栽培環境・条件

ハウス・トンネル栽培向きのネギ品種一覧 全17種類

ハウス・トンネル栽培向きネギ ハウス・トンネル栽培向きネギとは ハウス・トンネル栽培向きネギとは、ビニールハウスやトンネル被覆による施設栽培に適した特性を持つネギ品種群を指します。露地栽培が主体のネギ生産において、施設を活用した周年生産体制

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ハウス・トンネル栽培向きについて

ハウス・トンネル栽培向きネギ

ハウス・トンネル栽培向きネギとは

ハウス・トンネル栽培向きネギとは、ビニールハウスやトンネル被覆による施設栽培に適した特性を持つネギ品種群を指します。露地栽培が主体のネギ生産において、施設を活用した周年生産体制の構築や、端境期の出荷を可能にする品種です。

施設栽培向き品種に求められる特性は、作型によって異なります。冬春期のハウス栽培では低温伸長性が重視され、低温条件下でも安定した生育と葉鞘部の充実が求められます。一方、夏秋期のハウス栽培では耐暑性や高温期の品質維持が課題となります。

ネギの施設栽培は、大きく分けて青ネギ(葉ネギ)型と白ネギ(根深ネギ)型の2つの体系があります。青ネギ型ではハウス内での密植・短期回転栽培が中心であり、白ネギ型ではハウス内での育苗や、トンネルを利用した早出し・遅出し栽培が行われます。いずれの体系でも、施設内の環境条件に適応した品種選びが成功の鍵です。

施設内は露地と比べて高温多湿になりやすく、べと病やさび病などの病害リスクが高まる環境です。このため、施設栽培向き品種には、生育特性だけでなく、主要病害への耐性も合わせて求められる傾向にあります。

この特性の魅力

施設栽培向き品種を活用する最大の魅力は、露地栽培では難しい時期の出荷が可能になることです。ネギの市場価格は季節変動が大きく、端境期には高値で取引される傾向があります。施設栽培によりこの端境期に出荷できれば、高単価での販売が期待できます。

経営面では、年間を通じた安定収入の確保が大きなメリットです。露地栽培だけでは出荷できない時期にも施設栽培で出荷を継続することで、収入の平準化を図ることが可能です。取引先への周年供給を実現できれば、安定した取引関係の構築にもつながります。

気象リスクの軽減も施設栽培の重要な利点です。台風や集中豪雨、長期の干ばつなど、露地栽培では避けられない気象リスクを施設栽培では大幅に軽減できます。特に、近年の気候変動に伴う異常気象の頻発は、施設栽培のリスクヘッジ機能を再評価する契機となっています。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。施設栽培のメリットを最大限に活かすには、品種の選定だけでなく、施設内の温湿度管理の精度が重要です。同じ品種を使っていても、換気や灌水の管理の差によって品質に大きな開きが出ることがあります。

適した品種の特徴

ハウス・トンネル栽培に適した品種には、作型に応じたいくつかの共通特性があります。

冬春期の施設栽培向き品種では、低温伸長性が重要な特性です。冬場のハウス内は日中は温度が上がるものの、夜間は外気温に近い低温になります。こうした温度変動の大きい環境でも生育が停滞しにくい品種が適しています。

葉の立ち性(直立型の草姿)も施設栽培で重視される特性です。施設内は栽植密度が高くなりがちであり、葉が横に広がる品種は隣接する株と干渉して通風性が悪化します。葉が直立する品種は、高密植条件でも通風性を維持しやすく、病害リスクの軽減につながります。

意外と知られていないのですが、施設栽培ではネギの抽苔(とう立ち)リスクへの対策も重要です。冬場の低温に一定期間遭遇した後に気温が上昇すると、花芽分化が促進されて抽苔する場合があります。晩抽性(抽苔しにくい性質)を持つ品種を選ぶことで、このリスクを軽減できます。

品種間のトレードオフとしては、施設栽培に適した品種は露地栽培では徒長しやすいケースがあります。施設と露地の兼用を考えている場合は、両方の栽培条件での適性を確認する必要があります。

栽培のポイント

ハウス・トンネル栽培では、施設内の環境管理が品質と収量を大きく左右します。

温度管理は最も基本的かつ重要な管理項目です。ネギの生育適温は15〜20度程度であり、5度以下では生育が著しく遅れ、30度以上では品質低下のリスクが高まります。冬場のハウス栽培では、日中の換気で過度な高温を防ぎ、夜間は保温資材で低温を緩和するのが基本です。

