病害耐性

べと病耐性のハクサイ品種一覧 全45種類

べと病耐性ハクサイ べと病とは べと病は、卵菌類(Hyaloperonospora parasitica)によって引き起こされるハクサイの重要病害です。卵菌類は一般的な糸状菌(カビ)とは分類学上異なるグループですが、防除の考え方はカビ病に準

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べと病耐性について

べと病耐性ハクサイ

べと病とは

べと病は、卵菌類(Hyaloperonospora parasitica)によって引き起こされるハクサイの重要病害です。卵菌類は一般的な糸状菌(カビ)とは分類学上異なるグループですが、防除の考え方はカビ病に準じます。アブラナ科野菜全般に発生する病害であり、ハクサイのほかキャベツ、ブロッコリー、ダイコンなどにも被害を及ぼします。

主な症状としては、葉の表面に淡黄色〜黄褐色の不整形の病斑が現れ、葉の裏面には白色〜灰白色のカビ状の胞子層(分生子柄)が密生します。この裏面のカビ状の外観が湿った「べとべとした」印象を与えることが、病名の由来とされています。

ハクサイにおけるべと病の被害は、主に外葉から始まり、症状が進行すると内側の葉にも拡大します。外葉の黄変・枯死により光合成能力が低下し、結球の充実不良を引き起こします。特に、出荷時に外葉を剥いた際に内部にも病斑が見られると、商品価値が著しく低下します。

べと病は冷涼・多湿な条件で発生しやすく、秋雨の時期や晩秋〜初冬の結露が多い時期に被害が拡大する傾向があります。露地栽培が主体のハクサイにとっては、気象条件に大きく左右される厄介な病害の一つです。

べと病耐性の区分

ハクサイにおけるべと病耐性は、品種によってその程度が異なります。種苗メーカーのカタログでは「べと病に強い」「べと病耐病性」などの表記で耐性の有無が示されていますが、トマトの耐病性表記のようにHR(高度耐病性)・IR(中程度耐病性)の国際基準で厳密に区分されているケースはまだ多くありません。

品種選びで見落としがちなのが、この耐病性表記のあいまいさです。「べと病に強い」と記載されていても、その強さの程度は品種間で差があります。圃場試験での発病程度の評価に基づいて耐病性が記載されている品種もありますが、試験条件と実際の圃場条件が異なれば、効果にも違いが生じます。

ハクサイのべと病菌にはレース(生理的系統)が存在することが報告されており、特定のレースに対して耐性を持つ品種であっても、別のレースが優勢な地域では十分な効果を発揮しない可能性があります。このレースの問題は、アブラナ科作物のべと病菌全般に共通する課題です。

耐病性の仕組みとしては、植物体の細胞レベルでの防御反応(過敏感反応など)が関与しているとされています。耐病性品種では、菌の侵入を受けた細胞が速やかに壊死することで、菌の増殖を局所的に抑制する機構が働いていると考えられています。

歴史と豆知識

ハクサイのべと病は、国内外のアブラナ科野菜栽培地域で古くから報告されている病害です。日本においても、ハクサイの作付面積が拡大した昭和中期以降、産地で繰り返し被害が発生してきました。

ハクサイの品種改良では、従来は耐暑性・耐寒性、結球性、食味、根こぶ病耐性などが主要な育種目標として重視されてきました。べと病耐性が独立した育種目標として注目されるようになったのは、比較的近年のことです。特に、気象変動に伴い秋季の降雨パターンが変化したことや、連作圃場でのべと病発生頻度が増加したことが、耐病性品種への需要を高めています。

意外と知られていないのですが、べと病菌は種子伝染する可能性が指摘されています。汚染された種子から菌が次作に持ち込まれるリスクがあるため、種子の品質管理は予防策の一つとして重要です。また、べと病菌の卵胞子は土壌中や被害残渣中で長期間(数年間)生存することが知られており、連作圃場では菌密度の蓄積が問題になります。

アブラナ科野菜のべと病菌は、宿主範囲が比較的広いことも特徴です。ハクサイ以外のアブラナ科作物や雑草が圃場周辺に存在すると、それらが伝染源になる可能性があるため、圃場衛生の管理が防除の基本となります。

