム感がある。 ・収穫後の黄変が遅く、店持ち性に優れる。 ・細菌性の病害(黒腐れ病、黒斑細菌病など)に強い。 ■栽培のポイント ・春〜初夏どりの栽培では、茎葉の生育と花蕾形成が同時進行するため、苗の老化や植え傷みを防ぎ、順調な生育を促すよう心がける。 ・秋冬どり栽培では、高温障害や低温によるアントシアンを避けるため、適期播種を遵守すること。
住化農業資材株式会社
耐暑性に優れ、締まりの良い早生品種! 第75回全日本野菜審査会(長野)1等特別賞受賞品 黒すす病やその他細菌性病害に強い早生タイプのブロッコリーです。 ■品種特性 ・播種後90-95日前後で収穫可能な早生品種 ・細菌性病害・黒すす病に比較的強い ・花蕾色よく、肥大性に優れる高品質な花蕾が収穫可能 ・茎空洞症も出にくい
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アントシアンフリーで、低温伸長性に優れる中早生品種 ■特性 ● 播種後95日前後で収穫できる中早生品種。 ● 草姿は立性で草勢はやや強い。花蕾位置はやや低い。 ● 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形。花蕾形状の安定性が高い。 ● 低温時のアントシアンの発生がなく、茎の空洞症が少ない。 ● 栽培適応性が広く、播種期および収穫期幅が広い。 ■適応性 ●平坦地夏まき栽培:一般地では、8月1~20日ごろ、暖地では8月10~30日ごろまで播種でき、11~1月まで収穫可能です。とくに低温期でも花蕾のアントシアンが発生しないので、安心して栽培できます。 ● 平坦地春まき栽培:一般地では、1月25日~2月25日ごろ、暖地では1月15日~2月15日ごろまで播種でき、5月いっぱい収穫できます。また定植後の被覆資材を上手に使えば、1月上旬播種し、4月中旬ごろから濃緑花蕾を収穫できます。ただし、早まき育苗における極端な低温と低日照は、ブラインド(芯止まり)を誘発する恐れがあるので、育苗温度と日照を確保するようにします。 ● 高・冷涼地栽培:標高差などを利用して3月中旬~7月下旬まで播種することができ、6月下旬~11月中旬ごろまで収穫できます。とくに、キャッツアイの発生が多くなる6月中旬〜7月出し、およびアントシアンの発生がきつくなる10月中旬~11月出しで、最大能力を発揮します。なお、暑さが厳しい8月どりでは、高温障害が発生する場合があるので、慎重に播種期と栽培地域(標高など)を選ぶ必要があります。 ■作付計画 適湿・適温条件など栽培条件がよい場合、収穫そろいがよくなるので、計画的な播種(段まき)と植え付けにより、収穫期を分散させます。また秋冬どりの極端な遅まき栽培では、急激な温度低下による収穫期の遅延が見られる場合があるので、それらを考慮して播種計画をします。 ■畑づくりと施肥設計 根張りをよくするため、排水のよい適度に水分のある畑を選び、良質堆肥を施します。排水が悪い圃場では、排水溝の設置や高畝にするなど排水対策をしっかり行います。総施肥量(元肥と追肥)は、10aあたり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。ただし花蕾品質は施肥技術に影響されるので、土質や栽培時期によって施肥設計を変える必要があります。肥料不足は、十分な株ができず小花蕾や花蕾色の淡緑化をまねき、逆に過剰施肥は、病気の誘発やリーフィ、偏平花蕾などの品質低下につながります。 ■播種と育苗 夏まき栽培では、通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20~25℃)を確保します。また極端な低温や低日照によるブラインドを防ぐため、光が確保しやすいハウスなどで育苗し、最低気温5℃以上を確保します。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10aあたり3,500〜4,000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。セル育苗では、根張りをよくするためできるだけ若苗で定植し、定植直後に極端な乾燥が続く場合は灌水します。また、除草効果と排水対策を兼ねて、活着後雑草が芽生え始めたころに中耕します。 ■病害虫防除 黒腐病、黒斑細菌病など、細菌性の病気にはあまり強くないので、予防的防除に努めることが大切です。また栽培期間が長くなる1月どり栽培では、組織内べと病が発生する場合があるので、同じく予防的防除を徹底します。 ■収穫 適温、適湿条件では、収穫期が早まり収穫期がそろう傾向にあるので、定期的な圃場巡回を行い計画的に収穫します。また、1月出しのような厳寒期では、花蕾の白けや病害の発生を抑えるため、できるだけ適期収穫に努めます。