湿度管理は病害対策の観点から特に重要です。施設内は露地に比べて多湿になりやすく、べと病やさび病、灰色かび病のリスクが高まります。適切な換気による湿度の低減と、朝露の乾燥を促す管理が病害予防の基本です。循環扇(ファン)の設置は、施設内の空気の滞留を防ぎ、湿度を均一化する効果があります。

灌水管理では、土壌の過湿を避けることがポイントです。施設内は降雨がないため灌水で水分を補給しますが、過剰な灌水は根腐れや軟腐病の原因になります。土壌の水分状態を確認しながら、適量の灌水を心がけます。

施肥管理は、露地栽培に準じた元肥主体の設計が基本ですが、施設内は溶脱が少ないため、露地より施肥量をやや控えめに設定するケースが多いです。追肥は生育状態を見ながら少量ずつ施用します。

土寄せ(軟白管理)は、白ネギの場合は露地と同様に行いますが、施設内では作業スペースが限られるため、栽植間隔と土寄せの作業性の両立が求められます。

品種選びのコツ

ハウス・トンネル栽培向きの品種選びでは、自分の栽培体系と施設のタイプに合った特性を持つ品種を見極めることが重要です。

まず確認すべきは、栽培タイプ(青ネギか白ネギか)と作型(冬春期か夏秋期か)です。この2軸で品種の候補を絞り込むのが基本的なアプローチです。品種カタログの作型適応表を参考に、自分の施設タイプと栽培時期に合った品種を選定します。

病害耐性も重要なチェックポイントです。施設内は多湿になりやすく病害リスクが高いため、主要病害(べと病、さび病、黒斑病)に対する耐性を持つ品種が望ましいです。耐病性品種を選ぶことで、薬剤防除の回数を減らし、省力化と減農薬につなげることが可能です。

晩抽性の確認も欠かせません。特に冬春期の施設栽培では、低温遭遇後の抽苔リスクがあるため、晩抽性の高い品種を選ぶことが安定生産の基本です。

分げつ性については、用途に応じて判断します。分げつしやすい品種は一株から複数本収穫できるメリットがありますが、太さの揃いが不均一になりやすい面もあります。販売先の求める規格に合わせて選定します。

試作を行う場合は、同一施設内で複数品種を少面積ずつ栽培し、生育速度・品質・病害耐性・収量を比較評価することが品種選定の精度を高めます。施設の環境条件(日照量、温度推移、排水性)は圃場ごとに異なるため、自分の施設での評価が不可欠です。

市場動向とこれから

ネギのハウス・トンネル栽培は、周年供給体制の構築を目指す産地を中心に導入が進んでいます。特に、青ネギ(葉ネギ)の施設栽培は京都府や大阪府を中心とした関西圏で盛んであり、年間を通じた安定供給が実現しています。

白ネギについても、トンネルを利用した早出し栽培が各産地で導入され、露地ものの端境期を補完する出荷体制が整備されつつあります。冬場の低温期に施設を活用して育苗し、早春にトンネル栽培で定植することで、通常より1〜2か月早い出荷が可能になります。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、施設栽培のネギは露地ものと比較して生産コストが高くなるため、端境期の高単価を前提とした経営計画が必要です。施設の減価償却費や暖房費を含めた損益分岐点を把握した上で、栽培面積と出荷時期を設定することが重要です。

今後の展望としては、環境制御技術の高度化が施設栽培のネギ生産に新たな可能性をもたらすと期待されています。温湿度や灌水の自動制御により、省力化と品質の安定化を両立する取り組みが一部の産地で始まっています。また、気候変動による露地栽培の不安定化は、施設栽培の重要性をさらに高める要因となり得ます。種苗メーカー各社も、施設適性に優れた品種の開発を強化しており、今後も品種の選択肢は広がっていくと見られています。

まとめ

ハウス・トンネル栽培向きネギは、低温伸長性や晩抽性、コンパクトな草姿といった特性を持ち、施設を利用した端境期出荷や周年生産を可能にする品種群です。高単価での販売や気象リスクの軽減、年間収入の平準化といった経営面のメリットがあります。

品種選びにあたっては、栽培タイプ(青ネギ・白ネギ)、作型(冬春・夏秋)、病害耐性、晩抽性を総合的に評価し、自分の施設タイプと経営計画に合った品種を選定することが重要です。栽培面では、温湿度管理と病害対策が品質と収量の安定の鍵であり、施設内環境のきめ細かな制御が安定した生産につながります。