べと病耐性の限界と注意点

べと病耐性品種を導入しても、それだけで完全にべと病を防げるわけではありません。以下の点に留意が必要です。

レースの変異による耐性崩壊のリスクがあります。べと病菌は遺伝的多様性を持ち、新しいレースが出現する可能性があります。現時点で有効な耐性品種であっても、菌の進化によって将来的に効果が低下することは否定できません。

環境条件による発病リスクの変動も重要です。秋雨が長引く年や、結露が多発する条件下では、耐病性品種であっても発病することがあります。特に、ハクサイは結球内部の湿度が高くなりやすく、外葉での防御が突破されると内部への進展が速くなる傾向があります。

連作による菌密度の上昇も見逃せないポイントです。同一圃場でアブラナ科野菜を連作すると、土壌中のべと病菌の卵胞子が蓄積し、発病リスクが年々高まります。耐病性品種であっても、高い菌密度の条件下では防御が追いつかない場合があります。

品種の耐病性だけに頼るのではなく、輪作・排水管理・適期防除を組み合わせた総合的な防除体系(IPM)を構築することが、安定生産の鍵となります。

防除のポイント

べと病の防除は、耐病性品種の利用を軸に、耕種的防除と化学的防除を組み合わせて行います。

耕種的防除として最も基本的なのは輪作です。アブラナ科以外の作物(イネ科、マメ科など)と2〜3年以上のローテーションを組むことで、土壌中のべと病菌密度を低下させることが期待できます。また、前作の残渣を速やかにすき込み、分解を促進することも菌密度の低減に有効です。

排水管理も重要な防除手段です。べと病菌は多湿条件で胞子の飛散と感染が活発になるため、圃場の排水性を高めることが発病リスクの低減につながります。暗渠排水の整備や高畝栽培の採用が有効とされています。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。栽植密度の適正化と通風の確保が、べと病対策において見落とされがちなポイントです。過密な栽植は株間の湿度を上昇させ、べと病菌の感染に好適な環境を作り出します。品種に適した栽植密度を維持し、畝間の通風を確保することで、葉面の乾きやすい環境を作ることが重要です。

化学的防除については、ハクサイに登録のある殺菌剤を発生初期に予防的に散布することが効果的です。発病後の治療効果は限定的であるため、気象条件から発生リスクが高いと判断される場合は、症状が出る前の予防散布が基本になります。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

ハクサイ産地では、べと病対策に関してさまざまな実践知が蓄積されています。

秋どりハクサイを主力とする産地では、べと病の発生が年によって大きく変動するため、耐病性品種の導入とともに排水改善に取り組んだところ、被害が安定的に減少したという報告があります。排水性の向上によって圃場内の湿度が下がり、菌の感染サイクルが抑制されたと考えられています。

連作圃場でべと病が慢性的に発生していたケースでは、2年間の輪作期間を設けたことで、べと病の発病率が顕著に低下した事例も報告されています。輪作による菌密度の低減効果は、耐病性品種の効果をさらに高める方向に働いたとされています。

栽培現場では、べと病耐性品種を導入したことで「べと病への意識が薄くなり、防除のタイミングが遅れた」という声もあります。耐病性品種の導入はあくまで総合防除の一要素であり、圃場の巡回と早期発見の習慣を維持することが大切です。

まとめ

べと病は、冷涼・多湿条件で発生するハクサイの重要病害であり、外葉の黄変・枯死から結球の品質低下まで、収量と商品価値の両方に影響を及ぼします。耐病性品種の導入は有効な対策の一つですが、耐病性の程度は品種によって異なり、レースや環境条件によって効果が変動する可能性があります。

品種選びにあたっては、べと病耐性の表記内容を確認するとともに、地域で優勢なレースの情報も可能な限り把握しておくことがポイントです。輪作、排水管理、適正な栽植密度の確保、そして適期の薬剤防除を組み合わせた総合的な防除体系を構築することで、安定したハクサイ生産につなげることができます。

