病害耐性

根こぶ病耐性のブロッコリー品種一覧 全9種類

根こぶ病耐性ブロッコリー 根こぶ病とは 根こぶ病は、フィトミキセア(Phytomyxea)に属する原生生物 Plasmodiophora brassicae が引き起こすアブラナ科作物の重要土壌病害です。分類学上、一般的な糸状菌(カビ)や卵

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根こぶ病耐性について

根こぶ病耐性ブロッコリー

根こぶ病とは

根こぶ病は、フィトミキセア(Phytomyxea)に属する原生生物 Plasmodiophora brassicae が引き起こすアブラナ科作物の重要土壌病害です。分類学上、一般的な糸状菌(カビ)や卵菌類とは異なるグループに属しますが、防除の難しさという点では土壌病害の中でも特に厄介な部類に入ります。

最大の特徴は、土壌中に長期間生存できる休眠胞子を形成することです。この休眠胞子は、宿主植物が存在しない条件下でも10年以上にわたって土壌中で生き続けるとされており、一度感染した圃場から病原菌を完全に除去することは極めて困難です。

主な症状として、根に大小のこぶ(腫瘤)が形成されます。こぶが発達すると根の水分・養分吸収機能が著しく阻害され、地上部ではしおれ・黄変・生育不良が発生します。ブロッコリーでは花蕾(頂花蕾)の充実不良や奇形が起こり、出荷規格を満たせなくなるケースも少なくありません。重症の場合は株が枯死することもあります。

根こぶ病は土壌pHが酸性(pH6.0以下)で発生しやすく、土壌水分が多い条件で遊走子の活動が活発になります。発病適温は20〜25℃前後とされており、定植直後の高温期に感染が集中しやすい点に注意が必要です。

耐病性の区分と品種の仕組み

ブロッコリーの根こぶ病耐性は、品種カタログ上で「CR(Clubroot Resistance)」「根こぶ病耐病性」「根こぶ病抵抗性」などの表記で示されます。国際基準であるHR(高度耐病性)・IR(中程度耐病性)の区分が記載されているケースもありますが、メーカーによって表記スタイルが異なるため、カタログの表記ルールを確認しながら読むことが重要です。

品種選びで見落としがちなのが、根こぶ病菌にはレース(病原型)が存在するという点です。日本国内では、田中・伊藤の分類法によりグループ1〜4に区分されており、各グループへの対応力は品種によって異なります。あるレースへの耐性を持つ品種であっても、圃場で優勢な別のレースに対しては発病することがあるため、栽培地域での発生レースの把握が品種選びの精度を左右します。

耐性の仕組みとしては、ヨーロッパナタネやカブなどの近縁種から導入された耐病性遺伝子(CRa、CRb、Crr1、Crr2など)の組み合わせにより制御されています。複数の耐病性遺伝子を持つ品種ほど、より多くのレースに対して耐性を示す傾向がありますが、すべてのレースに完全対応できる品種は現時点では存在しません。

代表的な耐病性ブロッコリーとしては、CRルイス(トヨタネ株式会社)やCR夢剛力(ナント種苗株式会社)などが知られています。品種選びに際しては、耐性の有無だけでなく対応レースも確認することが重要です。

歴史と豆知識

根こぶ病は世界各地のアブラナ科作物栽培地域で古くから記録されており、日本においても明治期から発生が報告されています。長らく防除が難しい病害として生産者を悩ませてきましたが、1990年代に入ってハクサイで耐病性品種(CR品種)の開発が本格化し、その後ブロッコリーへの耐性導入も進みました。

意外と知られていないのですが、根こぶ病菌の休眠胞子は種子には付着しますが、種子を介した伝染の主要経路は土壌伝染です。汚染された土壌が農機具や苗の移動に付着して新たな圃場に持ち込まれるケースが、感染拡大の大きな原因となっています。圃場に搬入する資材の管理や農機具の洗浄が、新規の圃場汚染を防ぐ上で重要な実践です。

