病害耐性

斑点病耐性の大玉トマト品種一覧 全67種類

斑点病耐性大玉トマト 斑点病とは 斑点病は、糸状菌のStemphylium spp.(ステンフィリウム属菌)によって引き起こされるトマトの病害です。施設栽培・露地栽培の両方で発生しますが、施設栽培の普及した産地で特に問題になることが多く、下

斑点病耐性について

斑点病耐性大玉トマト

斑点病とは

斑点病は、糸状菌のStemphylium spp.(ステンフィリウム属菌)によって引き起こされるトマトの病害です。施設栽培・露地栽培の両方で発生しますが、施設栽培の普及した産地で特に問題になることが多く、下葉から上位葉へと被害が拡大する病害として知られています。

主な症状は、葉に形成される不整形〜円形の病斑です。初期は黄色いハローを伴う小さな斑点として現れ、拡大すると褐色〜暗褐色の壊死病斑になります。病斑の中心部が灰色〜白色になることもあります。病状が進行すると葉全体が黄化・落葉し、光合成能力の低下を招きます。果実には通常直接感染しませんが、早期落葉により果実が日射に直接さらされ、日焼け果の発生につながることがあります。

発生条件としては、温度20〜25℃前後の比較的温暖な条件と、高湿度・葉面結露が要因となります。施設内で換気が不十分な状態が続くと、発生リスクが高まります。また、葉かび病と同様に施設内での胞子飛散による感染拡大が問題になります。

意外と知られていないのですが、斑点病はその症状がマグネシウム欠乏症などの生理障害と混同されることがあります。正確な診断のためには、症状の現れ方や発生パターン、罹病葉の検鏡(胞子の確認)が参考になります。

斑点病耐病性の区分

斑点病(Stemphylium spp.)の耐病性は、カタログ上では「St」または「Ss」の略号で表記されることがあります。ただし、耐病性の表記方式は種苗メーカーによって異なるため、カタログの耐病性表の凡例を必ず確認することが重要です。

HR(高度耐病性)・IR(中程度耐病性)の区分は、他の病害耐病性と同様の概念が適用されます。斑点病耐病性の程度は品種によって差があり、「耐病性あり」という記載でも実際の耐病性レベルは品種間で異なります。

大玉トマトで斑点病耐病性を持つ品種は、ミノリスに登録された146品種中約67品種(約46%)です。萎凋病耐病性(約61%)に次いで比較的多くの品種が耐病性を持っており、施設栽培に対応した品種群では斑点病への耐病性を持つものが多い傾向があります。タキイ種苗の「CF桃太郎J」、サカタのタネの「かれん」「麗妃」「麗月」、ハウスパルトなどが代表的な耐病性品種として知られています。

品種選びで見落としがちなのが、斑点病耐病性の確認です。萎凋病・半身萎凋病への耐病性は確認するものの、斑点病はそれほど目立った病害でないと思われがちです。しかし、施設栽培で長期にわたって栽培を続けると、下葉の斑点病被害が蓄積して摘葉の手間が増えたり、落葉による品質低下につながることがあります。

斑点病耐病性育種の背景

斑点病は昭和期から施設トマト産地で発生が確認されてきましたが、萎凋病やトマト黄化葉巻病(TYLCV)ほど急激に社会問題化したわけではなく、比較的地味な病害として認識されてきました。

しかし、施設栽培の周年化・長期栽培化が進む中で、施設内の病原菌密度が高まりやすくなり、斑点病の被害が表面化する産地が増えてきました。特に、下葉処理(摘葉)作業の省力化が求められる現代の栽培体系において、斑点病による早期落葉は労力と品質の両面から無視できない問題になっています。

各種苗メーカーは施設向けの複合耐病性品種の開発において、萎凋病・半身萎凋病・葉かび病・斑点病などへの耐病性を組み合わせることを育種目標の一つとしてきました。CF桃太郎シリーズはその代表例であり、複数の病害への耐病性を一品種に集約することで、産地での防除負担を軽減することに貢献してきました。

耐病性の限界と注意点

ここからが実際の栽培で差がつくところです。斑点病耐病性品種を選んでも、高湿度の施設環境下では発病リスクが完全になくなるわけではありません。

Stemphylium spp.は複数の種が存在し、地域や施設によって優勢な系統が異なることがあります。特定の系統に対して耐病性を持つ品種でも、別の系統には感受性を持つ可能性があります。