45品種 表示中
秋理想

秋理想

株式会社日本農林社

黄化病に強くつくりやすい75日型耐病白菜 ■特性 ・近年白菜産地にておいて特に問題となっている「黄化病」に強い、 ネコブ病抵抗性品種。 ・は種後約75日で収穫できる中早生黄芯系。 本種は黄化病に罹病しても外観病徴が現れにくい■特性がある為、 従来の品種が軽~中程度の発病条件であれば、 実用的な耐病性を発揮できる。 ネコブ病には従来型の抵抗性もあり、ベト病・ウィルス病にも強いので栽培が極めて容易である。 ・草姿は立性で外葉は濃緑色である。 玉は球頭が浅く抱合する砲弾型で尻張りが特に良い。 球内はきれいな黄色で外観の濃緑色と見た目にもきれいで食味も良く、 漬物加工等の契約栽培にも向く。 ■栽培の注意 本種は、日本で見つかっている代表的なネコブ病菌の混合菌を使用し、 幼苗検定を繰返し行い育成したネコブ病抵抗性品種ですが、 他にも菌の系統があり地域によってはネコブの着生があるかもしれませんので、 あらかじめ御了承下さい。

CR秋園一号

CR秋園一号

有限会社フジミ・オフィス

根こぶ抵抗性の黄芯系 特性 1)ウィルス、軟腐病、ベト病、石灰欠乏症に強く栽培容易 2)平暖地の適期栽培では播種後60日~65日、高冷涼地の春~初夏蒔き 栽培では55日~65日位で収穫できる 3)球重2.5㎏~3㎏の砲弾型、外葉は濃緑色で内部は濃黄色の綺麗な コントラストとなる 4)晩抽性で芯の伸びが遅いため裂球が少なく在圃性が良い 5)平暖地の8月中旬~9月中旬蒔き10月中旬~年内穫り、結束すれば1月穫りも可能。又、早春~春蒔き5月~初夏穫りもできる 6)高冷地の4月~7月蒔き7月~10月穫り 栽培の要点 ●高冷地の春蒔き夏穫りに最適 ●早蒔きは軟腐病発生の恐れがあるので避ける

夢園

夢園

有限会社フジミ・オフィス

球揃いの良い黄芯白菜 特性 1)播種後70日~75日で収穫できる中早生種 2)生理障害、ベト病、軟腐病に強く特にゴマ症の発生が少ない 3)外葉は濃緑色で球内部は鮮やかな濃黄色を呈し、球頭部は包合型、同張りの良い砲弾型で良く揃い束ね易い 4)球重2.5㎏~3㎏、裂球遅く収穫巾も広く市場性の高い好品種 5)8月中下旬~9月上旬蒔き11~1月穫りに最適である 栽培の要点 ●極端な早蒔き栽培は軟腐病、生理障害を発生するので注意する ●裂球が遅いため年内穫り~冬穫りができる ●窒素過多はゴマ症、石灰欠乏症の原因となるので避ける

アサヒ交配 秋まかせ75

アサヒ交配 秋まかせ75

株式会社アサヒ農園

サラダ・漬物・鍋物に最適 商品特性 ■特性 1.播種後約75日で収穫でき、品質良く作りやすい黄芯の中早生品種。 2.球姿は、尻張り・胴張りの良い砲弾型で、1球3.0kgほどに良く揃い球内部は鮮黄色で、濃緑の外葉とのコントラストがきれい。 3.根こぶ病やベト病など各種病害に強く、生理障害の発生が少ない。 4.耐寒性があり過熟にもなりにくいため、収穫期の幅が広い。 育て方 ■栽培のポイント ○極端な早蒔きは病害発生の原因になりやすいので避ける。 ○基肥は、10平方メートルあたり苦土石灰を1kg、化成肥料を1.5kg程施す。追肥は、本葉が6~7枚になった頃と結球が始まりかけた頃の2回にそれぞれ10平方メートルあたり化成肥料を500g程施す。 ◎追肥を適期に行う事で、黄芯がきれいな寒さに強くおいしいハクサイができます。

アサヒ交配 春まかせ白菜

アサヒ交配 春まかせ白菜

株式会社アサヒ農園

冬春まき・食べるならコレ! 商品特性 ■特性 1.ネコブ病に抵抗性があり、抽苔が極めて安定している春どり黄芯系極早生品種。 2.草姿は立性で、尻張り・胴張りの良い砲弾型となり、1球2.5kgほどでよく揃います。 3.球内色は鮮やかな黄色を示し、外葉は濃緑で、コントラストがたいへん綺麗です。 4.過熟になりにくく、黄芯の色落ちが少なく在圃性が有します。 5.生育旺盛で、ナンプ病・ベト病に強く、生理障害の発生も少ないため、大変作り易い品種です。

