病害耐性

黒腐病耐性のキャベツ品種一覧 全109種類

黒腐病耐性キャベツ 黒腐病とは 黒腐病は、細菌(Xanthomonas campestris pv. campestris)によって引き起こされるキャベツの重要病害です。糸状菌(カビ)によるフザリウム病や根こぶ病とは異なり、細菌が病原体であ

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黒腐病耐性について

黒腐病耐性キャベツ

黒腐病とは

黒腐病は、細菌(Xanthomonas campestris pv. campestris)によって引き起こされるキャベツの重要病害です。糸状菌(カビ)によるフザリウム病や根こぶ病とは異なり、細菌が病原体である点が防除戦略の上で大きな意味を持ちます。

発症の典型例として、葉の縁から内側に向かってV字形の黄化病斑が現れます。病斑の内部では維管束(葉脈)が黒褐色に変色し、そこから病名の「黒腐病」が由来しています。発病が進行すると病斑が融合して葉全体が黄化・枯死し、球の内部にまで病変が及ぶと出荷不能になります。根元から感染が進んだ場合には、球を縦断すると内部の維管束全体が黒変していることが確認できます。

伝染経路は多様です。種子伝染、土壌伝染、雨水による飛散、害虫(アブラムシやアオムシなど)が傷をつけることによる感染など、複数の経路で広がります。特に種子伝染は遠距離への病原体の拡散に関わるため、健全な種子の使用が防除の出発点になります。

発生しやすい条件は、高温・多湿の環境です。気温25〜30℃の高温時に雨が続く梅雨〜盛夏期、および台風後などに被害が拡大しやすいことが知られています。夏秋どりの作型が特に被害を受けやすく、連作圃場では土壌中に残存した細菌が感染源になります。

黒腐病耐性の区分

キャベツにおける黒腐病耐性は、萎黄病(YR表記)や根こぶ病(CR/YCR表記)ほどには品種カタログ上での統一的な略号表記が定着していません。これは、黒腐病が複数の伝染経路を持ち、品種間の耐病性差が環境条件によって変動しやすいことも一因です。

品種カタログでは「黒腐病に強い」「黒腐病耐性」などの記述で耐病性が示されますが、その程度はHR(高度耐病性)からIR(中程度耐病性)相当まで幅があります。多くの場合、「総合耐病性」あるいは「複合耐病性」として萎黄病耐性や根こぶ病耐性とセットで記載されており、黒腐病単独での耐病性レベルを比較することが難しいケースもあります。

品種選びで見落としがちなのが、耐病性と栽培環境の組み合わせです。耐病性を持つ品種であっても、高温・多湿条件が重なれば発病リスクは上昇します。品種の耐病性の程度と、圃場環境・作型の組み合わせを考慮したうえで判断することが重要です。

歴史と豆知識

黒腐病の病原細菌 Xanthomonas campestris pv. campestris は、アブラナ科野菜に広く病害を引き起こす病原体として世界的に知られています。キャベツだけでなく、ブロッコリー、カリフラワー、ハクサイなどのアブラナ科野菜も罹病するため、農業上の重要度が高い病害です。

日本での研究の歴史は古く、明治時代にはすでにアブラナ科野菜の病害として報告があります。しかし、耐病性育種の観点でキャベツの黒腐病対策が本格化したのは、農業の集約化が進んだ戦後から1970年代以降です。

意外と知られていないのですが、黒腐病の伝染には昆虫が深く関わっています。アオムシやコナガなどが葉を食害した傷から細菌が侵入するケースが圃場では頻繁に起きています。虫害の防除が黒腐病の間接的な予防にもなるという点は、害虫と細菌病の両方を意識した管理の重要性を示しています。また、収穫後の残渣(株・葉)に菌が残存し、次作の感染源になることも知られており、残渣処理の徹底が連作圃場での被害軽減に有効とされています。

耐病性の限界と注意点

黒腐病耐性品種の利用は防除の重要な選択肢ですが、いくつかの限界点を理解しておく必要があります。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。細菌病は糸状菌病と異なり、防除薬剤の選択肢が限られます。登録農薬の数が少なく、耐病性品種への依存度が高くなりがちな反面、その耐病性の「上限」を環境条件が超えてしまうと一気に発病が拡大するリスクがあります。