また、斑点病の耐病性は葉かび病・萎凋病・半身萎凋病・根腐萎凋病・ネコブセンチュウなど他の病害の耐病性とは独立したものです。斑点病耐病性を確認したからといって、他の病害への対策が不要になるわけではありません。複数の病害が問題になる産地では、各病害への耐病性をカタログで個別に確認する作業が重要です。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、斑点病が深刻な産地では施設の老朽化・換気不足・密植が複合的に絡んでいることが多く、品種の耐病性だけでは解決しきれないケースもあります。

防除のポイント

斑点病の防除においても、施設内の環境管理が最も重要な手段の一つです。高湿度・葉面結露を防ぐための換気管理を徹底することが、発病リスクを下げる基本的なアプローチです。

環境管理:

  • 施設の換気: 天窓・サイドカーテンを適切に開閉し、施設内の湿度を低下させます。朝の早い時間帯の換気開始が効果的です
  • 適正な栽植密度: 株間・条間を確保し、株の周囲の通気性を高めることで葉面の乾燥を促します
  • 灌水管理: 夕方遅い時間の灌水を避け、朝方に灌水を行うことで夜間の葉面湿度上昇を防ぎます

耕種的防除:

  • 罹病した下葉の摘葉・圃場外での処理: 発病した葉は胞子の供給源となるため、早期に除去します。摘葉した葉は圃場内に放置せず、施設外で適切に処理することが重要です
  • 輪作: トマト以外の作物との輪作により、施設内の菌密度低下が期待できます

化学的防除:

  • 斑点病の登録農薬による予防的な散布が有効です。発病初期からの対応と薬剤ローテーションが感受性低下菌の出現を防ぐ上で重要です

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

施設トマト産地での斑点病対策について、生産者からは「萎凋病やTYLCVほど激烈な被害が出るわけではないが、長期作になると下葉の斑点が増えてきて、摘葉の頻度が上がる」という声が聞かれます。被害が徐々に蓄積するタイプの病害であるため、問題として認識されるまでに時間がかかりやすい側面があります。

耐病性品種を導入した産地では「下葉の斑点が減ったことで摘葉作業の労力が軽減された」という効果を実感している生産者がいます。特に高齢化が進み、作業省力化が課題となっている産地では、斑点病耐病性品種の導入が作業負担の軽減に貢献しているとの報告があります。

また、換気設備の改善と耐病性品種の組み合わせが最も効果的という現場の知見も蓄積されています。品種の耐病性と施設環境の改善を合わせて取り組むことで、より安定した効果が得られるとされています。

まとめ

斑点病はStemphylium spp.が引き起こすトマト病害で、施設内の高湿度条件下で発生しやすい傾向があります。葉かび病とは病原菌が異なりますが、発生環境の条件(高湿度・施設内環境)は共通しており、同様の環境管理が防除に有効です。

大玉トマトでは登録146品種中約67品種(約46%)が耐病性を持ちます。施設栽培で長期作を行う生産者にとっては、摘葉作業の省力化や品質維持の観点から確認が有効な耐病性です。品種選びの際は、萎凋病・葉かび病など他の施設病害の耐病性とあわせて確認し、換気管理・適切な摘葉・必要な薬剤防除を組み合わせることが安定した栽培の基盤となります。

