病害耐性

萎黄病耐性のコマツナ品種一覧 全18種類

萎黄病耐性コマツナ 萎黄病とは 萎黄病は、土壌伝染性の糸状菌(かび)であるFusarium oxysporum(フザリウム・オキシスポルム)のアブラナ科萎黄病菌系統によって引き起こされる病害です。フザリウム菌は宿主特異性が高く、コマツナを含

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萎黄病耐性について

萎黄病耐性コマツナ

萎黄病とは

萎黄病は、土壌伝染性の糸状菌(かび)であるFusarium oxysporum(フザリウム・オキシスポルム)のアブラナ科萎黄病菌系統によって引き起こされる病害です。フザリウム菌は宿主特異性が高く、コマツナを含むアブラナ科に感染する系統はFusarium oxysporum f. sp. conglutinans等として区分されています。

感染すると、根から茎の導管(維管束)内に侵入した菌が増殖し、水分・養分の通道を阻害します。初期症状としては、株の片側の葉が先に黄化・萎れる「片萎れ」が特徴的ですが、コマツナ(Brassica rapa var. perviridis)では株全体が均一に黄化して萎れる場合もあります。症状が進行すると茎の断面の維管束が褐変し、最終的に株全体が黄化・萎縮して枯死します。

萎黄病菌は高温期(地温20〜28℃)に活発に増殖し、夏〜秋の作付けで特に被害が目立ちます。一方、冬〜春の低温期は発病が抑制される傾向があります。酸性の土壌条件で発病が助長されやすいとされており、圃場の土壌pHの管理も重要な防除要素です。

最も深刻な問題は、菌が土壌中に長期間(数年から10年以上)残存する厚膜胞子を形成することです。一度発生した圃場では根絶が事実上不可能であり、土壌消毒や輪作によって菌密度を管理しながら栽培を継続するアプローチが現実的な対策となります。

萎黄病耐性の区分

コマツナにおける萎黄病耐性は、品種が持つ遺伝的な抵抗性に基づいており、種苗メーカーのカタログでは「萎黄病耐性」「萎黄病F(フザリウム)耐性」などの表記で示されます。

品種選びで見落としがちなのが、萎黄病菌のレース(系統)への対応です。アブラナ科萎黄病菌にはレース1(race 1)とレース2(race 2)などの系統が知られており、特定のレースに対して耐性を持つ品種でも、別のレースに対しては感受性を示す場合があります。国内では主にどのレースが問題になっているかを、地域の農業試験場や普及センターで確認しておくことが、より確実な品種選定につながります。

また、土壌条件や栽培管理によって発病の程度が左右されるため、耐性品種であっても適切な栽培環境の整備が前提となります。耐性品種を導入したうえで、土壌pH管理・輪作・土壌消毒などの管理を組み合わせることが、発病リスクを大幅に低減する現実的なアプローチです。

歴史と豆知識

コマツナは東京・江戸川区の小松川地区を発祥とする伝統野菜で、周年栽培が可能なことから都市近郊での生産が盛んです。この周年・連作栽培という栽培特性が、萎黄病を含む土壌伝染性病害のリスク蓄積を招きやすい背景となっています。

意外と知られていないのですが、Fusarium oxysporumは単一の種ではなく、宿主特異性の異なる多数の「forma specialis(f. sp.)」(分化型)に分かれています。トマトの萎凋病(F. oxysporum f. sp. lycopersici)やキュウリの萎凋病(F. oxysporum f. sp. cucumerinum)など、それぞれ異なる作物に特異的に感染する系統があり、コマツナ・キャベツ・ハクサイなどのアブラナ科を侵す系統はF. oxysporum f. sp. conglutinans等です。このため、トマト萎凋病耐性品種を植えてもコマツナ萎黄病の感染源にはなりませんし、逆もしかりです。

国内での耐病性コマツナの育種は、白さび病・萎黄病・根こぶ病などを含む複合耐性の付与という方向で進んでいます。単独品種で複数の病害をカバーできる品種開発が各種苗会社で進んでいる背景には、周年栽培における連作リスクを品種の力で管理したいという産地の強いニーズがあります。

