果実・収量特性

多収のシュンギク品種一覧 全14種類

多収性シュンギク 多収性シュンギクとは 多収性シュンギクとは、同じ栽培面積・栽培期間において、一般的な品種と比較して収穫量が多く得られる性質を持つシュンギク品種の総称です。 シュンギク(春菊、Glebionis coronaria)の収穫量

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多収について

多収性シュンギク

多収性シュンギクとは

多収性シュンギクとは、同じ栽培面積・栽培期間において、一般的な品種と比較して収穫量が多く得られる性質を持つシュンギク品種の総称です。

シュンギク(春菊、Glebionis coronaria)の収穫量は、品種の持つポテンシャルと栽培管理の組み合わせで決まります。「多収性」と呼ばれる品種は、以下のような特性のいずれか、またはその組み合わせによって高い収穫量を実現します。

一つ目は、1株あたりの葉量が多い特性です。葉が大きく展開しやすい品種や、葉枚数が多い品種は、1株からの収穫量が増えます。二つ目は、脇芽の発生が旺盛で、摘み取り型スタイルでのリレー収穫回数が多い品種特性です。一度摘み取った後の回復が早く、次の脇芽が素早く伸長することで、同じ期間内の総収穫量が増えます。三つ目は、生育スピードが速く、1作の栽培日数が短い品種です。同じ期間内に回転数を増やすことで、面積あたりの年間収穫量が増える効果があります。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、「多収性」の定義は種苗メーカーや産地によって異なります。カタログで「多収」と記載されていても、その根拠となる比較試験の条件(比較品種・栽培環境・収穫方式)を確認することが、品種選定時の重要なポイントです。

多収性のメリット

多収性シュンギクの導入が経営にもたらすメリットは、収益性の向上と労働効率の改善の2つが主なものです。

経営面では、面積あたりの収穫量が増えることで売上の増加が期待できます。特に、生産コスト(農地・資材・労働力)の多くが面積比例であることを考えると、収穫量を増やすことが費用対効果の向上に直結します。市場価格が安定しているシュンギクにおいては、数量の確保が経営安定の基本です。

摘み取り型の多収品種では、長期間にわたって収穫が続くため、人件費の平準化や安定出荷にも貢献します。一括収穫の株張り型と比較すると、作業が分散されるため、収穫期の繁忙集中を緩和できるという経営メリットもあります。

また、多収性品種は生育力が旺盛な場合が多く、栽培の安定性(環境ストレスへの耐性)にも優れていることがあります。生育が旺盛な品種は、ある程度の環境変動(一時的な気温上昇・水分ストレス等)に対しても回復力が高い傾向があり、安定した品質と収量を維持しやすいことがあります。

多収性の方向性と品種の傾向

多収性シュンギクには、その多収のメカニズムによっていくつかのタイプがあります。品種選定の際には、どのメカニズムによる多収なのかを理解したうえで、自分の栽培スタイルに合ったタイプを選ぶことが重要です。

摘み取り型での多収タイプ: 脇芽の発生力が旺盛で、収穫後の再生が早い品種です。関西の大葉系摘み取り型品種に多く見られ、1株から5〜7回程度の収穫が可能な品種もあります。リレー収穫の間隔が短く、トータルの収穫量が多くなります。実在確認済みの品種としては、大葉春菊やふくすけ春菊(中原採種場株式会社)などが摘み取り多収タイプとして評価されています。

株張り型での多収タイプ: 株全体の葉量が多く、1株あたりの可食部重量が多い品種です。茎が太く充実していて株の仕上がりが重く、束重を確保しやすい特性があります。関東の中葉株張り型品種の中に、収量性が高いとされる品種が複数存在します。

生育が速い短期多収タイプ: 播種から収穫までの期間が短く(例えば一般品種の35〜40日に対し25〜30日程度)、同じ期間内の作付け回転数を増やすことで面積あたり年間収量を増やすタイプです。ハウス周年栽培との相性が良く、回転率重視の生産スタイルに向いています。

