果実・収量特性

多収性のネギ品種一覧 全62種類

多収性ネギ 多収性ネギとは 多収性ネギとは、単位面積あたりの収穫量が多い特性を持つネギ品種群のことを指します。ネギの収量は、1本あたりの重量(太さ・長さ)、栽植密度、分げつ性、秀品率など複数の要因で決まりますが、多収性品種はこれらのうち一つ

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多収性について

多収性ネギ

多収性ネギとは

多収性ネギとは、単位面積あたりの収穫量が多い特性を持つネギ品種群のことを指します。ネギの収量は、1本あたりの重量(太さ・長さ)、栽植密度、分げつ性、秀品率など複数の要因で決まりますが、多収性品種はこれらのうち一つまたは複数に優れた特性を備えています。

ネギは根深ネギ(白ネギ)と葉ネギ(青ネギ)で収量性の評価基準が異なります。根深ネギでは軟白部の長さと太さ、1本あたりの重量が収量の主要な指標です。葉ネギでは分げつ数と葉の伸長速度、再生力が収量に影響します。多収性品種の選定にあたっては、どのタイプのネギを栽培するかによって着目すべき特性が変わります。

まず押さえておきたいのが、ネギの「多収性」は単に太くて重いネギが取れるだけではなく、規格内の秀品がどれだけ取れるかが重要だという点です。ネギは曲がり、分げつの乱れ、軟白部の短さなどの理由で規格外になることがあり、秀品率を含めた実質的な出荷量で「多収」かどうかが評価されます。

多収性を支える形質としては、肥大性の良さ、草勢の強さ、耐暑性・耐寒性による栽培期間の長さ、そして在圃性の高さなどが挙げられます。特に在圃性が高い品種は収穫適期の幅が広く、出荷調整がしやすいことから、結果として出荷量を最大化しやすくなります。

多収性ネギの魅力

多収性ネギの最大のメリットは、面積あたりの収益性の向上です。ネギは栽培期間が長く(根深ネギで定植から収穫まで4〜6か月程度)、土寄せなどの管理作業に多くの労力がかかる作物です。同じ労力をかけるのであれば、収穫量が多い品種のほうが経営効率は高まります。

生産者にとっての経営面の利点として、出荷量の安定確保があります。ネギは周年需要がある作物であり、量販店や業務用需要に応えるためには安定した出荷量が必要です。多収性品種を導入することで、契約栽培での納品数量の達成や、市場出荷での荷口の安定化が期待できます。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。多収性品種の収量ポテンシャルを活かすためには、土寄せのタイミングと回数が重要です。根深ネギの場合、土寄せは軟白部の伸長を促進するための基本作業ですが、多収性品種は肥大力が強いため、土寄せが遅れると軟白部の太りが不揃いになることがあります。品種の特性に合わせた適切なタイミングでの土寄せが、秀品率の高い多収を実現するためのポイントです。

また、収穫時の歩留まりも重要です。多収性品種は1本あたりの重量が大きい傾向がありますが、皮むき調製で外葉を多く除去すると実質的な出荷重量が減少します。外葉の品質が良好で、調製ロスが少ない品種を選ぶことも、実質的な多収につながります。

消費者・市場ニーズ

ネギに対する消費者ニーズは、鍋物・薬味・炒め物など多様な用途に応じた品質が求められますが、産地や流通の視点からは安定した出荷量と品質の両立が重要です。

量販店のバイヤーにとって、ネギは通年で売場に欠かせない定番商品です。特に冬場の鍋物シーズンには需要が急増するため、この時期に十分な出荷量を確保できる産地が優先的に取引先として選ばれます。多収性品種の導入は、ピーク需要への対応力を高める手段の一つです。

業務用市場では、ネギは外食産業や惣菜加工で大量に消費される食材です。カットネギの原料としてまとまった量の安定供給が求められるため、多収性品種は加工業者からの評価も高い傾向にあります。

これ、実は直売所でも重要な要素です。ネギは家庭での消費頻度が高い野菜であり、直売所での販売回転が良い商品です。多収性品種で十分な出荷量を確保できれば、売場に常時商品を並べることが可能になり、顧客の定着につながります。