耐病性の限界と注意点

ここからが実際の栽培で差がつくところです。萎黄病耐性品種の導入は有効な対策の一つですが、以下の点を正しく理解しておくことが重要です。

高温条件での発病リスクが高まります。萎黄病菌は高温期に増殖が活発になるため、地温が上昇する夏〜秋の作付けでは、耐性品種であっても発病リスクが通常より上昇します。夏季の地温管理(マルチの選択、敷きわら、灌水管理)が耐病性の安定発現に寄与します。

菌密度の高い圃場では耐性が限界に達することがあります。長年にわたるアブラナ科の連作で土壌中の萎黄病菌密度が非常に高くなった圃場では、耐性品種であっても発病するケースがあります。定期的な土壌消毒や輪作による菌密度の管理が、耐性品種の効果を最大化するための前提条件です。

根の損傷は感染を助長します。中耕・移植時の根傷み、センチュウ類による根の加害、土壌の過湿や乾燥による根の弱体化は、萎黄病菌の侵入リスクを高めます。健全な根の発達を促す土壌環境の整備が不可欠です。

土壌pHが低い(酸性が強い)条件では発病が助長されやすいとされています。定期的な土壌診断とpH調整(石灰施用等)を行うことで、発病リスクを低減できます。

防除のポイント

萎黄病の防除は、耐病性品種を核に、土壌管理・輪作・必要に応じた土壌消毒を組み合わせた総合防除が基本です。

輪作は土壌中の菌密度を管理する最も基本的な手段です。アブラナ科作物(コマツナ・キャベツ・ハクサイ・チンゲンサイ・ブロッコリーなど)の連作を避け、イネ科作物(トウモロコシ・イネなど)や根菜類との輪作体系を組みます。イネ科との輪作は、土壌中のフザリウム菌密度を低下させる効果が期待できます。

土壌pH管理も重要な予防手段です。pH6.0〜7.0程度の適正な土壌pH維持が、萎黄病菌の増殖を抑制するとされています。定期的な土壌診断を行い、必要に応じて石灰(炭酸カルシウム、苦土石灰等)を施用してpHを調整します。

土壌消毒は発病圃場での菌密度管理に有効です。太陽熱消毒は夏季に効果的で、ビニールマルチで土壌を被覆して地温を上昇させることで、フザリウム菌を含む土壌病原菌を物理的に低減できます。クロルピクリン等の土壌消毒剤の使用も選択肢ですが、使用量・使用方法は農薬登録情報に従ってください。

前作残渣の処理も感染源削減に寄与します。罹病した株・残渣を速やかに圃場外に持ち出して処分し、翌作への菌の持ち込みを最小化します。

灌水管理も見逃せません。土壌の過湿は根の酸素不足と腐敗を招き、萎黄病菌への感受性を高めます。適切な排水管理と、土壌水分を安定させる灌水計画が根の健全性維持につながります。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

コマツナの周年産地では、萎黄病は夏から秋にかけての高温期の作付けで最も警戒される病害の一つとして認識されています。

多くの生産者が「耐性品種を選ぶことは当然として、それだけでは安心できない」と口をそろえます。長年コマツナを連作してきた圃場では、耐性品種を使っても発病するケースが出てきており、輪作体系の見直しや太陽熱消毒の実施に取り組む農家が増えています。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、都市近郊の施設産地では圃場面積の制約から十分な輪作が取れないケースもあります。こうした産地では、土壌消毒と耐性品種の組み合わせに加え、作型ごとの土壌診断を定期的に行って菌密度の推移を把握することが、長期的な安定生産の鍵として重視されています。

また、コマツナは播種から収穫まで20〜45日程度の短期作物であるため、発病した場合の損失は大きく、次作への切り替えまでの時間的なロスも生じます。「発病を防ぐ」という予防的なアプローチが、経営の安定に直接つながるとの声が現場から聞かれます。

まとめ

萎黄病はFusarium oxysporum f. sp. conglutinans等のアブラナ科萎黄病菌による土壌伝染性病害で、コマツナの夏〜秋作に特に問題となります。高温期に菌の活動が活発化し、感染した圃場の土壌中に長期間菌が残存するため、連作圃場では年々リスクが蓄積します。

