耐暑性のツケウリ品種一覧 全11種類
耐暑性ツケウリ 耐暑性ツケウリとは 耐暑性ツケウリとは、夏の高温期においても果実の肥大・充実が安定しており、着果の乱れや果実品質の低下が起きにくいツケウリ品種の総称です。 ツケウリ(漬瓜)はウリ科キュウリ属に属するメロンの変種(Cucumi
耐暑性について
耐暑性ツケウリ
耐暑性ツケウリとは
耐暑性ツケウリとは、夏の高温期においても果実の肥大・充実が安定しており、着果の乱れや果実品質の低下が起きにくいツケウリ品種の総称です。
ツケウリ(漬瓜)はウリ科キュウリ属に属するメロンの変種(Cucumis melo var. conomon)で、漬物の原料として作出された野菜です。シロウリ・シマウリ・越瓜(こしうり)などの系統が主なツケウリとして栽培されています。
ウリ科野菜の中でツケウリは比較的高温への適応幅が広いとされており、キュウリやスイカと同様に夏の温暖な気候での栽培が基本です。主な収穫期が7〜9月の夏場に集中するのも、この高温適性の高さを反映しています。ただし「夏に収穫できる」ということと「夏の極端な高温にも安定して着果・肥大する」ということは別問題です。
近年の気候変動による夏季気温の上昇傾向の中、盛夏期(7月下旬〜8月)の最高気温が35℃を超える日が増えています。このような高温条件下では、ツケウリでも着果不良・果実の奇形・果肉の軟化などが起きやすくなります。耐暑性品種は、こうした高温ストレスに対してより安定した生育と果実品質を維持できるよう改良されています。
耐暑性の重要性
ツケウリが漬物加工の原料である以上、収穫量と品質の安定性は経営の根幹を支える要素です。
漬物加工業者への原料供給では、「いつ・どれだけの量を・どの品質で届けられるか」という安定供給の予測可能性が契約の前提条件になります。夏の高温で着果が不安定になったり、果肉が水っぽくなって加工品質が落ちたりすると、取引先との信頼関係に影響します。耐暑性品種の導入は、こうした高温期のリスクを減らし、安定供給の実現に貢献します。
家庭菜園や直売所販売の観点でも、夏の最盛期に安定して収穫できる品種は収益の安定につながります。一般的なツケウリ品種と比較して高温期の着果率が高い品種を選ぶことで、収穫量のムラを減らすことができます。
意外と知られていないのですが、ツケウリの「耐暑性」は果実の着果安定性だけでなく、高温期の果肉質(締まり・水分量)の維持にも関係します。気温が高い時期は果実の呼吸が活発になり、果肉の組織が軟化しやすくなります。耐暑性品種は、この点でも漬物加工原料としての品質を維持しやすい特性を持つことが期待されます。
夏の漬物加工と耐暑性品種の関係
ツケウリの収穫期と漬物加工のサイクルは密接に関連しています。
奈良漬・粕漬けなどの長期熟成型漬物では、夏(7〜8月)に収穫した原料を酒粕等に漬け込み、秋から翌年にかけて熟成させる工程が一般的です。この「夏採り原料の確保」が漬物加工業者にとって1年間の生産計画の出発点となるため、夏期の収穫安定は極めて重要です。
一方、浅漬け・塩漬けなどの短期漬物では、夏の最繁忙期(お盆前後)に向けた原料の手当が求められます。飲食店や家庭向けの夏の漬物需要に対応するため、7〜8月に安定して収穫できる品種の確保が産地にとっての課題です。
また、高温期に収穫したツケウリは収穫後の品質劣化が速い傾向があります。収穫直後の品温が高い夏場は、予冷と低温流通の徹底が漬物加工品質の維持に直結します。耐暑性品種であっても、収穫後の取り扱いが適切でなければ品質が損なわれることを念頭に置いておく必要があります。