斑点病耐病性を持つ大玉トマトの品種一覧は、ミノリスの品種検索からご確認いただけます。

67品種 表示中
れおん®

れおん®

株式会社サカタのタネ

硬玉で裂果に強くて秀品率が高い、食味のよい促成・夏秋栽培向け大玉トマト ■特性 1. 萎凋病(F:R-1,2)、ToMV※1(Tm-2a型)、半身萎凋病、葉かび病、斑点病に抵抗性があり、ネマトーダに耐虫性がある。 2. 草勢は中程度で、栽培の後半までスタミナがある。チャック果、窓あき果、空洞果、すじ腐れ果の発生が少なく、秀品率が高い。 3. 果実は豊円で果色・色回りが優れ、硬玉で日持ちがよい。裂果の発生も少なく、赤熟収穫が可能。 4. 果実の肉質がよく、糖度が上がりやすいので食味が優れる。 5. 着果性がよく、安定して果実の肥大力があり、多収。 ■適応性 本品種は促成・夏秋栽培の作型に最も適し、抑制栽培も可能です。 ■播種・育苗管理 播種床の地温は25~28℃とし、播種後14日くらいの本葉1.5枚時に移植を行います。葉と葉が接触するころに苗広げを行い、育苗面積を十分に確保します。肥料不足の時は、液肥などで追肥をしてください。 ■定植準備 作付け前に圃場の土壌診断を行い、適正な肥料設計を立てます。元肥量は、圃場により異なりますが、10a当たりの成分量で、窒素12~15kg、リン酸15~20kg、カリ15~20kgを標準とします。 ■定植・栽培管理 定植は、がく割れから第1花開花前ごろを基本とします。極端な若苗の定植は行わないでください。 灌水は、第1段着果から果実肥大期ごろを目安に行い、初期からスムーズに生育させます。 追肥は、3~4段花房が開花するころを目安に草勢を見て行います。 ■病害虫防除 青枯れ病の汚染圃場では「グランシールド」「アシスト」「シャットアウト」などの台木品種を用いて、接木栽培を行うようにしてください。また、CMV※2・TSWV※3・TYLCV※4に対する耐病性はないので、アブラムシ、アザミウマ、コナジラミなどの防除を徹底します。 ■栽培上の注意点 ・草勢は中程度でスタミナのある品種です。着果性がよく、低段から果実の肥大もよいので、草勢の維持がポイントとなります。 ・初期の草勢が強過ぎると、異常茎が発生することがあるので、極端な若苗定植は行わないでください。 ・節間がやや詰まり、葉が大きい品種なので、日射量の少ない厳寒期は、摘葉・玉だしを行い、果実温を確保し、果実肥大、着色を促します。 ・乾燥気味の水分管理では、果実が十分に肥大せず、小玉傾向になりやすいので、やや多めに灌水を行います。 ・果実が硬く、日持ちのよい、赤熟収穫向き品種ですが、強日射や圃場の乾燥、窒素過剰により、同心裂皮が発生することがあるので注意してください。 ・葉先枯れが少ないため、灰色かび病に比較的強いです。また、葉かび病抵抗性で農薬散布をかなり軽減できます。一方で疫病、すすかび病、うどんこ病などの防除は怠らないようにしてください。

CF桃太郎J

CF桃太郎J

タキイ種苗株式会社

葉かび病に強い、低温下で肥大力のよいおいしい「桃太郎」! ■特長 ・葉かび病(Cf9)の耐病性をもつ品種で、国内で発生している葉かび病のレースに安定した耐病性を示す。 ・低温・少日照下でも果実肥大力がすぐれる大玉完熟品種で、長期栽培にも適する。 ・果形は腰高豊円で肥大力にすぐれ、果重220~230g程度の大玉になる。 ・果色は美しい濃桃色で食味もたいへんよい。 ・トマトモザイクウイルス(Tm-2a型)、萎凋病レース1(F1)、根腐萎凋病(J3)、半身萎凋病レース1(V1)、葉かび病(Cf9)、斑点病(LS)、サツマイモネコブ線虫(N)に複合耐病虫性。 ■栽培の要点 ・果実の肥大がよいので、長期栽培では定期的に追肥を施し、草勢維持に努める。

