病害耐性

うどんこ病耐性イチゴのイチゴ品種一覧 全12種類

うどんこ病耐性イチゴ うどんこ病とは うどんこ病は、糸状菌(Podosphaera aphanis、旧称 Sphaerotheca humuli var. fragariae)によって引き起こされるイチゴの主要病害の一つです。イチゴうどんこ

うどんこ病耐性イチゴについて

うどんこ病耐性イチゴ

うどんこ病とは

うどんこ病は、糸状菌(Podosphaera aphanis、旧称 Sphaerotheca humuli var. fragariae)によって引き起こされるイチゴの主要病害の一つです。イチゴうどんこ病は、感染した葉・葉柄・果実・果梗などの表面に白色の粉状(小麦粉をまぶしたような)病斑が形成されることで知られており、病名の「うどんこ」はこの外観に由来します。

感染経路は主に気流による胞子(分生子)の伝播です。罹病した植物体から放出された胞子が風に乗って健全株に到達し、葉面や果実表面に付着・発芽することで感染が成立します。うどんこ病菌は活物寄生性(生きた植物体のみに寄生する性質)であるため、土壌での長期生存は期待されず、主に作付け中の伝播が問題になります。

発生しやすい条件としては、施設内の乾燥気味かつ比較的高温の環境(15〜25℃程度)が挙げられます。うどんこ病は他の多くのカビ病と異なり、多湿ではなく乾燥条件で発病しやすい点が特徴です。日照不足・窒素過多・密植による通風不良なども発病を助長します。

被害の症状は、葉への感染では光合成阻害による生育低下、果実への感染では果実表面への白色粉状菌叢の形成と品質低下です。特に果実への感染は外観を著しく損ない、商品価値を失わせます。施設栽培が中心のイチゴでは、ハウス内という閉鎖空間で胞子が密度高く蔓延しやすく、うどんこ病は生産上の大きな課題となっています。

うどんこ病耐性の区分

イチゴのうどんこ病耐性には、大きく分けて「真性抵抗性」と「圃場抵抗性」の二種類があります。

真性抵抗性は、特定のレース(菌の系統)に対して高度に発病を抑制する遺伝的な仕組みです。農研機構育成の「そよかの」は「うどんこ病レース0に対して抵抗性を有する」と明記されており、特定レースへの真性抵抗性が品種特性として示されています。ただし、真性抵抗性は対応するレース以外には効果が低下することがあります。

圃場抵抗性は、特定レースに限らず、感染後の菌の増殖や発病を全般的に抑制する性質です。多くの「うどんこ病に強い」と表現される品種は、こちらの圃場抵抗性を持つと考えられます。農研機構育成の「カレンベリー」は「うどんこ病に対して強度の抵抗性を示す」、「北の輝」は「うどんこ病に対して強度抵抗性」と記載されており、圃場での高い発病抑制効果が確認されています。

品種データを見ると、もういっこは「うどんこ病に対して抵抗性があります」、おおきみは「うどんこ病に対して強度の抵抗性を示す」とされています。あまえくぼは「うどんこ病に中程度以上の抵抗性を示す」という評価であり、耐性の程度は品種によって異なります。

カタログ上で「うどんこ病に強い」と書かれていても、強度(強・中程度・やや強)の違いがあるため、記述の詳細を確認することが重要です。

歴史と豆知識

イチゴうどんこ病は日本のイチゴ産地において長年にわたって問題となってきた病害です。施設栽培が普及した1960〜70年代以降、閉鎖空間でのうどんこ病の多発が問題化し、防除技術の開発が進められてきました。

意外と知られていないのですが、うどんこ病菌にはレース(系統)が存在します。日本国内でも複数のレースの存在が報告されており、農研機構の「そよかの」がレース0への抵抗性を持つと明記されているのは、このレース特異性を反映したものです。東北地方等で特定のレースが発生していることが確認されており、地域によって発生レースの情報を把握することが品種選びの参考になります。

農研機構育成の「カレンベリー」は1994年の育成実生からの選抜で、「うどんこ病に強い『てるのか』を父親として交雑して育成」と記載されており、育種親の選択の段階からうどんこ病耐性が意識されていたことがわかります。耐病性品種の育種は、防除コストの削減や農薬使用量の削減といった現代的な課題への対応にも貢献しています。