また、ブロッコリーはハクサイやキャベツに比べて栽培期間が短く、根系の発達も異なるため、根こぶ病の症状が外見に現れにくい場合があります。花蕾の充実不足や生育遅れが出てから初めて根こぶ病に気づくケースもあり、圃場のモニタリングには注意が必要です。

耐病性の限界と注意点

根こぶ病耐性品種の導入は有効な手段ですが、耐性品種であれば完全に発病を防げるわけではありません。以下の点について正しく理解しておくことが大切です。

レースの変異による耐性崩壊のリスクがあります。CR品種を同一圃場で長年連作すると、耐性を打破するレースが選抜・増殖するケースが国内各地で報告されています。特定のCR品種を何年も続けて使わず、異なる耐病性遺伝子を持つ品種を組み合わせたローテーション(品種ローテーション)が、レース多様化への対応として注目されています。

土壌中の菌密度が極端に高い圃場では、耐性品種であっても発病することがあります。休眠胞子の密度が非常に高い条件下では、品種の防御機構が追いつかない場合があるため、土壌消毒や石灰資材による土壌pH矯正との組み合わせが重要です。

環境条件も耐性の発現に影響します。酸性・高温・多湿が重なる条件では、耐性品種においても発病リスクが上昇します。ブロッコリーの定植時期が高温期と重なる夏作では、特に注意が必要です。

防除のポイント

ここからが実際の栽培で差がつくところです。根こぶ病の防除は、耐性品種の導入を軸にしながらも、複数の対策を組み合わせた総合的なアプローチが不可欠です。

土壌pHの矯正は最も基本的かつ効果的な対策の一つです。根こぶ病菌は酸性土壌で活動が活発なため、石灰資材(消石灰、炭酸カルシウムなど)を施用して土壌pHを7.0〜7.2程度に引き上げることで、発病を大幅に抑制できるとされています。ただし、過剰な石灰施用はマンガンや鉄などの微量要素欠乏を引き起こすため、土壌診断に基づいた適正量の施用が基本です。

輪作はもう一つの基本的な耕種的防除です。アブラナ科以外の作物(イネ科、マメ科など)と3年以上のローテーションを組むことで、土壌中の休眠胞子密度を低下させることが期待できます。ただし、休眠胞子の寿命が非常に長いため、輪作だけで菌密度をゼロにすることは困難です。

排水管理の改善も発病リスクの低減に有効です。根こぶ病菌の遊走子は水中を移動して根に到達するため、高畝栽培や暗渠排水整備による排水改善が感染の抑制につながります。

化学的防除としては、フルスルファミド剤などの土壌処理剤が広く用いられています。定植前の施用が基本であり、発病後の治療効果は期待できません。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

根こぶ病常発地域のブロッコリー産地では、CR品種の導入による改善効果を実感している生産者が多くいます。かつて根こぶ病で花蕾が充実せず歩留まりが悪かった圃場でも、CR品種への切り替えと土壌pH矯正を組み合わせたことで、安定した出荷が可能になったという声が聞かれます。

一方で、CR品種を長年使い続けた圃場で耐性崩壊が起きた事例も出ています。このような経験を持つ産地では、複数のCR品種をローテーションする管理方式を導入し、特定のレースが優勢化するリスクを分散する取り組みが広がっています。産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、CR品種の普及から十数年が経過した今、次のフェーズとして「耐性をどう維持するか」が新たな課題として浮上しています。

ブロッコリーはハクサイやキャベツより栽培期間が短いため、根こぶ病の被害が外見に出にくい反面、収穫期になってから初めて被害の深刻さに気づくケースがあります。定植後2〜3週間での根部の抜き取り調査を習慣化することで、早期発見・早期対応につなげることができます。

まとめ

根こぶ病は、アブラナ科作物の重大な土壌病害です。原因となる Plasmodiophora brassicae はフィトミキセアに属する原生生物で、土壌中に長期間生存する休眠胞子によって感染が繰り返されます。耐性品種(CR品種)の導入はブロッコリー栽培における根こぶ病対策の柱の一つですが、レースの多様性や環境条件によって効果が変動するため、品種の耐病性だけに頼らない総合的な防除体系の構築が重要です。