17品種 掲載中
こいわらべ

こいわらべ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

「こいわらべ」は、葉の短いコンパクトサイズのネギで、極晩抽性を有し、春どり~初夏どりの作型で高収量が得られます。収穫物の襟部の締まりがよく形状の揃いに優れ、秀品率も高くなります。葉身、葉鞘ともに軟らかく、辛みが少ない特徴を持ちます。 ■主要特性 1. 「こいわらべ」の外観は、一般のネギ品種よりも短く太い特徴をもちます(写真1)。「ゆめわらべ」と比べ、葉身・葉鞘はやや短く、葉鞘径は太く、収穫物の形状の揃いにも優れます(表1)。 2. 「ふゆわらべ」及び「ゆめわらべ」より抽だい時期が遅く、9月中旬以降に播種した場合、翌年5~6月に抽だいがほとんど発生せず収穫に至り、両品種より収量が多くなります(表1、写真2)。 3. 辛みの程度は低く(表1)、葉身・葉鞘ともに軟らかい食感をもち、全体を食すことができます。 4. 冬季積雪のない温暖地又は暖地において夏~秋に播種し、春~初夏に収穫する露地栽培又はトンネル栽培に適しています。 5. 「こいわらべ」は、極晩抽性をもち短葉で軟らかく辛みの少ない「MSS-TA-4」を母親、短葉で葉鞘肥大の旺盛な「TAM-3」を父親とするF1品種です。

すさまる

すさまる

株式会社サカタのタネ

極濃緑・多収で葉先が強い夏用小ネギ ■特性 1. 高温時期でも生育停滞しにくく、葉肉が厚く収量性が高い。 2. 葉色は濃く、立性がよいため秀品性が高い。 3. そろいがよく、皮むきがしやすいため、出荷作業性がよい。 4. 播種後60~70日で収穫できる中早生品種。 5. 種子サイズはやや大粒のため、薄まきにならないよう注意する。 ■適応性 ハウス栽培では3月中旬から9月中旬播種、5月下旬から11月下旬収穫に適します。高温時期でも生育停滞しづらい品種ですが、基本的には伸びにくくガッチリした夏用小ネギ品種です。そのため、温度がある初夏から秋収穫に適性が高く、反対に低温時期の収穫では長さが出にくくなるため、10月以降の播種は控えます。露地栽培でも立性で収量は高く仕上がりますが、疎植になると葉太りして長さが取りづらくなるので、状況に応じて栽植密度の調整が必要です。 ■圃場準備・土づくり 水分コントロールがしやすい、排水性のよい圃場を準備します。排水がコントロールしにくい場合は、ハウスの内回りに溝を切るなどして排水性の調整を行います。施肥・耕耘後、しっかり灌水し地水を確保し、トラクターが入れる程度に乾いたら耕耘・整地します。 ■播種~発芽 播種量は10a当たり3Lを目安としますが、圃場や時期によって葉太りや葉のなびきが発生するため、状況に応じて適宜播種量を調整します。播種から発芽までは表面が乾き過ぎないように注意して灌水しますが、1回の灌水量が多いとやわらかい土が締まって固くなるので、注意します。また高温時期の播種は直射日光でダメージを受けるので遮光をして地際の気温上昇を抑えます。発芽から本葉1枚目が出るまでに地表面がぬれていると立ち枯れ病が発生しやすいので、水を控え乾燥気味にします。 ■本葉1枚目~2.5枚目 本葉1枚目が展葉してきたら、灌水を再開し生育を促します。高温時期には日中表面がぬれていると根がダメージを受けて生育が停滞するので、夕方に灌水し日中は表面が少し乾いている程度にします。本品種は初期生育は早いですが、後半の生育は緩慢になり葉色が濃くなります。本葉3枚目の葉色が淡い場合は、灌水を控えて葉色を出します。 ■本葉2.5枚目~収穫まで 日中のなびき具合と、葉色を見ながら灌水量を調節します。葉色が淡い場合には灌水を控え、色を出し、適度な色を出しながら葉がなびかないように灌水量を調整します。 ■病害虫防除 本品種は耐病性品種ではないので、慣行通り防除が必要です。春・秋はさび病・べと病・葉枯れ病などの葉の病気が増えるので予防的に殺菌剤を散布するように心掛けましょう。夏期はネギアザミウマやハモグリバエなど害虫の発生が増加するので、それぞれの害虫に応じた殺虫剤の散布、ハウス側面からの飛び込み防止のため、ネットの設置・ハウス周囲の除草などを徹底しましょう。