市場価格の面では、ネギは天候や作柄によって価格変動が大きい作物です。多収性品種で収量を安定させることは、経営のリスク管理にもつながります。

栽培のポイント

多収性ネギの収量ポテンシャルを最大限に引き出すための栽培管理では、育苗・定植・土寄せ・施肥が特に重要です。

育苗管理では、健全で揃いの良い苗を育てることが多収の出発点です。定植時の苗の大きさや品質が、その後の生育と収量に大きく影響します。多収性品種は生育旺盛なものが多いため、育苗期間中に徒長させないよう温度と水分を管理することが重要です。

定植時の栽植密度は、品種の草姿(太りやすさ、葉の展開角度)に合わせて設定します。根深ネギの場合、溝の深さと株間が軟白部の品質に影響します。多収性品種の中には太りが早いものがあり、密植すると太りすぎて規格オーバーになることもあるため、品種の特性に合った栽植密度を設定する必要があります。

土寄せは根深ネギの栽培では最も重要な管理作業です。多収性品種は肥大力が強いため、土寄せのタイミングが遅れると曲がりネギが発生しやすくなります。定期的かつ適切なタイミングでの土寄せが、まっすぐで見栄えの良いネギを多く収穫するための基本です。

施肥管理では、ネギは比較的多肥を好む作物ですが、窒素過多になると軟白部が軟弱になり、品質が低下します。多収性品種は肥料の要求量が大きい傾向がありますが、品種の推奨施肥量を参考に、土壌診断に基づいた施肥設計を行うことが重要です。

病害虫対策としては、べと病、さび病、軟腐病、黒斑病などの主要病害、アザミウマやネギハモグリバエなどの害虫に注意が必要です。病害虫の発生は収量低下に直結するため、品種の耐病性を確認のうえ、適切な防除を実施します。

品種選びのコツ

多収性ネギの品種を選ぶ際は、以下の観点を総合的に検討することが重要です。

  • 収量性の実績: 栽培試験や産地での実績データを確認する。1本あたりの重量と10aあたりの出荷本数の両面で比較する
  • 軟白部の品質: 軟白部の長さ、太さ、締まりの良さを確認する。L・M規格の秀品率が高い品種が実質的に多収
  • 揃いの良さ: 太さや長さの揃いが良い品種は、調製・出荷作業の効率が高い
  • 在圃性: 収穫適期を過ぎても品質が維持される品種は、出荷時期の調整がしやすい
  • 耐病性: べと病、さび病、軟腐病、黒斑病など主要病害への耐性を確認する
  • 耐暑性・耐寒性: 栽培期間を通じて安定した生育が可能かを確認する。夏越しや冬越しの安定性は収量に影響する
  • 抽苔耐性: 春の抽苔(ネギ坊主の発生)が遅い品種は、春どりの栽培で収量を確保しやすい

意外と知られていないのですが、多収性品種の中には肥大が早いぶん、収穫が遅れると太りすぎて規格外(3L以上)になりやすい品種もあります。在圃性が高く、適正サイズを長期間維持できる品種のほうが、出荷計画の柔軟性が高く、実質的な多収につながることがあります。試作段階では、収穫時期をずらした際の品質変化も確認しておくことが品種選定の精度を高めます。

市場動向とこれから

多収性ネギ品種に対する需要は、ネギの安定供給体制の維持と生産効率化のニーズから、着実に高まっています。

国産ネギの主要産地は千葉県、埼玉県、茨城県、群馬県、北海道などで、産地リレーにより周年供給が行われています。各産地では、限られた労働力で最大の出荷量を確保するために、多収性品種への関心が高まっています。特にネギは土寄せなど労働集約的な作業が多い作物であるため、少ない面積で多くの収量を得ることが省力化にもつながります。

種苗メーカー各社は、収量性と品質の両立を目指した品種開発を進めています。肥大性と揃いの良さを兼ね備えた品種、耐病性と多収性を両立させた品種など、複合的な育種目標に基づく品種の充実が進んでいます。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、多収性品種の導入は面積あたりの生産性を高めるための基本的な施策です。ただし、ネギは食味(辛み、甘み、柔らかさ)や外観品質に対する消費者の評価が品種の市場価値を左右するため、収量だけでなく総合的な品質を備えた品種の選定が求められます。