品種選びにあたっては、CR・HR・IR等の耐病性表記を確認するとともに、対応レースの情報も可能な限り把握しておくことがポイントです。土壌pH矯正、輪作、排水改善、品種ローテーション、適期の薬剤防除を組み合わせることで、長期的に安定したブロッコリー生産につなげることができます。

根こぶ病耐性を持つブロッコリー品種の一覧は、このページのタグが付いた品種ページからご確認いただけます。

9品種 表示中
CR 夢剛力

CR 夢剛力

ナント種苗株式会社

肥大に優れたCR根こぶ耐病性が登場! 花蕾締まり、乱れ少ない年内穫り100日タイプ。 【特 徴】 ● 中間地8月前半播種の11月~12月上旬穫り、暖地8月後半播種の11月下旬~12月穫りが最適期となる100日タイプのCR根こぶ耐病性ブロッコリー。 ● 根張りよく、根こぶ病に対して強い耐病性を発揮する。 ● 花蕾の締りが非常に良く、収穫適期を過ぎて大きくさせても花蕾形状が乱れにくく、死花の発生も少ない。青果用途だけでなく、業務加工用にも好適。 【栽培のポイント】 ● アントシアンは発生するので、作型・肥料切れには注意する。 ● 水吸収良く、徒長しやすい傾向があり、高温時期の育苗は水管理に注意。根鉢形成が早いので、数日早く定植することも徒長を防ぐポイント。 ● 根こぶ病に対して完全な抵抗性を示すわけではない。発生圃場では、pH矯正・薬剤散布など総合防除併用して対策する。また、黒すす病などの病気へは予防防除を行うこと。

CRルイス

CRルイス

トヨタネ株式会社

品種特性 ■特長 ・は種後90日程度で収穫できる早生品種。 ・草勢は中程度で、草姿は開帳性。 ・耐暑性に優れ、死花やキャッツアイの発生が少ない。 ・根こぶ病耐病性を持つ。 ■栽培のポイント ・定植後の活着不良は、短茎になるため活着促進に努める。 ・耐暑性はあるが、極端な早蒔きは避ける。 ・耐寒性はなく、アントシアンが発生するため遅蒔きも避ける。

MKS-B101

MKS-B101

ヴィルモランみかど株式会社

根こぶ病耐性を持つ早生種 ■特徴 耐病性 IR : 根こぶ病 ■品種の特性 1. 播種後90日タイプの早生種。根こぶ病に対して耐性がある 2. 草勢は中位でコンパクト。草姿はやや開張である。 3. 花蕾色は緑色で濃い。花粒は小さく、緻密でやや凸凹があり、締まりが良く、スムースで盛りが良い。 4. アントシアンの発生は比較的遅い ■栽培のポイント 1. 極端な早まき、遅まきでは、やや花蕾が乱れたり花蕾色が淡くなる傾向がある。 2. 作型図の播種期を守ること。

しげもり

しげもり

ヴィルモランみかど株式会社

萎黄病、根こぶ病に強く、省力で高秀品率! ■特徴 耐病性 IR : 根こぶ病 特性-1 花蕾の形:ドーム 花粒の大小:中 特性-2 熟期(は種後の日数):100日 草姿:やや立性 おすすめポイント 盛りよく、栽培しやすい中早生品種。 根こぶ病に対してほ場抵抗性を持つ。 ■品種の特性 1. は種後100日前後で収穫できる側花蕾兼用の中生種で秀品率が高い。 2. 草姿はやや立性で密植もでき、葉はやや大きいが花蕾までの高さは低く倒伏しにくい。 3. 花蕾は大型でしまりよいドーム型となり茎は太く空洞がないため重量がある。アントシアンの発生や花蕾の乱れも少なく高品質である。 4. 萎黄病のほか根こぶ病のほ場抵抗性を持ち、耐寒性があって作りやすい。 ■栽培のポイント 遅まきするとアントシアンの発生が懸念されるため播種期を守る。

