病害耐性

萎黄病耐性のダイコン品種一覧 全113種類

萎黄病耐性ダイコン 萎黄病とは ダイコンの萎黄病は、土壌伝染性の糸状菌(かび)である Fusarium oxysporum f. sp. raphani(フザリウム・オキシスポルム)が引き起こす病害です。根部および茎の維管束(水や栄養分を通

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萎黄病耐性について

萎黄病耐性ダイコン

萎黄病とは

ダイコンの萎黄病は、土壌伝染性の糸状菌(かび)である Fusarium oxysporum f. sp. raphani(フザリウム・オキシスポルム)が引き起こす病害です。根部および茎の維管束(水や栄養分を通す組織)に菌が侵入し、組織を変色・壊死させることで、植物全体への水分・養分の供給を妨げます。

感染した株は、生育途中で葉が黄化し、下葉から順に枯れ上がります。根部を縦に割ると、維管束が褐変(茶色く変色)していることが確認でき、これが診断上の特徴的なサインです。重症化すると株全体が萎れて枯死し、根部の商品価値が著しく低下します。

感染経路の主体は土壌伝染で、圃場の土壌中に潜伏する菌が根部の傷や自然開口部から侵入します。種子伝染も報告されており、感染種子を使用した場合に翌年の圃場に菌を持ち込むリスクがあります。病原菌は土壌中で長期間(数年〜10年以上)生存する厄介な性質を持ち、一度圃場に入ると根絶が難しいとされています。

高温・乾燥条件が発病を促進する傾向があり、夏場の高温期や排水不良の圃場での発生が多く報告されています。国内では、ダイコンの主要産地において萎黄病による収量損失が長年の課題となっており、耐病性品種の導入がその対策の中心的な位置を占めてきました。

萎黄病耐性の区分

ダイコンの萎黄病耐性は、国際種苗検査協会(ISTA)や種苗業界の基準に基づき、HR(High Resistance:高度抵抗性)とIR(Intermediate Resistance:中程度抵抗性)に区分されます。

HR品種は通常の病原体圧力下において発病をほぼ抑制できる高いレベルの耐病性を持ちます。IR品種は感受性品種(耐性なし)と比較して発病程度が軽くなりますが、HRには及ばないレベルです。圃場での実際の効果は、土壌中の菌密度・環境条件によって変動します。

種苗メーカーのカタログでは「萎黄病CR」「Fo-R」「Fo.HR」などの略号が使われることがあります。品種名の前後に付く英数字の略号は、どの病害に対してどのレベルの耐性があるかを示しており、カタログの凡例・注釈を確認する習慣が品種選びの精度を高めます。

意外と知られていないのですが、萎黄病には系統(菌株の遺伝的なグループ)が存在します。日本国内で問題となっている系統が地域によって異なる場合があり、特定系統に有効な耐病性品種でも、別系統が優勢な圃場では効果が異なることがあります。地域の農業試験場や農業改良普及センターが発信する病害情報を参考にすることが重要です。

歴史と豆知識

ダイコンの萎黄病は20世紀初頭から国内産地での発生が記録されており、特定産地での被害拡大が品種改良の推進力となりました。

耐病性品種の育種が本格化したのは昭和中期以降です。土壌消毒や輪作の効果には限界があることから、耐病性を品種に組み込む方向へ育種の方針が移り、現在の主流品種群(耐病総太り系、YR系統など)の礎が作られました。

「耐病総太り」(タキイ種苗株式会社)の品種名が「耐病」という文字を含んでいることからも分かるように、萎黄病への耐性がこの品種の育種における最重要テーマの一つであったことが伺えます。育成から数十年が経った現在もなお「総太り系の定番」として各社の品種カタログに掲載されているのは、耐病性と栽培安定性が実績によって証明されてきたためです。

また、接ぎ木栽培(台木にカブ等を使う方法)が萎黄病対策として一部の栽培現場で行われています。ただし、ダイコンは接ぎ木コストと労力の課題があり、主流の防除策は耐病性品種の利用と耕種的防除の組み合わせです。

耐病性の限界と注意点

萎黄病耐性品種を使用していても、圃場条件によっては発病が起こることがあります。

高い土壌菌密度では耐病性品種でも発病します。連作圃場では年々土壌中の菌量が蓄積するため、耐病性品種を使い続けても時間とともに発病率が上昇することがあります。輪作・土壌消毒との組み合わせが菌密度の管理に有効です。