今後の展望としては、機械化栽培体系(機械定植・機械収穫)との適合性が高い多収性品種の開発、高温環境下での安定生育と多収性の両立、そして加工用途に適した品質特性と多収性を兼ね備えた品種の充実が期待されています。

まとめ

多収性ネギは、単位面積あたりの収穫量に優れた品種群であり、面積あたりの収益性向上と安定出荷に寄与する特性を持っています。根深ネギでは軟白部の肥大性と秀品率の高さ、葉ネギでは分げつ性と再生力が多収を支える主な形質です。

栽培面では、品種の特性に合った栽植密度の設定と適切なタイミングの土寄せが多収のポテンシャルを引き出す鍵です。品種選びにあたっては、収量性だけでなく軟白部の品質・揃い・耐病性・在圃性を総合的に評価し、自分の栽培体制や販売先のニーズに合った品種を選定することが重要です。

62品種 表示中
すずわらべ

すずわらべ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

「すずわらべ」は、葉の短いコンパクトサイズのネギで、冬まき夏どり作型に適し、葉鞘の太りが早く短期間の栽培で収穫に至ります。襟部がよく締まり、形状の斉一性に優れ、秀品率が高く多収となります。葉が軟らかく、辛みが少ない特性を有します。 ■主要特性 「すずわらべ」は、一般のネギ品種よりも短く太い形状が特徴です。冬まき夏どりの作型において「ふゆわらべ」及び「ゆめわらべ」より葉鞘径が太く、収穫物の形状がよく揃い、高い秀品率、秀品収量が得られます。 辛味の程度は「ゆめわらべ」並みに低く、一般の根深ネギ品種より軟らかい食感をもち、葉身部も食すことができます。 全国で栽培可能で、冬に播種し、夏に収穫する露地栽培に適しています。葉鞘が短いため、土寄せ回数が一般のネギより少なく、1か月程度早く収穫できます。 「すずわらべ」は、葉鞘肥大が旺盛で、優れた外観特性をもつ「MSN-TAM-1」を母親、短葉で軟らかく辛みの少ない「TA-4」を父親とするF1品種です。

せなみ

せなみ

カネコ種苗株式会社

軟白部のテリ美しく市場性抜群 特性 ●10~1月どりの合黒系一本太ネギで、分けつはほとんどしません。●耐寒性が強いので、厳寒期にも目減りと襟形の崩れを起こしにくく、優品生産が容易です。●軟白部の肥大性、伸長性、しまりは、これまでの冬どり用合黒系ネギより優れており、多収となります。●草姿は立性で、倒伏や葉折れが少なく、機械作業が容易です。

ぬくもり

ぬくもり

カネコ種苗株式会社

軟らかくてうまい! 特性 ●肉厚で繊維質が少ないので、軟らかく食味に優れます。●軟白部の伸びと太りは「下仁田」ネギより優れ、ボリュームがあって多収です。一般的な加賀系品種に比べ襟のしまりは強く、しわの発生も少ないので「むきネギ」としても出荷出来ます。●萎縮病、黒斑病などの茎葉病害には比較的強く、栽培が容易です。●休眠性は浅く、寒い時期でも葉の枯れ込みが少ないので出荷期間を長くとれます。●食味を特に重視する曲がりネギ産地でも好評を得ています。 栽培要点 ●軟質系のネギですので、軟腐病等の土壌病害には注意が必要です。排水対策、薬剤の予防散布を行います。●差別化するためには、浅植え・疎植にして太りを出します。この場合土寄せ回数も少ないので、省力化が可能です。●抽苔はやや早い品種ですので、秋の早まきは避けます。また、春まき2~3月どりでは収穫遅れにならないようにします。