栽培のポイント

多収性品種のポテンシャルを最大限に引き出すためには、品種に合った栽培管理が前提です。

播種・定植については、多収を維持するためには安定した発芽率の確保が出発点です。播種前の土壌水分の調整と、発芽温度(15〜20℃)の管理が重要です。

施肥管理は多収性品種において特に重要です。旺盛な生育をサポートするために、窒素・リン酸・カリのバランスの取れた施肥が必要ですが、窒素の過剰施用は葉の軟弱化・病害リスクの増加・食味の低下につながります。元肥・追肥のバランスを取りながら、生育ステージに合わせた施肥が多収実現の基本です。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。多収性品種は生育力が強いため、密植による徒長や通気不良が起きやすい側面があります。多収品種だからと欲張って栽植密度を増やしても、通気性の悪化で病害が増えたり株の仕上がりが不均一になったりと、逆効果になることがあります。品種の特性に応じた適正な栽植密度を守ることが、安定した多収の鍵です。

摘み取り型の多収品種では、収穫後の追肥タイミングが次の収穫量に直接影響します。摘み取り直後に適量の追肥を施すことで、脇芽の回復と伸長を促すことができます。

病害虫については、旺盛な生育と高い収量を維持するためにも、早期発見・早期防除が重要です。斑点病・根腐病・アブラムシ類が主な対象です。

品種選びのコツ

多収性シュンギクの品種を選ぶ際は、単に「多収」という表記だけでなく、以下の観点を確認することが大切です。

  • 多収のメカニズム: 摘み取り型の多収か、株張り型の多収か、生育速度によるものかを確認し、自分の収穫スタイルと一致する品種を選ぶ
  • 食味・品質との両立: 多収を優先した品種の中には、食味が通常品種より劣ることがある場合があります。カタログや試作で食味も確認する
  • 病害耐性: 多収品種は旺盛な生育の分、病害への管理が重要です。産地で多発しやすい病害への耐性の有無を確認する
  • 作型との適合: 夏秋作での多収を狙うなら耐暑性との組み合わせが重要。多収性と耐暑性を兼ね備えた品種の確認が必要です
  • 試作期間の設定: 多収性の効果は栽培環境によって大きく変わります。本格導入前に自産地での試作を行い、実際の収量・品質を確認してから判断することが重要です

まとめ

多収性シュンギクは、同じ栽培条件でより多くの収穫量を得られる品種群であり、経営の効率化と安定出荷に貢献します。多収のメカニズムは品種によって異なり、摘み取り型での脇芽旺盛タイプ、株張り型での葉量豊富タイプ、生育速度型の短期多収タイプなど、複数の方向性があります。

品種選びでは「多収」という表記に加え、多収のメカニズムと自分の栽培スタイルとの一致を確認することが重要です。多収と食味・耐病性のバランスを総合的に判断し、試作で自産地での適性を確認してから本格導入することが、安定した多収シュンギク生産への確実なアプローチです。

