栽培環境・条件

耐暑性のナス品種一覧 全35種類

耐暑性ナス 耐暑性とは 耐暑性とは、高温環境下においても生育・着果・品質が安定して維持される特性です。ナス(Solanum melongena L.)はインド原産の高温性作物であり、生育適温は25〜30℃とされています。しかし、近年の夏季の

ノリタケ ファインバブル装置 — 株重量+27% 糖度+31% 病害抑制

耐暑性について

耐暑性ナス

耐暑性とは

耐暑性とは、高温環境下においても生育・着果・品質が安定して維持される特性です。ナス(Solanum melongena L.)はインド原産の高温性作物であり、生育適温は25〜30℃とされています。しかし、近年の夏季の気温上昇により、35℃を超える高温が長期間続く条件では、着花不良・落花・着果の低下が問題になるケースが増えています。

高温による着果不良のメカニズムには主に2つの要因があります。一つは花粉の活力低下で、35〜40℃を超える高温では花粉の発芽率が著しく低下し、受精が成立しにくくなります。もう一つは花器の発育異常で、高温ストレスが続くと短花柱花(雌しべが短い花)の割合が増え、受粉がうまく行われなくなります。この二つが重なって「花は咲いているが着果しない」という状態が起きます。

耐暑性品種は、これらの高温ストレス下でも比較的安定した花粉活力を維持し、正常な花を着けやすい特性を持つよう育種されています。「耐暑性が高い」という表記の品種は、高温期(7〜9月)の着果安定性に優れていることを示しています。

耐暑性ナスの魅力

生産者にとっての最大の魅力は、夏場の収量安定性です。露地・施設を問わず、7〜9月の高温期に着果が低下すると、盆以降の出荷量が大幅に落ち込みます。耐暑性品種を選ぶことで、この「夏越しの壁」を乗り越え、秋まで安定した収穫を続けられる可能性が高まります。

夏場のナスは市場価格が比較的高く維持されるシーズンと重なることがあります。高温期でも安定して出荷できる耐暑性品種は、収益の安定化に貢献します。特に業務用の定期取引では、猛暑の年でも出荷量を落とさないことが取引先からの信頼につながります。

また、夏越しができない品種は一度収量が落ちると株の回復が難しく、秋のピーク需要に対応できないケースがあります。耐暑性品種を選ぶことで、秋の収穫まで株を健全に維持する可能性が高まります。

適した作型と地域

耐暑性ナスが特に効果を発揮するのは以下の条件です。

気温が35℃を超える期間が長い地域・年: 関東・東海・関西・九州など、夏季の高温が厳しい産地では耐暑性品種の価値が高まります。一方で、夏季でも気温が比較的低い東北・北海道などでは、耐暑性よりも他の特性(食味・着果性等)を優先することが現実的です。

夏秋作の長期栽培: 4〜5月定植から10〜11月まで収穫を継続する夏秋栽培では、7〜9月の高温期を乗り越えることが収量の最大化に直結します。耐暑性品種はこの作型での長期間の安定着果に貢献します。

抑制栽培(夏まき秋出し): 7〜8月に定植し、高温期から栽培を開始する抑制栽培では、定植直後の高温ストレスへの適応力が品種の適性を左右します。

栽培のポイント

ここからが実際の栽培で差がつくところです。耐暑性品種を選んでも、管理を怠ると高温ストレスを緩和しきれない場合があります。品種の耐暑性と栽培管理を組み合わせることで、高温期の安定生産が実現します。

灌水管理が高温期の最重要管理事項です。高温・乾燥条件が重なると植物体の温度上昇を招き、着果不良が悪化します。朝夕の灌水で株体の温度を下げるとともに、土壌水分の安定維持で根の活性を保ちます。夕方の葉面灌水(降雨を模した散水)で気化冷却効果を図る産地もあります。

マルチングによる地温抑制も有効です。白色またはシルバーマルチを使用することで、地温の過剰な上昇を防ぎ、根の環境を保護します。

追肥の継続も樹勢維持に欠かせません。高温期は蒸散量が増えて養分の消費が旺盛になるため、定期的な追肥で株を栄養面から支えます。葉色が薄くなってきたら追肥のサインと捉え、早めに対応します。