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アントシアンフリーで低温伸長性に優れる中生品種 ■特性 ● 播種後105~110日で収穫できる中生品種。 ● 草姿は立性で、草勢はやや強い。花蕾位置はやや低い。 ● 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形。花蕾形状の安定性が高い。 ● 花蕾にアントシアンが発生しない。 ● 基本的な特性は中早生品種の「おはよう」に似ており、熟期は「おはよう」より10~14日ほど晩生になる。 ■適応性 一般地、暖地の8月上~下旬播種で、11月中旬~1月どりの作型に適する。 ■作付計画 「おはよう」と同時播種した場合、「おはよう」が収穫の終盤に差しかかったころに、「こんにちは」の収穫が開始します。また、遅い作型では「おはよう」と同様に生育が遅延して生育期間が長くなるので、その点を考慮して作付けを計画してください。 ■畑づくりと施肥設計 ブロッコリーは多湿条件を苦手とする作物なので、適度に水もちがよく排水性のよい圃場を選んでください。排水が悪い圃場は、排水溝の設置や高畝栽培など、排水対策を実施してください。総施肥量(元肥と追肥の合計)は、10a当たり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度が標準です。土質によって肥料の効き方と持続力が異なるため、その圃場にあった施肥設計を心がけてください。遅い作型では、生育期が低温で肥料が効きにくいため、元肥の割合を高め早めの追肥を行ってください。肥料不足は、十分な株ができず、花蕾の肥大不足や花蕾色が淡くなる「白け症状」を招き、逆に過剰施肥は、病気の誘発、リーフィーの発生や花蕾の不整形等の品質低下を引き起こします。また、微量要素を含めた肥料全体のバランスが乱れると、ホウ素欠乏による茎の空洞などの生理障害が発生するため、必要な量をバランスよく施用してください。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水して発芽まで乾燥させないように管理します。苗が徒長すると、病虫害にかかりやすく、定植後の活着が悪くなるなど、生育全般に悪影響を与えるため、育苗床の施肥と灌水管理に注意してください。また、定植前に十分に順化しておくと、苗が健強になり定植後の活着がスムーズになります ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約3,500~4,000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。定植後、速やかに活着させ初期生育を促すため、乾燥時には灌水を心がけてください。活着後は除草目的や根張り改善のため、中耕・土寄せを行います。追肥は株の生育具合を確認しながら適宜行ってください。 ■病害虫防除 近年、ブロッコリー栽培において、黒腐病・黒斑細菌病などの細菌病や、黒すす病・組織内べと病などのかびが原因となる病気の発生が問題となっています。「こんにちは」は、「おはよう」と同様にこれらの病気に強い方ではないので、特に病気が発生しやすい圃場では、予防的な防除を徹底するよう心がけてください。 ■収穫 温度が高いと収穫期が早まる傾向があるので、定期的に圃場を巡回し、計画的に収穫します。また、1月収穫のような寒い時期では、花蕾の白け症状や病害の発生を抑えるため、できるだけ適期収穫に努めます。
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1-2月に高品質花蕾が収穫できる、べと病に耐病性の晩生品種 ■特性 ● 播種後150日前後で収穫できる晩生品種。 ● 草姿は立性で草勢はやや強い。 ● 花蕾は極小粒で濃緑色、ボリュームのある極ドーム形。 ● 芯葉が花蕾を包み込む性質があり、アントシアンの発生が非常に少ない。 ● 葉のべと病に耐病性があり、組織内べと病の発生も非常に少ない。 ■適応性 一般地では、8月10日~8月20日ごろ、暖地では8月15日~8月30日ごろに播種を行い、1月~2月に収穫が可能です。アントシアンや組織内べと病の発生が少なく、厳寒期に安心して栽培できます。 ※厳寒期の栽培は、年内の気候によって収穫期が左右されやすい作型です。本品種は温度適応性が高いため、暖冬の影響で収穫期が前進した場合にも、秀品を収穫することができます。 ■作付計画 厳寒期の安定収穫のためには、計画的に作付けを行うことが重要です。