アーリーキャノン

アーリーキャノン

株式会社サカタのタネ

根こぶ病耐病性で、耐暑性に優れる早生品種 ■特性 1. 播種後90日前後で収穫できる早生品種。 2. 草姿は開張性で、草勢は中程度。花蕾位置はやや低い。 3. 根こぶ病に耐病性がある。 4. 花蕾は小粒でスムーズなドーム形。 5. 耐暑性に優れ、高温期におけるキャッツアイなどの生理障害に強い。 ■適応性 高冷地・冷涼地の4月および6月播種で、7月および9月収穫、一般地・暖地の7月下旬~8月上旬播種で、10月中旬~11月収穫の作型に適します。春まきはボトニング(早期出蕾)のリスクが高いため避けます。また、低温期の収穫も花蕾にアントシアンが発生しやすいため避けてください。 ■作付計画 本品種の特長として、早生で耐暑性が優れる点があります。一方で高温期の収穫は、花蕾の肥大速度が早いため、収穫する労力の規模に応じて、作付けを計画します。 ■畑づくりと施肥設計 ブロッコリーは、多湿条件を苦手とする作物です。適度に水持ちがよく、排水性のよい圃場を選んでください。排水が悪い圃場は、排水溝の設置や高畝栽培など、排水対策をします。総施肥量(元肥と追肥の合計)は、10a当たりの成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度が標準です。ただし、土質によって肥料の効き方と持続力が異なるため、圃場に合った施肥設計を心がける必要があります。窒素成分の過剰施肥は、病気の誘発、リーフィーやキャッツアイの発生、花蕾の不整形などの品質低下を引き起こします。また、ホウ素欠乏は、茎の空洞などの生理障害の原因になるため、微量要素を含む肥料をバランスよく施用してください。 ■播種と育苗 風通しと日当たりのよい場所を選び、播種後は十分に灌水して、発芽まで乾燥させないように管理します。苗が徒長すると、病害虫の被害を受けやすく、定植後の活着が悪くなるなど、生育全般に悪影響を与えます。育苗床の施肥と灌水の管理に注意してください。また、定植前に十分に外の環境に順化させておくと、苗が強健になり、定植後の活着がスムーズになります。 ■定植および定植後の管理 標準的な栽植株数は、10a当たり約3,500~4,000株です。定植後、速やかに活着させ、初期生育を促すため、乾燥時には灌水を心がけてください。活着後は、除草や根張りを改善するため、中耕・培土(土寄せ)を行います。追肥は、株の生育具合を確認しながら適宜施してください。 ■病害虫防除 本品種は、根こぶ病に耐病性がありますが、菌密度が高い圃場や条件では、根のこぶが早期に発達して収穫に至らないことがあります。そのため、圃場準備および定植時の薬剤散布や排水対策など、総合的な防除を行ってください。また、本品種の特性上、病害虫が発生しやすい高温・多湿条件下で栽培となるため、予防的な防除を徹底するよう心がけてください。 ■収穫 高温期の収穫となるので、定期的に圃場を巡回し、とり遅れがないように計画的に収穫します。気温の低い時間帯に収穫し、収穫後は速やかに低温条件に置き、品質の保持に努めます。

