品種詳細

イチゴ「恋みのり」は促成栽培に適し、連続出蕾性に優れた多収品種である。冬期の草勢が強く草勢維持が容易で、大果で秀品率が高く、収穫・調製作業の省力化が可能である。果実硬度が高く、貯蔵に伴う黒ずみ果の発生が少なく、日持ち性に優れる。 イチゴ「恋みのり」は、イチゴ久留米48号、「さつまおとめ」、「さがほのか」の多元交配から得た03042-08に、「熊研い548」を交雑した実生集団から選抜した一季成り性品種で、促成栽培に適しています。 草姿は立性で、冬期の草勢はかなり強く、果房伸長性に優れています。頂果房花数は「さがほのか」と同程度で摘花作業が軽減できる品種です。 育成地の調査では、 1. 花芽分化期は、ポット育苗では9月中旬で、促成栽培での開花始期は「さがほのか」よりも7日程度遅い品種です。収穫開始期は「さがほのか」よりも11日程度遅い品種ですが、果房間葉数が少ないため連続出蕾性に優れ、収穫ピークの平準化が可能で2月末までの早期収量が多く、4月末までの全期収量も「さがほのか」よりもやや多収です。 2. 果実は約18gと大果で、短円錐~円錐形、果皮色は淡赤~赤色で光沢があります。糖度、酸度ともに「さがほのか」よりもやや高く、香りが強く、食味は良好です。硬度は「さがほのか」よりも高く、貯蔵に伴う黒ずみ果の発生が少なく日持ち性に優れています。また、果実の揃いに優れ秀品率が高いことから、収穫・調製作業の大幅な省力化が可能です。 ■利用上の留意点 1. 促成栽培用品種として利用できます。大果で秀品率が高く、収穫・調製作業の省力化が可能であることから、大規模施設生産に適しています。 2. うどんこ病に対しては中程度の抵抗性を有しますが、萎黄病および炭疽病に対しては罹病性ですので、健全な親株から増殖を行うとともに、育苗期を含め予防的な防除に努めてください。 3. 過度の窒素飢餓状態により芽なし株が発生しやすいので、育苗から本圃定植後の栽培期間を含め、十分な草勢の確保ならびに肥効の維持に留意してください。 4. 草勢が強く連続出蕾性が強いため、果房を畝の中心部に配置する「内なり栽培」では畝幅が狭いと果房が重なり、収穫時の作業性が悪化しやすい品種です。また、過繁茂により果実の着色不良を招きやすいため、十分な畝幅を確保してください。
恋みのり

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メーカー情報

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

国産で活躍する品種を提供している種苗会社。

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似た特性の品種

おおきみ

おおきみ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

共通 促成栽培向き 日持ち・輸送性 大粒 うどんこ病耐性

「おおきみ」は、平均果重が20g以上の極大果で日持ち性と食味に優れ、摘果作業が不要な促成栽培用イチゴ品種で、萎黄病、炭疽病およびうどんこ病に対して抵抗性を有する。 ■主要特性 「おおきみ」は、大果で果実品質の優れる「さつまおとめ」を母親に、大果性の組合せ能力に優れる「いちご中間母本農1号」を父親として交雑して1999年に得られた実生から選抜された。 草姿は立性で、直枝型の果房形態を有し、果房当たりの着花数が少ないため摘果作業が不要である。 1. ランナーの発生は「とよのか」より遅く、発生数も少ない(データ略)。 2. 花芽分化期は、暖地でのポット育苗では9月下旬であり、開花始期は「とよのか」より5日程度遅く、「さちのか」並みである。 3. 早晩性は「さちのか」並で、促成栽培に適する。普通促成栽培での収穫開始期は「とよのか」より7日程度遅く、2月末までの早期収量は「とよのか」より少ないが、4月末までの収量は同等であり、商品果率は極めて高い。 4. 果実は平均果重が20g以上の極大果で、形状(円錐~短円錐形)の揃いに優れる。果皮色は光沢がある橙赤色~赤色で、果肉色は淡橙色~淡赤色である。果実硬度は「とよのか」より高く、日持ち性に優れる。糖度が高く、香りもよく、食味は極めて良好である。 5. 炭疽病、うどんこ病および萎黄病に対して、それぞれ中程度、強度およびやや強程度の抵抗性を示す。

