バターナッツカボチャの品種一覧
タグ名: バターナッツカボチャ
果実・収量特性 • 6品種で使用中
バターナッツカボチャについて
バターナッツカボチャ
バターナッツカボチャとは
バターナッツカボチャは、ひょうたん型の独特な形状を持つカボチャの一種です。植物学的にはニホンカボチャ(Cucurbita moschata)に属し、一般的に栽培されている西洋カボチャ(Cucurbita maxima)とは異なる種に分類されます。
果皮はベージュ〜淡黄色で薄く、果肉は鮮やかなオレンジ色をしています。果実重量は800g〜1.5kg程度のものが多く、ひょうたん型の下部(膨らんだ部分)に種が集中しているため、上部のネック部分はほぼすべてが可食部です。この可食率の高さが、バターナッツカボチャの大きな特徴の一つです。
食味の特徴は、西洋カボチャのホクホクした粉質感とは異なり、しっとりとしたなめらかな粘質系の食感です。名前の由来にもなっている「バターのようなコク」と「ナッツのような風味」が、加熱調理によって引き出されます。糖度は品種や栽培条件によって異なりますが、追熟後に15度前後に達するものもあります。
バターナッツカボチャの魅力
バターナッツカボチャが日本の市場で注目されている背景には、いくつかの要因があります。
まず、調理適性の広さが挙げられます。粘質でなめらかな果肉は、ポタージュスープとの相性が特に高く評価されています。裏ごしや撹拌がしやすく、自然なとろみが出るため、小麦粉やクリームの添加量を減らしても濃厚なスープに仕上がります。このほか、ソテー、グリル、ロースト、ピュレなど、洋食系の調理法全般に適しています。
これ、実は業務用でもかなり重要なポイントです。レストランやホテルの厨房では、ひょうたん型の上部(ネック部分)は均一な厚さにスライスしやすく、下部は種を除いてくり抜き容器にするなど、パーツごとに使い分けることができます。歩留まりの良さと加工のしやすさは、業務用食材として高く評価される要素です。
生産者にとっての魅力は、差別化商品としての訴求力です。一般的なカボチャとは明らかに異なる外観が売場で目を引きやすく、直売所やマルシェでの販売に適しています。消費者にとって「見たことがあるが買ったことはない」という好奇心を刺激する食材であり、調理法を添えたPOPとセットで販売することで購買につながりやすいとされています。
栄養面では、β-カロテンの含有量が西洋カボチャと同等かそれ以上とされています。果肉のオレンジ色が濃い品種ほどβ-カロテン含量が高い傾向があり、健康志向の消費者への訴求材料になります。
主な用途
バターナッツカボチャの用途は多岐にわたりますが、日本での主な活用シーンを整理すると以下のようになります。
ポタージュスープは、バターナッツカボチャの代名詞ともいえる用途です。果肉をローストまたは蒸した後にミキサーにかけるだけで、なめらかなポタージュのベースが完成します。冷製スープとしても提供できるため、夏季メニューへの展開も可能です。
グリル・ローストでは、ネック部分を輪切りにして焼き上げる調理法が一般的です。加熱すると甘みが増し、果肉の表面にほどよい焦げ目がつくため、サラダのトッピングや前菜として活用されています。
ピュレ・ペーストとしての利用も拡大しています。離乳食や介護食の素材として、なめらかな食感と自然な甘みが評価されています。また、パン・菓子の生地に練り込む用途や、パスタソースのベースとしての需要もあります。
加工品の原料としては、冷凍ピュレやレトルトスープの原料としての利用が始まっています。ただし、国産バターナッツカボチャの生産量はまだ限定的であり、加工用途の大量供給体制は発展途上の段階です。
栽培のポイント
バターナッツカボチャはニホンカボチャ系統のため、西洋カボチャとはやや異なる栽培特性を持ちます。
播種・定植の時期は、一般的な西洋カボチャとほぼ同じで、暖地では3月下旬〜4月に播種し、5月に定植するのが標準的な作型です。発芽適温は25〜30℃で、地温が十分に上がってから定植することが生育初期の安定につなげるポイントです。