高温・多湿の環境条件では、耐病性品種でも発病することがあります。特に梅雨の長期化や台風の直撃後は、耐病性品種であっても圃場全体での発病が起きるケースがあります。

種子伝染の問題も看過できません。たとえ耐病性品種であっても、罹病した種子から育てた苗を定植すれば、そこが感染源になります。採種段階での衛生管理や種子消毒が有効な対策ですが、購入種子の場合はメーカーの種子衛生管理に依存することになります。

また、Xanthomonas campestris pv. campestris の菌株間には病原性の差異が報告されており、地域によって発生する菌株の傾向が異なる可能性があります。地元の農業試験場や農業改良普及センターのアドバイスを参考にすることが実践的です。

防除のポイント

黒腐病の防除は、耕種的防除・化学的防除・品種選択を組み合わせたIPM(総合的病害虫管理)のアプローチが基本になります。

耕種的防除としては、まず輪作が重要です。アブラナ科野菜の連作を避け、イネ科作物などとの計画的なローテーションを組むことで、土壌中の細菌密度を低下させることが期待できます。

残渣管理も防除上の重要ポイントです。収穫後に圃場に残った株・葉は速やかに除去・処分することで、土壌や残渣内に残る菌が次作の感染源になることを防ぎます。深耕によって残渣を土壌深くに埋め込む方法も採用されています。

害虫防除と組み合わせた管理も効果的です。アオムシ・コナガ・アブラムシ等の害虫を適切に防除することで、食害痕からの細菌感染を間接的に減らすことができます。害虫と細菌病を切り離して考えず、総合的な圃場管理として捉えることが実践的です。

化学的防除については、銅剤(水酸化第二銅などの銅水和剤)が細菌病への登録農薬として利用されています。予防的な散布が基本で、発病後は効果が限られます。特に降雨前後や害虫による食害発生後に散布のタイミングを合わせることが効果的です。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

千葉・茨城などのキャベツ産地では、夏秋どりの時期に黒腐病のリスクが高まると認識されています。高温多湿の時期と重なることや、台風の接近によって被害が拡大した事例があるため、気象情報を参照した予防的な防除計画が実践されています。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、黒腐病耐性品種の選定は「萎黄病(YR)と根こぶ病(CR)を優先し、黒腐病耐性はあればプラス」という考え方で行われているケースが多い印象です。黒腐病単独での品種切り替えよりも、総合耐病性の高い品種に移行する流れが主流です。

農業試験場の技術情報によれば、種子の温湯消毒(50℃で25〜30分処理)が黒腐病の種子伝染を防ぐうえで有効とされています。この方法は農薬を使わずに実施できるため、有機栽培や農薬低減に取り組む産地でも採用されています。圃場での防除だけでなく、種子段階からの対策という視点も持っておくことが、黒腐病対策の基本です。

まとめ

黒腐病は Xanthomonas campestris pv. campestris による細菌病で、葉縁からのV字形病斑と維管束の黒変を特徴とします。種子伝染・土壌伝染・昆虫による傷からの感染など多様な感染経路を持ち、高温・多湿の環境条件下で被害が拡大しやすい病害です。

耐病性品種の利用は有効な対策ですが、黒腐病は萎黄病(YR)や根こぶ病(CR)に比べて品種カタログ上での耐病性区分が統一されておらず、品種間の比較が難しい面があります。品種選びにあたっては種苗メーカーに耐病性レベルを確認し、輪作・残渣処理・害虫防除・適切な農薬防除と組み合わせた総合的な管理体系を構築することが、安定したキャベツ生産につながります。

キャベツ品種の詳細はミノリスのキャベツ品種一覧で確認できます。耐病性の組み合わせを比較しながら、圃場の状況に合った品種を選定してください。

109品種 表示中
いろだま

いろだま

有限会社フジミ・オフィス

鮮やかな濃緑色の美玉 特性 1)耐寒性、低温結球性に優れた寒玉種 2)耐病性、特に黒腐病、芯腐病、菌核病に強く、裂球殆どなく在圃性良く、土壌適応性が広い 3)甲高扁円で1.5kg位で良く揃い、鮮やかな光沢のある濃緑色で艶があり尻部まで緑色を呈する 4)低温期でもアントシアンの発生なく、市場性も抜群で、食味も良い 栽培の要点 ●育苗に注意し健全な揃った苗を定植する ●日本海側、中間地における栽培では8月10日頃までに播種し12月中旬~1月に結球させ2月~3月出荷を目標にする ●耐寒性、低温期の肥大性に優れているので暖地の4月穫りも可能である ●結球前に追肥を施し在圃性を強める