農研機構育成の「デコルージュ」は「うどんこ病に強い抵抗性を持つ」とされており、夏秋どり栽培を含む四季成り性品種でも耐病性育種が進んでいます。

うどんこ病耐性の限界と注意点

耐病性品種を導入しても、うどんこ病を完全に防げるわけではありません。以下の点に注意することが重要です。

レース変異のリスクがあります。うどんこ病菌は変異しやすく、現在の耐性品種に対応できない新レースが出現する可能性があります。特定のレースへの真性抵抗性を持つ品種(そよかの等)は、対応レース以外が優勢な地域では十分な効果を発揮しないことがあります。

品種の耐性レベルには幅があります。「うどんこ病に強い」と記載されていても、「強度」か「中程度」かによって圃場での効果は異なります。あまえくぼのように「中程度以上の抵抗性」と記載された品種は、環境条件によっては発病することがあるため、防除の手を完全に緩めることはできません。

また、農研機構育成の「af01」の品種説明には「うどんこ病については真性抵抗性でないため、育苗期を含め予防的な防除に努めてください」と明記されています。耐病性品種であっても、育苗期の予防防除を省略することは禁物であるという点は、現場での重要な注意事項です。

防除のポイント

うどんこ病の防除は、耐病性品種の利用を基盤に、耕種的防除・化学的防除を組み合わせた総合的な体系で行います。

耕種的防除の基本は、施設内の通風確保と植物体の良好な生育維持です。密植を避け、過繁茂を防ぐ適切な草勢管理が施設内の微気象環境を改善します。窒素過多は葉が軟弱になり感染しやすくなるため、施肥バランスの適正化も重要です。

物理的防除として、紫外線(UV)照射がうどんこ病防除に有効であることが研究で確認されています。UV-Bを照射することでうどんこ病菌の胞子形成を抑制できるとされており、一部の産地ではUVランプを利用した防除が行われています。

化学的防除では、登録農薬を用いた発生初期からの予防的散布が基本です。うどんこ病菌への抵抗性(農薬抵抗性)獲得を防ぐため、作用機序の異なる農薬をローテーションして使用することが重要です。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

施設イチゴ産地でのうどんこ病対策は、品種の切り替えと防除技術の両輪で進んでいます。

うどんこ病の多発で収量・品質が安定しなかった産地では、耐病性品種への切り替えとともに農薬の使用回数を見直した事例が報告されています。耐病性品種の導入によって初期発生が抑制されると、防除タイミングを遅らせても発病拡大を防ぎやすくなり、結果として農薬使用量の削減につながったケースもあります。

一方で、観光農園での品種選択では「うどんこ病が果実に発生すると来園者の印象を著しく悪化させる」という現場の声もあります。果実外観への影響が直接的な経営リスクになるため、観光農園経営者はうどんこ病耐性を品種選びの最重要条件の一つとして位置づけているケースが多いようです。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。耐病性品種を導入した産地の生産者からは、「病気の心配が減った分、草勢管理・摘果・収穫作業など、収量と品質に直結する作業に集中できるようになった」という声が聞かれます。耐病性品種は防除コストの削減だけでなく、栽培全体の管理水準を底上げする効果も期待できます。

まとめ

うどんこ病はイチゴの施設栽培で最も警戒が必要な病害の一つであり、葉・果実への感染が収量と品質の両方に影響します。耐病性品種の導入は防除コストの削減と品質安定化に有効ですが、耐性のレベル(強度・中程度など)や対応レースの違いを理解したうえで選定することが重要です。

品種の耐病性だけに頼らず、通風確保・草勢管理・薬剤ローテーションを組み合わせた総合的な防除体系を構築することで、安定したイチゴ生産につなげることができます。うどんこ病耐性イチゴの品種一覧は、タグページからご確認いただけます。

12品種 表示中
恋みのり

恋みのり

三好アグリテック株式会社

酸味が少なくあっさりした味わい、丸い形が特徴のイチゴです。 果実が硬く、日持ちする品種です。九州で多く作られています。 甘さ 4.0 酸味 1.0 硬さ 5.0 ■九州沖縄農業研究センター育成の新品種 果実の揃いがよく、秀品率が高いです。 果皮が硬く、輸送性に優れます。 ウドンコ病に中程度の抵抗性、炭疽病、萎黄病に羅病性です。 ランナーの発生が少ないので苗の確保にご注意ください。