つるの管理については、西洋カボチャよりもつるの伸びが旺盛な品種が多い傾向があります。親づる1本仕立てまたは子づる2本仕立てとし、着果位置や着果数を管理することで、果実品質のばらつきを抑えることができます。
品種選びで見落としがちなのが、果実の成熟判断です。バターナッツカボチャは果皮がベージュ色のため、西洋カボチャのように果皮色の変化で成熟度を判断しにくいという特徴があります。果梗のコルク化や、果皮を爪で押したときの硬さ、開花後日数などを総合的に見て収穫適期を判断する必要があります。
収穫後の追熟は、食味向上のために重要な工程です。収穫直後はでんぷん質が多くやや水っぽい食感ですが、2〜4週間の追熟を経ることで糖化が進み、甘みとなめらかさが増します。追熟中の保管温度は10〜15℃程度が適しています。
病害虫については、うどんこ病、つる枯病、疫病などに注意が必要です。特にニホンカボチャ系統はうどんこ病に対する感受性が高い品種があるため、予防的な防除計画を立てておくことが重要です。
品種選びのコツ
バターナッツカボチャの品種を選ぶ際に確認したいポイントは以下の通りです。
- 果実サイズと形状: 販売先が求めるサイズ感に合うかを確認する。ネック部分が長いタイプは可食率が高い
- 果肉のなめらかさと糖度: スープ用途がメインなら、果肉のきめ細かさと糖度の高さを重視する
- 追熟後の貯蔵性: 追熟販売を前提とする場合は、貯蔵中の品質低下が少ない品種を選ぶ
- うどんこ病耐性: 露地栽培では特に重要な選定基準。耐性の有無で防除の手間が大きく変わる
- つるの草勢: 栽培スペースが限られる場合は、コンパクトに仕上がる品種が管理しやすい
バターナッツカボチャは品種間で食味の差が比較的大きい品目です。可能であれば試作を行い、実際に調理して食味を確認したうえで本格導入を判断するのが望ましいです。また、販売先(直売所、レストラン、量販店等)ごとに求められるサイズや品質が異なるため、出口戦略を明確にしてから品種を絞り込むことがポイントです。
市場動向とこれから
日本におけるバターナッツカボチャの生産は、まだ西洋カボチャに比べると小規模ですが、着実に拡大しています。直売所やファーマーズマーケットを中心に流通量が増えており、一部の量販店でも秋口を中心に定番棚に並ぶようになってきました。
飲食業界では、イタリアン・フレンチ系のレストランでの採用が先行していましたが、近年はカフェ業態やスープ専門店にも広がっています。冷凍スープのD2Cブランドがバターナッツカボチャを前面に押し出した商品を展開するなど、加工品市場での認知も進んでいます。
今後の課題としては、安定的な供給体制の構築が挙げられます。現状では作付面積が限られているため、業務用の大量需要に対応しきれないケースがあります。また、消費者への認知度向上も引き続き重要です。「どう調理すればよいか分からない」という声は依然として多く、調理法の啓発とセットで販売促進を進めていくことが市場拡大の鍵になります。
まとめ
バターナッツカボチャは、ニホンカボチャ系統に属するひょうたん型のカボチャで、なめらかな粘質の果肉とバター風味の甘みが特徴です。ポタージュスープをはじめとする洋食系の調理法との相性が高く、業務用・家庭用ともに需要が拡大しています。
栽培面では、つるの管理と成熟判断、収穫後の追熟管理がポイントです。品種選びにあたっては、果実サイズ、食味、貯蔵性、うどんこ病耐性を総合的に評価し、販売先のニーズに合った品種を選定することが重要です。まだ日本での生産規模は限定的ですが、差別化商品としてのポテンシャルは高く、新しい品目に挑戦したい生産者にとって有力な選択肢の一つです。
タグ情報
基本情報
- タグ名
- バターナッツカボチャ
- 種別
- 果実・収量特性
使用状況
- 関連品種数
- 6品種
- 関連作物数
- 1作物
- 関連メーカー数
- 6社
関連品種(6品種)
カボチャ (6品種)
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