ホワイトスター

ホワイトスター

タキイ種苗株式会社

やわらかくておいしい! 秀品率上々の多収種! ■特長 ・生育が旺盛で伸びと太りがすぐれる、合柄系の良質多収種。 ・軟白部の白さと色つやがすぐれ、肉質はやわらかく苦みや辛みが少ないので食味にすぐれる。 ・そろい性にすぐれ、クズの発生が少なく秀品率が高い。また、皮むき作業が容易なので、出荷調製時間が短縮できる省力品種。 ■栽培の要点 ・比較的吸肥力の強い品種なので、有機や緩効性肥料を用い、緩やかな肥効に努める。 ・生育が旺盛なので、良質性を生かすために適期収穫を心掛ける。 ・晩抽品種ではないので、秋まきでは摘蕾を要する。

京千緑

京千緑

タキイ種苗株式会社

濃緑・立性で葉先枯れの少ない多収葉ネギ! ■特長 ・生育が早く旺盛で、株の太りがよく収量性が高い。耐暑性や耐寒性も高く、秋から春どりの中ネギ栽培で最も能力を発揮するほか、小ネギの周年栽培にも適する。 ・葉は濃緑、立性で荷姿がよく市場性にすぐれ、葉折れや葉先枯れの発生が少なく、秀品率が高い。 ・そろい性にすぐれ、葉鞘基部のふくらみも少ないため、出荷・調製作業が容易。中ネギ栽培でも分けつの発生はほとんどない。 ■栽培の要点 ・生育が旺盛なため、特に生育後半の潅水量には十分注意し、軟弱徒長を防止する。特に秋や初夏の伸びやすい時期の栽培では、水分が多いと葉折れや倒伏の要因となるので注意する。 ・生育が早いため、収穫適期を守ることが重要。また、低温伸長性にすぐれるため、冬季の栽培ではパイプハウスやトンネルの換気を適度に行い、硬く充実した株に仕上げる。

冬扇シオン

冬扇シオン

株式会社サカタのタネ

風に強く、夏越ししやすい冬どり用一本ネギ ■特性 1. 低温時の肥大、伸長性に優れる中生品種。 2. 草姿は立性で締まりがよく、そろい・秀品性が高い。 3. 高温期の欠株が少なく、夏越ししやすい。 4. 生育中期までの太りは比較的ゆっくり進み、10月以降気温が低下してからの肥大性および伸長性がよい。 5. 強風による倒伏の被害が少なく、曲がりが少ない。 6. やや晩抽性があり、3月末まで抽苔なく収穫が可能 ■適応性 関東以西の一般地で、4~5月まき、12~翌年3月どりに適します。中生品種で、低温時に肥大性が発揮されます。そのため、12月以降に適度な太さとなり、1月には十分な太さに達し、3月まで収穫が可能です。晩抽性は「春扇」より1週間程度早く、関東では4月10~15日ごろです。冬の寒波で枯れ込みが強くなった場合でも、3月以降の葉の展開を待ち、出荷ができます。ただし、4月以降に収穫する春どり栽培は「春扇」「初夏扇」が適します。 ■圃場準備・土づくり 土質を選ばず栽培できますが、極端に湿害が出やすい圃場は避けます。通気性、排水性のよい土づくりを心がけ、夏越ししやすくするために、元肥は控えめにしてください。 ■播種・育苗管理 トレー育苗では、40~50本/mとなるように播種を行います。発芽をそろえ適度に換気して、がっちりとした苗を育てます。 ■定植・栽培管理 定植は丁寧に行い、必要に応じて定植後の灌水を行います。本品種に限らず、7~8月の高温期は、土壌病害が多く発生します。そのため、高温期の追肥・土寄せは控え、防除に努めます。9月までは太りがやや遅く細葉のため、台風など風の被害を受けにくく、耐倒伏性を発揮します。 夏越し後の追肥は、9月10日を過ぎてから夜温の低下を見て行います。9月の追肥は、慣行品種より20~30%増しで、肥大を促します。肥大が遅れると首の締まりが緩くなったり、葉枚数が不足したりする要因になります。9月以降はしっかり肥料を効かせるのがポイントです。 土寄せは葉鞘部の太り具合を見ながら小まめに行ってください。葉枚数がやや少ない品種のため、止め土を強くすると襟が伸び上がり、3枚目の外葉の切れが発生することがあります。秋以降の土寄せは強くせず、本葉4~5枚が出ている状態で土寄せしていくと、太りと葉枚数を確保しやすいです。 ■病害虫防除 高温期の白絹病、軟腐病に注意し、適宜防除を行うことが大切です。秋以降は、さび病に注意が必要です。 ■収穫 止め土をして、軟白に必要な日数を置いて試し掘りを行うなど、適期の収穫を心がけます。