グランドーム

グランドーム

株式会社サカタのタネ

花蕾の品質安定性、肥大性が優れる中晩生品種 ■特性 ● 播種後115~120日(定植後約90日)で収穫できる中晩生品種。 ● 草勢は旺盛で、根張りが強く耐湿性がある。側枝は少ない。 ● 花蕾は肥大性に優れるスムーズな豊円形で、締まりがよく小粒で濃緑色。 ● 生育のそろいがよく、秀品率が高い。 ● 夏まき年内どりのほか、低温に鈍感でボトニングになりにくいため、冬春まき栽培にも適する。 ■適応性 一般地7月中旬〜8月上旬まき11〜12月どり、暖地8月上〜下旬まき12〜1月どりが、最適作型です。十分な葉枚数を確保してから花芽が形成されるじっくり型の品種のため、関東近辺や日本海側など秋が短い地域では、肥大期の極端な低温による収穫期の遅延が見られる場合があるので、早まき栽培がおすすめです。 一方初期生育での低温によるボトニングに対しても強いので、一般地1月中旬〜2月上旬まき、初夏どり栽培も可能です。ただし、花芽形成後の高温は、花蕾生育に障害を発生させる場合があるので、極端な遅まき栽培は避け、遅くとも5月下旬ごろまでには収穫を終えるようにします。 なお、高・冷涼地の6月下旬〜7月上旬まき10月中旬〜11月中旬どりにも適しますが、収穫期幅が狭いので注意が必要です。 ■畑づくりと施肥設計 排水のよい適度に水分のある畑を選びます。特に春まき栽培では、生育が低温期に当たるため早めに畑を準備します。施肥量は、全成分量で10a当たり窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。ただし、元来この品種は、草勢強く、吸肥力も強いため、多肥条件下では過繁茂による病気の助長や急激な生育による茎の空洞症が発生する場合があるので、株をコンパクトに作るよう、各圃場の地力に合わせた施肥設計を行うことが大切です。 ■播種と育苗 春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20〜25℃)を確保します。一方夏まき栽培では、通風、日当りのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。特にセル育苗では、徒長を防ぐため、夕方には床土の表面が乾く程度に灌水するのがポイントです。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり3,500本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。株をコンパクトに作る意味では、大苗定植のほうが向いていますが、セル育苗でも特に問題はありません。冬まき・早春定植の場合は、ビニールトンネルやマルチなど被覆資材を使用すると、収穫期が早まり花芽分化後の高温障害を避けるのに効果的です。夏まき・秋どり栽培のような高温期の生育時に乾燥が続く場合は、灌水します。また活着後雑草が芽生え始めたころに中耕すると、除草効果とともに排水をよくし、生育の促進につながります。急激に肥料が効いて生育過多にならないように注意しながら、生育状況に合わせて出蕾前に追肥を2〜3回程度施します。一方花蕾肥大期の完全な肥料切れは、花蕾の小玉化、アントシアンの発生につながるので、最後まで肥料を切らさないように管理することも大切です。 ■病害虫防除 定植圃場に病害虫を持ち込まないよう、育苗時に徹底した病害虫防除を行います。一方、本圃ではべと病、黒腐病、黒斑病などが発生しますが、予防的薬剤散布に努めるとともに、排水性、通風性を良好にし、病害の発生しにくい環境作りが望まれます。また根こぶ病については、良質堆肥の施用、pHの矯正、排水対策や適切な薬剤散布など総合防除に努めることが大切です。害虫は、栽培時期や生育ステージによって発生する種類が異なるので、それぞれに応じた薬剤を用いて、効果的に防除します。 ■収穫 秋冬どりでは、低温によりアントシアンが発生する場合があるので、適期収穫を心がけるようにします。