菌の系統変異のリスクも存在します。特定の耐病性遺伝子を持つ品種ばかりを長年栽培し続けると、その耐病性を突破する新系統が出現するリスクがあります。これは植物病理学的に「耐病性崩壊」と呼ばれる現象で、完全に防ぐことは困難ですが、品種の多様化と総合防除で発生リスクを下げることができます。

環境条件(特に高温期・乾燥)が重なる年は、耐病性品種でも発病しやすくなる傾向があります。夏場の高温期に播種するダイコン栽培では、品種の耐病性だけでなく、土壌水分管理・播種時期の調整も重要な防除手段となります。

防除のポイント

萎黄病の防除は、耐病性品種の選択を基本としつつ、複数の対策を組み合わせる総合防除(IPM)の考え方で取り組むことが効果的です。

輪作は最も基本的な耕種的防除手段です。ダイコン・カブ・ハクサイなどアブラナ科作物の連作は萎黄病菌の蓄積を招くため、3〜4年のローテーションを設け、イネ科・マメ科作物を組み合わせることが推奨されます。

土壌酸度の適正管理も有効です。萎黄病菌は酸性土壌(pH5.5以下程度)で活動が活発になるとされており、土壌pHを適正範囲(pH6.0〜7.0程度)に保つことで菌の活動を抑制できます。石灰資材による矯正は基本的な土壌管理の一部として組み込むことが望ましいです。

土壌消毒(クロルピクリン、ダゾメット等の登録農薬)は高菌密度圃場での切り札的な手段ですが、コスト・環境負荷・土壌微生物相への影響も考慮が必要です。使用する場合は農薬登録内容を確認し、適切な時期・方法で実施してください。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

萎黄病被害が深刻だった産地での耐病性品種への切り替えは、生産の安定化に大きく貢献した事例が多く報告されています。かつて特定圃場での発病率が高く収量が安定しなかった生産者が、耐病性品種の導入と輪作体系の見直しで被害を大幅に軽減した、という経緯を持つ産地も少なくありません。

一方で、「耐病性品種にしたら大丈夫」と思い込んで連作を続けた結果、数年後に再び発病が増加したという事例も現場では報告されています。品種の耐病性に頼りすぎることなく、輪作・土壌管理・適正施肥を継続することが長期的な安定生産につながります。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、新しい圃場でダイコン栽培を始める場合は、前作の作物履歴と土壌病害の発生記録を確認しておくことが、品種選定と防除計画の精度を高める第一歩となります。

まとめ

ダイコンの萎黄病は Fusarium oxysporum による土壌伝染性病害で、土壌中に長期間生存する難防除病害の一つです。耐病性品種(HR・IR)の導入は防除の柱となりますが、系統変異や高菌密度条件での発病リスクがあるため、輪作・土壌管理との組み合わせが不可欠です。

品種選びの際はカタログの耐病性表記(HR/IR・対応系統)を確認し、地域の発生系統情報と照らし合わせて判断することが重要です。YRくらま(タキイ種苗株式会社)をはじめとするYR系品種など、カタログの耐病性表記(HR/IR・対応系統)を確認して選定することが、安定したダイコン生産の基盤になります。

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113品種 表示中
晩抽喜太一

晩抽喜太一

雪印種苗株式会社

極晩抽性でひげ根が細く、根形がきれいに揃う春ダイコン ■特性・特徴 ・極晩抽性の青首総太。 ・萎黄病の発生が少ない。 ・ひげ根が細いので、洗浄・出荷調整がしやすい。 ・ス入りが遅く、赤芯・空洞症・内部褐変が少ない。 ■使用時期 道東・道北:【播種期】マルチ:5月中旬~6月中旬、露地:6月上中旬~6月下旬 道央・道南:【播種期】トンネル:4月中旬~5月中旬、マルチ:5月中旬~6月中旬、露地:5月下旬~6月中旬 東北北部・寒高冷地:【播種期】<東北・高冷地>トンネル:3月中旬~4月中旬、べたがけマルチ~マルチ:4月中旬~5月下旬、露地:5月中旬~6月上旬、<関東以西高冷地>べたがけマルチ~マルチ:3月中旬~5月上旬 東北中部・南部:【播種期】トンネル:3月中旬~4月中旬、べたがけマルチ~マルチ:4月中旬~5月下旬、露地:5月中旬~6月上旬 一般地:【播種期】トンネル:2月中旬~3月中旬、べたがけマルチ~マルチ:3月中旬~4月上旬 西南暖地:【播種期】べたがけマルチ~マルチ:2月中旬~3月中旬