下仁田ネギ

下仁田ネギ

トキタ種苗株式会社

太く、軟らかな食感は、ネギの殿様 ■特性 群馬県下仁田地方の原産で、おいしいネギの代表品種。殿様ネギとも呼ばれます。軟白部は20−25cm、太さ3−4cmで分げつはしません。葉は濃緑色で短太。葉数は少なくやや開きます。 ■栽培上の注意 霜で葉が枯れます。 ■播き時期 春まき2-3月で収穫11-1月。秋まき9-10月で収穫は翌年の11月ころ。 ■播種方法 低温期には発芽適温15−25℃を目指してトンネルやハウスで発芽させる。初期生育がゆっくりなので小さいうちはあまりいじらずに順調に生育させられるような場所で育苗するとよい。 ■植え付け 90cm畝に5cm間隔を目安に定植する。 ■土壌条件 日当たり、水はけよく、肥沃な土壌が良い。日陰になるようなところだと生育がおとる。 ■肥料 涼しくなってきたころから土寄せ時に追肥を与える。 ■収穫 十分太くなったものから順次収穫する。 ■料理 まずは鍋物で。葉が厚く、軟らかな食感が楽しめます。

京千緑

京千緑

タキイ種苗株式会社

濃緑・立性で葉先枯れの少ない多収葉ネギ! ■特長 ・生育が早く旺盛で、株の太りがよく収量性が高い。耐暑性や耐寒性も高く、秋から春どりの中ネギ栽培で最も能力を発揮するほか、小ネギの周年栽培にも適する。 ・葉は濃緑、立性で荷姿がよく市場性にすぐれ、葉折れや葉先枯れの発生が少なく、秀品率が高い。 ・そろい性にすぐれ、葉鞘基部のふくらみも少ないため、出荷・調製作業が容易。中ネギ栽培でも分けつの発生はほとんどない。 ■栽培の要点 ・生育が旺盛なため、特に生育後半の潅水量には十分注意し、軟弱徒長を防止する。特に秋や初夏の伸びやすい時期の栽培では、水分が多いと葉折れや倒伏の要因となるので注意する。 ・生育が早いため、収穫適期を守ることが重要。また、低温伸長性にすぐれるため、冬季の栽培ではパイプハウスやトンネルの換気を適度に行い、硬く充実した株に仕上げる。

京千羽

京千羽

タキイ種苗株式会社

そろい性にすぐれ、葉先枯れに強い!荷姿が美しい葉ネギ! ■特長 ・密植してもよくそろい秀品率が高い。 ・長さと太さともによくそろい収量性にすぐれる。 ・草姿立性の細葉であるため、葉折れや倒伏の発生が少ない。 ・濃緑葉で葉先枯れにも強く荷姿が美しい。 ・低温期でも安定して生育し、1〜2月どりが可能。耐寒性があるためトンネル栽培のほか、露地栽培も可能。 ・葉鞘部のしまりがよいため安定して2葉残しでの調製が可能。葉枚数をしっかりと確保できるため歩どまりが高い。 ■栽培の要点 ・有機質を十分に施用し、通気性と排水性が良好な膨軟な土づくりを心掛ける。 ・高温期の7〜8月まきは、発芽をそろえるため遮光資材などで地温低下と乾燥防止に努める。 ・春〜初夏どりでは生育が早いため、収穫適期を守る。 ・冬季の栽培ではパイプハウスやトンネルの換気を適度に行い、しまりのよい充実した株に仕上げる。

冬扇3号

冬扇3号

株式会社サカタのタネ

耐寒性が強く極多収、厳寒期どりおよびハウス簡易軟白栽培の決定版 ■特性 1. 合黒系秋冬ネギ。 2. 耐寒性が強く、厳寒期でも葉折れが少なく、良品多収となる。 3. 低温伸長性が優れ、土質の重い地域や冷涼地、ハウス簡易軟白栽培に適する。 4. 草勢は強く、立葉で葉折れが少ないので、機械管理作業が容易である。 5. 太さは商品価値の高いL〜2Lでそろうため、秀品率が高く、収穫調整作業が容易である。 6.苗のそろいや定植後の生育がよいため、チェーンポットやセル育苗で特に能力を発揮する。 ■要点 ・ 軟白部の伸びが非常によい品種なので、とり遅れにならないように(いわゆる棒ネギにならないように)適期収穫を心がけてください。 ・ 苗作りは良品多収の第一歩。肥料切れや老化苗にならないように注意し、適期定植を心がけてください。定植後は灌水し、スムーズな活着を促すとともに、ヨトウムシ、ハモグリバエ、アザミウマなどの防除に努めてください。 ・ 伸びがよい品種なので、強風で倒伏しない程度に、小まめに土寄せを行ってください。