耐性品種の導入は有効な対策ですが、菌のレース・土壌の菌密度・温度条件によって効果が左右されます。輪作・土壌pH管理・土壌消毒・残渣処理・適切な灌水管理を組み合わせた総合防除体系を構築することが、安定したコマツナ生産の土台となります。品種選定時は、萎黄病耐性のレース対応も可能な範囲で確認し、地域の発生情報を活用した品種選択を行うことをお勧めします。

萎黄病耐性コマツナタグが付いた品種の一覧は、ミノリスの品種ページでご確認いただけます。

18品種 表示中
夏蒼天

夏蒼天

タキイ種苗株式会社

耐暑性にすぐれる多収種で白さび病と萎黄病に強耐病性! ■特長 ・多収になる晩生の在圃型で高温期でもじっくり生育し、葉柄が間伸びせず株張りがよい。 ・高温条件下でも石灰欠乏症やカッピングの発生が少ない。 ・白さび病および萎黄病に強い耐病性をもつ。 ・葉は濃緑色でてりがあり、しわが少なく平滑で葉のそろいがよいため荷姿がきれいに整う。 ■栽培の要点 ・株間は5〜6cmとやや広めに播種することで軟弱徒長や病気の発生を防ぐ。 ・本種の特性を発揮するためには過度な乾燥条件を避け、生育初期〜中期にかけて潅水管理を適宜行い生育を順調にすすめる。 ・生育後半は潅水を控え株張りを促す。

菜々音

菜々音

タキイ種苗株式会社

濃緑で白さび病に強い春〜夏まきの中生種! ■特長 ・葉色は濃緑で葉肉が厚く、高温乾燥下でもカッピングしにくい。 ・白さび病、萎黄病に強い耐病性をもつ。 ・耐暑性にすぐれ、高温期でもじっくりと生育し株張りよく仕上がる。 ・収穫期幅が広く在圃性が高いため、夏季を中心とした春〜秋どりに適する。 ・草姿は立性で、葉柄はしなやかで折れにくく葉の絡みが少ない。下葉を取り外しやすいため収穫・調製作業が容易。 ■栽培の要点 ・低温期では生育が緩慢になるので、必ず施設栽培を行う。また、厳寒期の播種は避ける。 ・曇雨天が続く時期は過湿により徒長しやすく、本来の株張りが発揮されない。5cm以上の十分な株間をとり、潅水と換気に注意して徒長を防ぐ。 ・べと病や炭そ病などの発生が心配される場合は、雨よけと薬剤散布を併用し防除する。

菜々美

菜々美

タキイ種苗株式会社

株張りにすぐれ白さび病に強い中早生種! ■特長 ・高温期でもややじっくり生育し、葉柄が間延びしにくいので株張りよく多収。また、収穫適期が長く在圃性にすぐれる。 ・草姿は立性で収穫時における葉の絡みが少ない。葉柄はしなやかで折れにくい。 ・葉身はつやのある長丸葉で、高温乾燥下でもカッピングしにくいため荷姿が美しい。 ・萎黄病および白さび病に強い耐病性をもつ。 ■栽培の要点 ・曇雨天の続く梅雨や秋雨の時期は過湿により徒長しやすく、本来の株張りが発揮されない場合がある。十分な株間(5cm以上が望ましい)をとり、潅水と換気に注意して徒長を防ぐ。 ・べと病や炭そ病に対して特に強い耐病性をもっていないので、露地栽培など発病が心配される場合は薬剤散布などで防除する。 ・厳寒期は生育が緩慢になるので、必ず施設栽培を行う。

菜々子

菜々子

タキイ種苗株式会社

濃緑色で極立性! 萎黄病に強い中早生種! ■特長 ・葉の色が濃く、つやがあり荷姿が美しい。高温期に多い葉身のカッピング症状や葉柄のねじれが少ない。 ・草姿は極立性で、葉柄も折れにくいので収穫作業が容易。 ・萎黄病に耐病性をもつ。 ・根が深く根量が多いので、高温乾燥下でもスムーズに生育し、夏作でも安定した栽培が可能。 ■栽培の要点 ・夏作など高温・多湿となる作型では、徒長して株張りが不足しやすいので極端な密植を避ける。 ・施設栽培では播種前後にしっかりと潅水を行い、生育期全般に必要な水分を確保する。生育後半は潅水を控えて軟弱徒長を防ぎ、葉ぞろいや店もち性の向上を目指す。 ・白さび病やべと病、炭そ病の発生が心配される場合は、薬剤散布などで適宜防除する。