浜岬

浜岬

タキイ種苗株式会社

耐病性にすぐれ栽培容易! おいしい年内どりの良質系! ■特長 ・萎黄病に耐病性で、黒腐病にも比較的強く、年内どり栽培が容易な良質系。 ・玉は甲高で肥大がよく、鮮濃緑色。 ・肉質はやわらかく、サクサクした食感。食味はジューシーで、甘みが強くて生食用に適する。 ・外葉は中立性でコンパクトなため、玉ぞろいがよい。 ■栽培の要点 ・耐寒性はやや劣るため、遅まきの冬どり栽培を避け、本種の耐病性が発揮される年内どりで栽培する。 ・肥沃な圃場を好むので、元肥主体で初期生育を促すとともに、結球始めから収穫期まで安定した肥効を保つ。 ・菌核病や株腐病の予防防除を行う。

涼空

涼空

タキイ種苗株式会社

黒腐病に強く収穫期幅が広い寒玉系中早生種 ■特長 ・適期栽培では定植後約75日で収穫期に達する寒玉系。北海道や冷涼地の8〜9月出荷および一般地の6月出荷に適する。 ・老化が遅いため過剰肥大や裂皮、裂球が発生しにくく収穫適期幅が広い。 ・収穫適期以降も倒伏しにくく腐敗が少ない。 ・密植栽培でも玉のそろいがよく、根元の茎がやわらかく切りやすいため収穫作業がスムーズ。 ・玉形状が扁円球に安定するため箱詰め作業も容易。 ・黒腐病に対し高度な耐病性を示すほか、萎黄病、バーティシリウム萎凋病に対しても耐病性をもつ。 ■栽培の要点 ・石灰欠乏症の発生を抑えるためには、根量確保のため肥沃で保水性のよい圃場へ作付けする。 ・肥効の落ちやすい圃場では作付けを避ける。 ・元肥主体の肥培管理で初期生育を促進し、早めの追肥で生育後半まで安定した肥効を保つ。 ・極端な密植栽培を避け、本種のそろいのよさを生かす。 ・茎が短く土壌からの病害が懸念されるため、菌核病、株腐病に対しては十分な防除を行う。

夢舞妓

夢舞妓

タキイ種苗株式会社

すぐれた在圃性で4月どりが可能な夏まき寒玉晩生種! ■特長 ・在圃性にすぐれ、端境期の4月どりでも品質のよい玉が収穫できる。 ・冷蔵時の退色やしおれが遅く、貯蔵後の品質にもすぐれる。 ・4月どりでも形状が甲高扁円に安定し、箱詰め容易。短芯でくりぬきやすく、歩どまりが高いため、青果だけでなく加工・業務用にも適する。 ・萎黄病に強く、黒腐病にも圃場耐病性を示す。 ■栽培の要点 ・生育がじっくりしているため、遅まきでは肥大・葉数不足を招く。 ・生育初期〜収穫期まで安定した肥効を保ち、株張りと肥大を確保する。肥料・水分の抜けやすい砂質土壌では細やかな追肥、潅水を行う。 ・青果向けに出荷するなら株間33cm程度、加工・業務向けには35〜40cm程度が目安。 ・根こぶ病、黒腐病、菌核病に対し、適切な防除を行う。

あさしお

あさしお

タキイ種苗株式会社

黒腐病に強く玉ぞろいのよい年内〜冬どり種! ■特長 ・萎黄病に耐病性で、黒腐病にも強い年内〜冬どり種。 ・適期栽培では、定植後75〜80日で収穫できる中生種。 ・肥沃地の適応性が高く、株張りは中程度で草姿は立性。 ・結球は肥大型でよくしまり、形状は甲高扁円球でよくそろう。 ・裂球は遅く、耐寒性もすぐれるので収穫期の幅が広い。 ■栽培の要点 ・排水がよく、肥沃な圃場を好む。 ・元肥主体で初期生育を促す。 ・低温肥大性はやや劣るので、適期栽培に努める。