もういっこ

もういっこ

三好アグリテック株式会社

糖度と酸度のバランスが良く、そのすっきりとした甘さには、大粒の果実にもかかわらず、ついつい‘もう一個’手を伸ばしてしまう魅力があります。 大きな果実は硬く濃赤色で、光沢があり、日持ち性に優れています。 ■耐病性 うどんこ病、萎黄病に対して抵抗性があります。 ■栽培特性 果数が少ないため、摘果が不要で省力栽培ができます。

あまえくぼ

あまえくぼ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

促成栽培に適し、大果で糖度が「さちのか」よりも1割以上高い良食味品種である。うどんこ病および炭疽病に中程度以上の抵抗性を示し、摘果等の栽培管理作業の省力化が可能であり、観光農園等での栽培に適する。 ■主要特性 1. 草姿は立性で、冬期の草勢はやや強く、果房伸長性に優れる。うどんこ病および炭疽病には、中程度以上の抵抗性を示す。頂果房花数は「さがほのか」と同程度でやや少なく、摘果作業が軽減できる。 2. 花芽分化期は、ポット育苗では9月中旬であり、促成栽培での開花始期および収穫開始期は「とよのか」と同等である。年内および2月末までの早期収量は「とよのか」よりもやや少ない。一方、4月末までの全期収量は、「とよのか」と同等である。 3. 果実は約15gと大果で、円錐形、果皮色は淡赤~赤色で光沢は中である。収穫期間を通じた平均糖度は「さちのか」よりも1割以上高く、酸度は「とよのか」と同等で、食味は極良である。硬度は「さちのか」並に高いが、果皮がやや弱く日持ち性がやや劣る。 4. 観光農園での現地適応性評価では、大果で糖度が対照品種よりも1割程度高く、食味の安定性が優れ、食味評価が極めて高い。また、栽培が容易で、栽培管理作業時間を「紅ほっぺ」よりも1割程度短縮でき、管理作業の省力化が可能である。 ■活用面・留意点 1. 促成栽培用品種として利用できる。果皮が弱く日持ち性がやや劣ることから、青果出荷用品種としての適性はやや劣るが、良食味を活かして完熟果をその場で食べる、観光農園や直売所向け品種としての適性が高い。 2. うどんこ病および炭疽病には中程度以上の抵抗性を有するが、萎黄病には罹病性であるため、健全な親株から増殖を行うとともに、育苗期を含め予防的な防除に努める。 3. 果房を畝の中心部に配置する「内なり栽培」では、過繁茂になると果実の着色不良を招きやすいため、果実に十分な光を当て着色を促進するとともに管理温度に留意する。

豊雪姫

豊雪姫

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

一季成り性のイチゴ品種「豊雪姫」は寒高冷地の無加温半促成栽培 (低温カット栽培) および露地栽培に適しており、多収性で商品果率が高い。炭疽病に対して中程度から高い抵抗性、うどんこ病に中程度の抵抗性を有する。 ■主要特性 1. 「豊雪姫 (とよゆきひめ) 」は、2005年に盛岡32号 (「北の輝」×「Chandler」) に「カレンベリー」を交雑した実生集団から選抜した一季成り性品種である。「北の輝」と比較すると、大果で果数が多く多収で商品果率が高く、寒高冷地の無加温半促成栽培 (低温カット栽培) および露地栽培に適する。 2. 果形は円錐で果皮色は赤であり、揃いに優れる。そう果の浮きや果実の割れ、空洞は少なく、果色の黒変は見られない。「北の輝」よりBrix.はやや低く、酸度はやや高く、食味はやや優れる。 3. 炭疽病に対しては、発病度と枯死株率が「宝交早生」と同程度であり、中から高い抵抗性、うどんこ病に対しては「とよのか」より発病度が低く、中程度の抵抗性である。 ■果実と草姿