極楽天

極楽天

タキイ種苗株式会社

萎黄病に強く高温期でも安定した栽培性! ■特長 ・萎黄病に耐病性の早生種。暑さに強いので春〜秋まきが適する。 ・大葉で株張りがよく多収。 ・食味がよく、家庭菜園や直売所出荷におすすめ。 ■栽培の要点 ・生育が早いので、とり遅れのないよう計画的に播種をする。 ・軟弱徒長や病気の原因となる密植を避け、過湿にならないよう管理する。

はっけい

はっけい

株式会社サカタのタネ

耐暑性、耐病性が優れボリュームのある高品質コマツナ ■特性 ● 中生品種で、耐暑性、耐寒性、耐乾燥性が優れ、周年栽培が可能。 ● 草姿は極立性で、葉色は濃緑でテリも強い。葉柄が太く株張りがしっかりとしている。 ● 高温期栽培でも葉が伸び過ぎず、カッピング症状が出にくい。 ● 萎黄病、白さび病に耐病性がある。 ■適応性 一般平坦地の露地栽培で4月上旬〜10月上旬、冷涼地では4月下旬〜9月上旬が播種の適期です。春、秋作で問題となる白さび病に強い品種です。ハウスやトンネルを利用することで周年栽培が可能です。耐暑性を生かした高温期の栽培で能力を発揮します。 ■畑づくりと施肥設計 露地栽培では年間3~4回、ハウスを使う場合は年5~7回播種することになります。連作には比較的強いですが、地力の低下は品質低下を引き起こす原因となります。バイテク「バイオエース」などの有機質肥料、完熟堆肥の投入、石灰窒素の施用により地力低下を防ぎます。 施肥量は全量元肥で10a当たり窒素成分量で7kg、ハウスでは5kgを標準とします。 高温期では5割減、低温期では5割増施肥します。 ■播種 栽培上、収穫作業が最も労力を要するので、収穫時に無理のない播種体系を心がけます。特に高温期の栽培は収穫適期が短くなるので注意が必要です。栽植密度は条間15〜20cm、株間3〜5cmとします。高温期は徒長、節間伸長を抑えるため株間を広めにとります。播種後は発芽、生育が均一に進むように十分な灌水を行います。 ■病害虫防除 コマツナ栽培で問題となる白さび病は、15度前後の気温と適度な湿気で発生しやすいとされている。高温期のコマツナ栽培では比較的温度が高い時期が多く、気温的には発生が少ない時期ではあるが、適度な湿気がある梅雨・秋雨・台風絡みの時期は、白さび病の発生が問題になることがある。白さび病耐病性品種ではあるが、病気の発生・拡大を防ぐためにも、予防的な薬散や適切な換気を心がけることが重要となる。 また、近年はアブラムシやアザミウマなどによる収穫物の品質低下も多くなっているため、病気と合わせて防除を心がける。 ■収穫 高温期の収穫遅れには注意します。収穫は子葉と外側の黄化しやすい本葉1〜2枚ほど落とすと店持ちがよくなります。 なお、収穫時に根部を地中に残すと萎黄病、根こぶ病など土壌病害の原因となるので注意が必要です。