冬職人

冬職人

株式会社タカヤマシード

■特性 秋まき青首だいこんの中では最も抽苔が安定している青首総太り型大根である。草姿は半立性で、葉数はやや少なく、葉色はやや濃い。とくに耐寒性が強く年内どり~越冬どりに適する。根部は37cm位、根径7~8cm、根重1200g前後で、尻詰りもよく、根部の揃いもよい。首の色は鮮緑色で外観・肉質共に秀れている。イオウ病やウィルス病に強い品種である。 ■ポイント 露地越冬栽培では、被覆資材を利用すると、美しい大根が収穫できる。 越冬栽培の場合、栽培期間が長いので、追肥を行うことが大切である。

耐病東山

耐病東山

株式会社タカヤマシード

従来の青首総太りに比べ、ウィルス、ナンプ、イオウ病などに強く、生育旺盛で地上部は鮮やかな緑色を呈し、栽培容易な青首総太り型の一代交配種である。 ■特性 1.根部の肥大、揃い、形状がよい。適期収穫で根長38cm、根径8cm位の尻づまりのよい総太り型である。 2.従来の青首総太りと異なりス入りの心配がなく、独特の品質のよさを備え、収穫後の日持ちが極めてよい品種である。 3.ハウス+トンネル栽培で2月下旬から随時栽培できる。 ■ポイント 1.寒さには強い方なので極端な遅蒔きは避ける。 2.冷涼地の栽培においては生育が早いのにス入りや抽苔が遅いという特性をもっているが、本来秋蒔き品種であることを充分に認識し極端な早蒔きは避ける。

晩々G

晩々G

雪印種苗株式会社

極晩抽性で肌が滑らか、根形がよく揃う春ダイコン ■特性・特徴 ・抽苔は遅く、春のトンネル~べたがけマルチ~マルチ、露地栽培まで幅広く使用できる。 ・萎黄病の発生が少なく、高冷地などの汚染圃場での栽培に向く。 ・根長33~37cm、根径7.0~7.5cm、根重1.3~1.5kgによく揃う。 ・葉は濃緑色で、肌は滑らか、肉質はち密でス入りが遅い。 ■使用時期 道東・道北:【播種期】マルチ:5月中旬~6月中旬、露地:6月上旬~6月下旬 道央・道南:【播種期】トンネル:4月上旬~5月上旬、マルチ:5月上旬~6月上旬、露地:5月下旬~6月中旬 東北北部・寒高冷地:【播種期】<東北・高冷地>トンネル:3月中旬~4月中旬、べたがけマルチ~マルチ:4月上旬~5月下旬、露地:5月中旬~6月上旬、<関東以西高冷地>べたがけマルチ~マルチ:3月中旬~5月上旬 東北中部・南部:【播種期】トンネル:3月中旬~4月中旬、べたがけマルチ~マルチ:4月上旬~5月下旬、露地:5月中旬~6月上旬 一般地:【播種期】トンネル:2月中旬~3月中旬、べたがけマルチ~マルチ:3月上旬~4月上旬 西南暖地:【播種期】べたがけマルチ~マルチ:2月上旬~3月下旬 ■使用上の留意点 ・トンネル栽培では初期の保温をしっかり行い、その後天候をみて換気遅れに注意する。 ・露地栽培は排水の良い圃場を選定し、多肥にならないよう注意する。

喜太一

喜太一

雪印種苗株式会社

ス入り・抽苔が遅く、揃いの良い青首総太の春ダイコン ■特性・特徴 ・ひげ根が細く、洗浄・出荷調整がしやすい。 ・根長38~40cm、根径7.0~7.5cm、根重1.0~1.2kg。 ・赤芯・空洞症・内部褐変が少ない。 ・萎黄病の発生が少ない。 ■使用時期 道東・道北:【播種期】マルチ:5月中旬~6月中旬、露地:6月上中旬~6月中下旬 道央・道南:【播種期】トンネル:4月中旬~5月中旬、マルチ:5月中旬~6月上旬、露地:5月下旬~6月上中旬 東北北部・寒高冷地:【播種期】<東北・高冷地>トンネル:3月中旬~4月中旬、べたがけマルチ~マルチ:4月中旬~5月中下旬、露地:5月中下旬~6月上旬、<関東以西高冷地>べたがけマルチ~マルチ:3月中旬~4月下旬 東北中部・南部:【播種期】トンネル:3月中旬~4月中旬、べたがけマルチ~マルチ:4月中旬~5月中下旬、露地:5月中下旬~6月上旬 一般地:【播種期】トンネル:2月中旬~3月中旬、べたがけマルチ~マルチ:3月中下旬~4月上旬 西南暖地:【播種期】べたがけマルチ~マルチ:2月中下旬~3月中下旬

