果実・収量特性

多収のツケウリ品種一覧 全13種類

多収性ツケウリ 多収性ツケウリとは 多収性ツケウリとは、同じ栽培面積・栽培期間において、一般的な品種と比較して収穫量が多く得られる性質を持つツケウリ品種の総称です。 ツケウリ(漬瓜)はメロンの変種(Cucumis melo var. con

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多収について

多収性ツケウリ

多収性ツケウリとは

多収性ツケウリとは、同じ栽培面積・栽培期間において、一般的な品種と比較して収穫量が多く得られる性質を持つツケウリ品種の総称です。

ツケウリ(漬瓜)はメロンの変種(Cucumis melo var. conomon)に属する漬物用ウリで、シロウリ・シマウリ・越瓜などの系統を含みます。果実の一次用途が漬物加工である以上、収穫量の安定と多収は経営の収益性に直結する重要な品種特性です。

「多収性」の内容は、品種によって異なります。主な方向性として、1株あたりの着果数が多い品種(着果数型多収)、果実サイズが大きく1果あたりの重量が重い品種(大果型多収)、着果から肥大完了までの期間が短く回転率が高い品種(短期型多収)の3つに大別できます。生産現場では、これらの特性のいずれかまたは組み合わせが「多収品種」として評価されています。

ただし「多収性」は品種のポテンシャルに過ぎず、実際の収穫量は栽培管理の精度・気候条件・土壌環境によって大きく変わります。カタログに「多収」と記載されていても、その効果を発揮させるためには品種特性に合った管理体系が不可欠です。

多収性ツケウリのメリット

多収性ツケウリの導入が生産経営にもたらす主なメリットは、収益性の向上と安定供給力の強化です。

経営面では、面積あたりの収穫量が増えることで売上の増加が見込めます。ツケウリは漬物加工業者への原料供給が主な出口であることが多く、取引価格は一定の水準で安定している場合が多いため、数量の確保が経営の安定に直結します。多収品種を選ぶことで、同じ農地面積・資材費でより多くの原料を供給できるという基本的な効率向上が実現します。

漬物加工業者との契約関係においても、多収品種は有利に働く場合があります。加工業者は年間に必要な原料量を予測して生産者と取引条件を設定しますが、安定して多くの原料を供給できる産地・生産者は取引先としての信頼性が高まります。「約束した量を毎年確実に届けられる」実績が、長期的な取引関係の構築につながります。

家庭菜園や直売所販売の観点では、収穫量が多いことで出荷の継続性が高まり、固定客への安定供給や販売ロスの低減につながります。果実サイズが大きい大果型の多収品種は、1果あたりの販売単価を上げやすいという側面もあります。

多収と加工適性のバランス

ツケウリの品種選定で特有の考慮事項は、多収と漬物加工適性のバランスです。

漬物加工業者が求める原料の品質基準として、果肉の締まり(漬け込み時に軟化しないこと)・果実サイズの均一性・果肉の厚みが主要な要素です。多収を優先した品種の中には、果肉が軟らかめになって漬け込み時の品質が落ちるケースや、果実サイズにばらつきが出やすい品種がある場合があります。

生産者にとって数量が増えても、加工業者の品質基準を満たせなければ規格外として買い叩かれるリスクがあります。多収品種を選ぶ際は、収穫量だけでなく漬物加工適性(果肉の質・サイズの揃い)を合わせて確認することが重要です。

意外と知られていないのですが、果実重量が大きい品種(大果型)は漬物加工での歩留まりが良い反面、長期熟成型(奈良漬等)では果実が大きすぎると漬け容器への充填効率が下がるケースがあります。取引先の加工形態と、果実の適正サイズを事前に確認してから品種を選ぶことが、多収の効果を最大化する近道です。

栽培のポイント

多収性品種のポテンシャルを引き出すためには、着果数・施肥・灌水の各管理が連携して機能することが前提です。

播種・定植については、一般的なツケウリと同様に春以降の最低気温15℃以上になった後に行います。健全な苗を定植することが着果の安定につながるため、育苗期間中の管理(温度・水分・光量)に気を配ることが出発点です。

着果管理は多収品種の能力を最大化するうえで最も重要な管理です。着果数を設定し、余分な果実は着果直後に除去することで、残した果実への養分集中が図れます。多収を狙いすぎて着果数を多く設定すると、個々の果実が充実せずに規格外品が増えることがあります。品種の特性(推奨着果数)に沿った管理が重要です。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。多収品種は旺盛な着果に対して養分需要が高くなる傾向があります。追肥のタイミングと量が、果実の充実度と後半の着果安定性に影響します。特に着果盛期の追肥が手薄になると、果実の充実不足や後半の着果低下につながることがあるため、生育状況を見ながら適量を分施する管理が収量の安定に寄与します。