きよすみ

きよすみ

株式会社サカタのタネ

色ツヤのよい耐病性が優れる中生品種 ■特性 ● 中生品種で在圃性が優れる。周年栽培が可能だが、春から初夏まき栽培に最も適する。 ● 葉軸の太さは中程度、よくしなるので折れにくい。 ● 萎黄病、白さび病に耐病性がある。 ● 歯切れがよく、食感と風味が優れ、食味がよい。 ■適応性 温暖地の露地栽培で3月中旬から10月下旬までいつでもまけます。とくに3月中旬から7月まきで力を発揮します。ハウスやトンネルを利用することにより、周年栽培が可能となります。 ■畑づくり(圃場準備) コマツナは栽培ローテーションが短く連作となるため、いっそうの土づくりを心がけます。完熟堆肥や有機質肥料の施用で、水はけよく、保水性に富む土壌環境をつくることが大切です。「バイオ21」を利用したボカシ肥料やバイオエース、骨粉などの施用も効果的です。高温期栽培では播種直前に未熟堆肥を施用すると立枯病や土壌害虫の発生要因となるので注意します。石灰窒素や苦土石灰を年1回10a当たり100~130㎏施用し適性pH5.5~6.0を保ちます。 ■肥培管理 10a当たり窒素成分量で7㎏、ハウス栽培では5㎏を標準とし、全量元肥とします。高温期栽培では施肥量を5割減らし、窒素過多による過繁茂や生理障害を避けます。低温期栽培では施肥量を5割増やし生育を促します。 ■播種 120~150㎝くらいのベッド栽培で条間15~20㎝、株間3~5㎝のスジまきとします。 ■収穫 高温期では25~30日、低温期栽培では40~60日くらいで収穫できます。高温期栽培では収穫遅れにならないように、収穫労力に合わせた播種面積を計画します。春から初秋時での出荷は予冷庫(10~15℃)を利用して鮮度を保持します。荷姿は200~300gくらいの結束か袋詰めとします。

いなむら

いなむら

株式会社サカタのタネ

濃緑、極立性で作業性抜群!葉枚数の多い高温期向けコマツナ ■特性 ● 中晩生品種で生育は緩やかである。 ● 耐暑性、耐寒性が優れ周年栽培が可能である。特に高温期に能力を発揮する。 ● 草姿は極立性で作業性が優れる。葉色は濃緑でテリも強い。葉枚数が多く、高温期でも葉柄が太く株張りがしっかりとしている。 ● 高温期栽培でも葉が伸び過ぎず、収穫適期が長く在圃性が優れる。 ● 細根は多めで耐湿性が強く、水田裏作などにも適する。 ● 萎黄病に耐病性がある。 ■適応性 一般平坦地の露地栽培で3月中旬~9月中旬、冷涼地では3月下旬~9月上旬播種で栽培できます。ハウスやトンネルを利用することで暮出し出荷まで可能です。耐暑性を生かした高温期の栽培で威力を発揮します。 ■畑づくりと施肥設計 露地栽培では年間3~4回、ハウスを使う場合年間5~7回播種することになります。連作には比較的強いですが、地力の低下は品質低下を引き起こす原因となります。「バイテクバイオエース®︎ 」などの有機質肥料、完熟堆肥の投入、石灰窒素の施用により地力低下を防ぎます。 施肥量は全量元肥で10a当たり窒素成分量で7kg、ハウスでは5kgを標準とします。高温期では5割減、低温期では5割増で施肥したほうがよいです。 ■播種 栽培上、収穫作業が最も労力を要するので、収穫時に無理のない播種体系を心がけます。特に高温期の栽培は収穫適期が短くなるので注意が必要です。栽植密度は条間15~20cm、株間3~5cmとします。高温期は徒長、節間伸長を抑えるため株間を広めにとります。播種後は発芽、生育が均一に進むように十分な灌水をします。 ■病害虫防除 コマツナ栽培で問題となる白さび病は、15℃前後の気温と適度な湿気で発生しやすいとされています。春秋のコマツナ栽培では特に問題となりやすいため、トンネルやハウス内の蒸れに注意が必要です。病気の発生・拡大を防ぐためにも、予防的な薬散や適切な換気を心がけましょう。 また、近年はアブラムシやアザミウマなどによる収穫物の品質低下も多くなっています。病気と合わせて防除を心がけてください。 ■収穫 高温期の収穫遅れには注意します。収穫は子葉と外側の黄化しやすい本葉1~2枚ほど落とすと日もちがよくなります。なお、収穫時に根部を地中に残すと萎黄病、根こぶ病など土壌病害の原因となるので注意が必要です。