麗妃

麗妃

株式会社サカタのタネ

黄化葉巻病耐病性で食味良好 秀品率の高い、抑制・促成栽培向け大玉トマト ■特性 1.萎凋病(F:R-1,2)、根腐萎凋病、ToMV(Tm-2a型)、半身萎凋病、葉かび病、斑点病に抵抗性でネマトーダに耐虫性、TYLCV(トマト黄化葉巻病イスラエル系統、マイルド系統)に耐病性の赤熟出荷向き大玉トマト。 2.草勢は中程度。早生で栽培の後半までスタミナがある。チャック果、窓あき果、空洞果、すじ腐れ果の発生が少なく秀品率が高い。春先の軟化玉の発生も少ない。 3.果実は豊円腰高で果形の安定度も極めて高い。果色・色まわりが優れ、秀品率が極めて高い。裂果の発生が少なく、極硬玉で日持ちがよいため赤熟収穫が可能。 4.食味は肉質良好で、甘酸のバランスがよい。 5.着果性がよく、下段より果実の肥大力があり、多収。 ■適応性 抑制栽培および促成栽培に最も適し、半促成栽培も可能。 ■育苗・育苗管理 播種床の地温は25~28℃とし、播種後14日前後の本葉1.5枚時に移植を行います。葉と葉が接触するころに苗広げを行い、育苗面積を十分にとります。肥料不足の時は液肥等で追肥を行います。 ■定植準備 作付け前に圃場の土壌診断を行い、適正な肥料設計を立てます。元肥量は圃場により異なりますが、10aあたり成分量で窒素12~15kg、リン酸15~20kg、カリ15~20kgを標準とします。 ■定植および定植後の管理 定植は、がく割れ~第1花開花ころを基本とし、極端な若苗定植は避けるようにします。灌水は、第1段着果~果実肥大期ころを目安に行い、初期からスムーズに育成させます。追肥は4段花房開花ころを目安に草勢を見て行います。 ■病害虫防除 青枯れ病の汚染圃場では、「バックアタック」、「フレンドシップ」、「ブロック」などを用いて接木栽培を行います。また、CMV、TSWVに対する耐病性はなく、TYLCVに対しても保毒型耐病性なので、アブラムシ、アザミウマ、コナジラミなどの防除を徹底します。 ■栽培上の注意点 ・草勢が中程度でスタミナのある品種ですが、着果性が優れ、低段から果実の肥大もよいので、草勢の維持がポイントとなります。 ・灌水不足は尻腐れ果の発生を助長するので、天候に合わせて、少量多回数の灌水管理を行うとよいでしょう。 ・果実が硬く、日持ちのよい、赤熟収穫向き品種ですが、強日射や圃場の乾燥、窒素過剰により、栽培初期に同心裂皮が発生することがあるので注意します。 ・厳寒期でも比較的採光性のよい品種ですが、果実が葉で覆われることがあるので、玉だし作業を実施します。葉かび病抵抗性で農薬散布をかなり軽減できますが、疫病、すすかび病、うどんこ病などの防除を怠らないようにしましょう。

桃太郎ピース

桃太郎ピース

タキイ種苗株式会社

硬玉で食味のよいTYLCV耐病性品種! ■特長 ・トマト黄化葉巻病(TYLCVマイルド、イスラエル両系統)に安定した耐病性を示す。 ・抑制栽培を中心とした高温期から始まる作型に向く早生種。 ・草勢は中程度で葉先枯れの発生が少ない。短節間のため誘引作業が軽減できる。 ・果形は腰高豊円で果重220g程度の大玉になる。 ・熟期は早生で糖酸比のバランスがよく良食味。 ・トマト黄化葉巻病(Ty-3a型)のほか、トマトモザイクウイルス(Tm-2a型)、萎凋病レース1(F1)およびレース2(F2)、根腐萎凋病(J3)、半身萎凋病レース1(V1)、葉かび病(Cf9)、斑点病(LS)、サツマイモネコブ線虫(N)に複合耐病虫性。 ■栽培の要点 ・トマト黄化葉巻病耐病性は、ウイルス増殖抑制型の無病徴感染タイプのため、媒介するタバココナジラミの通常防除が必要。 ・水分要求量が高いので高温期は極端な乾燥を避け、定期的な潅水を行う。

桃太郎ホープ

桃太郎ホープ

タキイ種苗株式会社

低温伸長性にすぐれるトマト黄化葉巻病耐病性の早生種! ■特長 ・トマト黄化葉巻病(TYLCVイスラエル、マイルド両系統)に安定した耐病性を示す。 ・中程度の草勢で、促成・抑制長期栽培に適した低温性にすぐれる冬春向けの早生種。 ・果形は腰高豊円で果重220g程度の大玉品種。低温期でも着果・肥大がよい。 ・熟期は早生で糖酸比のバランスがよく良食味。 ・トマト黄化葉巻病(Ty-3a型)のほか、トマトモザイクウイルス(Tm-2a型)、萎凋病レース1(F1)およびレース2(F2)、根腐萎凋病(J3)、半身萎凋病レース1(V1)、葉かび病(Cf9)、斑点病(LS)、サツマイモネコブ線虫(N)に複合耐病虫性。 ■栽培の要点 ・トマト黄化葉巻病耐病性は、ウイルス増殖抑制型の無病徴感染タイプのため、媒介するタバココナジラミの通常防除が必要。 ・初期草勢がやや強いため、元肥量は控えめに施し、追肥主体の肥培管理を行う。