1~2月収穫の作型は気象の影響を受けやすく、暖冬時には年内から収穫がスタートする場合があり、一方で、極端な乾燥や低温が続くと、生育が鈍る場合があります。このような作型での安定した連続出荷のためには、温度適応性が高い特性を生かし、適切な播種期内で前半と後半の2回に分けて播種を行うことを推奨します。とくに遅まきの作型では、灌水を念頭に置いた圃場での作付けを計画することがポイントです。 ■畑づくりと施肥設計 根張りをよくするため、排水のよい適度に水分のある圃場を選び、良質堆肥を施します。排水が悪い圃場では、排水溝の設置や高畝にするなど排水対策をしっかり行います。総施肥量(元肥と追肥)は、10a当たり成分で窒素20kg、リン酸25 kg、カリ20 kg程度を標準とします。ただし花蕾品質は施肥技術に影響されるので、土質や栽培時期によって施肥設計を変える必要があります。特に、厳寒期の栽培は肥料が効きにくい作型となるので、遅まきの作型ほど早めの追肥の施用を行うことが大切です。栽培期間が長い作型のため、植物の様子を見ながら、必要に応じて施肥を行うと花蕾肥大が促進されます。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分に灌水して発芽まで乾燥させないように管理します。とくにセル育苗では、徒長を防ぐため夕方には床土の表面が乾く程度に灌水することがポイントです。定植前に十分に馴化しておくと、活着がスムーズになります。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約4000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。厳寒期の秀品収穫のためには、年内のうちに十分な草勢を確保する必要があるので、セル育苗による若苗定植と灌水などによる活着促進を心がけます。また、立性草姿のため風雨による倒伏が懸念されるので、活着後に除草と排水対策を兼ねて中耕・土寄せを行います。収穫期に極端な乾燥状態が続く場合は、生育の遅延が見られることがあるので、灌水や畝間灌水を行って、生育を促進させることが安定収穫のポイントです。 ※十分な草勢を確保するため、9月中の定植を推奨します。万が一、10月以降に定植がずれ込む場合は、早めの追肥や中耕などによって生育を促進します。定植遅れなどによって十分な草勢が確保できない場合、花蕾粒が極端に粗くなるなどの品質低下に繋がりやすいので、注意してください。 ■病害虫防除 本品種の定植期となる9月は台風などの襲来が懸念されるので、黒腐病などの各種細菌病の予防的防除を心がけます。また、葉のべと病に耐病性をもち、組織内べと病の発生も非常に少ない品種ではありますが、黒すす病や菌核病などカビ類による病害も発生しやすい作型なので、適切な薬剤防除による予防をお願いします。 ■収穫 年内の気候が暖かく、適度に降雨がある場合、収穫期が早まることがあるので、定期的に圃場巡回を行います。急激に気温が上昇する2月中下旬以降は、花蕾肥大の速度が極端に早まるので、計画的な収穫に心がけます。
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花蕾の品質安定性、肥大性が優れる中晩生品種 ■特性 ● 播種後115~120日(定植後約90日)で収穫できる中晩生品種。 ● 草勢は旺盛で、根張りが強く耐湿性がある。側枝は少ない。 ● 花蕾は肥大性に優れるスムーズな豊円形で、締まりがよく小粒で濃緑色。 ● 生育のそろいがよく、秀品率が高い。 ● 夏まき年内どりのほか、低温に鈍感でボトニングになりにくいため、冬春まき栽培にも適する。 ■適応性 一般地7月中旬〜8月上旬まき11〜12月どり、暖地8月上〜下旬まき12〜1月どりが、最適作型です。十分な葉枚数を確保してから花芽が形成されるじっくり型の品種のため、関東近辺や日本海側など秋が短い地域では、肥大期の極端な低温による収穫期の遅延が見られる場合があるので、早まき栽培がおすすめです。 一方初期生育での低温によるボトニングに対しても強いので、一般地1月中旬〜2月上旬まき、初夏どり栽培も可能です。ただし、花芽形成後の高温は、花蕾生育に障害を発生させる場合があるので、極端な遅まき栽培は避け、遅くとも5月下旬ごろまでには収穫を終えるようにします。 なお、高・冷涼地の6月下旬〜7月上旬まき10月中旬〜11月中旬どりにも適しますが、収穫期幅が狭いので注意が必要です。 ■畑づくりと施肥設計 排水のよい適度に水分のある畑を選びます。特に春まき栽培では、生育が低温期に当たるため早めに畑を準備します。