ミノリスの品種ページでは、多収性シュンギクタグが付いた品種の一覧を確認できます。品種ごとの特性を比較しながら、経営スタイルに合った品種選びにご活用ください。

14品種 表示中
さとゆたか

さとゆたか

株式会社サカタのタネ

べと病に強く良品多収の早生中葉シュンギク ■特性 ● 摘み取り栽培に適する早生多収の中葉シュンギク。節間の詰まった草姿で、葉形はよくそろい、側枝の出がよい。 ● べと病に非常に強く、初夏から初秋の激発期にも安心して栽培できる。 ● 一度に摘み取り過ぎないように注意する。 ■適応性 生育期間が短く、4月上旬~10月上旬まで露地栽培の播種が可能です。6~8月播種は多雨期のため軟腐病やべと病が多発しやすいので雨よけ栽培をおすすめします。トンネル栽培では2月下旬~3月中旬まきに適します。トンネル、ハウス栽培では9月中旬~10月上旬まき、冬から早春どりの摘みとり栽培にも適しますが、1月中旬以降の収穫にはハウス栽培の方がよいです。 ■肥培管理 直まき栽培では、10a当たり春・夏まきは窒素、リン酸各10㎏、カリ7㎏、秋まきは窒素、リン酸15㎏、カリ12㎏を元肥に施します。ハウス栽培では、速効性と緩効性の肥料を混ぜ、元肥に窒素20㎏、リン酸40㎏、カリ17㎏を標準として、窒素とカリの同量を3~4回に分けて追肥として施します。いずれの作型でも硝酸石灰を10a当たり20~40㎏元肥に施用すると、芯黒(カルシウム欠乏症)対策になります。 ■播種 直まき栽培で根付きで出荷する場合には最終的に12×3㎝、摘みとりの場合は15×5~6㎝になるように間引いて、均一な生育をさせます。 4月上旬~5月中旬まきは、抽苔しやすい作型になるので株間を広くとり、軟弱徒長を抑え、しっかりと生育させ、抽苔が早まらないように注意します。7月中旬から9月上旬まきは、高温と乾燥のため発芽が悪くなりやすいので、播種前に約60分吸水させた後冷蔵庫に入れ、5℃前後で18~24時間低温処理してから夕方ごろに播種すると、発芽率が高まり生育のそろいがよくなります。 ■育苗・育苗管理 有機質に富む床土を用いて9㎝の条まきにし、株間を2~3㎝とり、徒長させず根張りのよい健苗育成に努めます。本葉4~5枚で17×15㎝に定植します。 ■病害虫防除 べと病には強いですが、密植を避け、通風をよくします。 ■収穫 摘みとり栽培は、23~24㎝が出荷する長さなので株元の4芽を残して収穫します。

中葉春菊

中葉春菊

タキイ種苗株式会社

側枝が多く葉肉が厚い、香りのよい中葉種! ■特長 ・側枝が多く発生する中葉の多収種。 ・生育は旺盛で耐寒性にすぐれ、栽培容易。 ・葉は切れ込みが深く、葉肉が厚くて、やわらかで香りが高い。 ・長期の摘みとり栽培と、根つき束ね出荷の、いずれも可能。 ■栽培の要点 ・均一な土づくりと適度な潅水で、一斉発芽を心掛ける。 ・条間20〜25cmで条まきし、本葉5枚までに株間15〜20cm間隔とする。 ・肥料は元肥主体とするが、摘みとり栽培では収穫の度に追肥を行う。 ・春まきは抽苔するので、早めに収穫する。

大江戸(おおえど)

大江戸(おおえど)

株式会社武蔵野種苗園

側枝発生の多い摘みとり種 特性 ●主として露地栽培に適した中葉種、奈良系に比べ節間短く側枝の発生が多い、多収品種である。 ●冬期ハウス栽培と夏蒔き(7~8月)は不向きで、これ以外の時期に最高の特性を発揮する。 栽培のポイント ●株を十分に充実させてから主枝の摘みとりを行う。 ●ハウス・トンネル栽培では換気を十分に行う。

大葉春菊F

大葉春菊F

山陽種苗株式会社

多収型のおたふく系春菊 ■特性 ・広島近郊で栽培されていた系統の大葉春菊。 ・葉は切れ込みの少ない大葉で、秋〜早春播きに適している。 ■栽培のポイント ・冬場の播種はやや広めにし、光を充分に当てるようにする。 ・耐暑性はないので春播きの栽培では、日中高温にならないよう換気に注意する。 春菊のアパッチコート種子 ★春菊の種子の果皮を取り除いた種子(ネーキッド)を種子消毒し、薄いペレットコート加工(アパッチコート)したものです。 ★従来の生種子に比べると、発芽率が高く一斉発芽するメリットがあります。 ■【適した栽培型】 ・発芽率が高くなった分、播種機(ごんべえ等)やシーダーテープの利用ができ、間引き作業等の農作業の省力化が可能です。 ・一斉発芽しますので水耕栽培での利用にも向いています。