初夏扇

初夏扇

株式会社サカタのタネ

晩抽性があり、耐暑性のある合黒系一本ネギ ■特性 1.春どりおよび初夏どりに適する合黒系一本ネギ。 2.太りがよく襟締まりのよい晩抽品種。「春扇」よりも抽台が遅い。 3.草勢は「春扇」よりややおとなしく、過肥大や襟割れの発生が少ないため在圃性が優れる。 4.葉色が濃く草姿はコンパクト。葉は立性で機械管理作業の適応性が高い。 ■適応性 春どりおよび初夏どりに適します。一般地の春どりでは6月播種の4月どりにおいて特に能力を発揮します。「春扇」ではやや難しい4月下旬〜5月初旬どりがおすすめです。初夏どりでは6〜7月どりに適します。その中でも10月上旬に播種し、12月中旬〜3月下旬までトンネルを使用する6月どりに特に適します。 ■栽培:春どり 播種密度は株間2〜2.5cmが基準です。春どりでは定植期が高温期に当たるので、排水性のよい圃場を選定し額縁排水などの排水対策を行います。定植後、活着するまでは灌水を行います。肥培管理は慣行の春どり栽培に準じますが、元肥はやや抑えてこまめな追肥で仕上げると生育が安定します。土寄せは太りを確認しながら行います。抽苔は生育期間中の肥切れや管理の遅れ、冬の温度や水分状況の影響を受けます。3月以降にネギの内部葉数および花芽位置を確認し、およその抽苔時期を予測しておくと安心です。 ■栽培:初夏どり 播種密度は株間2.5〜3cmが基準です。無理な早まき、被覆資材の保温力が不十分な場合や換気が強すぎる場合は、抽苔が起こりやすくなるので注意します。 初夏どりでは栽培期間が短いため、元肥をやや多めに施肥します。4月以降の適温期に生育を促進させますが、「春扇」のように太りは早くないので、太りを確認しながら土寄せを行います。収穫では適期収穫を心がけます。 ■病害虫防除 葉の病害ではさび病、べと病に注意が必要です。収穫期にあたる春~初夏に特に発生しやすいので、発病前から予防的に防除を心がけます。土壌病害では白絹病と軟腐病に注意します。これらの病害は特に6月以降の高温期に発生が顕著となるので、春どりでは定植後〜9 月までの防除、初夏どりでは5〜6月の土寄せ時の防除を確実に行うことが大切です。

初夏扇2号

初夏扇2号

株式会社サカタのタネ

極晩抽性で草姿コンパクト。耐暑性に優れる一本ネギ ■特性 1.極晩抽性で「春扇」および「初夏扇」よりも抽苔が遅く、一般地では5月上旬までの出荷が可能※ 2.「春扇」および「初夏扇」より肥大がゆっくりな中生品種で、伸びすぎや太りすぎる心配が少ない。在圃性に優れる。 3.襟部の締まり・葉鞘部の締まりに優れ、晩春や初夏の温度上昇期でも耐暑性があり、品質が低下しにくい。 4.葉がコンパクトで風に強く、管理しやすい。皮むきがしやすいため、出荷効率がよい。 5.「春扇」や「初夏扇」と比較してさび病、葉枯病などの葉の病害にやや強い。 ※晩抽性については、気象や栽培条件によって差が生じることがあります。 ■適応性 温暖地の春どりおよび初夏どりに適応し、中生品種として作型後半の収穫に適します。収穫時期が3~5月上旬までの春どり作型の中では、最も晩抽性が必要とされる4月下旬~5月上旬どりに適します。春どり全般では、太りがよく、収量性の高い「春扇」、太りと在圃性のバランスに優れる「初夏扇」を主力で使用することをおすすめします。 一方、トンネルなど被覆資材を使用する初夏どり(10月まき6月どり)でも適応性がありますが、太りはゆっくりのため、収穫時期は6月下旬ごろになります。収量性は「初夏扇」にやや劣りますが、耐暑性が優れるため、6月下旬~7月上旬収穫で締まりよく重量感のあるネギが期待できます。一方で、9月まきなど無理な早まきでは、抽だいしやすいので、早まきしないよう注意が必要です。 ■栽培:春どり 栽植密度は株間2~2.5cmが基準です。春どりでは定植が高温期に当たるので、排水性のよい圃場を選定し額縁排水などの排水対策を行います。定植後、活着するまでは灌水を行います。肥培管理は慣行の春どり栽培に準じますが、元肥はやや抑えて小まめな追肥で仕上げると生育が安定します。土寄せは太りを確認しながら行います。抽だいは生育期間中の肥切れや管理の遅れ、冬の温度や水分状況の影響を受けます。3月以降にネギの内部葉数および花芽位置を確認し、おおよその抽苔時期を予測しておくと安心です。 ■栽培:初夏どり 栽植密度は株間2.5~3cmが基準です。9月下旬などの無理な早まき、被覆資材の保温力が不十分な場合や換気が強すぎる場合は、抽だいが起こりやすくなるので注意します。初夏どりでは栽培期間が短いため、元肥をやや多めに施肥します。4月以降の適温期に生育を促進させますが、「春扇」のように太りは早くないので、太りを優先させながら土寄せを行います。収穫では適期収穫を心がけます。 ■病害虫防除 葉の病害ではさび病、べと病に注意が必要です。収穫期にあたる春~初夏に特に発生しやすいので、発病前から予防的に防除を心がけます。土壌病害では白絹病と軟腐病に注意します。これらの病害は特に6月以降の高温期に発生が顕著となるので、春どりでは定植後~9月までの防除、初夏どりでは5~6月の土寄せ時の防除を確実に行うことが大切です。