栽培のポイント
耐暑性ツケウリの栽培では、夏の高温環境を前提にした管理体系が重要です。
播種・定植は一般的なツケウリと同様、最低気温が15℃以上になった春以降に行います。4〜5月の播種・5〜6月の定植が主な作型で、収穫期は7〜9月です。耐暑性品種は夏期の着果安定性が高いため、盛夏期の収穫を目標にした作型設計が可能です。
灌水管理が高温期の品質維持の要です。高温期は蒸散量が増大し、土壌水分の消耗が速くなります。根域の温度上昇を抑えるためにも、朝夕の灌水や点滴灌水による均一な水分供給が重要です。水分不足は果実の奇形・空洞化・苦みの発生につながることがあるため、盛夏期は特に灌水の頻度と量を確保します。
整枝・着果管理については、高温期は無理な着果数設定を避けることが品質維持のポイントです。1株あたりの着果数を適正に制限することで、個々の果実への養分供給が安定し、果肉の充実度が上がります。多着果を狙って着果数を増やしすぎると、個々の果実のサイズと品質が低下するリスクがあります。
ここからが実際の栽培で差がつくところです。夏期の収穫ではタイミングの見極めが重要です。高温期は果実の肥大スピードが速く、収穫適期の「窓」が短くなる傾向があります。適期を過ぎた果実は果肉が軟化して加工適性が落ちるため、収穫サイクルを短め(2〜3日に1回程度)に設定して適期収穫を徹底することが高品質な原料供給につながります。
病害虫については、高温多湿期にはうどんこ病・べと病・つる枯れ病のリスクが高まります。ウリハムシ・アブラムシの防除も合わせて行い、果実への直接被害とウイルス病の伝播を防ぎます。
品種選びのコツ
耐暑性ツケウリの品種を選ぶ際は、以下の観点を確認することが有効です。
- 耐暑の程度と作型の適合性: カタログに「高温期の着果が安定」「夏秋作向き」等の記載があるか確認する。実際の耐暑性は試作で自産地の気候条件に合わせて確認することが重要
- 系統(シロウリ系・シマウリ系・越瓜系)との整合: 取引先の漬物形態に合った系統の品種を選ぶ。耐暑性があっても漬物加工適性が合わなければ意味がない
- 果肉の締まり: 高温期でも果肉が軟化しにくい品種を選ぶことが加工品質の維持につながる
- 着果の安定性: 高温期の花粉稔性や着果率に関するデータがある品種を参考にする
- 収穫適期の幅: 高温期は収穫適期が短くなりやすいため、ある程度の幅で品質が維持できる品種が実用的
実在確認済みの関連品種としては、若大将(渡辺農事株式会社)、さぬき白瓜・かすが白瓜・はかた越瓜・久留米白瓜・浅みどり白瓜(中原採種場株式会社)、あさじ白瓜(株式会社神田育種農場)、たから越瓜(小林種苗株式会社)などが挙げられます。各品種の夏期の特性については、カタログや種苗メーカーへの問い合わせで確認することが大切です。
産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、同じ「耐暑性品種」でも、関東の平野部と九州の産地では夏期の気温・湿度が異なるため、耐暑性の評価が産地によって変わることがあります。自産地の気候条件での試作が品種選定の確実な方法です。
まとめ
耐暑性ツケウリは、夏の高温期においても安定した着果と果実品質を維持できる品種群です。漬物加工業者への安定供給や、盛夏期の直売・市場出荷の計画性向上に貢献します。