整枝で樹内部の通気性を確保することも、高温・多湿による病害リスクの低減につながります。特に施設栽培では換気を十分に行い、施設内温度が過剰に上昇しないよう管理します。

タキイ種苗株式会社の筑陽・PC筑陽・竜馬、株式会社サカタのタネの飛天長・黒福、株式会社トーホクの清黒中長ナス 紫輝(しき)・南竜本長ナス、丸種株式会社のふわとろ長・黒の匠・水の匠など、夏期の安定着果を特長として挙げる品種が選択肢として流通しています。

品種選びのコツ

耐暑性ナスの品種選びでは、以下の点を確認することが重要です。

  • 「耐暑性」「夏越し」の表記: カタログにこれらの記述があるか。可能であれば夏期の着果試験データを確認する
  • 作型との適合: 夏秋作・抑制作型それぞれに適した品種があるため、栽培する作型を明確にして選ぶ
  • 地域の気候: 地元の農業試験場や農協の情報で、地域の気候に合った品種の実績を確認する
  • 多収性との両立: 耐暑性を持ちながら着果数も多い品種が、収益安定の観点から有利
  • 病害耐性: 夏の高温は病害リスクも高める。半身萎凋病・青枯病に対応した台木との組み合わせを検討する
  • 食味・市場評価: 耐暑性と品質特性の両立を確認する。産地での使用実績や出荷先の評価を参考にする

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、同じ「耐暑性品種」でも、地域の気候条件によって実際の高温期着果安定性に差が出ることがあります。できれば試作で自圃場の夏期条件での着果安定性を確認することが、失敗リスクを低減する現実的な方法です。

市場動向とこれから

夏季の気温は長期的に上昇傾向にあることが報告されており、耐暑性品種の重要性は今後も増していくと考えられます。種苗メーカーでは、高温下での着果安定性を向上させる品種開発が継続的なテーマとなっており、既存品種の改良や新品種の投入が続いています。

また、施設栽培での環境制御技術(自動換気・細霧冷房等)の普及も、ナス栽培における高温対策の選択肢を広げています。こうした環境制御技術と耐暑性品種を組み合わせることで、夏季の安定生産の精度がさらに高まることが期待されます。

消費者の需要面では、夏のナスは季節感のある食材として根強い人気があります。夏に美味しいナスを安定供給できる産地・農家の存在感は、高温年に特に際立ちます。

まとめ

耐暑性ナスは、35℃を超える高温下でも着花・着果の安定性を保ちやすい特性を持つ品種群です。近年の夏季の気温上昇を背景に、夏秋作・抑制作型での安定生産に欠かせない特性として注目が高まっています。

品種選びでは、耐暑性の表記に加え、地域・作型の適合性・多収性・病害耐性を総合的に確認することが重要です。品種の特性を灌水・マルチング・整枝・換気といった栽培管理で補完することで、高温期の安定生産につながります。

耐暑性ナスが紐づく品種の一覧は、ミノリスの品種ページからご確認いただけます。

35品種 表示中
トルバムビガー

トルバムビガー

カネコ種苗株式会社

特性 ●半身萎凋病、半枯病、青枯病、ネコブセンチュウに対して耐病性を有する台木専用ナスです。 ●草勢が強く、耐暑性が強いためトンネル早熟から抑制栽培の作型に適応性があります。 ●ヒラナス(赤ナス)台木や自根ナスでは草勢が十分でない圃場でも、きわだった効果を示し長期栽培可能となります。 ●穂木よりも、25日程度早く播種してください。 ●イキイキプライミング種子については、穂木よりも15日程度早く播種してください。 ※上記台木品種の特性を十分に発揮するため、作付圃場には簡易的にでも耕種的防除を行ってください。 イキイキプライミング種子 ※プライミング種子は発芽促進処理がしてあります。 ※床土は通気性と保水性の良い土壌を使用してください。 ※播種後は従来と同様に20~30℃での変温管理をしてください。

