春まき向きハクサイの品種一覧

タグ名: 春まき向きハクサイ

栽培環境・条件 • 61品種で使用中

春まき向きについて

春まき向きハクサイ

春まき向きハクサイとは

春まき向きハクサイとは、春(2月〜4月頃)に播種し、初夏に収穫する作型に適した特性を持つハクサイ品種のことです。ハクサイは本来、秋まき・冬どりが最も一般的な作型ですが、春まき作型を導入することで、初夏の端境期にハクサイを供給することが可能になります。

ハクサイの春まき栽培で最大の課題となるのが、抽苔(とう立ち)です。ハクサイは低温に感応した後、長日・高温条件下でとう立ちが起こる種子春化型の作物です。春まき栽培では、育苗期や定植初期の低温が花芽分化を誘導し、その後の日長の延長によって抽苔が進行するリスクがあります。

まず押さえておきたいのが、春まき向き品種と秋まき向き品種では求められる特性が大きく異なるという点です。秋まき品種は結球性や耐寒性が重視されるのに対し、春まき品種は晩抽性(とう立ちしにくさ)が最優先の条件になります。秋まき用の品種を春まきに転用すると、とう立ちして結球しないまま収穫不能になるケースが多いため、必ず春まき適性のある品種を選ぶ必要があります。

この特性の魅力(メリット)

春まき向きハクサイの最大の魅力は、初夏の端境期出荷によるメリットです。秋冬どりのハクサイが出回らなくなる5月〜7月にかけて、春まきハクサイを出荷できれば、市場での希少性が高まり、有利な価格での販売が期待できます。

経営面では、秋冬どりに加えて春まき作型を組み込むことで、ハクサイの出荷時期を拡大でき、年間の収益を安定させる効果があります。ハクサイは重量野菜であり、1株あたりの収量が大きいため、限られた作付面積でも一定の出荷量を確保しやすい品目です。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。春まきハクサイは、秋冬どりと比較して栽培期間が短い傾向があります。春の気温上昇に伴い生育が速やかに進むため、定植から収穫までの期間が2か月程度となるケースが多く、後作の夏野菜への切り替えがスムーズに行えます。

また、加工・業務用ハクサイの需要は年間を通じてあるため、春まきハクサイは漬物メーカーや外食産業向けの契約栽培としても需要があります。通年での供給体制を構築できる産地は、取引先からの評価が高くなる傾向にあります。

適した品種の特徴

春まき向きハクサイ品種に求められる主な特性は以下の通りです。

晩抽性は最も重要な特性です。春まき作型では、苗が低温に遭遇するため、花芽分化を回避できるだけの晩抽性が必要です。種苗メーカーのカタログでは「春まき専用」「極晩抽性」「春まき可能」などの表記で適性が示されていますが、晩抽性のレベルには品種間差があるため、栽培地域の春の気温条件に合った品種を選ぶことが重要です。

結球性の安定も春まき品種では重要です。春まき作型は気温が上昇する中で結球を進めるため、高温下での結球が緩くなりやすい傾向があります。高温期でも安定して結球する品種を選ぶことで、秀品率の向上が期待できます。

耐暑性も見逃せない特性です。収穫期が初夏にかかるため、高温条件下でも品質が維持される品種が望ましいです。特に、高温による球内部の変色や芯の伸びが出にくい品種が有利です。

意外と知られていないのですが、春まきハクサイではべと病や軟腐病の発生リスクにも注意が必要です。梅雨時期と収穫期が重なる場合は、これらの病害に対する耐性を持つ品種を選ぶことが品質安定につながります。

栽培のポイント

春まき向きハクサイの栽培管理では、抽苔の回避と結球の確保が最も重要な課題です。

育苗管理は、抽苔回避の観点から特に慎重な対応が求められます。育苗期の温度管理が不適切だと、苗が低温に過度に感応して花芽分化が誘導されます。育苗ハウス内の最低温度を13℃以上に維持することが、花芽分化の回避に有効とされています。セルトレイ育苗の場合は、苗の老化にも注意し、適切な苗齢で定植することが重要です。

定植時期の設定は、地域の気温推移を踏まえて慎重に判断します。早まきすぎると低温による抽苔リスクが高まり、遅まきすぎると高温期に結球期を迎えることになり品質が低下します。トンネルやべたがけ資材を活用して、定植後の保温を図る方法も有効です。

