病害耐性

軟腐病耐性のハクサイ品種一覧 全47種類

軟腐病耐性ハクサイ 軟腐病とは 軟腐病は、細菌の一種である Pectobacterium carotovorum(旧名: Erwinia carotovora)によって引き起こされるハクサイの重要病害です。この細菌は土壌中や植物残渣上に広く

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軟腐病耐性について

軟腐病耐性ハクサイ

軟腐病とは

軟腐病は、細菌の一種である Pectobacterium carotovorum(旧名: Erwinia carotovora)によって引き起こされるハクサイの重要病害です。この細菌は土壌中や植物残渣上に広く分布しており、多くの野菜類に軟腐病を引き起こすことで知られていますが、ハクサイは特に被害を受けやすい品目の一つです。

主な症状としては、感染部位が水浸状に軟化・腐敗し、独特の悪臭を伴います。ハクサイでは、結球の基部(尻部)や外葉の基部から発病することが多く、進行すると球全体が腐敗して崩壊します。ひどい場合は圃場で株が倒伏し、収穫不能になります。

感染経路としては、細菌が傷口から侵入するケースが最も一般的です。害虫の食害痕、風雨による葉の損傷、土寄せや中耕時の機械的な傷、さらには収穫時の切り口などが感染の入り口となります。また、降雨時の水しぶきや灌水によって細菌が飛散し、健全な株に二次感染することもあります。

軟腐病は高温多湿条件で発生が激しくなります。気温25〜30℃で菌の増殖が活発になるため、夏〜初秋に栽培されるハクサイ(早生の秋どり作型)で被害が特に深刻です。台風や集中豪雨の後に急激に蔓延するケースが多く、産地では大きな経済的被害をもたらすことがあります。

軟腐病耐性の区分

ハクサイにおける軟腐病耐性は、品種によって程度が異なります。種苗メーカーのカタログでは、「軟腐病に強い」「軟腐病耐病性」などの表記で耐性の有無が示されています。ただし、べと病のHR/IRのような国際的な耐性の等級基準は、軟腐病については一般的に用いられていません。

品種選びで見落としがちなのが、軟腐病耐性の評価方法の違いです。耐性の評価は、主に圃場での発病率や発病程度に基づいて行われますが、試験条件(接種方法、菌の系統、環境条件)によって結果が変動するため、「耐性がある」とされる品種であっても、実際の圃場での効果は環境条件に左右されます。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。軟腐病の耐性は、品種の形態的な特徴とも関係があるとされています。たとえば、結球の基部が地面から離れている品種(尻の浮きが良い品種)は、土壌からの菌の侵入リスクが比較的低くなります。また、外葉が硬くて傷つきにくい品種は、傷口からの感染機会が減るため、結果的に軟腐病の発生が抑制される傾向があります。

軟腐病菌には多数の系統(株)が存在しますが、べと病菌のようなレース分化は明確に確認されていません。ただし、菌の病原力の強弱には系統間差があるとされており、地域によって優勢な系統が異なる可能性があります。

歴史と豆知識

軟腐病は、野菜栽培の歴史とともに古くから知られている病害です。ハクサイの栽培が日本で本格化した明治後期以降、軟腐病は繰り返し問題となっており、特に暖地での秋どり栽培や、暖秋の年に大きな被害が発生してきました。

ハクサイの品種改良において、軟腐病耐性は根こぶ病耐性と並ぶ重要な育種目標の一つです。しかし、軟腐病の耐性は複数の遺伝子が関与する量的形質であるとされており、根こぶ病のように単一遺伝子で制御できる形質と比較して、育種が難しい分野です。このため、軟腐病耐性の改良は段階的に進められてきた経緯があります。

豆知識として、軟腐病菌は多犯性(多くの植物種に感染する能力がある)の細菌であり、ハクサイ以外にもダイコン、キャベツ、タマネギ、ニンジン、ジャガイモなど、非常に幅広い作物に病害を引き起こします。このため、ハクサイの連作を避けたとしても、他の感受性作物を栽培している場合は、圃場内の菌密度が維持される可能性があります。