夏ごろも甘藍

夏ごろも甘藍

株式会社カイヤ採種場

病気に強く、鮮緑扁円で、品質が大変良い 全日本野菜品種審査会1等特別賞受賞! ■特性 ・耐暑・耐病性が高い春~夏まき早生種。萎黄病には完全抵抗性で、黒腐れ病への耐病性は比較的高いです。また、浮き玉のため尻腐れは少ないです。 ・外葉は収穫期にやや開張気味となりますが、玉のサイズの割には小さいので密植可能です。 ・結球は最初に小さく形を作り、後半は肥大するタイプで、L玉中心の良く揃った玉を収穫できます。 ・玉はやや艶のある鮮緑色をしており、固く結球し、食味も極めて良い扁円美球となります。 ■栽培上の注意 ・降雨が適度にある気象下で肥沃な圃場での栽培では、やや外葉が大ぶりとなるので元肥は控えめとする(特に高冷地栽培)。 ・逆に、生育初期が乾燥する地域、作型においては、外葉の伸びを促進させるために、元肥中心の栽培とする(特に平坦地栽培)。 ・裂球は極端に遅い品種ではないので、追肥の多すぎ、遅すぎには注意する。 ・サワー型に近い品種ですが、高温乾燥下ではブルームの発生が見られ、硬いイメージとなります。

冬かぶと甘藍

冬かぶと甘藍

株式会社カイヤ採種場

11~1月どり揃い良い耐寒種 全日本野菜品種審査会3等受賞! ■特性 ・耐寒性があり球形が安定した年内~年明けどり。外葉はやや開性の濃緑色で、ややおとなしめ。玉は新鮮感のある濃緑で、安定して平玉となります。 ・萎黄病に抵抗性で、黒腐れなどの諸病害に対しても強いです。 ・中生系の中で、耐寒性があり越冬どりでも寒害を受けにくいです。 ■栽培上の注意 ・在圃期間が長くなり玉表面が劣化してくると、玉べとの発生が見られることがあるので、早めの薬剤散布をしてください。

KV948甘藍

KV948甘藍

株式会社カイヤ採種場

病気に強く多収性、1~2月どりに最適な扁円中生種 ■特性 ・年内~2月どりに最適で、耐寒性がある扁円球の中生品種です。 ・結球の仕方は、内部がゆっくりと締まる結球充実型です。 ・球色は濃緑色で、市場性が大変高く、また肉質は完全な寒玉なので加工契約にも好適です。 ・外葉はやや旺盛ですが、立性に近いので密植も可能です。 ・根が強く耐倒伏性に優れているので、地際からの尻腐れに強く、裂球が遅いので在圃性が非常に高いです。 ・萎黄病に抵抗性で、1~2月に多い玉ベトや年内に発生しやすい黒腐れ病にも強い方です。

いしずえ

いしずえ

株式会社野崎採種場

いしずえの特徴 ●耐病性で、作りやすい中早生種。 ●外葉は濃緑色でややブルームを帯び、球はやや腰高の扁円球でよく締まり1.5㎏程度となる。球尻・球色はきれいで輸送性にも優れ、市場性は高い。 ●萎黄病に抵抗性で黒腐病にも強く、育苗・栽培共に容易である。また、耐暑性・耐寒性にも優れ、裂球も比較的遅いので長期にわたり収穫できる。 ●一般平暖地では7月上中旬~8月上中旬まきで、10月末から、1月にかけて年内中心に収穫するのに適する。また、晩秋~3月中旬まきで、6月~7月どり用にも利用できる。

冬魂(N-243)

冬魂(N-243)

株式会社野崎採種場

冬魂(N-243)の特徴 ●肥大力は抜群で在圃性があり、加工・業務用にも適した寒玉品種。 ●耐寒性に優れアントシアンの発生が少なく、1月を中心に収穫できる。 ●黒腐病に強く、生育は旺盛で水田転換畑などの栽培にも向く。 ●玉はやや甲高で、低温期でも順次肥大する。 ●耐寒性があり裂球も遅いので、長期間収穫が可能である。

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