吉晴(よしはる)

吉晴(よしはる)

株式会社武蔵野種苗園

端境期の5~6月出荷で評価抜群 特性 ●草姿は半開、草丈は中位。葉長は短く、葉枚数はやや多く、葉色はやや濃い。 ●端境期にあたる、5~6月どりが可能で5月どりでは分げつネギとして、6月どりでは、極晩抽の一本ネギとして出荷できる。また、トンネルを利用した栽培では、5月中旬からの出荷も可能である。 ●元来分げつネギのため、2㎝以上太くすると、分げつを始め締まりが悪くなる。 ●ネギの特産地埼玉県の篤農家、鈴木雅晴氏が育成。 栽培のポイント ●葉鞘部が2㎝以上の太さになると分げつを始めるので、極端な早まきは避け適期播種を心掛ける。 ●積雪地帯の春どり栽培では、雪解け時に欠株してしまうことがあるので、排水対策をを十分に行う。

大地の響き

大地の響き

トキタ種苗株式会社

早生・早太り・トップクラスの根の強さ ■特性 酷暑期の発根の衰えがなく、夏越し良好。 盛夏どり、低温伸長性をいかして秋冬どりに好適。 伸張のある合黒草姿の早生F1品種です。 高温乾燥、多湿に耐性があるため、秋冬作における越夏性に優れ、残存株数が高まり反収があがります。 葉鞘長、葉鞘径ともに斉一性に優れ、収穫時の青果高単価規格に良く揃います。 他合黒品種に見られるような過度の抜け上がりや、止め土後の首部のバラけが少ないので長い在圃期間がとれます。 ■栽培上の注意 土壌病害、茎葉病害に対して強健ではありますが耐病品種ではありません。耕種的な防除も心がけましょう。 晩抽品種ではありませんので春〜初夏どりでは抽苔の危険性があります。 ■播き時期 一般地1-4月まき、7-年明け3月どり ■収穫 草姿は立性で作業管理が容易であると同時に、伸張性を利用したハウス軟白にも適する品種です

春扇

春扇

株式会社サカタのタネ

良品多収で食味抜群の晩抽一本ネギ ■特性 1.合黒系晩抽一本ネギ。分けつの発生はほとんどない。 2.立葉で葉折れが少なく、機械管理作業が容易である。 3.早生で太りが早く、特にトンネルの5月収穫では、秀品率が高く極多収となる。 4.軟白部は繊維質が少なく、肉厚で食味がよい。 5.苗のそろいや定植後の生育がよいため露地育苗のほか、チェーンポットやセル育苗での栽培で特に能力を発揮する。 ■要点 1.早まきは抽だいの原因となるので、収穫時期および栽培地域にあった播種適期を厳守します。 2.10月まき栽培では、定植時にトンネル被覆を行い、防寒および抽だいの防止に努めます。 3.苗作りは良品多収の第一歩。苗の肥料切れ、老化苗の定植や厳寒期の肥料不足は、抽だいや分けつを誘発する原因になるので特に注意します。 4.5〜7月まきは、定植期が高温乾燥期なので、定植後は灌水し、スムーズな活着を促してください。 5.高温期はヨトウムシ、ハモグリバエ、アザミウマ等の活動が活発で、致命的な被害を及ぼすことがあるので、病害虫防除に努めましょう。