また、軟腐病菌は凍結・乾燥にも比較的強い耐久性を持ち、土壌中で長期間生存することができます。このため、圃場から完全に排除することは困難であり、菌密度を低く管理しながら栽培を続けるという考え方が現実的な対策です。

耐病性の限界と注意点

軟腐病耐性品種を導入しても、それだけで完全に軟腐病を防げるわけではありません。以下の点に注意が必要です。

高温多湿条件の影響は非常に大きいです。軟腐病は高温多湿で爆発的に増加する病害であり、耐性品種であっても、長雨や台風の後に高温が続く条件では発病するリスクがあります。特に、台風による葉の損傷が広範囲に発生した後は、耐性品種であっても注意が必要です。

害虫被害との関連も重要です。ヨトウムシ類やハイマダラノメイガなどの害虫による食害は、軟腐病菌の侵入口を作ります。害虫防除が不十分な場合、耐性品種であっても軟腐病の発生リスクが高まります。軟腐病対策と害虫防除は、セットで考えることが重要です。

意外と知られていないのですが、土壌中の窒素過多も軟腐病の発生を助長する要因の一つです。窒素が過剰に供給された株は組織が軟弱になり、菌の侵入に対する物理的な防御が弱くなります。適切な施肥管理は、耐性品種の効果を引き出すためにも重要な基本管理です。

品種の耐病性だけに頼るのではなく、排水管理・害虫防除・施肥管理・適期防除を組み合わせた総合的な防除体系を構築することが重要です。

防除のポイント

軟腐病の防除は、耐病性品種の利用を基盤に、耕種的防除と化学的防除を組み合わせて行います。

排水管理は軟腐病対策の最も基本的な要素です。軟腐病菌は水を介して伝播するため、圃場の排水性を高めることが発病リスクの軽減に直結します。高畝栽培の採用、暗渠排水の整備、明渠の設置が有効な対策です。

害虫防除も軟腐病対策として極めて重要です。前述の通り、害虫の食害痕は軟腐病菌の侵入口になるため、ヨトウムシ類やハイマダラノメイガの防除を徹底することが、軟腐病の予防につながります。

栽植密度の適正化も有効です。過密な栽植は株間の通気性を悪化させ、多湿環境を作り出します。品種に合った栽植密度を守ることで、圃場内の湿度環境を改善できます。

施肥管理では、窒素の過剰施用を避けることが大切です。窒素過多は株の軟弱化を招き、軟腐病への感受性を高めます。土壌診断に基づいた適正な施肥設計を行うことが、耐性品種の効果を最大限に引き出すことにつながります。

化学的防除については、ハクサイに登録のある殺菌剤(銅剤など)を予防的に散布することが効果的です。発病後の防除効果は限定的であるため、発生が予想される時期(高温多湿期、台風の前後)に予防的に散布することが基本です。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

ハクサイ産地では、軟腐病対策に関してさまざまな実践事例が蓄積されています。

軟腐病の多発に悩まされていた産地では、耐病性品種への切り替えと同時に高畝栽培を導入し、さらに害虫防除の体系を見直したところ、軟腐病の発生が大幅に減少したという報告があります。複数の対策を組み合わせることで相乗効果が発揮された事例です。

台風の通過後に軟腐病が一気に蔓延した経験を持つ産地では、台風前の予防散布と台風後の速やかな追加散布を組み合わせた防除体系を構築し、被害を最小限に抑えることに成功しています。台風シーズンの防除計画を事前に策定しておくことの重要性が認識されています。

栽培現場では、収穫時の切り口からの軟腐病菌の侵入にも注意が必要です。収穫後のハクサイが高温環境に置かれると、切り口から菌が侵入して流通中に腐敗するケースがあります。収穫後の速やかな予冷と、衛生的な収穫・調製作業が、出荷後の品質保持に重要です。

まとめ

軟腐病は、細菌によって引き起こされるハクサイの重要病害であり、高温多湿条件下で爆発的に発生して甚大な被害をもたらすことがあります。耐病性品種の導入は有効な対策の一つですが、耐病性の程度は品種によって異なり、環境条件や害虫被害の状況によって効果が変動する可能性があります。