豊作祈願1103

豊作祈願1103

トキタ種苗株式会社

収量・秀品率重視のProjectTY大玉。節間が短く、早生で、果実が大きい。周年各作型に適性高い ■特性 病気については、トマトモザイクウィルス2a、萎凋病レース1、2、葉かび病抵抗性、TY耐病性、斑点病耐病性。 現在販売されているTY品種の持つ問題 1)晩生で収穫時期遅れ 2)節間が長く誘引が大変。ハウスの低い生産者では誘引ができず生育期間が限られる。 3)また高温に弱く初期果実が小さい こういった諸問題を解決した品種 ■栽培上の注意 草勢が強いので、元肥は少な目で栽培を開始し、追肥主体でコントロールします。 目安としては、海外から導入したTY品種を従来栽培されている場合は、その施肥設計より3〜5割少なく設定します。施肥量は、前作の残肥、品種により調整が必要です。 潅水についてこまめな潅水が秀品率のアップ及び収量性アップにつながります。花数は多めですので、摘花が必要です。

はれぞら

はれぞら

ヴィルモランみかど株式会社

果実肥大優れ、硬玉で食味の良い黄化葉巻病耐病性品種 ■特徴 タイプ 大玉 (トマト) 耐病性 IR : B:青枯病, N:ネコブセンチュウ(ネマトーダ), ToMV Tm-2a:トマトモザイクウイルス(Tm因子型:Tm-2a), TYLCV:トマト黄化葉巻病, F1:萎凋病レース1, F2:萎凋病レース2, V1:半身萎凋病レース1, CL:葉かび病(Cf9), LS:斑点病 おすすめポイント ①栽培しやすい 安定した草勢維持と黄化葉巻病耐病性 ②高い収量性 果実肥大が優れ、果形が安定 ③流通性 玉質が硬く、輸送性・店もちがよい ④おいしい 糖酸のバランスが良い食味   特性 草勢:中強 果重:220g前後 花数:6-8 果色:濃桃 果形:豊円 裂果:極少 適応作型 夏秋 抑制 促成 半促成 ■品種の特性 草姿 1. 草勢は中強で、厳寒期の草勢が維持しやすい。 2. 中葉で節間長は中程度。 3. 早生の品種で花数が安定。 4. 1花房あたり花数は6-8花で、安定した着果性を示す。 果実 1. 果肉は厚く食感が良い。食味は糖酸バランスとれており、コクもあり美味しい。 2. 濃桃色の豊円形となり、花落ちが小さく外観が美しい。 ■栽培のポイント ① は種・育苗  極度な潅水は避け、細やかな管理を行う。鉢上げの際は10.5cm以上のポットを使用する。苗ずらしは葉が重ならないように適宜行う。 ② ほ場準備  事前にほ場の土壌診断を行い、適正な肥料設計を行う。土壌条件や残肥の量により異なるが、元肥量の目安は窒素成分で10aあたり8-10kg、リン酸15-20kg、カリ15-20kgとする。草勢のバランスを良くするために緩効性肥料や有機質肥料の使用が望ましい。 ③ 定植・栽培管理  定植は第一花房第一花の開花始めを目安に行う。初期生育が旺盛な品種のため、セル苗定植など極端な若苗定植は避ける。活着後は潅水を控え、根張りを良くし、過繁茂にならないように注意する。低段花房はホルモン処理などによって確実に着果させる。第三段花房が開花し始め頃から生育にあわせて潅水量を増やしていく。  追肥は草勢を見ながら第三花房開花頃に開始する。目安として、10日から20日間隔で、1回10aあたり窒素成分で1.0-1.5kgとする。着果負担のピーク(第4段花房開花から第6段花房開花頃まで)頃からは徐々に追い上げていくが、肥料は急激に効かせるのではなく、途切れずに効き、草勢維持できるように工夫する。液肥を潅水に用いる場合、濃度を薄くして回数を多く施す。  本品種は低温期の肥大性が良くカリウム要求性の高い品種である為、葉先枯れを生じることがある。特に着果負担のかかる厳寒期には、カリウム成分の高い肥料で追肥を行うことで葉先枯れの予防を行う。  本品種は低温下で土壌水分過剰や窒素過剰になると、急激に草勢がつき、果形が乱れる恐れがある。その為12℃~14℃の夜温を確保し、少量多回数潅水を心がける。