栽培では、高温期の灌水管理・適正着果数の維持・適期収穫の徹底が品質確保の核心です。品種選びでは、耐暑性の程度に加えて漬物加工適性(系統・果肉の締まり)との両立を確認することが重要です。試作で自産地での適性を確かめてから本格導入することが、安定した夏期生産への確実なアプローチです。
ミノリスの品種ページでは、耐暑性ツケウリタグが付いた品種の一覧を確認できます。夏期の安定生産に向けた品種選びにご活用ください。
はかた越瓜
中原採種場株式会社
浅漬、奈良漬用に最適!! ■特性 ・博多特産の早生豊産種である。 ・草勢は強健で耐暑性にすぐれ、湿害にも強く栽培が容易である。 ・果は中玉の25cm前後の俵型で良く揃い、果皮には淡緑の縞が入る。 ・果肉は厚く浅漬、奈良漬用として歯切れよく、風味もよく市場での評価は高い。
沼目白瓜
タキイ種苗株式会社
肉厚で果形のよい中型種! 浅漬と奈良漬兼用! ■特長 ・長野県須坂市沼目地区で栽培されていたことが名前の由来。 ・果長は30cm程度。果皮は淡緑色でツヤがある。 ・果形は、果梗部が細くならず、秀品率が高い。 ・果肉が厚くやわらかいため、浅漬と奈良漬に常用される代表品種。 ・葉は少し切れ込みがあり、つるの太さは中。全体に安定した草勢で、初期から雌花が連続して発生する。 ・耐暑性にすぐれた栽培容易な早生の多収種。 ■栽培の要点 ・排水のよい圃場で健苗を定植し、根を深く伸ばす。 ・初期は保温に努めて植え傷みを防ぎ、生育を順調に進める。 ・4本仕立てとした各子づるの10節前後から出る孫づるに着果させる。 ・増収のためには生長点を多めに残し、肥培管理に注意して草勢を弱めないよう心掛ける。
沼目白瓜
株式会社トーホク
長野県須坂市沼目地区で育てられた品種。果肉が厚くやわらかいので歯切れが良く、浅漬けや奈良漬けに珍重される白瓜です。耐病性があって作りやすく、夏の雨や高温にも強いのでたくさん収穫できる品種です。
かすが白瓜
中原採種場株式会社
耐病性で果の揃いの良い早生種!! ■特性 ・本種は久留米白瓜を片親に早生で耐病、耐暑性の強い品種との一代交配種。 ・果実は25cm前後、径7〜8cm位の肉付きの良い円筒形で、重さ600〜800gの中型果。 ・果色は淡緑色で肉が厚く、肉質も適度に緊る。 ・果形の乱れが少なく果の揃い良好で、極めて豊産で、奈良漬用として最適の品種である。
たから越瓜
小林種苗株式会社
・耐病性・耐暑性が強く作りやすい一代交配の早生多収品種。 ・果実はかなり大きくなるが、揃いが良く良質。青果出しには 果長16~20cm、漬物には果長25cm位が良い。 ・茎は太く、葉は欠刻の少ない淡緑色の小葉になります。おかず味噌の材料に最適です。 ・標準播種期は2月中旬から3月、収穫は6月中旬から7月中旬になります。 ・ハウスの早だしから遅蒔きにも幅広く適応します。 [栽培のポイント] 1. 生育旺盛のため栽植密度は広く、10a当たり400~500本とする。 2. 整枝は親づるを本葉5~6枚で摘芯し、子づる4本仕立てとする。 子づるは7~8枚で摘芯し、子づるから出る孫づるの下から3芽は摘む。 その先の孫づるは放任で良い。 3. 形状不良果の摘果、収穫は過熟にならぬよう若摘を。 4. 漬け物用の大型果は一蔓一果に制限して収穫します。
久留米白瓜
中原採種場株式会社
中型果で強健な極早生種!! ■特性 ・本種は耐病、耐暑性、強健な極早生豊産種。 ・草姿は茎は太く、欠刻の少ない小葉で淡い緑色を呈す。 ・果は中玉の20cm前後で良く揃い円筒形の淡緑色でうつくしい。 ・果肉は緻密で厚く(2.5〜2.8cm)、歯切れよく一種の香りがあり、浅漬用、奈良漬用に適する。