四季成りいちご あまごこち

四季成りいちご あまごこち

株式会社ハクサン

甘いいちごが自宅で何度でも収穫できる♪初心者におすすめの育てやすさ ■POINT ・春から秋まで何度も収穫ができます ・四季成りでありながら高糖度のいちごが収穫できます ・自然受粉しやすく簡単に収穫できます ・ウドンコ病にかかりにくくなりました ■育て方ポイント 実が大きくならない時は、※成り疲れかもしれません。花房を茎元から取り除き、薄めの液肥を定期的にあげてください。 ■品種情報 あまごこちは、1ポットにたくさんの実がなります。人工受粉に自信がなくても自然に実がなりやすく、初めていちごを育てる人におすすめの家庭菜園にぴったりの品種です。 一季成りのいちごよりも小粒で酸味が強い傾向がある四季成りいちごですが、あまごこちのは、一般的ないちごよりも糖度が高めで14~16度もあります。人間の味覚は糖度14度を超えると甘いと感じやすくなると言われており、甘みたっぷりのいちごが堪能できます。 実がなると甘い香りに誘われて鳥などが寄ってくるので、先に獲られないように注意してくださいね。 四季成りいちご あまごこちは、可愛らしい小さな白い花が咲きます。いちごの収穫も楽しみですが、是非花も一緒に楽しんでください。 萼(がく=いちごのヘタと呼ばれる部分)の緑色がきれいで、果実の赤色とのコントラストが美しいいちごになります。

そよかの

そよかの

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

一季成り性のイチゴ品種「そよかの」は寒高冷地の半促成栽培、露地栽培に適しており、多収性で商品果率が高い。うどんこ病レース0に対して抵抗性を有するが、萎黄病に対しては罹病性である。 ■主要特性 「そよかの」は、多収性で極晩生の「豊雪姫とよゆきひめ」を母とし、食味や果実硬度に優れ、うどんこ病レース0抵抗性をもつ「さちのか」を父とした交配を2008年に行い、その中から選抜した極晩生の一季成り性品種である。商品果収量は「北の輝きたのかがやき」より多く「豊雪姫」と同程度である。寒冷地や高冷地における低温カット栽培などの半促成栽培や露地栽培に適する。 果形は円錐形で揃いに優れ、果皮色は明るい赤色で、収穫後の果皮色の黒変は見られない。果実は「北の輝」より柔らかく「豊雪姫」よりは硬く、果実糖度は中程度、酸度はやや高く、食味は中~やや良である。 東北地方等で発生がみられるうどんこ病レース0に対して抵抗性があるが、萎黄病いおうびょうに対しては罹病性。 ■栽培適地 東北地方などの寒冷地や高冷地

恋みのり

恋みのり

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

イチゴ「恋みのり」は促成栽培に適し、連続出蕾性に優れた多収品種である。冬期の草勢が強く草勢維持が容易で、大果で秀品率が高く、収穫・調製作業の省力化が可能である。果実硬度が高く、貯蔵に伴う黒ずみ果の発生が少なく、日持ち性に優れる。 イチゴ「恋みのり」は、イチゴ久留米48号、「さつまおとめ」、「さがほのか」の多元交配から得た03042-08に、「熊研い548」を交雑した実生集団から選抜した一季成り性品種で、促成栽培に適しています。 草姿は立性で、冬期の草勢はかなり強く、果房伸長性に優れています。頂果房花数は「さがほのか」と同程度で摘花作業が軽減できる品種です。 育成地の調査では、 1. 花芽分化期は、ポット育苗では9月中旬で、促成栽培での開花始期は「さがほのか」よりも7日程度遅い品種です。収穫開始期は「さがほのか」よりも11日程度遅い品種ですが、果房間葉数が少ないため連続出蕾性に優れ、収穫ピークの平準化が可能で2月末までの早期収量が多く、4月末までの全期収量も「さがほのか」よりもやや多収です。 2. 果実は約18gと大果で、短円錐~円錐形、果皮色は淡赤~赤色で光沢があります。糖度、酸度ともに「さがほのか」よりもやや高く、香りが強く、食味は良好です。硬度は「さがほのか」よりも高く、貯蔵に伴う黒ずみ果の発生が少なく日持ち性に優れています。また、果実の揃いに優れ秀品率が高いことから、収穫・調製作業の大幅な省力化が可能です。 ■利用上の留意点 1. 促成栽培用品種として利用できます。大果で秀品率が高く、収穫・調製作業の省力化が可能であることから、大規模施設生産に適しています。 2. うどんこ病に対しては中程度の抵抗性を有しますが、萎黄病および炭疽病に対しては罹病性ですので、健全な親株から増殖を行うとともに、育苗期を含め予防的な防除に努めてください。 3. 過度の窒素飢餓状態により芽なし株が発生しやすいので、育苗から本圃定植後の栽培期間を含め、十分な草勢の確保ならびに肥効の維持に留意してください。 4. 草勢が強く連続出蕾性が強いため、果房を畝の中心部に配置する「内なり栽培」では畝幅が狭いと果房が重なり、収穫時の作業性が悪化しやすい品種です。また、過繁茂により果実の着色不良を招きやすいため、十分な畝幅を確保してください。