施肥量は、全成分量で10a当たり窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。ただし、元来この品種は、草勢強く、吸肥力も強いため、多肥条件下では過繁茂による病気の助長や急激な生育による茎の空洞症が発生する場合があるので、株をコンパクトに作るよう、各圃場の地力に合わせた施肥設計を行うことが大切です。 ■播種と育苗 春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20〜25℃)を確保します。一方夏まき栽培では、通風、日当りのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。特にセル育苗では、徒長を防ぐため、夕方には床土の表面が乾く程度に灌水するのがポイントです。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり3,500本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。株をコンパクトに作る意味では、大苗定植のほうが向いていますが、セル育苗でも特に問題はありません。冬まき・早春定植の場合は、ビニールトンネルやマルチなど被覆資材を使用すると、収穫期が早まり花芽分化後の高温障害を避けるのに効果的です。夏まき・秋どり栽培のような高温期の生育時に乾燥が続く場合は、灌水します。また活着後雑草が芽生え始めたころに中耕すると、除草効果とともに排水をよくし、生育の促進につながります。急激に肥料が効いて生育過多にならないように注意しながら、生育状況に合わせて出蕾前に追肥を2〜3回程度施します。一方花蕾肥大期の完全な肥料切れは、花蕾の小玉化、アントシアンの発生につながるので、最後まで肥料を切らさないように管理することも大切です。 ■病害虫防除 定植圃場に病害虫を持ち込まないよう、育苗時に徹底した病害虫防除を行います。一方、本圃ではべと病、黒腐病、黒斑病などが発生しますが、予防的薬剤散布に努めるとともに、排水性、通風性を良好にし、病害の発生しにくい環境作りが望まれます。また根こぶ病については、良質堆肥の施用、pHの矯正、排水対策や適切な薬剤散布など総合防除に努めることが大切です。害虫は、栽培時期や生育ステージによって発生する種類が異なるので、それぞれに応じた薬剤を用いて、効果的に防除します。 ■収穫 秋冬どりでは、低温によりアントシアンが発生する場合があるので、適期収穫を心がけるようにします。
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根こぶ病耐病性で、花蕾形状に優れる中生品種 ■特性 ● 播種後115日前後で収穫できる中生品種。 ● 草姿は立性で、草勢は中程度。側枝の発生は少ない。 ● 根こぶ病に耐病性がある。 ● 花蕾は小粒で濃緑色、スムーズなドーム形で締まりがよい。 ● 茎はやわらかく、出荷調整がしやすい。 ■適応性 夏まき秋冬どり専用品種です。春まき栽培には適しません。 一般地8月1~15日まき・11~12月どり、暖地8月10~25日まき・12~1月どりに適します。極端な早まき栽培は、花蕾の緩みや死花の発生を誘発し、一方極端な遅まき栽培は、低温による生育の遅延や花蕾のアントシアン発生を助長するので注意が必要です。 ■畑づくりと施肥設計 総施肥量(元肥と追肥)は、10a当たり成分で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。収穫期が厳寒期になる遅まき栽培では、肥効の低下による生育の遅延や花蕾のアントシアン発生を防ぐため、良質堆肥の施用・追肥を適宜施し、肥効を持続させることが大切です。根こぶ病汚染圃場では、石灰質肥料の施用によるpHの調整、排水溝の設置、定植前の薬剤散布など総合的防除を行います。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分に灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。発芽適温は20~25℃なので、遮光などをして極端な高温にならないよう心がけます。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約4,000本を標準とするが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。セル育苗では、活着促進のため老化苗にならないように定植します。特に根こぶ病汚染圃場へ定植する場合、活着不良やその後の初期生育の遅れは根こぶ病の被害を拡大させるので、定植後の灌水、活着後の中耕などを状況に応じて適切に行い、初期生育を促します。