味職人

味職人

株式会社タカヤマシード

春まき大根の決定版! ■特性 1.晩抽性で低温伸長性、肥大性に秀れた青首総太り型大根である。 2.草姿は半開張性で、葉は濃緑色の小葉である。 3.根部は長さ38cm位、根長7~8cm、根重1200g位。根部の揃いのよい品種である。 首の色はやや淡い。肌はきめ細かく美しい。また側根は細いので洗浄作業が容易である。 4.イオウ病、ウィルス病に強く、赤芯症、空洞症、内部褐変が少ない。 ■ポイント 1.安定した晩抽性を有するが、無理な早まきは不時抽苔につながるので、トンネル、マルチなどの保温を行う。 2.高温下での栽培は黒芯症のおそれがあるので注意する。

YRくらま

YRくらま

タキイ種苗株式会社

ウイルス病や萎黄病に強い肉質極上の青首! ■特長 ・ウイルス病、萎黄病に強い青首総太り型ダイコン。 ・葉の茂りはやや旺盛。 ・肌は滑らかでつやがあり、肉質は極めてすぐれる。 ・適期栽培では根長36cm、根径8cm程度になり、ス入りも安定して遅い。 ■栽培の要点 ・適期播種に努め、本種の早太り性を生かす。 ・本種は少肥向きの品種なので、高温期の栽培(中間・暖地の早まきや冷涼地の6〜7月まき)や、火山灰土などの肥沃地では、多肥や追肥の遅れが葉勝ちや生育後半の急激な肥大につながり、空洞症や裂根の原因となる。

YRさしみ大根

YRさしみ大根

宝種苗株式会社

首の内部に色つきしない! さしみのけん用に最適 ●根長35~38cm、根径7cm位の食味の良い青首大根 ●萎黄病やウイルス病に強い ●ス入り、空洞症などの生理障害にも強い ●食味がよく、色々な調理法にも合う。特に首の青は内部には色付しないので、さしみのけん用には最適。

YRつやっ娘EX

YRつやっ娘EX

松永種苗株式会社

つやっつやの純白の肌に少し淡い青首が映える、秋早まき作型から使える秋ダイコンの自信作! ■主な特長 1. 中間地の8月10日頃から9月上旬、高冷地の7月10日から8月始め蒔きに適します。 2. 安定した萎黄病抵抗性とバイラス抵抗性を備えており、軟腐病にも罹りにくいので家庭菜園でも容易に栽培できます。 ■栽培のポイント 1. 中間地の家庭菜園では8月始めから9月20日頃まで播種できますが、9月5日以降の播種では年により少し短く出来上がる事がありますので、青果栽培では播種期にご注意下さい。 2. 萎黄病、バイラス病抵抗性を備え、軟腐病にも比較的強い特性があります。しかし、激発地や栽培環境が悪い場合には発症する事がありますので、害虫防除に併せて病害防除など必要な措置をお願いします。 3. 砂地、砂質の多い砂質壌土では生育初期に高温で土壌湿度の大きな変化に遭うと縦割れする事があります。播種後の2週間は極端に土壌を乾かさないように管理して下さい。

YRばんちゅう太

YRばんちゅう太

松永種苗株式会社

春のぞみの晩抽性をさらに安定させ、低温伸長性を改善した超晩抽性青首総太りダイコンです。 肌のきれいな総太り型で、地温の低い時期でも良く伸張し、形状の良い収穫物が得られます。また播種期による形状・肥大の振れが小さいのも特長です。 収穫期の予想外の温度変化などのストレスがあっても、内部着色はほとんどなく商品性の高い収穫物が得られます。 春のぞみと同様、安定した萎黄病抵抗性を備えています。 ■栽培のポイント 萎黄病に安定した抵抗性を持ちますが、激発地や栽培環境条件によっては発症する可能性がありますので、必要な防除を行って下さい。 平坦地2月中旬以降の播種では長くなり過ぎる傾向がありますので、2月10日過ぎからの播種には『松永交配 春のぞみ』をご利用下さい。

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