カレンベリー

カレンベリー

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

「カレンベリー」は、炭疽病、うどんこ病、萎黄病および疫病に対して抵抗性を有し、果実の揃いがよい。やや晩生で、半促成栽培および露地栽培に適する。 ■主要特性 1. 「カレンベリー」は、萎黄病に強い「はつくに」を母親に、食味が優れ、うどんこ病に強い「てるのか」を父親として交雑して1994年に得られた実生から選抜される。 2. 炭疽病および萎黄病に対して中~やや強程度、うどんこ病および疫病に対して強度の抵抗性を示す。 3. 草姿は立性で中間直枝型の果房形態を有し、果房当たりの着果数が少なく摘果作業が不要である。 4. 果実の大きさと形状の揃いが良く、パック詰め作業が省力化できる。 5. 果実は円錐~短円錐形、果皮色は橙赤~赤で光沢があり、果肉色は淡赤である。「とよのか」と比べ果実硬度は高く、糖度と酸度はやや低いが、食味は良好である。 6. やや晩生のため、半促成栽培および露地栽培に適する。

おおきみ

おおきみ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

「おおきみ」は、平均果重が20g以上の極大果で日持ち性と食味に優れ、摘果作業が不要な促成栽培用イチゴ品種で、萎黄病、炭疽病およびうどんこ病に対して抵抗性を有する。 ■主要特性 「おおきみ」は、大果で果実品質の優れる「さつまおとめ」を母親に、大果性の組合せ能力に優れる「いちご中間母本農1号」を父親として交雑して1999年に得られた実生から選抜された。 草姿は立性で、直枝型の果房形態を有し、果房当たりの着花数が少ないため摘果作業が不要である。 1. ランナーの発生は「とよのか」より遅く、発生数も少ない(データ略)。 2. 花芽分化期は、暖地でのポット育苗では9月下旬であり、開花始期は「とよのか」より5日程度遅く、「さちのか」並みである。 3. 早晩性は「さちのか」並で、促成栽培に適する。普通促成栽培での収穫開始期は「とよのか」より7日程度遅く、2月末までの早期収量は「とよのか」より少ないが、4月末までの収量は同等であり、商品果率は極めて高い。 4. 果実は平均果重が20g以上の極大果で、形状(円錐~短円錐形)の揃いに優れる。果皮色は光沢がある橙赤色~赤色で、果肉色は淡橙色~淡赤色である。果実硬度は「とよのか」より高く、日持ち性に優れる。糖度が高く、香りもよく、食味は極めて良好である。 5. 炭疽病、うどんこ病および萎黄病に対して、それぞれ中程度、強度およびやや強程度の抵抗性を示す。

夏の輝

夏の輝

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

夏から秋にかけて開花結実する性質を持ち、通常の促成栽培用品種が収穫できない時期にイチゴを収穫することができます。糖度のわりに酸味が少なく、食味も優れています。主要な病害である萎黄病に強く、うどんこ病、炭疽病にも比較的強く、栽培しやすい品種です。 ■主要特性 1. 「夏の輝」は、暖地の夏から秋の高温・長日条件下でも連続的に開花・結実する性質を持ち、夏秋どり栽培に適します。 2. 夏季でも旺盛な生育を示し、既存の四季なり性品種と比較すると、商品となる果実の収量(商品果収量)は「サマーベリー」より多く、特に秋季(8月~10月)の商品果収量が多い特徴があります。 3. 果実の甘さを示す糖度は「サマーベリー」と同程度でやや高く、酸度はやや低く、糖酸比は高く、香りは中、食味は良好です。果実の硬さ(硬度)は「サマーベリー」と同程度です。 4. 萎黄病に対しては強度の抵抗性、うどんこ病に対しては中程度の抵抗性、炭疽病に対しては「とよのか」と同程度の中程度抵抗性を示し、減農薬栽培も可能と考えられます。 5. パッドアンドファン冷却8)やクラウン(株元の短縮茎)部温度管理技術など高度な環境制御を導入した太陽光利用型植物工場における栽培体系に、本品種を用いた夏秋どり栽培と一季成り性品種を用いた促成栽培(冬~春に収穫)を組み合わせることで、周年栽培も可能となります。

残り2品種を見る ›