京まんじゅう

京まんじゅう

丸種株式会社

味よくユニークな、まんじゅう型ナス! 1. 果重は春作で400g、秋作で350g前後となる、まんじゅう型のユニークなナスです。 2. 果肉は白色で肉質は緻密、バター焼きにして 大変美味で、煮物・田楽や炒め物にも最適です。 3. 果皮はやわらかく、テリのある美しい黒紫色で盛夏期でも色ボケの発生が少ない品種です。 4. 草姿は半立性で草勢は中位、耐暑性に優れており栽培は容易です。葉は薄緑色の大葉で、着果性に優れた中早生種です。

千里長茄子

千里長茄子

宝種苗株式会社

黒紫色でツヤが良い! 肉質もやわらかく高品質。 ●果実は新長崎長より細く、果色・光沢は他の長茄子より優れる。 ●皮はやわらかく、品質は特に優れている。 ●果長35~40cm、黒紫色でツヤがある。ヘタの首部は紫色。 ●草姿は立性で草勢強く、耐暑性も強い。葉は大葉で枝も太い。 ●石茄子・夏ボケは特に少なく、果実内種子数が大変少ないため、 市場性が高い品種。

墨染長(すみぞめなが)

墨染長(すみぞめなが)

丸種株式会社

焼きナスにして美味しい大長タイプ 1. 熟期は早生、着果安定性があり初期収量性に優れた豊産種です。草姿は立性で節間やや短く中葉、側枝の発生が多く、草勢旺盛で耐暑性に優れています。 2. 果長30cm位、ヘタは大きく首の太い重量感あふれる本長茄子です。果色は光沢のある濃紫色で果肉やわらかく果実内種子数も少ないです。 3. 焼きナスとして皮をむけば果肉は鮮緑色で美しく甘味があり、とろける美味しさです。

新長崎長茄子

新長崎長茄子

八江農芸株式会社

■特長 ・露地栽培に適する夏秋収穫用の大長ナスです。 ・生育は1番花の開花する頃、旺盛に経過し、耐暑、耐湿性があり草勢が強いです。 ・草姿は半開帳性を呈し、着花は4葉に1花を着生し、夏秋収穫の長ナス品種群の中では晩生種に属します。 ・果実の長さは35cm内外が標準で、果皮色は光沢に優れ黒紫色を呈し、ヘタ下は淡い緑色です。 ・果肉は軟らかく、種子の入りは果実の先端部に集中し比較的少ないです。 ・果姿は細長でヘタ部から胴部は細く、4~5cmの太さで均整がとれスマートです。

白丸茄子

白丸茄子

中原採種場株式会社

耐暑性が強く、アクが少ない高品質の白丸ナス!! ■特性 ・耐暑性が強く、露地栽培に適す中生種、果は首の太い長卵形の白丸ナス。 ・草姿は立性で草勢強く、大葉で枝太く、節間長は中短で作りやすい。 ・果色は淡緑色でツヤがあり、ヘタはやや大きくて、果皮はややかたいが、果肉が特にやわらかで、煮食に適す。

藤姫長茄子

藤姫長茄子

株式会社タカヤマシード

炒めてトロうま!鮮やか長ナス ■特性 1.本種は耐暑性のある長ナスの一代交配種である。 2.果長は40cm内外で、果径約3cm、果重200gくらいとなる。 3.高温時の栽培でも、果実は固くなりにくく柔らかい。又、低温期でも首細果、尻太果、先尖り果が出にくい。 4.果色はうす紫色で、ツヤ・照りがある。 5.肉質は従来の長ナスよりやや緻密で、炒め物・煮炊きの他、漬物にも適する。 6.草姿は半開張性を示し、草勢は旺盛。分枝力があり、花数の多い豊産種である。 ■ポイント 1.肥切れを起こさない様、適宜追肥をする。 2.水分を切らさない様、灌水量はやや多めにする。 3.風通しをよくし、採光をよくする為に、過繁茂にならない様、心掛ける。