深緑のいざない

深緑のいざない

トキタ種苗株式会社

濃緑、伸長肥大型立性。初夏どりで高値販売を狙う(営利栽培むけ)試作名TSX−513 ■特性 黒柄草姿の晩抽系F1品種です。立性で荷姿が美しく、市場性に秀でています。晩抽性を兼ね備えているため、播種期を変えることで幅広い作型を組めます。斉一性は良好でM、L等の単価の高い株に良く揃います。土壌病害や生理障害に強く、歩留まり良いです。伸長性に優れ、同時に肥大してくるため、初夏どり作においてトンネルを外した後の早出しが容易です。葉先枯れが出にくく、茎葉病害に比較的強い品種です。 ■栽培上の注意 栽培上のストレスにより抽だい、分けつを生じることがあります。適期管理、適期収穫を心掛けてください。 ■播き時期 春どり:4月下旬から6月中旬、3月下旬から5月上旬どり 初夏どり(トンネル):10月上旬から11月上旬、5月下旬から7月上旬どり ■播種方法 セルトレイやペーパーポット、育苗箱などに播種する場合 トレイなどの場合は、土を詰め、くぼみをつけて播き穴とし、1穴に3粒程度まきます。篩などでまんべんなく覆土したら水をたっぷり与え、発芽まで新聞紙などで覆っておきます。適宜間引きをし2本立てにします。草丈15cm程度まで育てます。培土は、「ガッチリくんネギ用」など専用培土が育苗期間を通じて肥料を供給しがっちりした苗に育てることができ、管理が容易です。 ■植え付け 育苗床やセルトレイの場合は、植え付け1,2時間前にたっぷり水を与え苗を抜き取りやすくしておくとよいでしょう。 ■土壌条件 軟白部をより長く育てるには、通気性、水はけ、保水性がよく、土寄せしたときに土崩れしにくい土壌であることが望まれます。土壌酸度pH5.7〜7.4が適正範囲。連作障害は出にくいとされていますが、できれば1〜2年、あけた方が生育がよいようです。 植え付けの準備:畑の東西に幅10〜15cm程度、深さ30cm程度の溝を掘り、溝の底に完熟堆肥5リットルと元肥の化成肥料量を混和した後、間土を10cm程度盛り、20cm程度の深さに植え溝とします。溝の北側の壁に5cmほど間隔をあけて苗をまっすぐ立て掛け、根の部分に土を3〜4cmの厚さに土をかけて倒れないようにします。 藁や刈り草を根元に厚く敷き、根が乾燥するのを防ぎます。生育に合わせて、植え溝に1〜2回に分けて土を戻し平らにしたら、土を株元に盛っていく土寄せを3〜4回行います。土寄せは葉の分かれている部分よりやや下のあたりまでが目安で、生育が遅滞する真夏には無理に行わないようにします。土寄せと同時に追肥を行い、化成肥料の場合は、茎に直接触れないようにします。最後の土寄せ(止め土)は分かれ目よりやや上まで盛り上げて、首元を締めるようにします。 ■肥料 苦土石灰は、1平方メートルあたり150g位を全層混合。生育途中の肥切れや逆に過剰になっても、生育を妨げ、病害発生の助長、青果品質の低下につながるので、最終的な本圃のチッソ成分は平方メートルあたり、20〜25g程度が目標。元肥に全チッソ量の1/3〜1/2、残りを土寄せに合わせ数回に分けて追肥します。 ■収穫 適期管理、適期収穫を心掛けてください。 ■料理 一本葱の用途ならば何にでも好適。

深緑のほほえみ

深緑のほほえみ

トキタ種苗株式会社

深緑のいざない(TSX-513)をより晩抽に改良した伸張性、肥大性に秀でた黒柄系晩抽系F1 一本ネギ ■特性 柄系晩抽系F1一本ネギです。 深緑のいざない(TSX-513)をより晩抽に改良した伸張性、肥大性に秀でた品種です。 価格が高くなるトンネルを用いた初夏ねぎ作の早期出荷に好適です。 葉身部は硬く茎葉病害に強く、初夏ねぎに見られる首部の緩みによる品質の劣化の少ない品種です。 揃い良好で分けつも無いため高単価な規格に歩留まり良く仕上がります。 ■栽培上の注意 伸長性、肥大性に秀でた品種です。適期収穫をお勧めします ■播き時期 初夏ネギトンネル作にお勧め