また、12~1月収穫の極低温条件下では生育がやや緩慢になる傾向があるので、出蕾前後に追肥を施し肥切れしないようにします。 ■病害虫防除 根こぶ病に対して完全な抵抗性を示すわけではないので、圃場準備および定植時の薬剤散布や、排水対策など総合的防除を行います。その他の病害虫対策についても、通常のブロッコリー栽培に準じます。雨が多い年は、黒腐病や花蕾腐敗病(軟腐病)など細菌病が発生する場合があるので、予防的防除に努めます。 ■収穫 高温下での収穫では死花が発生しやすい場合があるので、適期収穫を心がけるとともに、できるだけ高温条件にならないよう涼しい時間帯で収穫、出荷調整するようにします。
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抜群の耐暑性がある中早生品種 ■特性 ● 播種後95~105日前後で収穫できる中早生品種。 ● 草勢が強く、草姿は極立性で、側枝は少ない。 ● 根は強く、比較的湿害に強い。ただし、黒腐病など細菌病には強くないので予防的防除が必要。 ● 濃緑色の花蕾はスムーズな豊円形で締まりがよく、小粒。 ● 耐暑性が優れ、死花(ブラウンビーズ)が少なく、店持ちが非常によい。 ■適応性 耐暑性が優れ、低温よりも高温条件下で能力を発揮するため、収穫期に温度がある程度確保できる作型に適する。 ● 高・冷涼地栽培:4月中旬~6月上旬まき、7月下旬~9月どり栽培に向きます。ただし、7月下旬および9月下旬どりは、雨が多い時期に当たるので花蕾の腐敗などに注意が必要です。また、極端な早まきもしくは遅まき栽培は生育期間中に低温にあたるので、注意する必要があります。 ● 平坦地春まき栽培:一般地、暖地の2月上中旬~3月上旬まき、5月中旬~6月中下旬どり栽培に向きます。極端な早まき栽培は、低温のため初期生育が緩慢で収穫期を早めることができないうえに、低温・低日照条件では、ブラインド(芯止まり)が発生するので、注意が必要です。 ■作付計画 耐暑性が最大の特長なので、生育期間を通して温度が十分あるときに栽培することが大切で、高温条件での栽培となるので病害虫対策の徹底が重要です。また梅雨や秋雨、台風などの雨風の影響が予想される作型となるので、適切な管理ができる範囲での作付けを心がけます。 ■畑づくりと施肥設計 病害対策として、排水のよい、適度に水分のある畑を選び、良質堆肥を施します。排水が悪い圃場では、排水溝の設置や高畝にするなど排水対策をしっかり行います。草勢が非常に強いタイプなので、通常のブロッコリー栽培の2~3割減の元肥施肥を基準とし、生育状況に応じて追肥を施します。なお窒素の過剰吸収は、栄養生長過多を引き起こし、病害虫の発生や空洞症を助長するので、圃場条件によっては毎年施肥設計を見直します。 ■播種と育苗 夏まき栽培では、通風・日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。徒長苗は、定植後の活着不良や本圃での倒伏を引き起こすので、がっちりとした苗を育成します。春まき栽培など低温低日照条件下での育苗では、ブラインドが発生しやすいため、光が確保しやすいハウスなどで育苗し、最低気温10℃以上を確保します。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約3,800本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。特に雨の多い作型など、条件の厳しい作型では、疎植栽培にして通気性をよくします。また、元来生育が旺盛なため、徒長しやすい傾向にあるので、花芽肥大期の強風や強雨は倒伏を引き起こす場合があります。防止策として、適宜土寄せやカルチなどで株元を保護するようにします。また追肥は必要に応じて1~2回適宜施しますが、花芽分化前までに小まめに行うことが基本です。一度に大量に施すことは、栄養生長過多を引き起こし、病害虫の発生や茎の空洞、倒伏などの原因にもなります。 ■病害虫防除 黒腐病・黒斑細菌病など細菌性の病気には強くないので、前述したように排水対策、適切な栽植密度、肥培管理などの耕種的防除も含め、薬剤散布による予防的防除が大切です。また菌のさらなる増殖を抑えるため、被害残渣を圃場外に持ち出すことが大切です。 一方ハイマダラノメイガやヨトウムシなどの鱗翅目害虫やアブラムシなどが発生しやすい高温期の作型での栽培となるので、害虫防除の徹底も必要です。育苗の時点からしっかり予防します。 ■収穫 死花が少なく、店持ち性もよいので、安心して収穫・出荷できますが、劣悪な栽培条件の場合には、収穫後の黄変が発生する場合もあるので、涼しい時間帯での適期収穫を心がけます。