長紫(ちょうし)

長紫(ちょうし)

丸種株式会社

食味最高の大長ナス 栽培容易な豊産種 1. 草姿は半立性で草勢強く、耐暑性があり高温期での着果性に優れた栽培容易な豊産種です。 2. 熟期は中早生で、果実は35cmくらいになる大長ナスです。果皮はツヤのある黒紫色で、ヘタ下の紫との調和も美しく、高温条件下でも色ボケ果や曲がり果の発生も少ないです。 3. 果肉は鮮緑色でやわらかく、品質は極上で甘味があり食味最高です。種子数が少なく焼きナス・炒め物に最適です。

黒錦3号

黒錦3号

八江農芸株式会社

■特長 ・早熟、露地、ハウス抑制栽培に適する夏秋収穫用の大長ナスです。 ・生育は1番花の開花する頃、旺盛に経過し、耐暑、耐湿性があり草勢が強いです。 ・草姿は半開帳性を呈し、着花は3葉に1花を着生し、夏秋収穫の長ナス品種群の中では晩生種に属します。 ・果実の長さは25~27cm位が標準で、光沢に優れ黒紫色です。 ・果肉は軟らかく、種子の入りは果実の先端部に集中し比較的少ないです。 ・果姿はヘタ部から花落ち部まで均整のとれた太さで、シリンダー型の長ナスです。

メランツァーネ・ルンガ

メランツァーネ・ルンガ

トキタ種苗株式会社

高温着果性良いイタリア長ナス ■特性 イタリアでは定番の形の黒長ナス。中をくりぬいて刻んで詰め物してグリルをしたりする。ズッキーニと同じような感覚で使うことが多いようです。果実色は黒色で、まっすぐな果実形状。収穫適期サイズは長さ20cm程、果重180g程。耐暑性強く、高温着果性が高く、多収性品種。果実の太さはどの部分も4〜5cm程で均等にカットしやすい。 ■栽培上の注意 収穫適期サイズより大きくなると果肉内の種子が硬くなり始めるため適期サイズで収穫する。 発芽―育苗がちょっと難しいですが栽培自体は簡単。 ■播き時期 低温時播種では芽だしに加温が必要。発芽適温25〜35℃(昼夜変温が効果的)。 ■播種方法 芽切れさせたタネをポットに播き、育苗中は昼25℃夜16℃程度確保できれば申し分ない。育苗期間は60日前後はかかるとみておくとよいでしょう。 ■植え付け プランターなら1株。株間は予定する仕立て方により変わり、2本仕立てならば株間45cm前後。3〜4本仕立てならば65cmを目安に120cm前後の畝に1条植えとします。 ■土壌条件 日当たり、水はけよく、肥沃な土壌が良い。 ■肥料 土づくりとして、1平方メートルあたり苦土石灰150〜200g、完熟堆肥を5リットル。元肥の低度化成肥料(N:P:K=8:8:8)を平方メートルあたり150〜180g全層施肥。 定植後1週間、十分活着したら1回目の追肥として低度化成肥料を40g程度与え中耕します。それ以降は、2週間ごと目安に、化成肥料を平方メートルあたり30〜40g、展開している葉先の下あたりに施し、覆土します。肥料切れと乾燥は、果実の太り、着果の良否に関わるので、追肥と灌水に留意します。 樹勢判断は、花のめしべの長さを見て判断し、めしべの柱頭がおしべより長い花が多ければ順調、短い花が多ければ、弱まっているので追肥を求めるサインです。 特に夏の地温を和らげるため、敷きわらやマルチングが有効です。 ■収穫 1番果は早めに収穫する。とり遅れの無いように適宜収穫します。 ■料理 中をくりぬいて刻んで詰め物してグリルをしたりする。加熱調理がおすすめ。

残り25品種を見る ›
苗注文サービス

苗の注文サービス

ミノリスでは苗の注文・見積もり依頼が可能です。

  • 見積もり無料・キャンセル可
  • 2〜3営業日以内に回答
  • 有機栽培対応
詳しくはこちら ›