品種選びにあたっては、軟腐病耐性の表記を確認するとともに、根こぶ病やべと病など他の主要病害への耐性もあわせて検討することがポイントです。排水管理、害虫防除、適正な施肥管理、適期の薬剤散布を組み合わせた総合的な防除体系を構築することで、軟腐病による被害を最小限に抑え、安定したハクサイ生産につなげることができます。

47品種 表示中
CR歓喜No.100

CR歓喜No.100

株式会社日本農林社

石灰欠乏症、根こぶ病に強い中早生種 ■特性 ・ネコブ病抵抗性品種で、は種後70~75日で収穫期に達する中早生種。 ・葉は濃緑色で葉数型に属し、立性で余り大きくないので栽培管理が容易である。 ・玉はやや長型で胴張り、尻張り共に良い理想的な砲弾型で、3.5~4kgになる豊産種。 ナンプ・白斑・黒斑・ウイルス病等や石灰欠乏症(アンコ)にも非常に強く栽培し易い。 ■栽培の注意 ・日本で見つかっている代表的なネコブ病菌の混合菌を使用し、 幼苗検定を繰返し行い育成したネコブ病抵抗性品種ですが、 他にも菌の系統があり地域によってはネコブの着生があるかもしれませんので、 あらかじめ御了承下さい。

アサヒ交配 春まかせ白菜

アサヒ交配 春まかせ白菜

株式会社アサヒ農園

冬春まき・食べるならコレ! 商品特性 ■特性 1.ネコブ病に抵抗性があり、抽苔が極めて安定している春どり黄芯系極早生品種。 2.草姿は立性で、尻張り・胴張りの良い砲弾型となり、1球2.5kgほどでよく揃います。 3.球内色は鮮やかな黄色を示し、外葉は濃緑で、コントラストがたいへん綺麗です。 4.過熟になりにくく、黄芯の色落ちが少なく在圃性が有します。 5.生育旺盛で、ナンプ病・ベト病に強く、生理障害の発生も少ないため、大変作り易い品種です。

強力六十日

強力六十日

株式会社タカヤマシード

作り易い60日型早どりタイプ 本種は播種後60日で結球する包被性で、早穫り白菜の致命傷になるウィルスナンプ病に強く栽培が容易である。葉はやや濃緑で縮みがあり、草勢強く、球は2.5kg位でよく緊り、葉肉厚く、やわらかく、品質が秀れている。 1.極端な早蒔きは避けること。 2.施肥は元肥中心に初期生育を促すこと。 3.栽植本数は10a当り3,500本位とする

聡明

聡明

松永種苗株式会社

65日型。砲弾型に良く揃い、各種病害にも強い年内収穫黄芯系中早生種。歯切れ良くて美味しい。春まきも可能。 ■主な特長 1. 低温肥大性が高く、春作の直播栽培の65日の早生種である。 2. 中間地・暖地の8月25日以前は種でもウイルス病に強く、生育は順調に進む。 3. 極晩晩抽性で、芯も伸びにくい葉数型品種で、作り易い。 4. 葉は緑色が濃く、球内部の色も黄色が濃い。 5. 球は尻張り、胴張り共に良く砲弾型で適期は種で2.5kg、その後3.0kg以上になる豊産タイプである。 6. 裂球が遅く、収穫が長期間可能である。 7. ウイルス病・ベト病・ナンプ病・ハクハン病その他病害に強い。 ■栽培のポイント 1. は種・育苗 春作での直播は平均気温で、9〜10での時が、は種適期で、それ以下では原則的には温床育苗をする。温床育苗は15〜20℃とするが、床温で最低10℃を下らないようにする。換気は25°C以上で行う。 2. 定植 外気が低温期のトンネル内定植をする場合は本畑の地温を暖めるように工夫し、風のないおだやかな日を選んで行う。 3. 肥料 肥料は元肥中心とし、土質に合わせて加減をする。追肥は結球始めに3〜5kgの窒素と加里を施す。 4. 収穫 初期生育を旺盛にし、大球取りをする。また特に春蒔では初夏の高温期の収穫となり、収穫幅が非常に短く、品質低下が早いので、適期収穫に心がける。