株張中葉(No.55)

株張中葉(No.55)

株式会社タカヤマシード

分枝力旺盛な株張中葉 ■特性 1.側枝の発生力が旺盛で、株張りが極めてよい、揃い抜群の多収品種。 2.葉は濃緑色で肉厚く、欠刻は従来の中葉新菊よりやや少なく葉片は大きい。 3.発芽後10日ぐらいすると側枝が2~3本発生して株張りとなり、適期播種では40日ぐらいで収穫期に達する。 4.周年栽培が可能であるが、通常露地で4~5月まきと8月中旬~10月まきが最適で、雨よけハウスで6~8月まき、厳寒期のハウス・トンネル栽培にも適する。(従来の中葉新菊より抽苔が極めて遅く春まきにも適する ■ポイント 1.種子消毒と催芽処理をして播種し、覆土は薄めにして発芽を揃え、適宜間引きを行う。 2.施肥は元肥主体に施し、生育の状態により液肥で追肥する。 3.ハウス・トンネル栽培では、高温多湿にならないよう換気に注意する。

さとあきら

さとあきら

株式会社サカタのタネ

栽培しやすく良品多収の中葉シュンギク ■特性 ● 初期より生育が早く収量が多い早生の中葉シュンギク。葉軸の色は濃緑でテリがあり、荷姿が美しい。 ● べと病に強く、石灰欠乏症が出にくい。トンネル、ハウスでの摘みとり栽培に適する。 ● 側枝がよく出る。

たつなみ春菊

たつなみ春菊

中原採種場株式会社

低温伸長性があり、揃い抜群の中太葉系!! ■特性 ・本種は従来の博多改良中葉春菊を更に改良した極早生豊産種。 ・特に低温伸長性があり揃い、収量、品質を改良した理想の中太葉種。 ・草姿は旺盛で耐暑・耐寒性に強く、ハウスの抜き取り出荷には最高の特性を発揮する。 ・耐病性は、芯枯病、炭ソ病、ベト病に強く作り易い。

なべ奉行 シュンギク

なべ奉行 シュンギク

株式会社渡辺採種場

秋冬どり、夏どり栽培におすすめの中葉系多収種! ■特性 ・一般種に比べて低温でも生育旺盛で、秋冬どり栽培に好適な中葉系シュンギクです。 ・比較的晩抽で葉色が濃く、高温期でもボリュームが出やすく夏どり栽培にも適しています。 ・葉肉が厚く、側枝の発生が良い摘み取りタイプで、収量性が高いです。 ・葉先の揃いに優れ、見栄えが良く、食味も良好でサラダにも適します。

ふくすけ春菊

ふくすけ春菊

中原採種場株式会社

晩抽性で揃いの良い、丸葉系おたふく春菊!! ■特性 ・耐暑、耐寒性があり、淡緑色で極大葉の抽苔の遅い丸葉系おたふく春菊。 ・草姿は半立性で、葉は厚肉でやわらかく、香気に富み、市場性の高い良品が多収できる。 ・生育は旺盛で、側枝の発生力は強く、栽培はいたって容易で、露地とハウスで周年出荷が可能。 ・根つきの束ね出荷及び摘とり出荷に好適。

博多改良中葉春菊(村田系)

博多改良中葉春菊(村田系)

中原採種場株式会社

伸長力の強い中太葉シュンギク!! ■特性 ・ハウスや露地栽培で収量の多い伸長タイプ。 ・草勢は旺盛で耐暑、耐寒性に強く、ハウスの抜き取り出荷には最高の特性を発揮する早生豊産種。 ・葉色は淡緑色の光沢の強い、大葉と中葉の中間の中太葉種。 ・耐病性は、芯枯病、炭ソ病、ベト病にかなり強く作り易い。

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