グリーンキャノン

グリーンキャノン

株式会社サカタのタネ

根こぶ病耐病性で、花蕾形状に優れる中生品種 ■特性 ● 播種後115日前後で収穫できる中生品種。 ● 草姿は立性で、草勢は中程度。側枝の発生は少ない。 ● 根こぶ病に耐病性がある。 ● 花蕾は小粒で濃緑色、スムーズなドーム形で締まりがよい。 ● 茎はやわらかく、出荷調整がしやすい。 ■適応性 夏まき秋冬どり専用品種です。春まき栽培には適しません。 一般地8月1~15日まき・11~12月どり、暖地8月10~25日まき・12~1月どりに適します。極端な早まき栽培は、花蕾の緩みや死花の発生を誘発し、一方極端な遅まき栽培は、低温による生育の遅延や花蕾のアントシアン発生を助長するので注意が必要です。 ■畑づくりと施肥設計 総施肥量(元肥と追肥)は、10a当たり成分で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準とします。収穫期が厳寒期になる遅まき栽培では、肥効の低下による生育の遅延や花蕾のアントシアン発生を防ぐため、良質堆肥の施用・追肥を適宜施し、肥効を持続させることが大切です。根こぶ病汚染圃場では、石灰質肥料の施用によるpHの調整、排水溝の設置、定植前の薬剤散布など総合的防除を行います。 ■播種と育苗 通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分に灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。発芽適温は20~25℃なので、遮光などをして極端な高温にならないよう心がけます。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、10a当たり約4,000本を標準とするが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。セル育苗では、活着促進のため老化苗にならないように定植します。特に根こぶ病汚染圃場へ定植する場合、活着不良やその後の初期生育の遅れは根こぶ病の被害を拡大させるので、定植後の灌水、活着後の中耕などを状況に応じて適切に行い、初期生育を促します。また、12~1月収穫の極低温条件下では生育がやや緩慢になる傾向があるので、出蕾前後に追肥を施し肥切れしないようにします。 ■病害虫防除 根こぶ病に対して完全な抵抗性を示すわけではないので、圃場準備および定植時の薬剤散布や、排水対策など総合的防除を行います。その他の病害虫対策についても、通常のブロッコリー栽培に準じます。雨が多い年は、黒腐病や花蕾腐敗病(軟腐病)など細菌病が発生する場合があるので、予防的防除に努めます。 ■収穫 高温下での収穫では死花が発生しやすい場合があるので、適期収穫を心がけるとともに、できるだけ高温条件にならないよう涼しい時間帯で収穫、出荷調整するようにします。

スティックセニョール

スティックセニョール

株式会社サカタのタネ

茎がとてもおいしい茎ブロッコリー ■特性 ● 播種後90日前後で花茎の長い頂花蕾が収穫できる。 ● 頂花蕾収穫後、細く長い小型側花蕾が合計15本程度収穫できる。 ● 頂花蕾、側花蕾は共に食味がよく、特に茎はやわらかく甘みがあり、ブロッコリーとは異なる風味をもつ。 ● 草姿立性で耐暑性が優れる。 ■適応性 一般地では、2月中旬から3月中旬、7月上旬から8月中旬、高冷地・冷涼地では、4月上旬から7月下旬まで播種可能で、初夏から晩秋まで収穫できます。しかし、収穫期が7月~9月となる作型では、病害虫の発生しやすくなる時期なので、徹底した防除が必要です。遅まき栽培では、株張りが弱く、特性が発揮できません。 各種土壌に適応しますが、有機質の多いやや粘土質土壌で良質な側枝花蕾が収穫できます。 多湿地では、生育が悪くなり品質および減収の原因につながるので、高畝にするなど排水対策を行います。 ■畑づくりと施肥設計 肥料は10a当たり、堆肥3,000㎏、石灰80~100kgのほかに、成分量で窒素30~40kg、リン酸20~30㎏、カリ30~40㎏を標準とします。収穫期間が長いので緩効性肥料を多めに施用するとよいです。 初夏どりでは元肥中心の、秋どりでは元肥・追肥半々の肥料設計を行うよう心がけます。 本種は、多肥で十分株ができたときに茎の長い良質の花雷が多収できるので、生育を順調に進めることが大切です。 ■播種と育苗 夏まき栽培では、通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20~25℃)を確保します。また、極端な低温や低日照によるブラインドを防ぐため、光が確保しやすいハウスなどで育苗し、最低気温10℃以上を確保します。 ■定植および定植後の管理 栽植密度は、畝間65cm、株間50cm程度とし、10a当たり3,000本を標準としますが、栽培時期によって株の大きさが異なるので多少の増減を行います。営利栽培では、側枝の出荷が主体となるので、そろいをよくするため、頂花蕾が500円玉程度になったら、ピンチします。 ■病害虫防除 セル育苗ににおいてはトレーに菌が付着している場合があるので、消毒をしてから使用します。 定植後の病気としては、雨の多い年や排水の悪い圃場では、根こぶ病、黒腐れ病や黒斑細菌病、頂花蕾のピンチ後の傷口から軟腐病などが発生する場合があります。株間を広げて風通しをよくしたり、排水対策をするなど耕種的防除のほか、予防を中心とした早め早めの薬剤散布が効果的です。                     害虫としては、シンクイムシ、ハスモンヨトウ、コナガ(リンシ目害虫)、アブラムシなどがあります。害虫によって発生する時期はほぼ決まっているので、その害虫に合わせた農薬を選択します。アブラムシなど多くの害虫は、葉の裏側や芯の奥深いところにいるので、適切な時期に丁寧に確実にかかるよう散布します。 ■収穫 側枝が伸びてきたら、蕾に締まりがあるうちに収穫を行い、長さをそろえて出荷します。1株当たり15本程度順次収穫できます。とり遅れると、蕾が緩んだり、開花して出荷ができなくなる場合があるので注意します。気温の低い早朝に収穫して、鮮度保持フィルムや氷などを使用して、品質保持に努めます。