はかた越瓜
中原採種場株式会社
浅漬、奈良漬用に最適!! ■特性 ・博多特産の早生豊産種である。 ・草勢は強健で耐暑性にすぐれ、湿害にも強く栽培が容易である。 ・果は中玉の25cm前後の俵型で良く揃い、果皮には淡緑の縞が入る。 ・果肉は厚く浅漬、奈良漬用として歯切れよく、風味もよく市場での評価は高い。
ほんしま瓜
株式会社トーホク
長野県南信地方で育てられた、果実が500g前後のやや小型の漬け瓜。夏の雨や高温に強いので作りやすい。独特の風味で果肉やわらかく、主に奈良漬けに利用されます。
沼目白瓜
タキイ種苗株式会社
肉厚で果形のよい中型種! 浅漬と奈良漬兼用! ■特長 ・長野県須坂市沼目地区で栽培されていたことが名前の由来。 ・果長は30cm程度。果皮は淡緑色でツヤがある。 ・果形は、果梗部が細くならず、秀品率が高い。 ・果肉が厚くやわらかいため、浅漬と奈良漬に常用される代表品種。 ・葉は少し切れ込みがあり、つるの太さは中。全体に安定した草勢で、初期から雌花が連続して発生する。 ・耐暑性にすぐれた栽培容易な早生の多収種。 ■栽培の要点 ・排水のよい圃場で健苗を定植し、根を深く伸ばす。 ・初期は保温に努めて植え傷みを防ぎ、生育を順調に進める。 ・4本仕立てとした各子づるの10節前後から出る孫づるに着果させる。 ・増収のためには生長点を多めに残し、肥培管理に注意して草勢を弱めないよう心掛ける。
沼目白瓜
株式会社トーホク
長野県須坂市沼目地区で育てられた品種。果肉が厚くやわらかいので歯切れが良く、浅漬けや奈良漬けに珍重される白瓜です。耐病性があって作りやすく、夏の雨や高温にも強いのでたくさん収穫できる品種です。
かすが白瓜
中原採種場株式会社
耐病性で果の揃いの良い早生種!! ■特性 ・本種は久留米白瓜を片親に早生で耐病、耐暑性の強い品種との一代交配種。 ・果実は25cm前後、径7〜8cm位の肉付きの良い円筒形で、重さ600〜800gの中型果。 ・果色は淡緑色で肉が厚く、肉質も適度に緊る。 ・果形の乱れが少なく果の揃い良好で、極めて豊産で、奈良漬用として最適の品種である。
たから越瓜
小林種苗株式会社
・耐病性・耐暑性が強く作りやすい一代交配の早生多収品種。 ・果実はかなり大きくなるが、揃いが良く良質。青果出しには 果長16~20cm、漬物には果長25cm位が良い。 ・茎は太く、葉は欠刻の少ない淡緑色の小葉になります。おかず味噌の材料に最適です。 ・標準播種期は2月中旬から3月、収穫は6月中旬から7月中旬になります。 ・ハウスの早だしから遅蒔きにも幅広く適応します。 [栽培のポイント] 1. 生育旺盛のため栽植密度は広く、10a当たり400~500本とする。 2. 整枝は親づるを本葉5~6枚で摘芯し、子づる4本仕立てとする。 子づるは7~8枚で摘芯し、子づるから出る孫づるの下から3芽は摘む。 その先の孫づるは放任で良い。 3. 形状不良果の摘果、収穫は過熟にならぬよう若摘を。 4. 漬け物用の大型果は一蔓一果に制限して収穫します。
久留米白瓜
中原採種場株式会社
中型果で強健な極早生種!! ■特性 ・本種は耐病、耐暑性、強健な極早生豊産種。 ・草姿は茎は太く、欠刻の少ない小葉で淡い緑色を呈す。 ・果は中玉の20cm前後で良く揃い円筒形の淡緑色でうつくしい。 ・果肉は緻密で厚く(2.5〜2.8cm)、歯切れよく一種の香りがあり、浅漬用、奈良漬用に適する。