肥培管理では、春まき作型は生育期間が短いため、元肥主体の施肥設計が一般的です。生育初期からの速やかな生育を促すために、初期の肥効が確実に得られる施肥方法を選択します。追肥のタイミングが遅れると、結球充実期に肥切れを起こす場合があります。

病害対策としては、アブラムシ類を介したウイルス病の感染防止が重要です。春はアブラムシ類の飛来が活発になる時期であり、防虫ネットの設置や適期防除が有効です。また、梅雨入り前後からはべと病・軟腐病の発生に注意が必要です。

品種選びのコツ

春まき向きハクサイの品種選びでは、以下の観点を総合的に検討することが重要です。

  • 晩抽性のレベル: 最優先の確認項目。栽培地域の春の低温条件を考慮し、十分な晩抽性を持つ品種を選ぶ
  • 球のサイズ: 市場出荷の場合は規格に合ったサイズの品種を、直売所向けの場合はミニ白菜や小型球の品種も選択肢に入る
  • 結球の締まり: 高温期に結球する場合でも、しっかりと締まる品種が秀品率の安定につながる
  • 在圃性: 収穫適期の幅が広い品種は、出荷スケジュールの調整がしやすい
  • 病害耐性: べと病・軟腐病・ウイルス病への耐性は、春まき作型でも重要な選定基準
  • 内部品質: 球内部の色(黄芯・白芯)や、食感の好みに応じて選定する

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、春まきハクサイは秋まきと比較して栽培難度がやや高い作型です。初めて取り組む場合は、極晩抽性と評価され、栽培安定性が高いとされる品種を選ぶのが堅実です。小面積での試作を経て、品種と栽培管理の両面で経験を積んでから面積を拡大することが望ましいです。

市場動向とこれから

春まきハクサイの市場は、初夏の端境期需要に支えられて堅調に推移しています。特に加工・業務用では、ハクサイの通年供給が求められるケースが増えており、春まき作型の重要性は高まっています。

近年の品種開発では、晩抽性の高さと結球品質の良さを両立した品種が増えつつあります。従来は晩抽性を確保するために結球品質がやや犠牲になる傾向がありましたが、育種技術の進展により、春まき専用品種の品質水準は着実に向上しています。

今後の展望としては、気候変動に伴う春先の気温上昇や気温変動の拡大により、春まき栽培の難易度が変化する可能性があります。暖冬・暖春の年は抽苔リスクが低下する一方で、高温による結球不良のリスクが高まるなど、新たな課題も生じています。品種の適応力と栽培技術の両面からの対応が求められています。

また、消費者の健康志向や鍋需要の多様化を背景に、春ハクサイをサラダや浅漬けに利用する消費スタイルも広がっており、食味や食感に優れた春まき品種への需要も出てきています。

まとめ

春まき向きハクサイは、初夏の端境期に出荷を可能にする品種群であり、出荷時期の拡大と収益の安定化がメリットです。晩抽性が最も重要な品種特性であり、結球性の安定・耐暑性・病害耐性も品種選定の重要な基準になります。

栽培面では、育苗期の温度管理による抽苔回避と、生育初期からの速やかな生育確保が成功の鍵です。品種選びにあたっては、晩抽性のレベルを最優先に確認しつつ、出荷先の品質要求と栽培地域の条件を総合的に検討して品種を選定することが、春まきハクサイ栽培の安定につながります。

タグ情報

基本情報

タグ名
春まき向きハクサイ
種別
栽培環境・条件

使用状況

関連品種数
61品種
関連作物数
1作物
関連メーカー数
18社

関連品種(61品種)

ハクサイ (61品種)

すべて見る(61品種)→
CRご黄げん65
CRご黄げん65

株式会社タカヤマシード

まかせて安心、春にも秋にも! ■特性 1.本種はネコブ病に強く、播種後65~67日で収穫期に達する早生種である。 2.抽...

CRわわ菜
CRわわ菜

小林種苗株式会社

小林種苗 ハクサイ種子 CRわわ菜 特性 ・非常にコンパクトな白菜で熟期58~60日程度、500g程度から収穫できる。...

CR清雅(せいが)65
CR清雅(せいが)65

有限会社石井育種場

根こぶ病に強い良質の黄芯系 安定した晩抽性 冷涼地で大好評 CR/65日 ■特性 根こぶ病抵抗性で石灰欠乏症にも強い。...