緑嶺

緑嶺

株式会社サカタのタネ

品質がよく、夏まきのほか春まきにも好成績の中早生品種 ■特性 ● 播種後105日前後で収穫できる中早生品種。 ● 栽培適応性が広く、どの作型でも品質のよい花蕾となる。 ● 葉は濃緑で厚い。根張りがよいので、過湿や乾燥に強く、倒伏しにくい。 ● 花蕾は形よく厚みがあり、締まりがよく、崩れが遅いので出荷調整がしやすい。 ■適応性 温暖地の夏まきでは7月中旬~8月中旬に播種し、10月下旬~12月下旬に収穫します。春まきでは2月上旬~下旬に播種し、5月中旬~6月中旬に収穫します。寒冷地では3月~4月に播種し、6月中旬~7月下旬に収穫するものと、6月上旬~7月下旬に播種して、9月上旬~11月上旬に収穫する栽培型に適します。 土壌は水田から火山灰土まで各種土壌に適応します。 ■畑づくりと施肥設計 堆肥など有機質肥料のほか、苦土石灰10a当たり80~100kg全面に施して耕耘し、その後植溝を掘って、窒素15kg、リン酸18kg、カリ15kg程度を元肥として施します。後の追肥も入れて10a当たり成分量で窒素23kgです。リン酸18kg、カリ20kg程度が適当です。 ■播種と育苗 夏まき栽培では、通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水し、発芽まで乾燥させないように管理します。春まき栽培では、発芽を均一にするため地温(20~25℃)を確保します。また、極端な低温や低日照によるブラインドを防ぐため、光が確保しやすいハウスなどで育苗し、最低気温10℃以上を確保します。 ■定植および定植後の管理 定植後は中耕と除草を兼ねて、植え付け後15~20日ごろに第1回の追肥を行うと同時に、株元に土寄せを行って、風によって苗が回されるのを防ぎます。 ■病害虫防除 セル育苗ににおいてはトレーに菌が付着している場合があるので、消毒をしてから使用します。 定植後の病気としては、雨の多い年や排水の悪い圃場では、根こぶ病、黒腐れ病や黒斑細菌病、頂花蕾のピンチ後の傷口から軟腐病などが発生する場合があります。株間を広げて風通しをよくしたり、排水対策をするなど耕種的防除のほか、予防を中心とした早め早めの薬剤散布が効果的です。                     害虫としては、シンクイムシ、ハスモンヨトウ、コナガ(リンシ目害虫)、アブラムシなどがあります。害虫によって発生する時期はほぼ決まっているので、その害虫に合わせた農薬を選択します。アブラムシなど多くの害虫は、葉の裏側や芯の奥深いところにいるので、適切な時期に丁寧に確実にかかるよう散布します。 ■収穫 本種は締まりのよい豊円な花蕾で、花蕾のくずれも遅いので、収穫が多少遅れても大型になるだけですが、あまり大型で1ケースに4~5個しか入らないようでは安くなるので、直径12~13cmの花蕾になったときに収穫します。

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