冬扇3号

冬扇3号

株式会社サカタのタネ

耐寒性が強く極多収、厳寒期どりおよびハウス簡易軟白栽培の決定版 ■特性 1. 合黒系秋冬ネギ。 2. 耐寒性が強く、厳寒期でも葉折れが少なく、良品多収となる。 3. 低温伸長性が優れ、土質の重い地域や冷涼地、ハウス簡易軟白栽培に適する。 4. 草勢は強く、立葉で葉折れが少ないので、機械管理作業が容易である。 5. 太さは商品価値の高いL〜2Lでそろうため、秀品率が高く、収穫調整作業が容易である。 6.苗のそろいや定植後の生育がよいため、チェーンポットやセル育苗で特に能力を発揮する。 ■要点 ・ 軟白部の伸びが非常によい品種なので、とり遅れにならないように(いわゆる棒ネギにならないように)適期収穫を心がけてください。 ・ 苗作りは良品多収の第一歩。肥料切れや老化苗にならないように注意し、適期定植を心がけてください。定植後は灌水し、スムーズな活着を促すとともに、ヨトウムシ、ハモグリバエ、アザミウマなどの防除に努めてください。 ・ 伸びがよい品種なので、強風で倒伏しない程度に、小まめに土寄せを行ってください。

初夏扇

初夏扇

株式会社サカタのタネ

晩抽性があり、耐暑性のある合黒系一本ネギ ■特性 1.春どりおよび初夏どりに適する合黒系一本ネギ。 2.太りがよく襟締まりのよい晩抽品種。「春扇」よりも抽台が遅い。 3.草勢は「春扇」よりややおとなしく、過肥大や襟割れの発生が少ないため在圃性が優れる。 4.葉色が濃く草姿はコンパクト。葉は立性で機械管理作業の適応性が高い。 ■適応性 春どりおよび初夏どりに適します。一般地の春どりでは6月播種の4月どりにおいて特に能力を発揮します。「春扇」ではやや難しい4月下旬〜5月初旬どりがおすすめです。初夏どりでは6〜7月どりに適します。その中でも10月上旬に播種し、12月中旬〜3月下旬までトンネルを使用する6月どりに特に適します。 ■栽培:春どり 播種密度は株間2〜2.5cmが基準です。春どりでは定植期が高温期に当たるので、排水性のよい圃場を選定し額縁排水などの排水対策を行います。定植後、活着するまでは灌水を行います。肥培管理は慣行の春どり栽培に準じますが、元肥はやや抑えてこまめな追肥で仕上げると生育が安定します。土寄せは太りを確認しながら行います。抽苔は生育期間中の肥切れや管理の遅れ、冬の温度や水分状況の影響を受けます。3月以降にネギの内部葉数および花芽位置を確認し、およその抽苔時期を予測しておくと安心です。 ■栽培:初夏どり 播種密度は株間2.5〜3cmが基準です。無理な早まき、被覆資材の保温力が不十分な場合や換気が強すぎる場合は、抽苔が起こりやすくなるので注意します。 初夏どりでは栽培期間が短いため、元肥をやや多めに施肥します。4月以降の適温期に生育を促進させますが、「春扇」のように太りは早くないので、太りを確認しながら土寄せを行います。収穫では適期収穫を心がけます。 ■病害虫防除 葉の病害ではさび病、べと病に注意が必要です。収穫期にあたる春~初夏に特に発生しやすいので、発病前から予防的に防除を心がけます。土壌病害では白絹病と軟腐病に注意します。これらの病害は特に6月以降の高温期に発生が顕著となるので、春どりでは定植後〜9 月までの防除、初夏どりでは5〜6月の土寄せ時の防除を確実に行うことが大切です。