かれん

かれん

株式会社サカタのタネ

黄化葉巻病耐病性で食味良好。節間が詰まる抑制栽培向け品種 ■特性 1.萎凋病(F:R-1,2)、ToMV(Tm-2a型)、半身萎凋病、葉かび病、斑点病に抵抗性でネマトーダに耐虫性、黄化葉巻病(TYLCVイスラエル系統、マイルド系統)に耐病性の赤熟出荷向き大玉トマト。 2.草勢は中程度、栽培の後半までスタミナがある。チャック果、窓あき果、空洞果、スジ腐れ果の発生が少なく、秀品率が高い。 3.果実は豊円で果色・色まわりに優れ、硬玉で日もちがよい。裂果の発生が少なく、赤熟収穫が可能。 4.果実の肉質がよく、糖度が上がりやすいので食味が特に優れる。 5.着果性がよく、下段より果実の肥大力があり、多収。 ■適応性 抑制栽培に最も適し、促成・半促成栽培も可能です。 ■育苗・育苗管理 播種床の地温は25~28℃とし、播種後14日くらいの本葉1.5枚時に移植を行います。葉と葉が接触するころに苗広げを行い、育苗面積を十分にとります。肥料不足のときは液肥などで追肥を行います。 ■定植準備 作付け前に圃場の土壌診断を行い、適正な肥料設計を立てます。元肥量は圃場により異なりますが、10aあたり成分量で窒素12~15㎏、リン酸15~20㎏、カリ15~20㎏を標準とします。 ■定植および定植後の管理 定植はがく割れ~第1花開花前ごろを基本とし、極端な若苗定植は避けるようにします。灌水は、第1段着果~果実肥大期ごろを目安に行い、初期からスムーズに生育させます。追肥は3~4段花房開花ごろを目安に草勢を見て行います。 ■病害虫防除 青枯病の汚染圃場では、「シャットアウト」、「アシスト」、「バックアタック」などを用いて接木栽培を行います。また、CMV、TSWVに対する耐病性はなく、TYLCVに対しても保毒型耐病性なので、アブラムシ、アザミウマ、コナジラミなどの防除を徹底してください。 ■栽培上の注意点 ・草勢が中程度でスタミナのある品種であるが、着果性がよく、低段から果実の肥大もよいので、草勢の維持がポイントとなります。 ・灌水不足は尻腐れ果の発生を助長するので、天候に合わせて、少量多回数の灌水管理を行います。 ・果実が硬く、日持ちのよい、赤熟収穫向き品種であるが、強日射や圃場の乾燥、窒素過剰により、栽培初期に同心裂皮が発生することがあるので注意してください。 ・節間が詰まる品種なので、厳寒期は摘葉、玉出しを行い、果実温を十分に確保します。 ・葉先枯れが少ないため、灰色かび病に比較的強く、葉かび病抵抗性で農薬散布をかなり軽減できるが、疫病、すすかび病、うどんこ病などの防除を怠らないようにしましょう。 ・低日射、低温管理で肥大した果実は果形が平玉になりやすく、特に2月以降、日中のハウス内温度が高く、灌水が不足すると、果実の肥大不良により、果実尻部がへこむ場合があるので注意してください。

ハウスパルト

ハウスパルト

株式会社サカタのタネ

単為結果性で食味のよい促成栽培向け大玉トマト ■特性 1.萎凋病(F:R-1)、根腐萎凋病、ToMV(Tm-2a型)、半身萎凋病、葉かび病、斑点病に抵抗性でネマトーダに耐虫性の赤熟出荷向き単為結果大玉トマト。 2.単為結果性があり、着果が安定しているため、ホルモン処理やマルハナバチを使った受粉作業が軽減できる。 3.草勢は中程度で、栽培の後半までスタミナがある。チャック果、窓あき果、空洞果、すじ腐れ果の発生が少ない。 4.果実は豊円で果色・色まわりに優れ、硬玉で日持ちが非常によい。 5.果実の肉質がよく、糖度が上がりやすいので食味が非常に優れる。 ■適応性 促成栽培、半促成栽培に最も適しています。 ■育苗・育苗管理 播種床の地温は25~28℃とし、播種後約14日の本葉1.5枚時に移植を行います。葉と葉が接触するころに苗広げを行い、育苗面積を十分にとります。肥料不足の時は液肥などで追肥を行います。 ■定植準備 作付け前に圃場の土壌診断を行い、適正な肥料設計を立てます。元肥量は圃場により異なりますが、10aあたり成分量で窒素15~20㎏、リン酸20~25㎏、カリ20~25㎏を標準とします。 ■定植および定植後の管理 定植は第1花ががく割れするころ~開花ごろを基本とし、極端な若苗定植は避けるようにします。灌水は、第1段着果~果実肥大期ごろを目安に行い、初期からスムーズに生育させます。追肥は4段花房開花ごろを目安に草勢を見て行う。 ■病害虫防除 褐色根腐れ病の汚染圃場では、「フレンドシップ」、「バックアタック」等を用いて接木栽培を行う。また、CMV、TSWV、TYLCVに対する抵抗性はないので、アブラムシ、アザミウマ、コナジラミ等の防除を徹底する。 ■栽培上の注意点 ・草勢が中程度でスタミナのある品種であるが、着果性がよく、果実の肥大もよいので草勢の維持がポイントとなる。 ・極端な若苗定植は異常茎、乱形果の発生を助長するので避ける。 ・単為結果性により着果性がよいので、花数が多い場合は草勢に応じて摘果を必要とする。 ・一番花に鬼花が発生しやすいので、鬼花になった場合、確実に摘花、摘果を行う。 ・抑制栽培など高温期の作型では、頂裂果(でべそ果)の発生を助長するので避ける。 ・葉先枯れが少ないため、灰色かび病に比較的強く、葉かび病抵抗性で農薬散布をかなり軽減できるが、疫病、うどんこ病、すすかび病等の防除を怠らないようにする。