黄作(きさく)60

黄作(きさく)60

丸種株式会社

球内濃黄、揃いのよい早生タイプ 1. 外葉は濃緑で球内部は濃黄色の品質のよい60~65日で収穫できる早生品種です。 2. 球形は尻張りがよく、球頭はやや包合し、_x0003_一球重2.0~2.5kg位の理想的な品種です。 3. ナンプ・ハクハン病等に対して耐病性があり、非常に作りやすい品種です。

CR 金鯱 75

CR 金鯱 75

ナント種苗株式会社

根コブ病抵抗性、 形状よい黄芯中生種。 【特 徴】 ● 播種から収穫までの日数が70〜75日程度の中生種で年内収穫に向く。 ● 根コブ病抵抗性を持つ。ウイルス病、軟腐病が少なく、生理障害も起こりにくく作りやすい。 ● 球型はやや長めの砲弾型でバランス良く、球重は3kg前後となる。 ● 外葉は鮮やかな緑色に対して球内色は鮮やかな黄色の黄芯系白菜 ● 病気に強く、生理障害は起こりにくいが、秀品を得るためには40cm×40cm/株以上の栽植密度を確保する。

CR 金鯱 85

CR 金鯱 85

ナント種苗株式会社

根コブ病抵抗性、黄芯系中晩生種。 【特 徴】 ● 播種から収穫までの日数が85〜90日程度の中晩生種で年内〜年明け収穫に向く。 ● 根コブ病抵抗性を持ち、ウイルス病、軟腐病、べと病の発生が少なく、生理障害も起こりにくいので作りやすい。 ● 外葉はやや大きく半立性の草姿でサボイ(凹凸)がある。 ● 収穫時の形はやや長めの円筒型でバランス良く、球重は4〜5kg前後となる。 ● 外葉は濃い緑色で、球内は 濃黄色の黄芯系白菜。

CRRエンペラー

CRRエンペラー

小林種苗株式会社

根こぶ病に強力な抵抗性を持つ大型ハクサイ! 1. 外葉が濃緑・球内が黄色でコントラストの美しい90日タイプの中晩性品種。 2. 耐寒性は非常に強く、厳寒期どりに適する。 3. 冷涼地の7/中~8/上、中間地・暖地の8/中~9/上蒔きに適する。 4. 根コブ病に対して強力な抵抗性を持ち、軟腐病・ウィルス病などの一般病害、石灰欠乏症・ゴマ症等の生理障害にも強い。 5. 無理な早蒔きは病害の発生する可能性が高く、遅まきは葉数不足で不結球になるので適期蒔きを心がけて下さい。

CR京たから80

CR京たから80

丸種株式会社

根コブ病抵抗性80日タイプ 1. 播種後80日位で収穫期に達するが結束することで年明け収穫も充分可能です。 2. 生育はおう盛で、根コブ病菌レースに安定した抵抗性を示しウイルス白斑軟腐病にも強く作り易い品種。 3. 葉色は鮮緑色で立性尻張り胴張り共によく、球種2.5kg~3kgのどっしりした理想形の白菜。肉質軟かく食味の良いのが特徴です。

CR清雅(せいが)65

CR清雅(せいが)65

有限会社石井育種場

根こぶ病に強い良質の黄芯系 安定した晩抽性 冷涼地で大好評 CR/65日 ■特性 1. 根こぶ病抵抗性で石灰欠乏症にも強い。 2. 生育日数は適期播種で65日位、9月まきで75日位、冷涼地の4~7月まき育苗栽培は定植後58~65日位。 3. 草勢、根張りが強く、栽培が容易。 4. 特に晩抽性で芯の伸びが遅い。秋まきでは結球後60日前後、圃場に置いても裂球がなく収穫期の幅が広い。高冷地、冷涼地の春、初夏まきでも芯が短く、在圃性が高いので収量が多い。 5. 球高28cm位、球径18~20cm、球重は2.5kg、日数をおけば3kg以上に太る。砲弾型で球頭の合わせ、胴張り、尻張りがよく、長く圃場においても球頭が開かない。 6. 色つやのよいやや淡緑色で球内は濃い黄色になり、葉質は柔らかく多汁で食味がよい。 ■栽培の要点・注意 1. 冷涼地、中間地の低温時、暖地春まきの播種、育苗は15~25℃で管理する。 2. 6~7月どりの高温多湿期は軟腐病の防除に努める。

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