夏扇パワー

夏扇パワー

株式会社サカタのタネ

早生多収、太りが自慢の黒柄系一本ネギ ■特性 1. 夏秋および秋冬どりに適する適応作型の広い黒柄系一本ネギです。 2. 太りが非常によく、従来の黒柄系よりは低温伸長性のある多収品種です。「夏扇4号」よりも太りに優れますが、首部の締まりは従来の夏扇系品種よりも緩めになります。 3. 厳寒期でも葉が枯れ込みにくく、在圃性にも優れます。 4. 草勢は従来の夏扇系品種よりも強めとなりますが、立性で葉折れが少なく、機械作業の適応性が高いです。 5. 太さは商品価値の高いL~2Lでそろうため、秀品率が高く、収穫調整作業が容易になります。 6. 根の張りがよく耐暑性、耐寒性があり、べと病、さび病、黒斑病には比較的強いです。 7. 苗のそろいや定植後の生育がよいため、露地育苗のほか、チェーンポットやセル育苗での栽培でとくに能力を発揮します。 ■適応性 本品種は夏どり~厳寒期どりまでと作型適応性が広いですが、温暖地では特に年明けどりで能力を発揮します。年明けどりでは、収穫遅れによる葉の枯れ、首割れなどの発生が少なく在圃性に優れるため、安定した出荷が可能です。また、高冷涼地では、早生性を生かした7~8月からの収穫が可能です。 ■肥培管理 定植1カ月前に苦土石灰や堆肥を施し、深く耕うんしておきます。施肥量は10a当たり窒素20~30kg、リン酸20~25kg、カリ20~25kgを標準とします。元肥:追肥は2:8あるいは3:7の割合で施します。追肥は土寄せごとに5~6回に分けて施し、収穫時まで肥切れをしないように注意します。 ■育苗・育苗管理 264穴チェーンポットでは、10a当たり70~80枚必要で、1穴当たり2粒まきおよび2.5粒まき(2粒3粒交互まき)を標準としますが、早出しを狙う場合は2粒まきにします。苗床育苗を行うときは、必ず土壌病害に汚染されていない圃場を選定し、リン酸をやや多めに施し、硬く締まった苗を作るように心がけます。 ■定植および定植後の管理 秋冬どりでは、高温期に湿害などの影響を受けやすいため、とくに排水性のよい圃場を選びます。栽植密度は、畝幅90~100cm、溝の深さ15~20cm、株間2.0~2.5cmで定植します。定植後、乾燥すると生育が遅延し、病害の影響を受けやすくなりますので、乾燥時には散水などを行いスムーズな活着を促します。 ■土寄せ 土寄せは一度にたくさん行わず、追肥と兼ねて4~5回に分けて行います。高温期は生育停滞期なので、なるべく土を動かさないようにし、生育不良にならない程度の肥効にとどめます。軟白に要する日数は、7~9月どりで15~20日、10月どりで30日、11月どりは40日、12月どり以降は50日以上が必要です。最終土寄せは出荷目標日に合わせて行います。 ■病害虫防除 生育初期の病害虫による被害は致命的となるため、早期防除を徹底します。また、高温期は白絹病、萎凋病、軟腐病が発生しやすいため、排水対策に努めると同時に、病害発生前に、それぞれに応じた薬剤を用いて株元散布すると効果的に防除ができます。 ■収穫 とくに太りのよい品種のため、太り過ぎないように適期収穫を心がけます。

夏扇3号

夏扇3号

株式会社サカタのタネ

そろい抜群、秀品率の高い黒柄系一本ネギ ■特性 1. 夏秋および秋冬どりに適する適応作型の広い黒柄系一本ネギ。 2. 「夏扇4号」より生育が大人しく、在圃性がある中早生品種。 3. 草勢強く、立性で葉折れが少なく、機械管理作業が容易な多収品種。 4. 耐暑性、耐寒性があり、べと病、さび病、黒斑病には比較的強い。 ■要点 ・秋まき栽培では、早まきすると抽苔が多く発生することがあるので、その地域の適期播種を心がけます。 ・チェーンポットやセル育苗では、スムーズな活着と、定植直後の病害虫防除に努めます。

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