菊千代

菊千代

株式会社サカタのタネ

濃緑で収量性に優れる周年用小ネギ ■特性 1.低温伸長性があり、低温期でも葉太りしにくく長さが確保できる。 2.葉肉が厚く、重量が乗るため箱数が出る。 3.草姿は立性で、葉色は濃緑。 4.葉がむきやすく、出荷調整作業がしやすい。 5.香りがよく、食味良好。 ■適応性 ハウス栽培(冬期)、露地栽培(周年)、刈り戻し栽培(周年)まで幅広い作型に適合します。ただし、伸長性が強い品種のため、高温期のハウス栽培ではなびきやすいので不向きです。露地栽培において排水性の悪い土壌では高温期に湿害が発生する可能性があるため、排水性のよい土壌を選定します。 ■播種と育苗 露地では移植栽培、ハウスでは直播栽培が一般的です。ネギの最適発芽温度は18~20℃です。移植栽培においては発芽適温を考慮し、温度管理に注意してください。露地栽培での育苗では1穴あたりの播種粒数が10粒前後になり、かなりの密植になります。灌水が多いと軟弱になり倒伏し、立枯病の発生を助長するので、水を絞ってガッチリした苗作りを心がけます。また15cmくらいを目安に適宜刈り戻しを行い、倒伏させないように注意します。刈り払った葉が株元に落ちたままだと、立枯れが発生するため、しっかりと刈り払います。定植1~2週間前にはハウス外に出し順化させておきます。 直播栽培では発芽・初期生育のそろいが非常に重要です。高温期においては播種後に強い日差しに当たると土壌の高温多湿・水ムラによって発芽がそろいません。遮光資材などを用いて、発芽~本葉1枚目までは丁寧に管理しましょう。低温期は発芽に時間がかかるため、ネギの発芽適温を目安にハウス内温度を管理し発芽を促しましょう。 ■病害虫防除 小ネギでの食害痕は著しく商品価値を低下させます。予防的な薬剤防除、周辺の除草、トラップを用いた予察などを徹底して、害虫防除に努めます。また病害に関しても予防的な防除を心がけます。 ■収穫 露地栽培では草丈70~80cm、ハウス栽培では50~60cmが収穫の目安です。「菊千代」は低温伸長性が特徴ですが、低温期以外ではやや伸び過ぎる場合があるので収穫遅れにならないよう適期収穫を心がけます。

西田

西田

カネコ種苗株式会社

耐寒性強く、立性で多収型品種 特性 ●耐寒性と低温伸長性の高い冬どり用ネギで、2~3本に分けつします。●分けつは育苗後期から見られ、1本づつ完全に独立して抱きネギになりにくい品種です。●秋~冬期の伸長が極めて良いので、軟白部は長く、光沢があって市場性が高いです。●さび病、ウイルス病には比較的強いです。●適応作型は、1~2月のトンネルまき、11~12月どり、3~4月まき、12~3月どりです。

越津

越津

株式会社アサヒ農園

あいちの伝統野菜シリーズ 商品特性 ■来歴 原産地は、旧海部郡神守村越津地域を中心に徳川時代から栽培されてきたと伝えられています。 ■特性 葉身部、葉鞘部とも柔らかく、食味に優れます。 ■利用法 なべもの、すき焼きにすると甘みを引き出します。また、葉ネギとしても利用できます。 育て方 ■栽培のポイント 秋まき栽培は9月下旬から10月中旬に播種、3月から4月中旬に仮植し、8月中旬から10月上旬に定植、10月下旬から3月中旬まで収穫できます。 春まき栽培は3月中旬にトンネルの中に播種して8月中旬から9月上旬に定植、11月中旬から3月中旬まで収穫できます。 湿害に弱いので、排水の良い畑で、苦土石灰を施用して作ります。 播種量は、10m²当たり60~80ml 。

陽春の宴(TSX-662)

陽春の宴(TSX-662)

トキタ種苗株式会社

春ねぎ、初夏ねぎのどちらの作型にも好適の晩抽系品種 ■特性 黒柄系晩抽系F1一本ネギ。 4月収穫の春ねぎ作、トンネルを用いた5月6月収穫の初夏ねぎ作のどちらにも好適。 特に6月の初夏ねぎに見られる首部の緩みが無く、市場性の高いネギが出荷可能。 葉は濃緑色で首部も丸く硬く仕上がる。 春ねぎ作での坊主の出現は非常に遅く、高単価の端境期を狙った作付けが可能。 揃い良好で分けつも無いため高単価に取り引きされる規格に歩留まり良く仕上がる。 ■栽培上の注意 中生〜晩生の生育を示します。春ねぎ作では極晩抽性を活かした最後の収穫がお勧め。 9月頃の定植で年明けの気温で伸ばし太らせる。従来より遅い定植は、台風を幼苗状態でやり過ごすことができる。 ■播き時期 春ねぎ作6ー7月まき、4-5月どり 初夏ねぎ作10-11月まき、5-6月どり(トンネル使用) 高冷地12-2月まき、7-8月どり

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