マイロック

マイロック

株式会社サカタのタネ

極早生で多収、複合耐病性の赤熟出荷向き品種 ■特性 1. 萎凋病(F:R-1,2)、半身萎凋病、ToMV(Tm-2a 型)、葉かび病、斑点病に抵抗性で、サツマイモネコブセンチュウ、青枯病に耐病性の赤熟出荷向き品種です。 2. 草勢は中程度で異常茎の発生が少なく、若苗定植が可能です。極早生でスタミナもあるので栽培しやすく、収量があがります。 3. 果実は豊円腰高で極硬玉です。チャック果、窓あき果などの奇形果や空洞果の発生が極めて少ないので上物率が高いです。 4. 葉色濃く、葉先枯れなどの生理障害やすじ腐れ果の発生が極めて少ないです。 5. 食味は糖酸のバランスがよく、コクがあり極良です。 ■適応性 促成・半促成栽培に最も適し、抑制・夏秋栽培も可能です。 ■播種と育苗 播種床の地温は25~28℃とし、地温が高すぎる場合は、日中寒冷紗などで遮光します。移植は播種後12~14日くらいの本葉1.5 枚ごろに行います。灌水は毎日行い、夜温は10℃以下にならないように管理します。葉と葉が接触するころに鉢広げを行い、育苗面積を十分にとります。肥料不足のときは、液肥などで追肥を行います。 ■定植準備 前作後、必ず土壌診断を行い適正な肥料設計を立てます。堆肥は、必ず完熟堆肥を用い、圃場は十分に灌水を行います。元肥は圃場によって差異がありますが、10a当たり成分量で窒素15㎏、リン酸20㎏、カリ15㎏を標準とします。 ■定植および定植後の管理 定植は第1花開花ごろを基本としますが、極早生で果実の肥大がよい品種なので、やや若苗で定植して勢いをつけたほうがよいです。異常茎の発生も少なく、セル成型苗の直接定植も可能です。 定植時には育苗ポット、植え穴に十分灌水を行いスムーズに活着させます。第1回目の灌水、追肥は3段花房開花ごろを目安に行いますが、やや強めに草勢を維持したほうがよいです。低温期の追肥は、液肥の灌注、穴肥、葉面散布が有効です。初期の花数はやや少なめで、チャック果、窓あき果の発生が極めて少ないので、1段目を4果とする以外はほとんど摘果する必要がありません。晴天時のハウス内温度は、午前中25℃、午後3時ごろからは20℃、夕方15℃、夜温最低10℃を目安に管理を行います。 ■栽培上の注意点 ・ 低温期にやや果実が小さくなる傾向があるので、やや高めの温度管理を行ないます。 ・ 低段より果実の肥大がよいので、中段以降の草勢を維持し、追肥は少量多回数を基本とします。 ・ 高温期の多肥栽培は、低段でのまだら色果発生の原因となるので注意します。 ・ 極硬玉で日持ちがよく、赤熟収穫をします。高温期も未熟収穫はさけます。 ・ 低段や摘芯後の上段の果実は特に肥大がよいので、ハウス内湿度や土壌水分が安定するように的確に管理し、裂果防止を心がけます。

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