きらぼし85
きらぼし85

タキイ種苗株式会社

幅広い根こぶ病に耐病性! 黄芯の冬どり中生種! ■特長 ・幅広い根こぶ病に耐病性をもつ「きらぼし」シリーズの中生85日タ...

きらぼし90
きらぼし90

タキイ種苗株式会社

幅広い根こぶ病に耐病性! 耐寒・晩抽性にすぐれる中晩生種! ■特長 ・幅広い根こぶ病に耐病性をもつ「きらぼし」シリーズの...

ちっチャイ菜
ちっチャイ菜

株式会社野崎採種場

ちっチャイ菜の特徴 ●コンパクトで重量感があり、色鮮やかで、とってもおいしい新しいタイプの野菜。 ●葉には毛じがなく、丸...

CRご黄げん70
CRご黄げん70

株式会社タカヤマシード

病気に負けない!おいしい白菜 ■特性 1.本種は播種後約67~70日で収穫期に達する中早生の黄芯系F1品種である。 2....

CR秋園一号
CR秋園一号

有限会社フジミ・オフィス

根こぶ抵抗性の黄芯系 特性 1)ウィルス、軟腐病、ベト病、石灰欠乏症に強く栽培容易 2)平暖地の適期栽培では播種後60日...

NC-079
NC-079

ナント種苗株式会社

鮮やかなパープル発色を大幅に改良。 春作もできる晩抽性。ゴマ症・アンコに強い。 紫奏子の最終進化版がいよいよ登場。 【特...

きらぼし65SP
きらぼし65SP

タキイ種苗株式会社

幅広い根こぶ病耐病性! 春まきも可能な晩抽早生種! ■特長 ・幅広い根こぶ病に耐病性をもつ「きらぼし」シリーズの早生65...

ちよぶき70
ちよぶき70

株式会社サカタのタネ

耐病性、耐雨性に優れる強健な品種 ■特性 ● 春まきで定植後65〜70日、秋まきで播種後70〜75日で収穫できる中早生品...

はるさかり
はるさかり

株式会社渡辺採種場

極晩抽性の極早生春まき品種 ■特性 ・春栽培に適し、定植後55日位で収穫できる極早生品種です。 ・極晩抽性な為、抽苔の心...

ふわっとグリーン
ふわっとグリーン

小林種苗株式会社

[特性] ・耐暑性・高温結球性の強い半結球ハクサイ。青物の少ない高温期に収穫できる。 ・耐病性も強く、軟腐病・ウイルス病...

ほまれの極み
ほまれの極み

タキイ種苗株式会社

遅まき・遅植えが可能な早春どり黄芯早生種! ■特長 ・低温結球性にすぐれ、遅まき・遅植えが可能。 ・耐寒性・低温結球性・...

ほまれ二号
ほまれ二号

タキイ種苗株式会社

低温結球性にすぐれ、早春の裂球が遅い中早生種! ■特長 ・各種病害に強く、耐寒・低温結球・晩抽性にすぐれる。 ・遅まきが...

まいこ
まいこ

株式会社野崎採種場

まいこの特徴 ●根こぶ病にも強い黄芯系晩抽ミニ白菜。 ●球高20㎝前後、球径10~13㎝と使いきりサイズ。 ●一般種に比...

みねぶき505
みねぶき505

株式会社サカタのタネ

耐雨性が優れゴマ症が出にくい ■特性 ● 根こぶ病、べと病、黒斑細菌病に耐病性がある。 ● 耐湿性、耐雨性が優れ、石灰欠...

めだか
めだか

ナント種苗株式会社

50日で収穫可能な極早生ミニ白菜。 密植しても勝ち負け少なく揃い抜群。 【特 徴】 ● 夏・秋・春の三季蒔が可能。x00...

めんこい
めんこい

株式会社渡辺採種場

春・秋栽培できる、手のひらサイズの黄芯系ミニ白菜 ■特性 ・秋栽培では、播種後65日位で収穫期に達するミニ白菜です。 ・...

ゆめぶき502
ゆめぶき502

株式会社サカタのタネ

晩抽性に優れる早生品種 ■特性 ● 春まきで定植後60日、秋まきで播種後65日程度で収穫できる早生品種。 ● 外葉は濃緑...

統計情報

61
関連品種数
1
関連作物数
18
関連メーカー数
0
関連農業資材数

タグ情報

種別 栽培環境・条件