北の輝

北の輝

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

共通 日持ち・輸送性 多収性 大粒 うどんこ病耐性

'北の輝'は寒冷地並びに温暖地の露地栽培及び寒冷地の半促成栽培に適する晩生で休眠が深く、多収、大果で日持ち性に優れ、うどんこ病に強く、萎黄病にも比較的強い品種である。 ■特性の概要 1. 草姿はやや立性で草勢は強い。葉数、分けつ、ランナーの発生はともにやや少ない。 2. 花芽分化に対する温度、日長の許容範囲はかなり広く花芽分化し易い。開花期及び成熟期は遅く極晩生で、休眠は深い。 3. 収量は露地栽培、半促成栽培ともに多く、奇形果が少なく商品果率は高い。 4. 果実は大果で硬く日持ち性に優れる。やや短円錐形、赤~濃赤色で光沢に優れる。食味は比較的良好である。高温期には種子(そう果)がやや突出する傾向にある。 5. 萎黄病に対して中程度抵抗性、うどんこ病に対して強度抵抗性である。 ■栽培適地 寒冷地並びに温暖地の露地栽培及び寒冷地の半促成栽培に適する ■育成経過 1990年に晩生で果実品質の良い'ベルルージュ'を種子親に、大果で果実の硬い'Pajaro'を花粉親として交配し、得られた実生から選抜した。特性検定及び系統適応性検定試験で優秀性が確認され、1996年8月にいちご農林19号'北の輝'として命名登録された。

MA16-18-06

MA16-18-06

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

共通 多収性 大粒 促成栽培向き 香りの良い

株式会社ミヨシとの共同育成による促成栽培向け品種です。草勢の強い多収品種で、外観や食味に優れた大玉な果実です。三好アグリテック株式会社から「ほしうらら」と言う名前(商標)で苗が販売されています。 ■主要特性 ・三好アグリテック株式会社育成の種子親に農研機構育成の花粉親AN02(促成栽培用13品種を元集団とする循環選抜第3次改良集団の自殖第1世代である強草勢・大果系統)を交雑した実生集団から選抜した促成栽培向き品種です。 ・冬期の草勢維持が容易で収穫期間内のランナー発生や展開葉数が少ない省力的品種です。 ・果形はやや短い円錐形、果皮色は鮮やかな赤で光沢があり外観が優れ、果肉の色は淡赤色で内部まで着色します。 ・香りはやや強く、特有のコクがあり食味は優れます。

あまえくぼ

あまえくぼ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

共通 促成栽培向き うどんこ病耐性 大粒

促成栽培に適し、大果で糖度が「さちのか」よりも1割以上高い良食味品種である。うどんこ病および炭疽病に中程度以上の抵抗性を示し、摘果等の栽培管理作業の省力化が可能であり、観光農園等での栽培に適する。 ■主要特性 1. 草姿は立性で、冬期の草勢はやや強く、果房伸長性に優れる。うどんこ病および炭疽病には、中程度以上の抵抗性を示す。頂果房花数は「さがほのか」と同程度でやや少なく、摘果作業が軽減できる。 2. 花芽分化期は、ポット育苗では9月中旬であり、促成栽培での開花始期および収穫開始期は「とよのか」と同等である。年内および2月末までの早期収量は「とよのか」よりもやや少ない。一方、4月末までの全期収量は、「とよのか」と同等である。 3. 果実は約15gと大果で、円錐形、果皮色は淡赤~赤色で光沢は中である。収穫期間を通じた平均糖度は「さちのか」よりも1割以上高く、酸度は「とよのか」と同等で、食味は極良である。硬度は「さちのか」並に高いが、果皮がやや弱く日持ち性がやや劣る。 4. 観光農園での現地適応性評価では、大果で糖度が対照品種よりも1割程度高く、食味の安定性が優れ、食味評価が極めて高い。また、栽培が容易で、栽培管理作業時間を「紅ほっぺ」よりも1割程度短縮でき、管理作業の省力化が可能である。 ■活用面・留意点 1. 促成栽培用品種として利用できる。果皮が弱く日持ち性がやや劣ることから、青果出荷用品種としての適性はやや劣るが、良食味を活かして完熟果をその場で食べる、観光農園や直売所向け品種としての適性が高い。 2. うどんこ病および炭疽病には中程度以上の抵抗性を有するが、萎黄病には罹病性であるため、健全な親株から増殖を行うとともに、育苗期を含め予防的な防除に努める。 3. 果房を畝の中心部に配置する「内なり栽培」では、過繁茂になると果実の着色不良を招きやすいため、果実に十分な光を当て着色を促進するとともに管理温度に留意する。