灌水については、均一で適切な水分供給が果実品質の安定に不可欠です。水分不足は果実の肥大停止や奇形の原因になり、水分過多は果肉の軟化や病害リスクの増加につながります。土壌水分の状態を確認しながら計画的な灌水を行います。

病害虫については、うどんこ病・つる枯れ病・べと病とウリハムシ・アブラムシが主な対象です。多収品種は生育力が旺盛な分、葉の繁茂で通気性が悪化しやすい側面があります。整枝管理と排水の徹底で、病害が広がりにくい環境を維持することが重要です。

品種選びのコツ

多収性ツケウリの品種を選ぶ際は、以下の観点を総合的に確認することが有効です。

  • 多収のメカニズム確認: 着果数型・大果型・短期回転型のどのタイプかを把握し、自分の栽培スタイルと一致する品種を選ぶ
  • 加工適性との両立: 漬物加工業者の受け入れ規格(サイズ・果肉の締まり)に合った品質を多収のまま維持できる品種かを確認する
  • 着果安定性: 多収品種でも高温期・低温期の着果安定性に差がある。作型と気候に合った安定着果が期待できる品種を選ぶ
  • 病害耐性: うどんこ病等への耐性があると、旺盛な生育を維持しながら防除負担を軽減できる
  • 試作の重要性: 多収の効果は圃場環境・管理技術によって大きく変わるため、本格導入前に必ず試作で自産地での収量・品質を確認する

実在確認済みの関連品種としては、若大将(渡辺農事株式会社)、さぬき白瓜・かすが白瓜・はかた越瓜・久留米白瓜・浅みどり白瓜(中原採種場株式会社)、あさじ白瓜(株式会社神田育種農場)、たから越瓜(小林種苗株式会社)などが挙げられます。品種ごとの収量特性・加工適性は、カタログの詳細情報や種苗メーカーへの技術問い合わせで確認することが大切です。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、同じ品種でも管理技術や土壌の違いで収量の差が大きく出ることがあります。近隣産地の先進農家の栽培事例を参考にしたり、種苗メーカーの現地試験データを入手したりして、品種特性と管理体系の両面から検討することが現実的なアプローチです。

市場動向とこれから

ツケウリ全体の生産量は、漬物文化の変化や産地の高齢化を背景に、長期的には縮小傾向が続いています。しかし一方で、漬物加工業者からの安定原料調達ニーズは依然として存在しており、数量を安定して供給できる産地・生産者への需要は根強いものがあります。

多収性品種は、こうした「安定供給の信頼性」を高めるための手段として、漬物産地での導入が進んでいます。同じ農地面積でより多くの原料を安定して供給できる産地は、加工業者との長期契約における交渉力が高まります。

また、直売所・農産物直売コーナーでの生販売においても、1株あたりの収穫量が多い品種は出荷できる果実数が増えるため、販売機会の拡大につながります。収穫量の多さは、「売る機会を多く作れる」という直販経営でのメリットとしても評価されます。

まとめ

多収性ツケウリは、同じ栽培条件でより多くの果実を収穫できる品種群で、漬物加工業者への安定供給や直販における収益性向上に貢献します。多収の方向性(着果数型・大果型・短期回転型)を把握したうえで、漬物加工適性とのバランスを確認して品種を選ぶことが重要です。

栽培では、着果管理・追肥タイミング・灌水の三位一体の管理が多収ポテンシャルを引き出す鍵です。品種の多収効果は栽培環境によって大きく変わるため、本格導入前の試作が成功への近道です。

ミノリスの品種ページでは、多収性ツケウリタグが付いた品種の一覧を確認できます。漬物原料の安定供給に向けた品種選びにご活用ください。

13品種 表示中
さぬき白瓜

さぬき白瓜

中原採種場株式会社

小果が次々に着果する浅漬・奈良漬用種!! ■特性 ・果長23㎝程度の小型のシロウリ。果形は円筒状で果揃いが良い。 ・果皮は淡緑色でツヤがある。 ・果肉は厚く、肉質は中程度のかたさで、浅漬けに好適する。 ・低温・少日照下において、雌花がよく発生し、着果は安定している。 ・強勢で次々に着果して、果実の肥大がよく、2~3番果も安定して収穫ができる。

たから越瓜

たから越瓜

小林種苗株式会社

・耐病性・耐暑性が強く作りやすい一代交配の早生多収品種。 ・果実はかなり大きくなるが、揃いが良く良質。青果出しには 果長16~20cm、漬物には果長25cm位が良い。 ・茎は太く、葉は欠刻の少ない淡緑色の小葉になります。おかず味噌の材料に最適です。 ・標準播種期は2月中旬から3月、収穫は6月中旬から7月中旬になります。 ・ハウスの早だしから遅蒔きにも幅広く適応します。 [栽培のポイント] 1. 生育旺盛のため栽植密度は広く、10a当たり400~500本とする。 2. 整枝は親づるを本葉5~6枚で摘芯し、子づる4本仕立てとする。 子づるは7~8枚で摘芯し、子づるから出る孫づるの下から3芽は摘む。 その先の孫づるは放任で良い。 3. 形状不良果の摘果、収穫は過熟にならぬよう若摘を。 4. 漬け物用の大型果は一蔓一果に制限して収穫します。