黄さき

黄さき

トヨタネ株式会社

(黄芯) ベト病耐病性・栽培容易な中早生種 品種特性 ■特長 ・ベト病に対し高い耐病性。 ・石灰欠乏症・ゴマ症などの生理障害の発生が少なく、栽培容易。 ・播種後70日で収穫となる中早生品種。 ・葉身部が多く、カット面の色調が鮮やか。 ・在圃時の品質低下が少ない為、収穫期の幅が広い。 ■栽培のポイント ・極端な早播きは病害の原因となるため、播種適期を守る。 ・元肥を控えめにすることで、外葉の過剰生育を抑える。 ・追肥主体の肥培管理と適期収穫を守ることで、石灰欠乏症や生理障害などを回避できる。

省力新二号

省力新二号

株式会社タカヤマシード

■特性 本種は特にウィルス、ベト病の抵抗性は抜群で、また微量要素欠乏障害に強い抵抗性を有し、悪環境にも生育力旺盛で安定した結球力を持つ大型の中早生種である。高冷地および冷涼地の早蒔きが可能であり、結球力が強いので暖地の遅蒔きにも適す。球は包被性で胴張りの良い円筒形を示し適期栽培では70日で3.5kg位の大球の収穫ができ、外葉は濃緑でやや大きく鮮度の保存期間が長く市場性の高い品種で、結束すると1~2月の収穫ができる。 ■ポイント 耕土が深く排水のよい肥沃地で適期栽培を行い、適切な肥培管理をすることが大切である。

千両

千両

トヨタネ株式会社

(レギュラー) 昔懐かしい従来型の白菜 品種特性 ■特長 ・初期生育が旺盛で、やせ地でも能力を十分発揮。 ・特に白斑・ベト病に強く、低温伸長性である。 ・播種後75日で収穫の中早生品種。 ・外葉、球色ともに濃緑色で、輸送性に強い。 ・球頭深く包被し、尻張り、胴張りが申し分なく、圃場残地性に優れ、型くずれしない。 ■栽培のポイント ・1~2月の冬どりでは、12月中下旬に結束が必要。

黄りんじ

黄りんじ

トヨタネ株式会社

(黄芯) 生理障害に強く耐寒性・晩抽性に優れる冬穫り中生種 品種特性 ■特長 ・ベト病に対し高い耐病性。 ・石灰欠乏症・ゴマ症などの生理障害の発生が少なく、生育旺盛で栽培容易。 ・播種後85日で収穫の中生品種。 ・球形は尻張り・胴張りの良い濃緑円筒型。草姿立性で管理作業や結束作業が容易。また過熟になりにくく、収穫適期が長い。 ・球内色は鮮やかな黄芯で、葉質は柔らかく、味も良く、品質良好。 ■栽培のポイント ・軟腐病やウイルス病の発生を防ぐため、早蒔きは避け、播種適期を守る。 ・適期後半に播種する場合には、若苗定植で初期生育を順調に進める。 ・こぶ病には通常の防除を行う。 ・1~2月の冬どりでは、12月中下旬に結束が必要。

黄芯スプリンター

黄芯スプリンター

株式会社渡辺採種場

耐暑性に優れ、作りやすい60日型極早生白菜! ■特性 ・播種後60日位で収穫期に達する極早生品種です。 ・ベと病、軟腐病、黒斑細菌病等に強く、耐暑性に優れ栽培容易です。 ・球は浅巻包頭形で尻張り、形状良く、一球2.5~3.0㎏位になります。 ・キムチや浅漬け等の加工適正も優れます。 ■栽培ポイント・注意点 ・根こぶ病菌のレース(菌系)によっては、根こぶ病の発生があるかもしれません。無理な連作を避け、輪作と耕種的防除を行ってください。 ・時期的に盛夏期栽培となりますので、ピシウム腐敗病に対する予防的な防除を推奨します

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