桃薫

桃薫

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

共通 香りの良い 促成栽培向き 多収性

「桃薫」の果実は、モモに似た芳醇な香りが特徴的で、今までのイチゴとは違った風味が楽しめます。果実には艶があり外観が優れ、色が淡いことから、見た目も普通のイチゴと違います。また、果形が揃い、収量性にも優れていますので、新しい用途の開発と需要の広がりが期待されます。 ■主要特性 1. 「桃薫」は促成栽培に適します。「桃薫」は生育が旺盛で、数多くの花が咲き、厳冬期でもあまり株が小さくなりません。果実は淡黄橙色で艶があり、種の落ち込みが少なく外観が優れます。 2. 「桃薫」は収穫開始時期が遅いため、クリスマスシーズンにたくさん採ることは困難ですが、春までの全期間の収量は多くなります。収穫前期の果実は大きいのですが、花数が多いので、収穫後期の果実は小さくなります。 3. 甘みや酸味は「とよのか」に近く、食味は良好です。また、果実が軟らかいため、輸送には注意が必要ですが、貯蔵しても果皮色の変化が少ないので日持ち性はあります。 4. 「桃薫」にはフルーティーなモモやココナッツに似た香り、甘いカラメルのような特徴的な香りの成分が多く含まれ、今までのイチゴとは違った風味を楽しめます。

いちご中間母本農1号

いちご中間母本農1号

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

共通 促成栽培向き 多収性 大粒

'いちご中間母本農1号'は商品果平均果重が25~30gの極大果性で交配親として高い能力を有する。本中間母本は早生で休眠が浅く、厳冬期の生育や食味が安定し、収量性も高く、促成栽培用極大果イチゴ実用品種育成に利用できる。 ■主要特性 1. 平成2年に'アイベリー'及び'とよのか'からそれぞれ自殖3回後に選抜した大果で厳冬期の草勢に優れる育成系統間で交配し、得られた実生から目標に合致した'9081-24'を平成7年に選抜し、'久留米54号'の系統名を付した。平成10~11年に極大果性の遺伝性について検討した結果、促成栽培用極大果品種育成の交配親として有用と評価され、平成12年8月に'いちご中間母本農1号'として登録された。 2. 平均果重は20g程度、商品果平均果重は25~30gで、いずれも'とよのか'の2倍、極大果品種'アイベリー'の1.5倍程度である。 3. 果重が'とよのか'並の一般促成用品種・系統との交配実生集団において、従来の極大果性品種'アイベリー'と比較して、極大果を着生する個体の出現率が高く、極大果性の交配親として高い能力を有する。 4. 植物体は大型で草勢が極めて強く、草姿は立性である。開花日は'とよのか'より1~2週間遅い。休眠は極めて浅い。促成栽培における収量は'とよのか'の1.5倍程度と多収である。果実は円錐形で乱れが少なく、果皮色は淡赤、果肉色は淡橙、空洞は小さい。糖度は高く、肉質は緻密で、食味は良好である。果実硬度が低く、流通適性は劣る。