沼目白瓜

沼目白瓜

株式会社トーホク

長野県須坂市沼目地区で育てられた品種。果肉が厚くやわらかいので歯切れが良く、浅漬けや奈良漬けに珍重される白瓜です。耐病性があって作りやすく、夏の雨や高温にも強いのでたくさん収穫できる品種です。

若大将(わかたいしょう)

若大将(わかたいしょう)

渡辺農事株式会社

成り疲れしにくく、柔らかくておいしい!! ■特性 ・果形は円筒形で一般の青はぐら瓜のように尻太になりにくい。収穫適期は果長25cm、果重500g程度。 ・果色は濃く、6本の緑斑条が入り、果皮、果肉ともに柔らかく光沢がある。 ・一般のはぐら瓜より7日以上も早く収穫でき、良質で多収。 ・草勢は旺盛で、葉型は欠刻の少ない丸葉で、葉の大きさは中程度。 ・親づる摘芯後の子、孫づるの発生は早く、着果は側枝の1~2節に必ず着生する。 ・作型はハウス栽培から抑制栽培まで幅広く利用できるが、特にトンネル栽培に最適。 ■栽培のポイント ・親づるは早めに4〜5節で摘心し、子づるを2〜4本勢いの良いものを伸ばして主枝とし一方向に誘引する。 ・500g程度で早めに収穫する。

かすが白瓜

かすが白瓜

中原採種場株式会社

耐病性で果の揃いの良い早生種!! ■特性 ・本種は久留米白瓜を片親に早生で耐病、耐暑性の強い品種との一代交配種。 ・果実は25cm前後、径7〜8cm位の肉付きの良い円筒形で、重さ600〜800gの中型果。 ・果色は淡緑色で肉が厚く、肉質も適度に緊る。 ・果形の乱れが少なく果の揃い良好で、極めて豊産で、奈良漬用として最適の品種である。

くろ瓜

くろ瓜

株式会社トーホク

果肉やわらかく一夜漬けに最適。夏の暑さに強く、生育旺盛で作りやすい。照りのある濃緑色の果実が早くから成り、次々と収穫できる多収品種。

はかた越瓜

はかた越瓜

中原採種場株式会社

浅漬、奈良漬用に最適!! ■特性 ・博多特産の早生豊産種である。 ・草勢は強健で耐暑性にすぐれ、湿害にも強く栽培が容易である。 ・果は中玉の25cm前後の俵型で良く揃い、果皮には淡緑の縞が入る。 ・果肉は厚く浅漬、奈良漬用として歯切れよく、風味もよく市場での評価は高い。

久留米白瓜

久留米白瓜

中原採種場株式会社

中型果で強健な極早生種!! ■特性 ・本種は耐病、耐暑性、強健な極早生豊産種。 ・草姿は茎は太く、欠刻の少ない小葉で淡い緑色を呈す。 ・果は中玉の20cm前後で良く揃い円筒形の淡緑色でうつくしい。 ・果肉は緻密で厚く(2.5〜2.8cm)、歯切れよく一種の香りがあり、浅漬用、奈良漬用に適する。

本しま瓜

本しま瓜

株式会社トマツ本店

味噌漬・奈良漬に最適!作りやすく、極めて豊産! ・長野県の南信地方で作られている縞瓜で、黒に近い濃い緑の中に薄緑の条班がある。 ・小型で1個400-600g、肉質は緊って歯切れよく、長期の漬物の味噌漬、奈良漬に適する。 ・熟期は中生で、極めて豊産、家庭菜園にも適する。 ■土づくり 早まきは育苗しますが、5月以降にまく場合は直まきにします。1㎡当たり苦土石灰2握り、完熟堆肥2kg、油かす1握り、化成肥料2握りを施して深耕します。 ■タネまき うね幅2m、株間1mでタネをまく所は直径30cm、高さ3cmの円錐台します。2~3粒まいてホットキャップで覆います。本葉2枚頃に1本立ちにします。 ■その他の管理 本葉4~5枚頃に親づるを摘芯し、子づる3~4本を伸ばします。1番果は子づるの10~13節に着果させます。追肥は着果を確かめてから化成肥料1握り強を施します。

沼目大白瓜

沼目大白瓜

丸種株式会社

香りの良い中大シロウリ 1. 芳香のある中大果の早生豊産種です。外皮は淡緑色、肉は黄白色の厚肉です。

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