はまつづき

はまつづき

株式会社サカタのタネ

低温伸長性・晩抽性・耐寒性が優れる高品質コマツナ ■特性 ● 低温伸長性が優れる早生品種で厳寒期でも栽培が可能。 ● 草姿は極立性で葉軸の色は濃くテリが強い。株張りがしっかりしていて、荷姿が美しい。 ● 厳寒期でも葉の傷みが少なく、低温期に問題となる軸の剥離症状(ズルムケ)が発生しにくい。 ● 細根が少なく、泥落ちがよい。収穫時に絡みにくく、下葉の落ちがよいため、作業性が優れる。 ● 晩抽性が安定している。 ● 萎黄病に耐病性がある。 ■適応性 低温伸長性に優れるため、冬に向けて気温が下降していく時期に播種して、厳寒期に収穫する作型で最も特性を発揮します。晩抽性を生かして、真冬に播種し初春に収穫する作型も適しますが、収穫に追われないような作付計画を心がけましょう。 ■播種 冬場のコマツナ栽培において発芽や初期生育をそろえることは重要です。寒さが厳しいと発芽までに2週間以上かかってしまうことがあり、収穫の遅れや抽だいを招く恐れがあります。不織布などの保温資材を用いて安定的な発芽・初期生育を促しましょう。 冬場のコマツナの栽植密度は条間15cm前後、株間3~6cmが目安です。ただし、冬まき初春収穫、晩秋まき初冬収穫では、密植時に天候が高温傾向で推移すると株張りが不足しがちなので、収量をしっかりと確保できるよう株間設定に注意しましょう。 ■病害虫防除 コマツナ栽培で問題となる白さび病は、15度前後の気温と適度な湿気で発生しやすいとされています。冬場のコマツナ栽培は在圃期間が長い上、トンネルやハウスの中で蒸れることも多いため、白さび病の発生が問題になることがあります。病気の発生・拡大を防ぐためにも、予防的な薬散や適切な換気を心がけましょう。 また、近年はアブラムシやアザミウマなどによる収穫物の品質低下も多いので、病気と合わせて防除を心がけましょう。 ■収穫 冬場の収穫では、収穫遅れによる葉の傷み・黄化や軸のズルムケに注意してください。また、気温上昇期の収穫では抽だいのおそれもあるため、収穫遅れには注意が必要です。

つなしま

つなしま

株式会社サカタのタネ

収量性・在圃性・耐病性が優れる高温期向けコマツナ ■特性 ● 在圃性・収量性が優れる晩生品種で、春から秋まで栽培が可能。 ● 草姿は極立性で、葉色は濃緑でテリも強い。葉柄部は太く株張りがしっかりとしており、荷姿はボリューム抜群である。 ● 高温期栽培でも葉枚数が多く、葉軸の重量が乗り、がっちりした株ができるため、収量性が非常に高い。 ● 下葉の落ちがよく、作業性が優れる。 ● 萎黄病に強く、白さび病に耐病性がある。 ■適応性 株張り・収量性が優れるため、春先以降の気温上昇期に播種して、梅雨時期~秋口までの比較的温度が高い時期に収穫する作型で最も特性を発揮する。収量性を生かして晩秋に収穫する作型でも利用できるが、温度が下がり過ぎると生育が遅延し、株が張り過ぎるため、生育が止まらないような播種設定を心がける。 ■播種 高温期のコマツナ栽培において、播種前後の極端な高温乾燥や多湿は、発芽そろいや初期生育に悪影響を与える。播種前に圃場に十分な灌水を行い、播種後に適度な灌水を行い、発芽そろいがよくなるように心がける。 夏場のコマツナの栽植密度は条間15~20cm、株間5~6cmが目安とされている。密植栽培では、株張りの低下、節間伸長、病気などが発生するため注意する。株張りがよい「つなしま」がしっかりと太ることができるように、既存の夏用品種よりも株間をやや広げ気味に管理すると、より特徴が発揮される。 ■病害虫防除 コマツナ栽培で問題となる白さび病は、15度前後の気温と適度な湿気で発生しやすいとされている。高温期のコマツナ栽培では比較的温度が高い時期が多く、気温的には発生が少ない時期ではあるが、適度な湿気がある梅雨・秋雨・台風絡みの時期は、白さび病の発生が問題になることがある。白さび病耐病性品種ではあるが、病気の発生・拡大を防ぐためにも、予防的な薬散や適切な換気を心がけることが重要となる。 また、近年はアブラムシやアザミウマなどによる収穫物の品質低下も多くなっているため、病気と合わせて防除を心がける。 ■収穫 在圃性が優れた品種であるが、極端な収穫遅れは生理障害の発生や品質の低下を招く恐れがある。また、通常の品種よりも栽培期間が長いため、雑草管理や病害虫対策に注意する。

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