株式会社サカタのタネ
茎がとてもおいしい茎ブロッコリー ■特性 ● 播種後90日前後で花茎の長い頂花蕾が収穫できる。 ● 頂花蕾収穫後、細く長い小型側花蕾が合計15本程度収穫できる。 ● 頂花蕾、側花蕾は共に食味がよく、特に茎はやわらかく甘みがあり、ブロッコリーとは異なる風味をもつ。 ● 草姿立性で耐暑性が優れる。 ■適応性 一般地では、2月中旬から3月中旬、7月上旬から8月中旬、高冷地・冷涼地では、4月上旬から7月下旬まで播種可能で、初夏から晩秋まで収穫できます。しかし、収穫期が7月~9月となる作型では、病害虫の発生しやすくなる時期なので、徹底した防除が必要です。遅まき栽培では、株張りが弱く、特性が発揮できません。 各種土壌に適応しますが、有機質の多いやや粘土質土壌で良質な側枝花蕾が収穫できます。 多湿地では、生育が悪くなり品質および減収の原因につながるので、高畝にするなど排水対策を行います。 ■畑づくりと施肥設計 肥料は10a当たり、堆肥3,000㎏、石灰80~100kgのほかに、成分量で窒素30~40kg、リン酸20~30㎏、カリ30~40㎏を標準とします。収穫期間が長いので緩効性肥料を多めに施用するとよいです。 初夏どりでは元肥中心の、秋どりでは元肥・追肥半々の肥料設計を行うよう心がけます。 本種は、多肥で十分株ができたときに茎の長い良質の花雷が多収できるので、生育を順調に進めることが大切です。 ■播種と育苗 夏まき栽培では、通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20~25℃)を確保します。また、極端な低温や低日照によるブラインドを防ぐため、光が確保しやすいハウスなどで育苗し、最低気温10℃以上を確保します。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、畝間65cm、株間50cm程度とし、10a当たり3,000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。営利栽培では、側枝の出荷が主体となるので、そろいをよくするため、頂花蕾が500円玉程度になったら、ピンチします。 ■病害虫防除 セル育苗ににおいてはトレーに菌が付着している場合があるので、消毒をしてから使用します。 定植後の病気としては、雨の多い年や排水の悪い圃場では、根こぶ病、黒腐れ病や黒斑細菌病、頂花蕾のピンチ後の傷口から軟腐病などが発生する場合があります。株間を広げて風通しをよくしたり、排水対策をするなど耕種的防除のほか、予防を中心とした早め早めの薬剤散布が効果的です。 害虫としては、シンクイムシ、ハスモンヨトウ、コナガ(リンシ目害虫)、アブラムシなどがあります。害虫によって発生する時期はほぼ決まっているので、その害虫に合わせた農薬を選択します。アブラムシなど多くの害虫は、葉の裏側や芯の奥深いところにいるので、適切な時期に丁寧に確実にかかるよう散布します。 ■収穫 側枝が伸びてきたら、蕾に締まりがあるうちに収穫を行い、長さをそろえて出荷します。1株当たり15本程度順次収穫できます。とり遅れると、蕾が緩んだり、開花して出荷ができなくなる場合があるので注意します。気温の低い早朝に収穫して、鮮度保持フィルムや氷などを使用して、品質保持に努めます。
カネコ種苗株式会社
耐暑性、早生性に優れ作りやすい! 特性 ●播種後85日で収穫となる極早生品種です。 ●花蕾は厚みのある滑らかなドーム形で、良くしまります。草勢がややおとなしく、茎は太く空洞が少ないです。 ●耐暑性が優れ、高温期の栽培でも花蕾形状が安定し、リーフィーの発生が少ないです。 ●黒腐病、黒斑細菌病に耐病性があります。 ●頂花蕾収穫後も引き続き側枝から収穫が可能です。 栽培要点 ●定植後の初期生育をスムーズに進めることが、良品生産、増収に繋がります。 ●花蕾の生育が揃い、肥大も優れるため、適期収穫をお願いします。
渡辺農事株式会社
店持ちに優れる、春・秋まき兼用中早生種 ■特性 ・播種後105日程度で収穫できる中早生種。春まきでも、秋まきでも適応する。 ・草姿は立性、葉は濃緑色の細葉、草勢は中位で倒伏に強い。 ・花蕾は締りの良い深緑色のドーム型。花茎が太く、ボリューム感がある。 ・収穫後の黄変が遅く、店持ち性に優れる。 ・細菌性の病害(黒腐れ病、黒斑細菌病など)に強い。 ■栽培のポイント ・春〜初夏どりの栽培では、茎葉の生育と花蕾形成が同時進行するため、苗の老化や植え傷みを防ぎ、順調な生育を促すよう心がける。 ・秋冬どり栽培では、高温障害や低温によるアントシアンを避けるため、適期播種を遵守すること。